2019年3月 7日 (木)

女性フレームビルダーがかける1ミリの魔法

2019年3月4日~2019年3月10日放送 
京都放送 ラジオ制作部 竹澤日向子

【番組概要】
京都府唯一の競輪場がある向日町に、自転車のフレームを作る工房がある。その工房では、日本で唯一の女性のフレームビルダー、北島さんが毎日作業をしている。彼女がフレームを作るうえでこだわる1ミリの持つ意味とは何だろうか。また彼女にしか作れない自転車のフレームとは、どのような特徴があるのだろうか。実際に工房で聞こえる音とともに、北島さんのかける「魔法」に迫る。

【制作意図】
競輪用の自転車を作る認可を持っているフレームビルダー唯一の女性が京都にいることに興味を持った。そもそもフレームビルダーの仕事すら知らない人も多く、また競輪用の自転車となると、1ミリにこだわった自転車のフレーム自体を身近なものととらえる人も、おそらく少ないのではないだろうか。そのような知らない世界で何が行われているのかをぜひ伝えたいと思い、制作した。

【制作後記】
インタビューした北島さんは、いわゆる頑固な職人というような雰囲気を全く持たず、とても気さくな方。彼女の方からなんでも話しかけてくれるし、選手が悩みや不満を話しやすいというのも理解できた。また自転車のフレームを作る仕事の話を伺うにつれて、競輪というスポーツそのものが大変興味深く、人間味のあるスポーツであることを教わった。案外誰でもどっぷりと楽しむことができる競輪の、一瞬の勝負を左右する自転車フレームを作る北島さんのこだわりにも迫ることができた。

季節を運ぶ

2019年2月25日~2019年3月3日放送 
南日本放送 ラジオ部 相原尚典

【番組概要】
鹿児島県の北部に位置する出水市。毎年、冬になるとこの町には、1万羽以上の鶴が越冬の為、飛来します。遠くシベリアから、日本にやって来る鶴たち。この様子は、冬の風物詩として「日本の音風景100選」にも選ばれています。鶴と出水の人々の歴史は古く、江戸時代から保護が行われ、戦後の混乱期も続いたこの活動は、この国内最大の越冬地を生み出しました。鶴と共に暮らす人々のひと冬の物語です。

【制作意図】
「出水と言えば、鶴でしょ?」鹿児島県民なら誰もが、そう答える程、県内では一般化している鶴の飛来と越冬。しかしその実態は、意外と鹿児島でも知られていません。実際に出水の街で出会った一万羽を超える鶴たちと、それを取り巻く人々の営み。そして人々の生活の一部として、季節の移り変わりを伝える鶴の存在を広く知ってもらうことが、この番組の制作に当たり、私が抱いた希望でした。1万羽の鶴が飛来するという現象は、何も自然に起こることではありません。人々が餌を与え、狩猟を禁じ、手厚く保護を行った歴史や子どもたちが年6回行う羽数調査。どれか一つでも欠ければ、この国内最大の越冬地は誕生しなかったでしょう。人々の努力と思いが作り出した、鶴と人々の関係を番組を通して感じてもらえればと思います。

【制作後記】
初めて出水を訪れたのは昨年10月でした。「MBCですが、取材を、、、」と言うと、最初に帰って来た言葉は、「また、メディアが鳥インフルエンザの取材に来たのか?」「もう、これ以上、騒ぎ立てないでくれ。」という冷たい言葉でした。事実、養鶏が主要産業の出水市にとって鳥インフルエンザとメディアは、悪い意味で強く結び付けられている様子でした。約3ヶ月間、早朝に行われる鶴の餌やりや保護活動へ取材に通う中で、少しずつ地域の方々からでてきた言葉。中でも「鶴は冬を連れてくる。」といった話からは、出水の方々と1万羽を超える鶴たちの絆の強さを感じました。大人から子どもまで、家族同然の存在になっている鶴と人との関係を今後も残していけるように、番組が少しでもその力になればと願います。最後に今回の取材に協力いただいた鶴保護監視員の皆様や鶴荘学園の先生方、生徒の皆さん。そして、出水の皆様に御礼申し上げます。

2019年2月15日 (金)

