2017年2月15日 (水)

雪原に轟く馬蹄、開拓の魂は脈々と

2017年2月13日~2017年2月19日放送 
北海道放送 HBCフレックス 氏家誠一

【番組概要】
北海道開拓の為、フランスから輸入されたサラブレッドの2倍の体重をもつ農耕馬達、その子孫たちが競う世界で唯一の馬のレース、ばんえい競馬。このレース風景からスタートします。場面は変わって、十勝牧場。ここでは、ばんえい競馬の馬達と同じ大型の若い馬たちが群れを成して駆け巡る、「馬追い運動」と呼ばれる真冬の風物詩あります。約30頭の大型馬の群れが、800メートルのコースを駆ける迫力の音を伝えます。また、牧場の係りの方や写真を撮りに来た方に「馬追い運動」の目的や魅力を語ってもらいます。

【制作意図】
北海道は明治の開拓期から今日まで、馬との強い関わりの歴史があります。開拓期の農耕馬、その後の軍馬の生産、戦後の競走馬の生産。その中で農耕馬は、開拓民にとって家族同様に暮らしていた時代がありました。しかし、昭和30年をピークにどんどん減って、農耕馬のような大型の馬を見たことのない世代が増えています。その姿が残るばんえい競馬と「馬追い運動」を取材し伝えることで、農耕馬の歴史を伝えていきたい。ばんえい競馬の力強さと「馬追い運動」の迫力を音で、その姿を想像してもらいたい、また、この時期の北海道の厳しさを透明感のあるナレーションで伝えたいと思いました。そして、ラジオを聞いてくれているリスナーが開拓期の馬の姿を思い描いてくれればありがたいと思い企画しました。

【制作後記】
取材した1月9日、10日はとても寒く、特に10日の「馬追い運動」はマイナス7度くらい、馬場は遮るものがないから、風が吹くと地吹雪で体感温度もぐっと下がるような状況でした。現場で命の次に大切な録音機材が古かったので、体で温めながら馬が駆ける音をひろいました、むちゃくちゃ辛かったです、笑。

2017年2月10日 (金)

くみ上げる文化~時代を越えて広がる組紐~

2017年2月6日~2017年2月12日放送 
京都放送 ラジオ編成制作局制作部 永田和美

【番組概要】

2016年8月に公開されると瞬く間に国内、そして世界へと広がった映画「君の名は。」興行収入は200億円を突破し、今もなお人気を博しています。その映画で登場する「組紐」が今注目されています。組紐というと帯締めを思い浮かべる方が多いかと思いますが、おぼ締めとして使われたのは組紐の歴史からみると最近のこと。昔は男性のファッションの要でした。番組では組紐がどのように作られるのか、インタビューと音を紡ぎながら紹介。そして映画でも登場する手組みで組む組紐。組んでいる最中に木玉のおもりがぶつかり合って響く、なんともいえない音が印象的です。リズムよく聞こえるその音は職人がする音と体験で一般の方がする音では大きく違います。この違いも感じていただけたら幸いです。映画の影響はどんな形で表れているのか、そしてその先に見える組紐の可能性をご紹介します。

【制作意図】
映画から注目されることになった組紐。改めて組紐がどういったものなのかを知るとともに、時代を超えて、用途を変えながらも今なお使われている組紐の魅力を探りたいと思い制作しました。また、組紐を組む時のおもりの入った木玉と木玉がぶつかるあの独特の音を番組で紹介できればと思い、体験の方と職人の方の音を収録しました。違い感じていただけたら幸いです。

【制作後記】
取材の最中にもご家族で、友達同士で海外からとお客さんが訪れていて「あっこれ似てるやつ!」などと言いながら買っていかれる方が多く、映画の影響を肌で感じました。また、帯締めのイメージが強い組紐ですが、アクセサリーはじめ様々なものに形を変えていきます。それに加えて、商品としてではなく文化として海外へ伝えていこうとする八田さん。日本で時代とともに形を変えて受け継いできた組紐という文化を海外に伝える。日本とはまた違った、その土地にあった活用法で変化し、受け継がれ広がっていく、、、まだまだ組紐の可能性を感じた取材となりました。

2017年1月25日 (水)

