2026年7月13日 (月)

精密な技術とこだわりが生んだ優しい音

2026年7月20日~2026年7月26日
西日本放送 ラジオセンター 白井美由紀

【番組概要】
自然豊かで田園風景が広がる香川県のまんのう町にある長峰製作所。創業100年を超える歴史の中で培ってきた精密金型技術を生かし「お米のオカリナ」を作っています。
金型から一貫生産している工場で作られるのは、精密金型技術を核にセラミックス射出成型、ハニカム触媒など、電子部品を製造する際の微細なノズル、小さな小さな部品といったものです。
その工場で20年ほど前から「オカリナ」が作られてきました。陶器のオカリナよりも、音が安定し、割れないオカリナを作ろうと試行錯誤してできたのは、「お米のオカリナ」
一見すると普通のオカリナ。しかし、その素材には食用ではない資源米から作られた米粉を配合したバイオマスプラスチックが使われています。
こだわりぬいた、やさしいオカリナの音色に口上で働く人も地域の人も魅了されていきます。

【制作意図】
スマートフォンや自動車などの電子部品製造で使われるマイクロセラミックノズルや、自動車の排ガス浄化に使われるハニカム触媒など、高度な産業分野で活用される小さなものを作る会社で、意外とも思えるオカリナづくり。創ると決めたら、どこまでもこだわる、ものづくりへの想いを伝えたいと思いました。そして従業員の皆さんが、その音色に魅了され、オカリナ同好会として、自社での楽しみはもちろん、地域のお年寄りや病院などでその音によって、人の心をいやす存在であること・・・。
あの優しい音色がそうさせているんでしょうか?
放送を聞いた人も、やさしい気持ちになってもらえたら…と思います。

【制作後記】
私もこの取材をきっかけにお米のオカリナを手に入れ、その優しい音に魅了された一人です。音は、簡単に出ます。が、息の入れ方で音が複雑に変わります。なので、演奏するのはかなり奥深い・・・難しくはないのに、奥深いです。
いつか、私も人前で披露できるようになりたいと思い、今、練習中です。
お米のオカリナは、ふいているとほんのり香ばしいようなお米の香りがするのも、気持ちいいです。陶器のオカリナに比べ、価格も手に入れやすく、小さいお子さんや入門用にいいですね。。。早く上手になりたいです。

湯けむりの街に、蒸気は踊る 〜別府・鉄輪の地獄蒸し〜

2026年7月13日~2026年7月19日
大分放送 OBSメディア21 梅田 裕之

【番組概要】
源泉数・湧出量ともに日本一を誇る温泉の街・別府。
そのなかでも古くから湯治場として栄えた「鉄輪温泉」を舞台に、何百年もの間、人々の暮らしに息づいてきた独自の温泉利用文化「地獄蒸し」を紹介します。
かつて人々が畏怖を込めて「地獄」と呼んだ圧倒的な大地の熱。先人たちの知恵によって日常の営みへと手懐けられたその熱気は、今も「湯突き(ゆづき)」の音として街に響き渡り、現代の旅人をも温かく包み込んでいます。風土が育んだ「人と温泉の共生」という固有の文化をお届けします。

【制作意図】
別府・鉄輪温泉の伝統的な噴気利用文化「湯突き」と、それを用いた郷土の調理法「地獄蒸し」に焦点を当てることで、温泉県ならではの音と、そこに関わる人々や、その温かさが伝わればと考えました。

【制作後記】
かつて人々が恐れを込めて「地獄」と呼んだ圧倒的な自然の熱を、暮らしの知恵へと変え、日常の調理に活かしてきた「地獄蒸し」の歴史。
その固有の文化を限られた時間の中でいかに立体的に伝えるかに注力しました。
取材中、お釜の重い蓋を開けた瞬間に広がる真っ白な湯気と、そこに集まる人々の弾んだ声、そして「また帰ってきてね」という温かい見送りの言葉に、私自身が鉄輪の持つ深い包容力に魅了されました。激しく、そして誇らしげに踊る蒸気の音とともに、大分・鉄輪が誇る「人と温泉の共生の音」が、リスナーの皆様に伝われば幸いです。