長寿レジスターと道後のいま

2019年2月18日~2019年2月24日放送 
南海放送 メディア本部ラジオ局ラジオ制作部 岡内ひかり

【番組概要】
愛媛県の観光地といえば、松山市・道後。観光客は年々増加し、町は毎日賑わっています。そんな道後の中心地から数分歩いたところにある創業明治19年の老舗酒店「山澤商店」。現在は、6代目社長の山澤満さん(51)が切り盛りしています。店内には地酒やウイスキーがずらっと並びます。昔に比べて手売りは少なくなったといいますが、お店で購入した人だけが聞くことのできる音があります。それは、金銭記録出納機「ゼニアイキ」の音、現代でいうポスレジです。大正初期に作られ、国産として初めて日本国内に出回ったレジスターです。今でもこのレジスターを愛用しているのは、山澤満さんの叔母・山澤康子さん(84)。このレジスターを始め、店内には長年愛用しているもので溢れています。一方で、現在の道後は、たえず新しい事に取り組み、観光地として更に発展しようとしています。その様子を昔から、そして今も変わらず道後の町を支える“本物”の音をお届けします。

【制作意図】
愛媛県で最も観光客が訪れる道後は、女性の1人旅やインバウンドが多くなっています。道後温泉の別館ができ、思わずSNSに投稿したくなるようなスポットが増えています。時代の変化に応じて…。しかし、昔とすっかり変わったわけではありません。それは、道後の町を古くから支える“本物”の存在です。その“本物”と、新たなものとが共存し、道後の町を更に盛り上げています。そして若者と道後で歳を重ねてきた者が皆、一体となっています。今回は、その中でも道後の町を支える“本物”を伝えたいと制作しました。

【制作後記】
「道後に古いレジを使用している酒屋があるらしい」と聞き、取材に伺った「山澤商店」。店の入り口である、木の引き戸をガラっと開けると、故郷に帰ってきたかのような居心地のよさを感じました。出迎えてくれた社長とおばあちゃん。昔の道後の街並みや歴史、そしてこれからの道後について話してくれました。昔の道後についての話は社会人1年目23歳の私にとって驚きの連続でした。そして何より驚いたのは、金銭記録出納機「ゼニアイキ」です。木製のため、家具と馴染んでいてレジスターだとは気づきませんでした。制作メーカーに電話で問い合わせると、思わず電話を耳から離してしまう程大きな声を上げて驚いていました。未だに使用していると確認できたのは、全国で初めてということです。このゼニアイキを使用しながら道後について語る、温かいお店の雰囲気を感じてもらえると幸いです。そして、皆が一緒に作り上げている道後の未来がとても楽しみです。

2019年2月12日 (火)

ハワイアンミュージシャンが山形弁シンガーになった理由(わけ)

2019年2月11日~2019年2月17日放送 
山形放送 報道制作局制作部 新野 陽祐

【番組概要】
将棋駒の生産で有名な山形県天童市に生まれ育ったミュージシャン山口岩男さん(55)。自分の世界を広げたいと、大学進学と同時に上京し、8年後の1989年念願のメジャーデビューを果たしました。ヒット曲には恵まれなかったものの、30代前半に知人の勧めで出会ったハワイアンミュージックのウクレレと出会います。順調な仕事、結婚もして家庭を持ちます。順風満帆に見えた人生。しかし、人生の転機が訪れます。山口さん38歳の時、4歳年下の弟がなくなったのです。最愛の弟を失った悲しみで多量のアルコール摂取する日々。そして、アルコール依存、うつ病、家庭崩壊、そして自殺未遂・・・。うつ病は約12年間続きました。その間、「自分とは何か」「生きる意味とは何か」を自問自答し続けてきました。そしていま、50を過ぎて見つけた自分のアイデンティティ。それは生まれ育った故郷・山形に生まれたこそできるアーティストとしての表現。2018年8月に山形弁シンガーととしてCDデビューを果たしました。ふるさとへの想いと、人生はやり直せるという山口岩男さんのメッセージ性が聞く人の胸を打ちます。

