2014年10月15日 (水)

耳をすませば 運河育ちの元気声

2014年10月13日~2014年10月19日放送
ラジオ関西 報道制作部 西口正史

【番組概要】
神戸港の発展を支えた「兵庫運河」は、いまは時折ジェットスキーが通る程度で静かにたたずんでいます。そこではじまった、真珠の養殖プロジェクト。子供も大人も、アコヤ貝も?、毎年、運河を通して成長しています。週に一度の手入れ作業では、にぎやかな子ども達の声が響きます。

【制作意図】
ミナトばかりが注目される神戸ですが、運河もなかなか大したもんでしょ。そんな気持ちでつくってみました。運河でいま学んでいるのは子ども達だけじゃない。大人もまた、運河を学びなおしている。運河は一つの近代化遺産だということが伝わればと思います。

【制作後記】
最初に取材したのが2013年12月。そこから毎月ではありませんが、活動に併走させていただきました。外にいるのにゲーム機が手放せない子ども達が目に付く昨今。ぼくはいいたい。「ゲーム機を棄てて運河に出よう」。アコヤ貝の世話をするみんながかっこよかったのだ。

2014年10月 3日 (金)

ようお帰りなさいました

2014年10月6日~2014年10月12日放送
山口放送 ラジオ制作部 大谷陽子

※2014年度録音風物誌番組コンクール入賞作品
最優秀賞受賞 再放送です。

【番組概要】
本州の西の端、山口県。日本海を臨む長門市仙崎の港は、終戦後、在外邦人の引揚げ港となりました。終戦の翌月から1年間で41万人の引揚げ者が上陸(博多、佐世保、舞鶴などに次ぐ全国5番目の引揚げ者数)、仙崎の町は一丸となって引揚げ者の援護をしました。当時21歳だった中(なか)谷(や)貞女(さだめ)さんは、本土の地に降り立った引揚げ者を温かいお茶で迎え、宿も提供しました。それから68年。89歳になった中谷さんは当時を偲んで訪れる人に現地を案内し、依頼があれば講演にも出向きます。引揚げ港仙崎の歴史と思いやりの風土を伝え残したいという中谷さんの思いを綴ります。

【制作意図】
長門市仙崎は、古くは鯨漁で賑わった港町です。童謡詩人・金子みすゞのふるさとでもあります。終戦後、人口8,000人の町は、およそ1年の間に41万人もの人を迎える引揚げ港としての役目を果たしました。そこに生きた人々の歴史と経験が風土や気風として受け継がれていることを財産として伝えていきたいと制作しました。

【制作後記】
「よう お帰りなさいました」とは、「本当によく帰られましたね」という相手への気持ちを込めた山口弁の表現です。中谷さんの会話には、相手へ心を寄せる山口弁が度々使われます。放送の中でも出てくる「のんた」も代表的な山口弁で、「のー、あんた」と親愛の気持ちを込めて語りかける言葉です。温もりの響きを持つのは、相手に思いを馳せる思いやりの心があるからこそと、中谷さんの姿を見て学びました

カッパと孫助さんの約束

2014年9月29日~2014年10月5日放送
青森放送  ラジオ編成制作部 山本鷹賀春

※2014年度録音風物誌番組コンクール入賞作品
優秀賞受賞 再放送です。

【番組概要】

青森県八戸(はちのへ)市を流れる新井田(にいだ)川にはメドツが棲むといわれています。メドツとは、カッパのことです。何百年も昔、そのカッパと、地元の庄屋の孫助さんがある約束をしました。それは、地域の子どもたちを水難事故から守るため、孫助家ではある物を一切食べないという取り決めです。しかも子孫代々にまで守らせるという厳しい条件でした。孫助さんの家は代々「孫助」を襲名しています。そして、現在の孫助さんも、その約束を厳格に守り続けています。その後、新井田川は護岸工事が行われました。川は子どもたちにとって、さらに危険な場所となり、そして、孫助さんの家も今、立ち退きを迫られています。

【制作意図】
「どんな約束でも、約束は約束。守るべきもの。たとえ相手がカッパでも守るべきもの。」孫助さんの言葉です。何百年も続く旧家の家訓のように聞こえます。新井田川は、昔と姿を変え、周辺は都市化が進んでいますが、それでも約束を守り続ける人間の姿をカッパの視点で制作しました。何百年も前の庄屋さんと孫助さんに共通する、地域への想いを伝えたいと思います。

【制作後記】
この番組は、生中継で収録された音を録音構成にしたものです。カッパの声とナレーションを担当している十日市秀悦が以前「子どもの頃メドツを見たことがある」と発言したことから始まった番組でした。事前取材中、カッパ伝説の起源の一つが八戸であること、メドツとは水の神「ミヅチ」から来ていることなど、次々と明らかになりました。しかしそれ以上に、孫助さんの存在は、私たちにとって大きな衝撃でした。そして八戸の「糠塚きゅうり」(昔きゅうり)の味も忘れられないものでした。

2014年9月22日 (月)

録音風物誌リスナープレゼント

番組をお聴きの皆さまにプレゼント
「米の食味(しょくみ)ランキング」で4年連続の特A評価を獲得した
佐賀県産「さがびより」の今年の新米5キロを5名様にお送りします。

Saga
【ご応募方法】


■住所

■氏名

■年齢

■電話番号

■番組の感想、ご要望など

をお書き添えのうえ、お聴きの放送局へはがき、またはkayoukai@radio.or.jp まで、
「録音風物誌新米プレゼント」と明記してご応募ください。
締切りは10月20日です。
尚、当選者の発表は11月上旬の賞品発送をもって代えさせていただきます。

白神の春~ブナが育む森の声~

2014年9月22日~2014年9月28日放送
秋田放送  ラジオセンターラジオ制作部 石﨑 富士子

※2014年度録音風物誌番組コンクール入賞作品
優秀賞受賞 再放送です。

【番組概要】
雄大な白神山地に抱かれている町のひとつ、藤里町。秋田県最北端の町に桜の便りが届く頃、山ではどんな風景が見られるのか、この時期の藤里駒ケ岳に登り、春の森の音をお届けします。

【制作意図】
白神山地が世界自然遺産に登録されて20年がたちました。毎日来ても飽きない、感動する!という山のガイド斉藤栄作美さんは日々白神山地の魅力を訪れる方々に伝え続けています。再来年のカレンダーから新たな祝日「山の日」が加わる事になりそうですが、番組を聴いて、白神山地だけでなく、すぐそばの山でも、「山に行ってみたい」と思っていただけたらと思い制作しました。

  【制作後記】
ナレーション担当酒井も私も白神山地に登るのは初めてでした。感動と心地よさの中、見た目はまだ冬の森でも春へと動く植物、動物、生きるための水、それを生み出してくれる森、生かされているという事を改めて感じました。今回登りながらいろんな音を録りましたが、木の音は、木のよって木の部位によって良く聴こえるところそうでないところがあり、様々試しましたが、実際に耳に聞こえる音と同じ音をと、聴診器の管にピンマイクを入れて録りました。

ぬれ煎餅で電車が走る

2014年9月15日~2014年9月21日
文化放送 制作部 栁下直人

【番組概要】
千葉県銚子市に銚子電鉄という小さな鉄道会社があります。この会社、電車を走らせるだけではなく、「ぬれ煎餅」を作っていることでも知られています。本業の鉄道事業よりも、売り上げが多いというこのぬれ煎餅。犬吠駅の構内では実演販売も行われています。醤油の香りに引き寄せられ、観光客でにぎわう光景をお送りします。

【制作意図】
銚子といえば漁業の街ですが、実は醤油の街でもあり、ぬれ煎餅発祥の地でもあります。ぬれ煎餅という煎餅があり、それを鉄道会社が作っていること。煎餅を焼いているそばで電車が出発していくユニークさはもちろんですが、経営に苦労している小さな鉄道会社の努力も知っていただきたいと制作しました。

【制作後記】
網の上で焼かれる生地はどんどんと大きくなっていき、特製の醤油が入った壺に浸すと、「ジューッ」と醤油のしみこむ音がしました。私も焼きたてをいただきましたが、噛めば噛むほど醤油の味わいが口の中に広がりました。醤油の香りを想像して楽しんでいただければ幸いです。

2014年9月 8日 (月)

江差の八月は江戸にはない!?

2014年9月8日~2014年9月14日
北海道放送 ラジオ局  榊原満

【番組概要】
毎年8月9日~11日の3日間、豪華な13台の山車が町中を練り歩く姥神大神宮渡御祭。
蝦夷地最古の祭りとして、その起源はおよそ370有余年前にもさかのぼります。その年のニシン漁を終え、「江差の五月は江戸にはない」といわれるほどの景気に沸き返る夏の江差で、豊漁に感謝を込めてにぎにぎしく行われる、絢爛豪華、大盤振る舞いのお祭りです。番組では、今も江差の人たちが大切に守り続けるこのお祭りと、この日にかける思いを伝えます。

【制作意図】
「江差の五月は江戸にはない」とまで言われたニシン漁華やかし頃の江差の町。今は他の地域同様、人口減、過疎化に悩む北海道最古の港町で、毎年8月に繰り広げられる「姥神大神宮渡御祭」はそんな時代の名残を伝える一大ページェントです。地元に残った者、都会に出て行った者、評判を聞いて訪れた旅行者。人工の5倍以上、5万人が集うこの祭りの魅力に迫ります。

【制作後記】
今は人通りも少ない江差の町が「江差の五月は江戸にはない」とまでの景気に包まれていたことを想像するのは難しい。しかしこのお祭りには、かつての栄華の残り香があります。威勢が良くて、華やかで、思いっきり気前がいい。それは単なる金満体質に溢れたバブリーな景気のよさではなく、豊漁を感謝する神様への思いに溢れた奥ゆかしい神事でした。江差で生まれた人たちはすべてこのDNAを受け継ぎながら、毎年この日に合わせて地元へ帰ってきます。地元愛に満ちたお祭りを見て、次回は参加したくなりました。

2014年8月28日 (木)

伝統ふたたび・和傘の里に新たな息吹

2014年9月1日~2014年9月7日
四国放送 ラジオ編成制作部 三浦審也

【番組概要】
徳島県美馬市の美馬町は、かつては全国第二位の和傘の生産地でした。生活の洋風化とともに衰退した和傘作りの復活を目指す、美馬和傘制作集団を取材するとともに、和傘にまつわる様々な音もお届けします。

【制作意図】
伝統工芸の衰退や後継者不足が各地で問題になっている中、復活させようとする取り組みは面白いと感じ、制作しました。

【制作後記】
一度すたれた技術の復興は容易ではありません。和傘作りに必要な道具もないので自作するなど、美馬和傘制作集団の皆さんは試行錯誤を続けたそうです。今では全国から和傘の注文があり、数ヶ月から一年待つ場合もあるとか。和傘を知らない世代の私も、一本欲しくなっちゃいました。

2014年8月22日 (金)

「トゥクトゥク」青島を走る

2014年8月25日~2014年8月31
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 二木 あさこ

【番組概要】
昭和40年代、新婚旅行ブームに沸いた宮崎市・青島。かつての賑わいを知る地元の人からは、昔を懐かしむ声が多くあがっていました。そんな中、4年前、突如青島に登場した3輪自動車「トゥクトゥク」。キュートな見た目、愛嬌のあるエンジン音。宮崎市青島に「トゥクトゥク」が登場してから、「トゥクトゥク」がたくさんの笑顔を乗せて走っています。青島に「トゥクトゥク」を導入した青島神社の長友 安隆宮司、トゥクトゥクドライバー・谷口 礼さんの思いを、「トゥクトゥク」の音と共に、ご紹介します。

【制作意図】
「昔の賑わいを取り戻したい!」観光地が抱える問題を、青島生まれ青島育ちの若い世代が向き合っています。新婚時代に宮崎に来たことがある方はもちろん、青島を知らない方に、宮崎には、おもしろいところがあると知っていただき、遊びに来てもらえるように、思いをこめて、制作しました。

【制作後記】
『観光地として、衰退していた青島が、最近元気になってきている。』
そんな噂を聞きつけて、青島を取材しました。新たな試みとして登場した「トゥクトゥク」が、4年を経て青島にすっかりなじんでいます。「観光地ならではのしがらみもあるんですよ(笑)」と、大変なことも笑い飛ばす、谷口ドライバーの人柄と、開放的な南国宮崎にぴったりな乗り物「トゥクトゥク」があいまって、新しい青島を作っています。「トゥクトゥク」という音と共に、笑い声が響く青島をぜひ、お楽しみください。

銅鑼と太鼓が夏を呼ぶ~長崎ペーロン

2014年8月18日~2014年8月24日放送
長崎放送 ラジオ制作部 元永純史

【番組概要】
長崎市中心部から車で30分ほどの所にある、牧島。その牧島の港で、毎年夏が近づくと聞こえてくる音があります。ペーロン船という木造船に乗り込み、渾身の力で舟を走らせるその音です。銅鑼と太鼓のリズムに合わせ、漕ぎ手の掛け声が近隣に谺します。牧島代表は、長崎でも強豪と言われているチームの一つ。毎年長崎では、そのペーロンで一番を決めるための大会が開催されます。今年も我が町の威信をかけた戦いが始まります。

【制作意図】
ペーロンに携わる人間が、一年で最も熱くなる日、それがペーロン選手権大会。代々その地域に受け継がれる漕ぎ手の魂とプライドを賭けて真剣勝負が行われます。ペーロンを通して、地域の子供からお年寄りが交流し、一体となって我が町の代表を応援するペーロン文化、そして、その応援を背に、一番を目指して水面を駆ける漕ぎ手の雄姿が伝わればと思い制作しました。

【制作後記】
体験ペーロンで船を漕いだことはあったのですが、今回初めて伴走船に乗せて頂きました。真横から至近距離で見るペーロンの動きは力強く、一発でその魅力を知る事が出来ます。漕ぎ手の力を一つにし、櫂を水面に突き立てて漕ぎ起こす瞬間の力強さとその格好良さは、是非とも、実物を見て頂きたいです。牧島では体験ペーロンもやっているので、興味がある方は人数を集めて申し込んでみて下さい。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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