2007年3月19日 (月)

北の職人~木彫り熊に想いを刻む~

北海道放送 ラジオ局編成制作部 川井 晃ニ

北海道の観光民芸品として馴染み深い「木彫り熊」。

大正12年八雲町の農場経営者であった、故・徳川義親氏がスイスから民芸品を持ち帰り、これを手本に農民に冬期間の副業として作るようになったのが北海道での「木彫り熊」のはじまりと言われています。

今もなお、昔ながらの伝統を守りつつ受け継いでいる方がいます。「創作熊」を製作する堀井清美さん59歳。

ただ単に彫るだけではなく、表情のひとつひとつを大切にし、年齢、性別、性格、感情まで、熊の内面を表現。その想いを今日も一刀一刀、気持ちを吹き込んでいます。

2007年3月12日 (月)

今年はつかんでいます! ~姫路おでん~

ラジオ関西 報道制作部 田中 正和

兵庫県姫路市の「おでん」の食べ方は、関西の中でも特殊で、「しょうがじょうゆ」を使って食べます。

今年、兵庫県内でにわかに注目を浴びていますが、実は戦前から伝わる、オールドファッションナスタイルで、「姫路おでん」と言われながらも、実は姫路市内では、ごく当たり前のものなのです。

ご当地グルメが全国各地で話題になっていますが、この「姫路おでん」は昔から広まることもなく、消えることもなく、姫路の人だけが淡々と食べ続けています。

実際、食べた神戸のスタッフも、「おでんはカラシの方が良い」と言い出す始末。

きっと本当のご当地グルメというものは、そこで生まれ育った人間が、その育んだ味覚で美味しいと感じるものであって、万人受けをするように
なものではないのだなぁ…と、スタッフ一同、あらためて「食育」における地域性の大切さを感じました。

2007年3月 5日 (月)

道の途中~最高の一杯を求めて~

山陰放送 ラジオ局放送制作部 木野村 尚子

島根県安来市で「カフェ・ロッソ」を経営する、門脇洋之さんはワールドバリスタチャンピオンシップで、日本人として初めて準優勝した実力派バリスタです。

※バリスタ⇒直訳すると、イタリア語で「バール(カフェ)で働く人」。バリスタチャンピオンシップは、決められた時間内にドリンクを作り、審査員にふるまうもので、技術面と、プレゼンテーションの両面が、何項目にもわたって審査されます。(フィギュアスケートのよう)

今年1年は研究のため大会を休んで、来年再び挑戦する予定です。大会優勝は目標の1つですが、「おいしいコーヒー」の追求はまだまだ続くそうです。

※取材時にもおいしいエスプレッソ、カプチーノ…などなど味わってきました。自家製ケーキもおすすめです。

2007年2月26日 (月)

冬の華をもとめて~食の陣~

新潟放送 ラジオ局編成制作部 後藤 亜弥

今年で15回目を迎える食の陣は、12月1日~3月31日まで「食市座」とよばれる、お店で特別mrニューや食のおもしろ話が聞けるイベントもある。

メインイベントは2月10日・11日の2日間、新潟市内4ヶ所で行われる「当日座」である。ここでは新潟のあるとあらゆる食材を使った料理が出店に並んだ。

最初(第1回)食の陣では、ファッションショーも行われたそうだ。今年は、新潟の鍋をもっともっと発展させたい! ブランド鍋を作りたいとのことから創作鍋コンテストも行われ、盛り上がりをみせていた。

2007年2月19日 (月)

もちもちムーチー

ラジオ沖縄 制作報道部 宮田 隆太郎

沖縄では、旧暦の12月8日、ムーチーというおもちを作って、子どもたちの健やかな成長と家族の健康を祈り、ムーチーを食べる行事があります。

香り高い月桃の葉に包んだおもち…。見ているだけでも聞くだけでも食べたくなりました。ムーチーの取材をしたおかげで、ムーチー博士になってしまいました。

さて、ムーチー作りは保育園でよく行われるんですが、なんせ、ガキんちょが苦手な宮田隆太郎はあたふたしてしまいました。蹴られるわ、マイクはかじられるわ、おもちはくっつけられるわ…。

まだまだ独身でいようと、心に決めました。

2007年2月12日 (月)

かるたが育む生きる力

山梨放送 ラジオ局 安藤 尚之

山梨県甲斐市にある玉幡保育園では、教育の一環で、「かるた」を取り入れており、園児たちは、「かるた」に書かれた俳句やことわざに夢中です。

保育園ではこの時期、毎日恒例の「俳句かるた大会」を開催。「かるた」を通して、がんばることや集中力、聞く力を養っています。大会では、勝って大げさに自慢したり、負けてぐずる園児は1人もいませんでした。

