2026年4月 3日 (金)

幻と呼ばせない!~亀綾織の『イマ』と紡ぐ『ヒト』~

2026年3月30日~2026年4月5
山形放送 報道制作局 制作部 神保美帆

【番組概要】
約200年の歴史を持つ「新庄亀綾織」。亀甲型などの多彩な織模様としなやかな手触りが特徴の絹織物です。戊辰戦争によって生産が途絶え、その後幾度か復興が試みられますがいずれも断念されてしまい、「幻の織物」と呼ばれるようになりました。
今から約40年前に有志の手により復興を遂げた亀綾織ですが、地元の方でも亀綾織を知らないという方が増えているそうです。「この織物を二度と途絶えさせない」という思いのもと亀綾織の制作と普及に励む伝承協会の活動を、工房に響く機織りの音ともにお届けします。

【制作意図】
「長い歴史を持つ織物なのに知名度が低い」と伝承協会の方が言っていましたが、実は私も今回の取材で初めて亀綾織の存在を知りました。
工房を訪れて話を伺っていくと、織り手は現在山形県内に二人のみ。二人とも亀綾織に惹かれて新庄にやってきた20代です。大正時代に記されたという古文書を手掛かりに新たな解釈を加えながら機織りに没頭していました。歴史ある絹織物が新庄にも残っているということを伝えたいと思い制作しました。

【制作後記】
若い織り手の二人がテンポよく手足を動かし、高機や管巻機などを自在にあやつる姿がとても心に残っていますが、個人的に目を引いたのは広報を担当しているアメリカ・ロサンゼルス出身のジェードさんです。日本の伝統的な文化や着物に興味があり、彼女もまた亀綾織に惚れ込んで新庄にやってきました。華やかなファッションに身を包んだジェードさんが流暢な日本語で亀綾織の魅力を語る姿が印象的でした。




大牟田・炭坑の足跡をたどる

2026年3月23日~2026年3月29
RKB毎日放送 RKBCINC 荒木風花 

【番組概要】
日本の戦後復興に欠かせなかった石炭産業。福岡県大牟田市にもその石炭が採掘されていた炭鉱跡地がある。炭鉱は平成初期に閉山されるものの、2015年には明治日本の産業革命遺産として世界遺産に認定され、さらにテレビドラマで炭鉱時代の様子が再現され、さらに注目を集めている。今回は大牟田市に眠る炭坑の歴史を音で紐解いた。

【制作意図】
地域に密着するコミュニティエフエムと一緒に作る番組で、九州各地を取材する中で出会ったのが大牟田の炭鉱の歴史。私自身が長崎市出身で、ドラマの舞台にもなった端島に程近い場所に住んでいたこともあり、もともと炭鉱の歴史に興味があった。大牟田では炭鉱で栄えたのち、三池港は国際コンテナ航路の要衝として現在も活躍している。発展の裏にある炭鉱の歴史を音で表現することに挑戦した。

【制作後記】
福岡の炭鉱といえば田川市というイメージだったが、大牟田駅を降りると石炭のモチーフでお出迎え。また、街中には当時の炭鉱マンが通った飲食店が残っている。ただ、元炭鉱マンの高齢化も進み、当時を知らない世代が増えてきたのも確か。戦後復興の一助となった背景や、世界遺産としての価値などを県内外の方に知ってもらいたい。

2026年3月 6日 (金)

迫力満点のプロアイスホッケー 神戸の新たな音風景に

2026年3月16日~2026年3月22
ラジオ関西 コンテンツクリエイト局ニュース部 高塚恵子

【番組概要】
2025年、神戸に初めてのプロアイスホッケークラブ「スターズ神戸」が誕生しました。アイスホッケーが身近にある地域では馴染みのあるスポーツだと思いますが、兵庫県ではまだまだこれからといった所です。リンクでどのような音が響いているのか、選手たちは音についてどのように感じているのかを取材、開幕戦から自然発生的に起こる子どもたちの声も紹介します。

【制作意図】
以前、岡山県のジュニアチームで練習に励む小学生の男の子に聞いたことがあります。「アイスホッケーの好きなところは?」返ってきた答えは「音」でした。私自身、初めて観戦した際、プレーの迫力はもちろんのこと、その音に驚いたことを思い出しました。
2025年、神戸に初めてのプロクラブ「スターズ神戸」が誕生しました。神戸ではそのプレー、そこから生まれる音、すべてが初めてです。見る側にとっても初めてで、どのように応援していいのかわからない、でも応援したいという気持ちで声援を送っています。
神戸に本拠地を置いたり、ゆかりのあるプロスポーツチームは他にもあります。そこに音が魅力のひとつである「アイスホッケー」が加わりました。ひとりでも多くの人にその魅力を知っていただきたいと考えました。

【制作後記】

リーグ初参戦のスターズ神戸。兵庫県で初めて開催されるプロの試合ということもあり、多くの人に楽しんでもらいたいと、選手入場時の音楽を吹奏楽の生演奏にしたり(毎回ではないですが)、プレー中断の際の音楽もひと工夫しています。ホーム開幕戦では、「レッツゴー!神戸!」という子どもたちの声が、自然発生的にあちらこちらで上がりました。試合を重ねるにつれその声は大きくなり、今回の番組がほぼ完成というタイミングで、クラブ公認の応援団ができました。とはいえ、その中心には子どもたちの声があります。選手・監督は声援はすべて聞こえている。背中を押してくれると話します。初参戦となった今シーズンは、多くの白星を挙げられませんでしたが、今後、どのような活躍を見せてくれるのか、また声援もどのように進化していくのか、楽しみです。



さっぽろ雪まつり・8日間の芸術

2026年3月9日~2026年3月15日
北海道放送 オーディオビジネス局編成制作部 金山やよい

【番組概要】
世界最大の雪の祭典「さっぽろ雪まつり」。その裏側にある、自衛隊員たちによる制作過程と、完成からわずか8日で取り壊されるという「雪像の宿命」にスポットを当てました。 28日間にわたる汗と涙の結晶が、重機によって一瞬で崩れ去る儚さと、だからこそ人々の記憶に刻まれる情熱の軌跡を描きます。

【制作意図】
日本各地はもとより、世界各国から訪れる「さっぽろ雪まつり」。生まれも育ちの札幌の私にとっては、冬の日常の中にあるイベントのひとつです。しかし、圧巻の大雪像がどれだけの時間と人数をかけて作られているのか、までは正直知りませんでした。そしてそれだけの労力をかけて作られた雪像が、閉幕翌日には崩されてしまう。たった8日間だけの芸術の裏にある自衛隊の皆さんの努力を全国の皆さんに知っていただけたらと思い制作しました。

【制作後記】
大雪像が自衛隊の皆さんの力で制作されているのは、もちろん知っていましたが、3000人以上の隊員の方が制作に携わっているのは知りませんでした。また、細かな部品もひとつひとつ手作りで、すべてにおいて丁寧に作られていました。

癒しと人情! わが町最後の”あったかお風呂屋さん”

2026年3月2日~2026年3月8日
ラジオ福島 編成局 鈴木啓輔

【番組概要】
福島県の県庁所在地、福島市の中心部にほど近い住宅地にある「つるの湯」は、現在市内唯一の現役の銭湯として営業しています。創業は大正3年で100年以上の歴史があり、店を守っているのは3代目のご主人、片桐詔次さんと息子の秀樹さん、有希さん夫婦で切り盛り。暖簾をくぐった途端、昔ながらのフロント、脱衣場、そして湯船や固定式シャワーが常連客らを待っています。訪れる人々は、気持ちのいい「お湯」はもちろん、裸の付き合いを大切にする「つるの湯」ファン同士のふれあい、そして風呂上りの「会話」を楽しみにしています。また、快適な「お湯」を守る裏方の作業にもスポットをあて、家族経営で銭湯を続けていく姿も綴っています。

【制作意図】
経営者の後継ぎ問題、そして燃料費の高騰など、昔ながらの銭湯が全国的に消えつつあり、福島も例外ではありません。特に家庭風呂の普及は、減少に拍車をかけた要因でもありますが、かつては人々が集まる集会所のような役割も果たしていました。最近では、サウナなど近代的な設備が整った入浴施設が人気となっていますが、どちらかと言えばレジャー要素の強いのが特徴です。しかし、昔ながらの銭湯には、時代の先端を行くような施設には無い、「癒し」と「人情」、そしてエコーがかかったような、あの”音”があります。福島市でたった一軒となった、人々が織りなす地元ならではのコミュニケーションと、歴史を刻む銭湯ならではの「残響」を発信し、貴重となった銭湯文化を「音」で残していきたいとの意味を込めています。

【制作後記】
取材後、一人の来場客として「つるの湯」を訪れました。まず、湯船に入った途端、「手の込んだお湯」という感想を持ちました。浴槽はお湯が常に循環し、何となく乾燥肌がすべすべになったような感じです。そして、手足を伸ばせるのが家庭風呂では出来ない体験。ちょっとした贅沢気分も味わえました。さらに、桶を置いたり、水を流したりする時の、あの「残響」は、まさに銭湯の象徴です!癒しを肌で感じた「銭湯の時間」でした。

とりをさかなに夜はふけて

2026年2月23日~2026年3月1日
北日本放送 報道制作局(ラジオ制作)熊野 智元

【番組概要】
富山駅の北側、歩いて15分ほどにある「やきとり大吉 奥田店」。チェーン店ながら、素材の仕入れから仕込み、品ぞろえと、店主の裁量に任せられる部分が多く、奥田店は、大将やおかみの人柄もあって、足しげく通う常連客も多い。店の大将・辰尾久治さんは、48歳で店を開いて33年。81歳を迎えた今も、おかみの恭子さんと店に立ち続けている。80歳を超えてなお、店でやきとりを焼く大将と、言葉少なながら大将を支えるおかみ。富山の一軒のやきとり店の、雪降る冬の一夜です。

【制作意図】
住まいの近所にあって、普段からよく食べに行く店。以前から、大将が80歳を超えていること、そして「いつまでやれるか…」なんて話を、食べながら聞いていました。録音風物誌の制作担当が巡ってきて、ふと「このにぎわいの空間を”音”でそのまま切り取って、番組にしてみたい」と思いました。しつらえた空間での録音ではなく、カウンター席で、あえて、いつも聞こえる店のざわめきのなか収録してみました。1月の下旬のこの夜、富山県内は大雪でお客は少ないかもと思っていましたが、店は満席。いつものにぎわいとやきとりを肴に、カウンター越しに聞いた、大将と女将、家族のストーリーです。

【制作後記】
マイクを振りつつ、録音機をもう1台カウンターに置き録音しました。やきとりを焼く音をとにかく録りたいと思い臨みましたが、焼き上がりの過程で音が違うこと、そして「鶏皮」が一番いい音ということがわかりました。いっぽうで、「店の喧騒ありき」で録音に臨んだものの、さすがに店内はアルコールが入ったお客さんがほとんどなので、思い描いていた以上に店内のざわめきが大きく、収録した素材のどこを使うか、音質も含め、かなり苦労しました。ただ、これも店の日常なので、声や雑音、ざわめきも含め、店の雰囲気や、大将家族の人柄が伝わればと思います。

栄の屋上はこれからも

2026年2月16日~2026年2月22日
TOKAI RADIO 編成制作部 岡本 叡

【番組概要】
全国的に数が少なくなり、絶滅寸前とも言える百貨店の屋上遊園地。
東海地方屈指の繁華街である栄の中心地にある松坂屋名古屋店は、2025年に大規模リニューアルを実施し、「屋上遊園」をこれからの未来に残していくことを決断。
この「屋上遊園」が松坂屋名古屋店にとってどれだけ重要なものなのか、そしてこの地域にとってどのような存在なのかを、現在の日常で流れている栄と「屋上遊園」の〝音"を通してお届けします。

【制作意図】
百貨店文化が色濃い名古屋。
2025年、47年ぶりに松坂屋名古屋店が「屋上遊園」の大規模リニューアルを実施したと知った時、私自身はこの地域の出身ではないものの、幼少の頃両親や祖父母に地元の百貨店の遊園地によく連れていってもらったことを思い出しました。
全国的にどんどん数が減っていく中で、リニューアルを実施しこれからに残していくことを決めた松坂屋名古屋店の思いと、リニューアルを経た「屋上遊園」の今に興味が湧き取材させていただきました。

【制作後記】
今回のリニューアルに至る松坂屋名古屋店内の議論で、「屋上遊園」を廃止するという意見がなかったということに驚きました。この47年ぶりのリニューアルは、全員が同じ方向を向いて取り組んだリニューアルであり、長年時間を共にしてきた・これから共にする地域の人々への思い、百貨店の屋上遊園地を文化的価値として残していきたい、という強い思いを感じました。


装蹄 -午の歩みのその前に-

2026年2月9日~2026年2月15日
IBC岩手放送 ラジオ放送部 髙橋 千央

【番組概要】
古くから馬との関わりが深い岩手県。現在県内には2つの競馬場があり、今もなお馬は身近な存在として県民に親しまれています。
そのうちの1つ盛岡競馬場。華やかなレースの前には馬の足元を支える作業「装蹄」があります。
競走馬が速く走るために、怪我を防ぐために、蹄の形を整え蹄鉄を打つ。それが装蹄師の仕事です。
常に馬を第一に思い技術を磨く4年目の渡辺さんと、親方の白椛さん。二人が岩手に根付く馬文化と馬の歩みを縁の下から支えています。

【制作意図】
古くから馬との関わりが深い岩手県。現在県内には2つの競馬場があり、今もなお馬は身近な存在として県民に親しまれています。
そのうちの1つ盛岡競馬場。華やかなレースの前には馬の足元を支える作業「装蹄」があります。
競走馬が速く走るために、怪我を防ぐために、蹄の形を整え蹄鉄を打つ。それが装蹄師の仕事です。
常に馬を第一に思い技術を磨く4年目の渡辺さんと、親方の白椛さん。二人が岩手に根付く馬文化と馬の歩みを縁の下から支えています。

【制作後記】
午年の2026年に、競馬の華やかな表舞台だけではなく、その足元にも目を向けたいと考えました。
速さや賑わいの前にある装蹄には、職人の繊細かつ力強い作業と馬への思いやりがあります。
装蹄の作業音、装蹄師の声、馬の足音、チャグチャグ馬コの鈴の音が重なり合い、古くからある岩手と馬の関係が現在も続いていることを、音を通して伝えたいと思い制作しました。


2026年2月 3日 (火)

組踊に魅せられて ~300年をつなぐ 伝える~

2026年2月2日~2026年2月8日
ラジオ沖縄 制作報道局 報道部 吉田 鉄太郎

【番組概要】
18世紀の琉球王国時代、歴代中国王朝からの使者、冊封使(さっぷうし)を歓待するために、王府の役人であった玉城 朝薫(たまぐすく ちょうくん)によって創始された芸能が、組踊(くみおどり)です。朝薫は能や歌舞伎、中国の演劇をヒントに、琉球古来の芸能や故事を取り入れ作品をつくり上げていきました。
廃藩置県、沖縄戦、アメリカ施政下からの祖国復帰など時代の荒波や世替わりを経た現在も、役者である立方(たちかた)や地謡(じうてー)と呼ばれる歌唱演奏者、そして先達の指導者の皆さんが組踊を育み、次世代へつなげようとしています。一方で、地元沖縄でも組踊について知っている人は多いとは言えません。また専業で携われる人は少なく、会社員など仕事をしながら舞台や稽古に臨む演者がほとんどです。
この組踊に惚れ込み、携わる人たちをサポートしたいと汗をかき続けるのが、東京都出身の大野 順美(おおの まさみ)さんです。2003年に来沖、組踊のホームグラウンド「国立劇場おきなわ」スタッフ、2010年からは一般社団法人「ステージサポート沖縄」代表理事として国内外に沖縄の伝統芸能の魅力を発信し、舞台制作をし続けています。


【制作意図】
20年余り前、都内の大学に通っていた私は、沖縄県人会の学生が集まる喫茶店で琉球芸能について熱く語る女子学生の言葉や姿が印象深く残っていました。その当人、大野さんは現在、組踊はじめ伝統芸能の縁の下の力持ちとして沖縄で奮闘されています。
沖縄のローカルテレビ局で長くスポーツ記者をしていた私は、大野さんの活動を知りながらも、なかなか組踊を含めた取材ができずにいましたが、去年ラジオ沖縄で勤務することになったことをきっかけに、大野さんの活動や組踊の魅力を紹介できないかと考えていたところ、録音風物詩での取材機会を得ました。
沖縄の人や文化、芸能が好きで、心を寄せて下さる方が多くおられます。その中の一人に、長く組踊のため奔走する方がいらっしゃることを知っていただき、組踊にも関心を持っていただけたらと考えました。

【制作後記】
古典芸能のイメージが強い組踊ですが、大野さんからは6年間かけ調べた中で、戦後80年間だけで、115作品の新作組踊が確認できたと聞きました。中には子どもたち向けに桃太郎やブレーメンの音楽隊といった昔話や童話をアレンジした作品もあるそうです。大野さんは「戦後創作組踊集」という本として出版されました。伝統芸能でありながらも時代の要素を取り入れ、幅広い世代に関心を持ってもらう取り組みは、組踊でも行われていることを知りました。大野さんには、能でも沖縄戦を題材にした作品があると教えていただいたので、鑑賞の機会を得たいと考えています。
本編でも触れた2021年製作の「シネマ組踊」は、コロナ禍での舞台のピンチを、何とかチャンスに代えようという心意気が伝わります。最近では那覇空港に常設されたミニシアターでも上映されていましたが、多くの方にご覧いただくことができればと思います。また「国立劇場おきなわ」のホームページからは、組踊の歴史を知ることができるデジタルライブラリーや、公演情報も見られます。「こちらも、ぜひご覧ください!!」との、大野さんからの伝言です。

 

地域を守れ!伝統の水かけ出初式

2026年1月26日~2026年2月1日
山梨放送 ラジオコンテンツ部 依田司

【番組概要】
山梨県、甲府盆地の東部に位置する山梨市。消防団・日川第五部の出初式では、火の見櫓に立った団員に地上から放水を行う「水の洗礼」が行われます。1月、気温3℃の寒空のもと、20分間も冷たい水を全身に浴び続けます。かつて、この地域では水害が多かったため、消防団員の水への恐怖心を克服してもらうために大正時代からはじまり、100年以上続く伝統行事です。若手からは「なぜ真冬にこんなことをするのか分からない」という正直な声も聞かれます。そうした戸惑いと覚悟が交差する現場から、地域防災を支える人たちを描きました。

【制作意図】
消防団と聞くと、少し遠い存在に感じる人もいるかもしれません。しかし、特別な人ではなく、地域で暮らす一人ひとりが消防団を支えていることを伝えたいと思います。若手団員の率直な思いや、幹部が水の洗礼を受ける姿から見えてくるのは、「地域は俺たちが守る」というシンプルな気持ちでした。伝統行事の迫力だけでなく、その裏側にある訓練、仲間同士の支え合いに光を当てることで、防災や地域とのつながりを、少し身近に感じてもらうきっかけとなる番組を目指しました。

【制作後記】
最初に取材したとき、「若い人が多いな」という印象を受けました。しかし、全国的に消防団員が減少する中、この地域も例外ではありません。かつては20人から30人ほどが所属していたといいます。伝統行事である「水かけ出初式」があることで、入団をためらう人がいるのも事実です。
それでも印象的だったのは、団員から聞かれた声でした。「消防団に入ってイメージが変わった」「思っていたより楽しい」といった前向きな感想が多く聞かれました。地域の事情をよく知り、いざというときには真っ先に現場へ駆け付ける消防団は、地域防災に欠かせない存在です。危険を伴う活動だからこそ、日頃の訓練や規律を守ることが大切にされています。その一方で、若い世代も参加しやすい環境づくりが進められていることも感じました。地域の安心・安全を陰で支える、まさに身近なヒーローたちです。




半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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