【制作意図】
去年、弊社に1枚のCDが届きました。「かえずのながさはえずばへっで」(標準語で「これの中にそれを入れて」という意味)というなんとも奇妙なタイトル。実際に曲を聞くと・・・思わず笑ってしまうような、けれどその心地よいビートとかっこいいワードの山形弁ソング!?しかも、山形弁のエッセンスを加えただけの曲ではなく、ネイティブ山形人でも、おそらく20代は80%近く聞き取れない方言全開の歌詞。新しいし、斬新過ぎるとすぐ興味が沸いてきました。取材を進めると、山口さんは驚くような波乱万丈な半生を歩んでいました。にも関わらず、いま人生を楽しんでいるという充実感のあるオーラを山口さんの言葉と背中から感じたのです。山口さんの方言ソングを通じて、今みなさんが住んでいる地域の良さを再発見してもらえるきっかけになればと感じるとともに、悩んでいる人や人生はやり直せるということを再確認してもらいたいなと思っています。そして、いまはネット社会で多いとされる「他者叩き」。人生を誤った人への過剰な反応、自分の正義感を振りかざし必要以上に他者を攻撃するような不寛容社会への警鐘にもなればと思っています。


【制作後記】
私が初めて山口岩男さんにお会いしたのは2018年秋。取材ではなく、弊社の「ラジオフェスタ」というイベントにゲストでお越し頂いた時でした。山口さんにゲスト出演を依頼した時、歌ってもらうだけでなく、「イベントが開催される6時間の間にMCや出演者、それにリスナーと一緒に合唱できるようなエンディングソングを即興で作ってほしい」と電話で依頼していました。そのイベントのエンディング・・・YBC1階ロビーに集まった300人ほどのリスナーと出演者全員が大団円!ステージ袖でディレクターをしていた私は泣きそうになりました。実はそれが「さすけねぇ」(標準語で「気にするな」という意味)という曲なんです。山口さんの行動力、人を惹きつける魅力、そしてやさしさが番組を通じて感じ取って頂ければと思います。

2019年1月28日 (月)

新元号へ、発車オーライ 『還暦ボンネットバス』~昭和の町を巡る

2019年2月4日~2019年2月10日放送 
大分放送 メディア局ラジオ放送制作部 那賀ひとみ

【番組概要】
大分県の北部に位置する豊後高田市。商店街は「昭和の町」と呼ばれ、昭和30年代の街並みが残されています。その街中を、多くの観光客を乗せてめぐるボンネットバス『昭和ロマン号』。人間でいうと還暦を迎えており、製造されて今年5月で62年になります。車掌を務めるのは名物バスガイド・西佐知子さん(47歳)。軽快なトークで車内を笑いの渦に巻き込みながら、昭和の街をめぐります。昭和の時代に生まれたボンネットバスは平成、そして新時代へ。新時代となっても、また戻りたくなる「昭和」がここにはあります。

【制作意図】
「昭和の町」で、老若男女の観光客を乗せるボンネットバス『昭和ロマン号』。バスガイドを務めるのは、結婚を機に豊後高田へやってきた西佐知子さん。大分県内のバス会社に勤めていた頃の経験を活かし、軽快なテンポで訪れる観光客に「昭和」を案内します。「昭和」へ誘う『昭和ロマン号』はこれからも走り続けるために、今年1月から大規模修理に入りました。また3月に戻ってくる予定ですが、これからも「昭和」を残し、伝えるために、奮闘する西佐知子さんを紹介したいと思い、制作しました。

【制作後記】
若い人には新鮮、年配の方には懐かしいと思えるものがあふれる「昭和の町」を、ボンネットバスで案内する西佐知子さん。車窓から見える建物を紹介しつつ、観光客をいじってはバスを笑いで揺らしていました。新時代となる前に、「昭和」から「平成」と移りゆく時代を、大分ではどんなもので
表現できるか考え、制作しました。昭和生まれにも、平成生まれにも“懐かしい”と想ってもらえれば嬉しいです。

未来へつなぐ、土佐の伝統・黒糖づくり

2019年1月28日~2019年2月3日放送 
高知放送 ラジオ局ラジオ制作部 佐藤孝祐

【番組概要】
高知県の東部にある安芸郡芸西村。この村で、江戸時代から脈々と受け継がれてきた大切な産業が黒糖づくり。地元で栽培されるサトウキビの収穫にあわせて、毎年11月下旬から年末にかけて行われています。ここで作られる黒糖には、「白」という名前が付けられているのが特徴。高齢化が進む小さな村で伝統を絶やさぬよう活動する、製糖組合の様子を取材しました。