礼儀正しく、ルールを守り、ずるをしないで、しっかりと競技を行っていました。大会後にインタビューした園児から出てきた言葉は、「ドキドキした」。

この言葉を聞いて、テレビゲームやマンガとは違う「人と人が向き合って」遊ぶことで、人との付き合い方や向き合い方に必要な感情が生まれていると感じました。

伝統の「かるた」は、「生きる力」を育む大切な遊びとして、今も生き続けています。

2007年2月 5日 (月)

地域の宝~氷口御祝(すがぐちごいわい)~を唄い継ぐ中学生たち

IBC岩手放送 ラジオセンター 関 芳樹

民話のふるさと岩手県遠野市の山あいに小友町氷口(すがぐち)という小さな集落がある。

ここに江戸時代末期から唄い継がれている「氷口御祝」という祝い唄がある。男女のグループが旋律の異なる唄を同時に唄い、同時に終わるという世にも珍しい唄である。

少子・高齢化で伝統文化継承に赤信号が灯る中、小友中学三年生全員11本がお年寄りの指導を受け、昨年春から課外活動の一環として「御祝」に取り組んできた。

そして1月13日、「小友地区新年交賀会」で“中学三年生の御祝”がオープニングを飾るという大役を仰せつかった。「氷口御祝」の長い歴史の中で初めての出来事だった。

おじいちゃん、おばあちゃんが着た羽織・袴や黒留袖に身を包んだ中学生たちは、晴れの舞台に臨んだ…。

2007年1月29日 (月)

先生の音に近づきたい~島田人形浄瑠璃三味線の音~

山口放送 ラジオ編制部 村田 俊子

山口県光市に伝わる県指定無形民俗文化財「島田人形浄瑠璃芝居」は、室町時代、島田の村に疫病が流行った際、病気の鎮静を願い、地域の神社に奉納されたのを起こりにしている。

竹本佳寿さん(75歳)は、語りと三味線の二役を受け持ち、保存会の中心的役割を果たしてきた。その竹本さんに、一昨年待望の後継者があらわれた。

光市に住む、門田早苗さん(53歳)だ。師匠の竹本さんは目が不自由なため、練習は、先生の音を聞きながらの採譜から始まった。

島田人形浄瑠璃芝居は、浄瑠璃の専門家によってではなく、そこに住む人々が、見よう見真似で習得し、継承してきた民俗芸能だ。

地域の芸能が、先生から弟子へ伝えられていくワンシーンを、音で伝えたいと思った。

二人の練習を間近で聞きながら、20年後、門田さんが竹本先生の年齢になるころ、門田さんはどのような浄瑠璃三味線弾きになっているのだろうと、愉しい想像を膨らませた。

2007年1月22日 (月)

校歌が替わった。新しい息吹をこの歌で!

和歌山放送 報道制作局 土橋 進

南紀の照合系高校の中心として40年余り親しまれてきた「新宮商業」の校名が今春。「新翔(しんしょう)高校」に変更されます。あわせて校歌も変更されることにより、紀州の歌を作り続けている2人の作詞・作曲家が新しいイメージを膨らませました。

現在の校歌を作ったのは作詞が、新宮出身の詩人・佐藤春夫、作曲は全国の校歌を作った平井康三郎のコンビです。40数年ぶりに新しい校歌の創作に取り組んだ2人の作家の思いと、春間近の「熊野」の喜びをお伝えします。

コンビで数百曲もの楽曲を作っている二人も、今回の校歌には特別な思いがあったようです。

お話しをうかがいながら、現校歌の作者の偉大さに敬意を払いながらも、末永く歌い継がれて欲しいと願う二人の作者の思いがひしひしと伝わってきました。

2007年1月15日 (月)

どぶろくにこめたふるさとへの想い

ラジオ福島 編成局放送部 松井 香保里

平成の大合併の波の中、独自の道を選んだ飯舘村。その村で自分も何かしなくてはいけないと、60歳の女性が立ち上がった。佐々木千栄子さんは1年かけて福島初のどぶろく製造免許をとる。

税務署関係の面倒な事務手続き、精神的なストレス…様々な葛藤を乗り越え60という年齢から新たなスタートをきった千栄子さん。若者が村を離れていく中、村を守っていきたいというその思いで作る彼女のどぶろく「どぶちぇ」は多くの人を惹きつけてやまない。

何度もしつこく取材におしかける私をいつも快く迎えてくれる千栄子さん。私に囲炉裏でモチを焼いてくれたのがとってもあったかい思い出です。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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