あったかーい、 こおり。

2026年7月6日~2026年7月12日
秋田放送 ラジオ放送部 石﨑 富士子

【番組概要】
今年創業100年を迎え、今なお地域にとってなくてはならないお店、
秋田県大館市の「河田氷や」を取材しました。
街の氷やさんとして、夏だけでなく冬も営業、暑い日も、寒い日も、市内・県内外問わず老若男女がが一年中集います。取材時は、祖父母・両親もお店に来ていたという高校生や、自身も子供の頃からお店に来ているという方が孫を連れて訪れていました。
日が暮れると、大館市内のお店からの注文に応じ昔ながらの手押し車で氷を配達します。40年以上のお付き合いのスナックからご新規さんのバーまで、市内およそ300軒のうち、80軒がお店のお得意さんです。昼も夜も、地域に長く愛されるお店の音、街の声をお届けします。

【制作意図】
三代目店主の河田訓忠さん(74)のお仕事の様子を取材していく中で、氷に対するこだわりとその氷を口にしてくれる人への優しさを感じ、100年お店が続く秘訣を、日常に聞こえる昼の氷の音、夜の氷の音からお伝えしたいと制作しました。
純氷と称される河田さんこだわりの氷は、48時間かけてゆっくりと凍らせてるので、解けるのもゆっくりなのが特徴。昼の氷の音は、細かすぎず、粗すぎず、シロップの味がからみやすいふわふわのかき氷の音。ふわふわながらも、解けにくいので最後まで味が薄まらず美味しくいただく事が出来ます。
夜の氷の音は、お酒の味をひきたてる、グラスの中の氷の音。
不純物のない透明度が高い氷は作っても美しく、解けにくくお酒の味を変えないため、同じ氷で五杯も楽しめるというお客さんにとっても、お店にとっても嬉しい氷です。
決して主役にはならない氷が、昼も夜も大館の街をあたたかく支えている風景を取材、制作しました。

【制作後記】
今回取材をして感じたのは、見えないところで企業努力をしているということ。そして体力勝負であるということ。
河田さんは毎朝、135キロの氷を氷の販売単位、一貫目、3.75キロの角氷にしています。お得意さん一軒一軒のリクエストに応じ角氷からさらに切り分けますが、一貫目の角氷のブロックも、それを切り分けた氷も同じ値段でした。
また、角氷のまま販売する場合でも少しでも角が欠けた氷は角氷ではなく「欠け氷」なので販売せず、クラッシュ氷などに形を変えて販売するなど、氷やとしてのこだわりと同時に、氷を無駄にしない工夫もしています。午前中に氷の仕込みを終えると、午後は街のかき氷やとしてお店に立ち街の人たち優しく迎え、夜はほろ酔いの人たちの氷が切れないよう配達に向かうという毎日。
この日かき氷やのお客さんとして訪れた高校生は、アルバイトとしても働き、そんな河田さんの姿をそばで見ていて、この店の存在の大きさを感じている一人でした。
大館なまり少々強めですが、街の声として是非お届けしたいと思いました。

雑賀崎の海まちの味を守り継ぐ~おおやさ

2026年6月29日~2026年7月5日
和歌山放送 報道制作部 花井歩高

【番組概要】
万葉集に「紀伊国の 雑賀の浦に出で見れば 海人の燈火 波の間に見ゆ」と歌われる、古くからの景勝地和歌山市雑賀崎。イタリアの海岸線にならい「日本のアマルフィ」とも呼ばれ、斜面に家々が密集した独特な景観が特徴の漁師町です。この地域だけで親しまれてきたおやつが、ヨモギが香るお団子「おおやさ」。番組では、いまや最後の作り手となった「たっちゃん」こと谷龍子さんの指導のもと、Uターンした漁師の池田佳祐さんと、妻で古民家で食堂を開業した美紀さんがその味を受け継ごうとする姿を、中川智美アナが体験取材。漁港の音風景とともに描きます。

【制作意図】
和歌山市中心部から車で10分にある雑賀崎漁港は、獲れたての魚を漁船から直接買うことができると市民に人気です。しかし、かつて90隻あった漁船が半分近くに減るなど、少子高齢化で町に活気が失われつつあります。そんな漁師町に移住し、「海や雑賀崎を100年後も守りたい」という大きな目標を掲げる池田佳祐さん、美紀さん夫妻。古くからの住民との交流で、伝統食を復活させたいとの思いを「おおやさ」づくりを通じて伝えたいと考えました。

【制作後記】
取材中、最も印象的だったのは、80代半ばを超えた「たっちゃん」が取材スタッフにヨモギを収穫する様子をみせてくれると、急な坂道を軽快に登っていく姿でした。年間を通して作れるよう、年はじめからたくさんのヨモギを摘み取り、冷凍保存。解凍しても立ち上るよもぎの野性的な香りは、海と山に囲まれた雑賀崎の春を感じさせてくれました。
たっちゃんが語る独自の粉の配合や、黒蜜が絡みやすいように作る「つの」の成形には、長年の知恵と愛情、自信が詰まっているように感じました。「誰か残してくれたらなあ」とつぶやくたっちゃんに、「残します」と決意する美紀さん。地域に溶け込んだ若い夫婦によって味のバトンがつながった瞬間に立ち会えました。


召し上がれ~日本とスペインにかけるソースの香り~

2026年6月22日~2026年6月28日
中国放送 RCCフロンティア 橋本 照英

【番組概要】
広島市南区出汐に、常連客から外国人まで、連日、たくさんのお客さんが訪れるお店があります。この店の店主はスペイン人のラファエル・ガビランさん。ガビランさんが作る料理はどれも絶品ですが、人々がこのお店を訪れる秘密は、店いっぱいに広がる、にんにくの香り高いソースにあります。ガビランさんが作るソースと、ガビランさんのアツい想いに注目しました。

【制作意図】
お好み焼きは「広島のソウルフード」と言われ、ある調査では、県内に1300を超える店舗がある、ともされています。そんな広島で、スペイン人の男性がお好み焼き店を営んでいることを知りました。ガビランさんのお好み焼きは他のお店とは一線を画し、ここでしか味わうことができません。ガビランさんにしか作れない味を全国の方々に知ってもらいたいと思い、制作しました。

【制作後記】
初めてお店に伺った日に、常連のお客さんから、「料理をゆっくり楽しみたいなら、予約して来たほうがええよ。」と言葉をかけてもらいました。その言葉通り、取材中はいつも満席で、外国の方が来店することも多くありました。それも当然と思えるほど、ガビランさんのお好み焼きは唯一無二で、食欲そそるにんにくのソースに、いつしか自分も虜になっていました。広島に来られた際には、ぜひ味わってみてください。

2026年6月 8日 (月)

受け継ぐ宝~三国祭~

2026年6月15日~2026年6月21日
福井放送 報道制作局制作部 関谷倫寿

【番組概要】
 
福井県坂井市三国町。日本海に面する港町。この町で300年以上受け継がれてきた地域の宝、「三国祭」。毎年5月19日から三日間にわたって行われます!高さが6.5メートルもある、山車(ヤマ)と呼ばれる巨大な武者人形を乗せた山車(だし)が最大の魅力です。
 三国町で生まれ育った木谷拓未(きだにたくみ)さん(31)。今年初めて、長年の夢だった自分の区の山車の人形を制作します。
 夢をのせて細道を縫うように練り歩く山車。三国祭に懸ける木谷さんに密着しました。
 
【制作意図】
300年以上受け継がれてきた地域の宝、「三国祭」。その土地に住む人々にとって三国祭とはどんな存在なのか。木谷さんや祭りに参加する町の方々を通して、三国祭の「熱」や「魅力」を知って、感じていただきたい。

【制作後記】
初めてのラジオ番組制作でした。
映像がないラジオは、ナレーションや音だけで情景や空気感を伝えなければならず、
言葉選びや音の重ね方に悩みました。三国祭がその土地の人々にとってどんな存在なのか、また、祭に懸ける情熱を少しでも感じでいただければ幸いです。


ウミネコが帰る島

2026年6月8日~2026年6月14日
青森放送 制作局ラジオ制作部 岡田有真

【番組概要】
猫のような「ミャーミャー」という鳴き声が特徴のウミネコ。青森県八戸市にある陸続きの小さな島「蕪島」では、毎年2月下旬から8月上旬の間に、3万羽ものウミネコがやってきて繁殖を行います。
ウミネコは何を思い、毎年この島に帰ってくるのでしょうか。繁殖を近くで見守っている蕪嶋神社の宮司さん、蕪島をイメージしたカクテルでお客さんに地域の魅力を伝えているバーのマスター、そして、蕪島の近くで生まれ育った地元の方の声を通して、「蕪島」とはどんな場所なのか描きます。

【制作意図】
蕪島は、人が近寄ることのできる貴重なウミネコ繁殖地として、八戸市を代表する観光スポットになりました。取材時にも、海外からの観光客が多数訪れていて、その人気の高さを実感しました。
観光客にとっての蕪島は、驚きや発見に溢れた場所なのだと思います。その一方で、地元の人々にとっての蕪島は、当たり前の環境であり、貴重な観光資源であり、守るべき地域のシンボルです。「八戸をもっと知ってほしい」「地域を活性化させたい」という想いと、「蕪島の環境を守り続けたい」という想いの間には葛藤も存在します。
八戸市民が愛する蕪島のことを全国の方に知っていただきたいという想いと、これからもウミネコの声が響き続ける蕪島であってほしいという願いを込めて、番組を制作しました。

【制作後記】
県外出身の私は、取材時に初めて、ウミネコがいる時期の蕪島を訪れました。島はウミネコで埋め尽くされ、神社に参拝するための階段にも、所狭しと巣が作られていました。気を遣ってそっと歩くものの、当のウミネコは、すぐそばを通っても警戒する様子すら見せません。むしろ、頭のすぐ上を飛んでいくウミネコに、こちらが驚かされる始末でした。それだけ人に慣れ親しんでいるのだなと、ウミネコと人のかかわりの深さを感じました。
稀に、ウミネコにイタズラする人もいるそうです。蕪島を訪れる際は、むやみに触ったり追いかけたりせず、優しく見守ってあげてくださいね。

2026年6月 5日 (金)

ジャズの街 阿南に新たな息吹

2026年6月1日~2026年6月7日
四国放送 編成局 ラジオ編成策部 藤田 千紘

【番組概要】
2026年5月、高校生による徳島ジュニアジャズ楽団が誕生しました。参加する26人は、全員が阿南市の中学校でジャズに打ち込んできたメンバーです。しかし、中学卒業後にジャズを続けられる環境がなく、ジャズや音楽そのものを諦めてしまう現状がありました。「ジャズを楽しみたい学生たちに活躍の場をつくりたい」——長年の想いから立ち上がった指導者と先生、そして再び集まった高校生たち。
阿南が、世代を超えて音楽を楽しめる街へ。その第一歩をお届けします。

【制作意図】
「阿南はジャズが盛んなんですよ」と徳島で活動するジャズオーケストラの代表 林さんがおっしゃっていました。特に中学生のジャズに勢いがあってすごい!とのこと。コンクールに出場し四国支部大会で優秀な成績を残したり、地元のイベントに参加したり大活躍中。青春をかけてジャズの腕を磨いてきた学生たちが、地元 阿南で新たな挑戦を始めたことを知ってほしいと考えました。

【制作後記】
ただ純粋にジャズを楽しむ高校生たちがすごく輝いて見えました。まっすぐに楽譜と向き合う真剣な姿が印象的で、みんなが口を揃えて「観客に楽しんでもらうためにまずは自分が楽しんでいる姿を見せる」「これからいろんな人がジャズを演奏できる場所にしていきたい」と話していました。まさに林さんや先生が目指している楽団の在り方を高校生たちも同じ目線で目標としていることに感動しました。きっとこれから阿南を音楽の街として、さらに盛り上げてくれると思います。
大人顔負けの迫力ある演奏と、垣間見えるあどけなさのギャップが徳島ジュニアジャズ楽団の魅力のひとつだと感じます。この放送で、その素敵な魅力が伝わっているとうれしいなと思います。

2026年6月 1日 (月)

のぼってこーいこどもたち ~長坂のぼり大会

2026年6月1~2026年5月31日
長崎放送 報道制作部 中島千夏

【番組概要】
子どもたちの健やかな成長を願って、毎年こどもの日に開かれている諏訪神社の「長坂のぼり大会」。0歳から小学6年生までの500人のこどもたちが、長坂と呼ばれる石段をかけ上がって、境内にかけられた一番札を目指します。始まりは40年ほど前。もともとはタイムレースだったそうです。今や参加定員500名の枠がすぐに埋まってしまうほどの人気ぶり。一番札をめぐって繰り広げられる、こどもたちの熱き戦いを取材しました。

【制作意図】
石段を駆け上がる子どもたちの姿を、ラジオでいきいきと描きたい」そんなシンプルな好奇心から取材は始まりました。
500人の子どもたちが一番札を目指す「長坂のぼり大会」には、理屈抜きのエネルギーが溢れています。昨今、子どもが犠牲になるような悲しいニュースが耳に入ることも少なくありませんが、この大会に溢れるのは、我が子の成長を信じて全力で応援し、ゴールした子どもの姿に歓喜し、ともに涙する家族の姿です。
子どもたちの力強い足音と、それを見守る大人たちの熱い声。番組を聴く人が自然と笑顔になり、身近な幸せを再確認するきっかけになることを願っています。

【制作後記】
2026年、こどもの日の長崎は抜けるような快晴に恵まれました。
競技開始は午後からですが、諏訪神社の境内は朝早くから、我が子の雄姿を特等席で見守ろうとする人たちの場所取りが始まっていました。

いざ本番が始まれば、石段を叩く足音をかき消すほどの大人たちの歓声が境内に轟きます。誰もが先頭でゴールし「一番札」を手にすることを目指しますが、どんな結果であっても、ゴールまでたどり着いた我が子を抱きしめ、惜しみない愛情を注ぐ家族の姿があちらこちらで見られました。その姿こそが、この大会の本当の主役なのかもしれません。




新住職は元IT起業家 伝統行事復活で目指す寺の再生

2026年5月18~2026年5月24日
南海放送 メディアセンター 平野和子

【番組概要】
四国には、風物詩として「遍路」の存在がある。お遍路さんが巡り始めると「春遍路」と呼び、本格的な春の訪れを実感する。
愛媛県にある四国八十八か所第51番札所の石手寺には新住職が誕生した。
前住職の急逝に伴い2年の修行を経ての就任。
住職としてのお披露目と覚悟を示す場として選んだのは、18年以上途絶えていた春の伝統行事「お練り供養」だ。当日へ向けた住職の想いを華やかな行列の音声とともに伝える。

【制作意図】
四国八十八か所第51番札所の石手寺は、四国の中でもお遍路に人気の寺であり観光地でもある。
前住職の急逝に伴い、娘の夫である畑違いのIT企業の経営者が新住職となった。
はじめに着手したのは寺の整理整頓。国宝や重要文化財がひしめく寺の課題は、その保存と整理だった。寺の再生をテーマに新住職がスタートさせたプロジェクトの最初が「お練り供養の復活」だった。地元でも忘れ去られようとしていた春の行事の復活とその住職の挑戦を伝える。

【制作後記】
復活させた「お練り供養」は4月4日に行われた。あいにくの雨となり、道後温泉を出発し、アーケードがある商店街のみを練り歩き、その後は寺まではバス移動となった。しかし、新住職はじめ参加者たち140人余りは、皆、達成感に満ちた表情で、雨だからこそ記憶に残ると喜びとともに語っていた。人々が集い、心が満たされるひと時が確かに復活したと感じた。来年以降は、石手寺の境内を練り歩き、伝統行事を続けていく予定。今後の石手寺の復活と再生を期待させる春の雨だった。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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