星空のカウントダウン

2017年1月30日~2017年2月5日放送 
南日本放送 ラジオ制作部 七枝 大典

【番組概要】

日本のロケット打ち上げは、独立行政法人のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が内之浦宇宙空間観測所(肝付町)と種子島宇宙センター(南種子)で行っています。2016年12月9日に種子島、20日には内之浦から それぞれ打ち上げが行われました。この様子を一目見ようと、全国からファンが集まり 満天の星空の下、宇宙への旅立ちを見守りました。番組では それぞれの打ち上げを取材し、打ち上げのカウントダウンに のせて それぞれの発射の瞬間や地域の想いを伝えます。

【制作意図】
年に何回か 行われるロケットの打ち上げは、全国から鹿児島に大勢の見学者が訪れる、人気コンテンツ。2016年12月には2回の打ち上げが行われ、無事に成功しました。番組では、この打ち上げを一目見ようと集まったファンの声や、長年 ロケット基地と地域の絆を大切にしている 橋本雅子さん(82歳)への取材やインタビューをもとに、「打ち上げだけではない、ロケットの魅力」を紹介したいと思い、企画しました。

【制作後記】
MBC本社のある、鹿児島市からもロケットの打ち上げは見ることができますが実際に地域に入って取材するのは初めての事でした。きっかけは、とある友人から「ロケットの打ち上げがある街ってスゴいよね」という一言。確かにっ!と納得して 打ち上げ関連の情報を調べてみると興味深いことだらけ。取材を通して2つの地域の想いを知ることもできましたが、何よりも「日常の面白さ」について、改めて気付かされた取材でした。

2017年1月19日 (木)

変わりゆく道後と変わらぬ音風景

2017年1月23日~2017年1月29日放送 
南海放送 メディア情報センター 藤田勇次郎

【番組概要】
道後温泉本館の最上階にある太鼓楼振鷺閣(しんろかく)。
赤いギヤマン障子に囲まれた道後温泉本館の象徴です。毎朝午前6時にここの扉が開き、道後温泉の開館を告げる「刻太鼓(ときだいこ)」が鳴り響きます。今年で改築123年を迎える道後温泉本館がずっと続けてきた習わしです。道後は近年、温泉とアートを掛け合わせた「道後オンセナート」というアートフェスティバルが好調で日本最古の温泉で最新のアートを表現するというコンセプトに共感した観光客や地元の人たちが道後を訪れ宿泊者数が飛躍的に伸びています。道後オンセナートの仕掛け人に聞きました。

【制作意図】
日本最古といわれる道後温泉。愛媛県で最大の観光地ではあるけれど近くに住む人たちは「行ったことがない」と答える人が意外にたくさんいます。しかし2014年の「道後オンセナート」を境にオシャレな場所としての認識があがり若者に人気のスポットとなりつつあります。古いものと新しいものが融合する今の道後にどんな音があるんか?どんな音が残っているのか?訪ねてみようと思いました。

【制作後記】
伝統の「刻太鼓」。太鼓楼振鷺閣の中に入らせてもらいました。午前6時きっちりに時を刻むため自国の参考にしていたのはラジオの時報でした。太鼓が鳴ると嬉しそうに道後温泉に入る人の中には毎日通う地元の人もたくさんおり改めて地域にも愛されている温泉だと感じました。

2017年1月16日 (月)

夢ふくらむ 米ふくらむ

2017年1月16日~2017年1月22日放送 
山形放送 報道制作局 制作部 鈴木紫乃

【番組概要】
山形県の庄内平野は日本有数の米どころ。 冬の田んぼには餌を求める白鳥の姿が見られます。  庄内平野の真ん中にあたる 鶴岡市 渡前地区にある 井上農場には〝ポン菓子〟部長がいます。 米を窯に入れて圧力をかけ膨らませる〝ポン菓子〟は出来上がった時の破裂音から 『バクダン』 とも呼ばれています。ポン菓子部長を務める井上 夏さんは13年前に農場に嫁いできました。夏さんが情熱をかたむけているのは山形生まれのブランド米・つや姫を使ったポン菓子です。 米どころの庄内でも ポン菓子職人は少なくなりましたが、夏さんはポン菓子に大きな夢をふくらませています。


【制作意図】
米農家が多い渡前地区では、新米を使ったポン菓子で おこしを作り 大黒様に収穫の感謝の気持ちを込めてお供えする習わしがあります。 コメの需要が減る時代、食卓でご飯として食べるのとはまた別の形でコメの美味しさに触れるきっかけとして昔なつかし〝ポン菓子〟に新たな息吹をもたらす 井上 夏さんを紹介したいと思い企画しました。

【制作後記】
放課後に井上農場で鳴り響く破裂音!寒い冬でも外に出て集まってくる地元の子ども達は、出来立てのポン菓子を嬉しそうに食べています。ユニークな食べ方もお楽しみのひとつ。アイディア豊富な夏さんのご実家はお寿司屋さんです。 嫁いだ当初、お米ひと粒にどれだけの手間暇がかけられているかを目の当りにして感動し、義理の両親がとても楽しそうに農業をしている姿に憧れを抱いたそうです。旦那さんが作ったお米に誇りを持ち、より多くの人に美味しさに触れてもらいたいと夏さんは願っています。味付けをしない、出来立てポン菓子の味わいは格別でした!

2017年1月 5日 (木)

国宝・臼杵石仏に魅せられて~案内人は女子高生

2017年1月9日~2017年1月15日放送 
大分放送 ラジオ
局ラジオ制作部 那賀ひとみ

 【番組概要】
大分県南部の臼杵市に鎮座する「臼杵石仏」。熔結凝灰岩で覆われた山肌にあるおよそ60体の磨崖仏は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて刻まれたとされています。平成7年6月には国宝に指定。年間12万人の観光客が訪れ、地元の有志が観光ボランティアガイドとして活躍しています。ガイドを務めるのは大人たちだけではありません。臼杵の歴史に関する検定試験に合格した小・中学生が「臼杵っ子ガイド」として、活動しています。その「臼杵っ子ガイド」出身の一人、高校3年生の宇佐美多紀さん。彼女が「臼杵石仏」に出会い、魅力に気づき、観光客へ伝えるようになったのは理由がありました。

【制作意図】
磨崖仏として初めて国宝と指定された「臼杵石仏」には、日本各地に限らず、海外からも毎年多くの観光客が訪れます。そんな観光客のために、地元の良いところを知ってもらいたいと活動する現役女子高生の宇佐美多紀さん。海外の方にも臼杵の歴史を知ってもらおうと苦手な英語を積極的に学び、高校のALTの先生と協力して観光ガイドの英文を作成しました。去年の夏からスタートした「英語de臼杵っ子ガイド」の立ち上げにも携わった宇佐美さん。高校生とは思えない、地元愛に溢れる宇佐美多紀さんを紹介したいと思い、制作しました。

【制作後記】
朝6時から観光できる「臼杵石仏」。“どの季節でも楽しむことのできる風景がある「臼杵石仏」が大好きです”と語る宇佐美さんの笑顔がとても印象的でした。宇佐美さんは将来、一度故郷を離れ、進学して英語を学び、臼杵の良いところだけでなく悪いところも見えるようになって、また戻って来たいと強い意志を語ってくれました。

冬のおやつはおばあちゃんの味

2017年1月2日~2017年1月8日放送 
高知放送 ラジオ
局ラジオ制作部 清水崇義


【番組概要】
高知県の東部に伝わる郷土の味。「かんば餅」干したさつまいもともち米の砂糖を入れて練り上げただけのお餅だ。北川村で50年以上前からお米屋さんで作られている見た目も味も素朴なこのお餅は販売用に作られたものではなく地域の人たちの「おやつ」だった。今では県内の量販店やお土産ものとし人気が高くなってきた。代々受け継がれるお米屋さんの餅づくりを紹介する。

【制作意図】
冬の風物詩ということをまず念頭に、地域に根付いているものにスポットをあてた。時期になると宣伝をするより先に注文が舞い込む、というかんば餅は地域内外の人に愛されている、まさに風物詩的なおやつと言えるだろう。また、この放送をきっかけに自分の「ふるさとの味」を思い出してもらえればと企画した。

【制作後記】
かんば餅は非常に素朴で優しい味である。このおやつが生んでいるのは利益や収入ではなく、地域の人とのかかわりや思い出なのだと感じた。そもそも「お義母さんの味を引き継ぐ」と始まった岡島さんのかんば餅づくりはまた子へ、子へ、と引き継がれ、いまでは孫世代とのコミュニケーションを生む場になっている。また、購入した家庭でも「思い出の味」として引き継がれていくことだろう。

2016年12月28日 (水)