【制作意図】
地元の伝統産業を受け継ぐ人材を育成することはとても重要です。しかし、少子高齢化が進む地方にとってそれは容易くなく、そもそも「知らない」という若い人が多いのも問題です。そういった若い人に、知ってもらい、興味を持ってもらいたく制作しました。

【制作後記】
早ければ夜中の3時から昼頃まで、ずっと作業し続けなければならない大変な仕事です。しかし、インタビューをした猪野さん含め皆さんが楽しそうに作業をしているのが印象的でした。何度か作業を手伝わせてもらいましたが、自然と「また一緒に作業がしたい」と思うようになりました。「楽しさを伝えること」。これが後継者を育てる1つのヒントの様な気がしました。

~平成とともに歩んだ30年~陸前高田市全国太鼓フェスティバル

2019年1月21日~2019年1月27日放送 
IBC岩手放送 ラジオ放送部 佐々木美穂

【番組概要】
大船渡東高校は、「大農太鼓」として旧大船渡農業高校時代に発足し、以来40年を超えて培われてきた伝統と志を受け継ぎ、現在は大船渡東高校、太鼓部として活動しています。現在、全国大会出場を目標に、日々の練習に励みながら地域での演奏活動を通して郷土芸能の保存と普及に努めています。今回は東高校が「30周年記念大会 全国太鼓フェスティバルin 陸前高田」に参加した様子を3年生千田南瑠部長を中心に放送します。

【制作意図】
今年で30回目を迎えた陸前高田市の全国太鼓フェスティバル。人手不足が深刻化する中で、積極的に参加する高校生の姿をラジオを通して聴いてる方へ届けたいと思い、制作しました。

【制作後記】
在1年生から3年生までの12人の部員で活動している太鼓部の皆さんですが、演奏中の輝いている笑顔と生き生きした表情が忘れられません。ラジオから大船渡東高校、太鼓部の皆さんの熱気を感じていただけたら幸いです。

2019年1月11日 (金)

400年伝わる冬の手仕事 越中福岡の菅笠

2019年1月14日~2019年1月20日放送 
北日本放送 報道制作局報道制作部 岩本里奈

【番組概要】
富山県西部に位置する高岡市福岡町。ここは、江戸時代から400年もの歳月を経ても未だ全国シェアの9割を占める【菅笠】の産地です。材料となるのは植物のスゲ草。農作業時の日除け・雨除けや、地元富山の城端むぎや祭や山形県の花笠まつりなどに使われている菅笠は、冬場の農閑期の副業として毎年11月~翌年3月に生産時期を迎えます。かつて100件あった菅笠を生業とするお店は今では3件のみ。昔も今も変わらず、企業が機械で作っているのではなく、地元のおじいちゃんやおばあちゃんが一つ一つ手作業で作っていました。雪国富山で“手”から“手”へと渡り作られる菅笠の製作風景をお届けします。

【制作意図】
富山県の代表的な伝統産業【菅笠作り】。恥ずかしながら私の住んでいる地域とは離れているため菅笠が一体どうやって作られているのかまでは知りませんでした。その町の人でなければなかなか知らないのが実態。取材をしていく中で、菅笠作りには、問屋・笠の骨組みを作る人・笠を縫う人のリレーが必要不可欠だという事、そしてそのリレーを担っているのはご高齢のおじいちゃんやおばあちゃんたちだという事を知りました。「小さい頃に親の手伝いで作っていたおかげで手が覚えている。今もこうして作れていることが幸せ。」と聞いて、富山、全国に残したい伝統産業の音、継ぐ人の声をリスナーの皆さんに届けたいと思い、初めて聴く人と同じ立場で取材しました。

【制作後記】
技術面でラジオに携わってきた私が自ら取材して番組を制作するのは初めて。笠を縫う作業はとても地味で、取材先のみなさんにも「地味やよ~」と言われたり(笑)でも、意外と音になっているんです。また、皆さんは作っていることを幸せに感じていて、なんならボケ防止になっていると明るくお元気でした。高齢化による担い手不足問題もありますが、続けることが出来る限り続けたいというお話を伺い、寒い中での取材でしたが温かい気持ちになりました。