軽トラで町を元気に!~元祖しずくいし軽トラ市の賑わい~

2016年12月26日~2017年1月1日放送 
IBC岩手放送 編成局ラジオ放送部 照井達也

【番組概要】
岩手県雫石町の中心商店街を歩行者天国にして毎月1回、軽トラの荷台に商品を積んで販売する「軽トラ市」。約60台の軽トラが直線道路約470mにずらりと並び、多くの人で賑わいます。売り手側は、軽トラの荷台に商品を積んで販売するので、搬入撤収が簡単。買う側も、新鮮野菜や特価商品が並ぶとあって大好評。2005年全国に先駆けて始まった軽トラ市の魅力を紹介します。

【制作意図】
かつて国道が走り活気のあった商店街もバイパスの開通などの影響で次第に人通りの少ない商店街に。新たな取組みとして2005年から始まった「軽トラ市」で、商店街では売り手、買い手のにぎやかな声が響きくようになりました。軽トラ市の魅力はどこにあるのか、「軽トラ市」の賑わいと共に伝えます。

【制作後記】
今回放送の音は、今年最後の開催となった11月の様子。開催月によっては、地元団体による芸能披露や地元学校の生徒による吹奏楽の演奏、無料体験イベントなど催しも様々あるようです。今回紹介できなかった賑やかさを今度は別の角度からお伝えできればと思います。

2016年12月22日 (木)

里芋の町が熱い!全日本イモ洗いコンテスト

2016年12月19日~2016年12月25日放送 
北日本放送 報道制作部 西崎雄一郎


【番組概要】
秋の終わりから年末にかけて旬を迎える里芋。いくつかある富山県内の里芋産地のなかでも南砺市旧井波町で毎年開催されるとてもユニークなコンテスト「全日本イモ洗いコンテスト」ルールは至ってシンプル!60年以上前まで里芋農家の間では当たり前のように行われていた樽と櫂を使う方法で里芋をひたすら洗い白さを競う。熱い戦いが繰り広げられている会場を取材しました。


【制作意図】
全日本と名がつき今年で26回目となるこの大会。芋の白さを競うのはもちろん、パフォーマンスも採点に加点されるため毎年個性豊かなメンバーが参加すると聞きこの大会を取材しようと決めました。イモ洗いコンテストの熱い戦い以外にも地元町民で賑わう雰囲気も伝えられたらと思い今回このテーマにしました。

【制作後記】
ハロウィーン人気もあってか当日は想像以上に気合いの入ったコスチュームで臨む参加者が多くこの大会に掛ける想いを感じました。(映像で伝えられないのが残念!)イモ洗いコンテスト以外にも里芋詰め放題や里芋料理、加工品のコーナーは常に賑わっていて里芋組合の方が「どんどん里芋農家が少なくなっていく中でこういった催しごとで少しでもこの地域の里芋を知ってもらいたい」と話しておられたのが印象的でした。大会に参加料は不要で参加するだけで洗った芋(4kg)お土産用の芋(2kg)が貰えさらに優勝すれば賞金も・・・来年は出場を考えました。

港町を駆け抜ける二人四脚

2016年12月12日~2015年12月18日放送 
ラジオ関西 報道制作部 西口正史

【番組概要】
秋の風物詩に定着した「神戸マラソン」。毎回、およそ2万人のランナーが、阪神淡路大震災から復興した神戸の街を駆け抜けます。その中には、フルマラソンに挑む視覚障がい者たちもいます。目が見えないというハンディキャップを抱えながらも、前を向いて挑戦し続けるブラインドのランナーたちと、彼ら彼女らを支える伴走ボランティアの姿を追います。

【制作意図】
私自身もフルマラソンには数回挑戦したことがあり、大会で視覚障がい者のランナーと、伴走ボランティアの方々の姿をみかけていたことが取材のきっかけでした。ランニングで地面を蹴る音、走り終えたときの笑い声、仲間との語らい。快活なブラインドランナーとボランティアとの交流から、「障がい」とは何か、「バリアフリー」とは何か、気づくきっかけになればと思います。

【制作後記】
目が見えないランナーにボランティアはどのように伝えながら走るのか。練習会で一緒に走ることでうかがい知ることができました。前向きなブラインドランナーたちの走りが、おなじ障がいを持つ人たちだけでなくボランティアや健常者のランナーたち、なにより私が強く励まされました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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