KOBEルミナリエ ~記憶が灯す、まちの光~

2019年1月7日~2019年1月13日放送 
ラジオ関西 報道制作局 報道制作部 山本洋帆

【番組概要】
12月、神戸のまちに現れる光のアーチ「KOBEルミナリエ」。阪神淡路大震災で犠牲になった方たちのへの鎮魂の想いから始まった光の祭典は、この冬も私たちのまちを優しく照らしてくれました。神戸が迎える明るい「冬」は、たいせつな記憶と特別な想いで語り継がれています。24回目の開催となり、毎年さまざまな声も上がりますが、それでも続けてほしいという市民の意志こそが、消してはいけない光なのかもしれません。神戸にとっての希望の光「KOBEルミナリエ」を、画でなく、音と語りでお届けします。

【制作意図】
震災当時0歳だった私にとって、1月17日を伝えることに使命のようなものを感じています。神戸のまちでは、ルミナリエは冬の季語。まさに風物なんです。私も、まちとともに歳を重ねていくなかで、ルミナリエを見上げる目の奥に、さまざまな過去や涙があることを知りました。24年語り継がれてきた記憶は、いつもこの光とともにあったことを、目ではなく耳でお伝えしたい。そう強く思って制作しました。

【制作後記】
これまで色んな視点で見てきたルミナリエでしたが、録音をするなかで、いろんな人を見て、いろんな声を聞きました。単なるイルミネーションではないということを、たくさんの方たちが理解し、存続を願っていることを直に感じることができ、一市民としてもとても嬉しかったです!本当に!この放送が少しでも多くの方に届いて、24年前に想いを馳せるきっかけにしていただけたら幸いです。

2018年12月14日 (金)

命をつなぐ~佐屋高校 文鳥プロジェクト~

2018年12月31日~2019年1月6日放送 
東海ラジオ放送 報道制作局 第一制作部 森川美穂

【番組概要】
愛知県・弥富(やとみ)市。木曽川の下流に位置する弥富市は、日本一の金魚の産地として、名をはせています。ですが、一昔前まで弥富市は、「金魚と文鳥のまち」として知られていました。1960年代~1970年代の弥富の子どもの遊びといえば、金魚にエサをやり文鳥を手に乗せて遊ぶ。そんな時代でした。子どもの遊びが多岐にわたるようになると、文鳥の需要が無くなり、文鳥農家は減少。ピーク時は200軒以上あった飼育農家が今は2軒となり、若手の後継者もおらず、文鳥組合も解散してしまいました。江戸時代から続いている、文鳥文化が消えてしまう…そこで立ち上がったのが、愛知県立 佐屋(さや)高校でした。佐屋高校 文鳥プロジェクトのみなさんの「思い」と、文鳥のさえずりをお届けします。

【制作意図】
「好き」という気持ちで、人はどれだけ動けるのでしょうか。もともとは「好き」だから始めたこと。でも今は、日々を過ごすので精いっぱい。そんな思いを持っていたこともすっかり忘れてしまった。・・・そんな人が、大人が、増えてきたように思いす。文鳥プロジェクトに参加されている生徒のみなさんは、休みの日も、テスト期間中も、自分の時間を犠牲にし文鳥に愛情をそそいでいました。その原動力になっていたのが、「好き」という思いでした。取材前は、「愛知県民も知らない、弥富市=文鳥について紹介したい」と考えていましたが、彼女たちを取材させて頂き、「文化の命をつなぐのは、人の思いだ」と教わりました。文鳥プロジェクトのみなさんの、文鳥への愛が伝わる番組にしたいと制作しました。

【制作後記】
「一番さえずりがキレイな文鳥」を教えて頂き、そのケージの前にマイクを立て、1時間ほど無人の状態で録音しました。後で聴いてみると、可愛らしく美しいこと。文鳥が、こんなにも美しい鳴き声の持ち主とは知りませんでした。放送時間全てを使って、文鳥の鳴き声をオンエアしたいぐらいです。また、文鳥がはばたく音が、こんなにも力強いとは、知りませんでした。文鳥プロジェクトのみなさんは、事前にこちらがお送りした「質問事項」の答えを紙に書いて準備し、マイクの前でキレイに読んでくれました。…その声を全く使わなくてゴメンナサイ!みなさんのナチュラルな声を届けられていたら幸いです。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad