2013年9月18日 (水)

サンゴ風鈴

2013年9月9日~9月15日放送
琉球放送 真壁貴子

【番組概要】
沖縄のビーチにゴロゴロ転がっているサンゴの欠片や流木。土産物屋さんやクラフト体験で作るサンゴ風鈴を最初から自分で作ってみようというテーマに沿って、小学校の先生をしている知人の協力を得て、児童と一緒に作ることになりました。脇田先生が受け持っているのは特殊支援学級、普通の児童より作業に時間がかかる子供達ですがビーチでの材料拾いから仕上げまで、先生の指導の下、楽しくもちょっぴり苦戦しながらサンゴ風鈴作りを行う模様を取材しています。

【制作意図】
ビーチへ行く度にサンゴがぶつかる音っていいな~と思っていました。キララン・カラランと涼しげで潮の香りがする音です。身近な材料をちょっと工夫するだけで面白い物が誕生すること。自分でもつくってみたいと出来れば子供達を巻き込みたいという発想から今回知人の先生に協力してもらいました。夏休みの思い出として・・・。また故郷沖縄の音としてサンゴ風鈴が参加した皆の記憶に刻まれたら・・・素敵だなと思います。

【制作後記】
スタッフも一緒になって作ったサンゴ風鈴。見た目は流木にサンゴを繋いだだけのかなり素朴なものですが、風に揺れると予想外の良い音にちょっぴり感動しました。工夫次第でわずかな材料費でクラフトアートが出来る喜びを味わい、同時に今回サンゴについても色々と学ぶ良い機会になりました。番組作りを通し新たな発見を得たことに感謝です。

2013年8月29日 (木)

行列のできるかき氷店

2013年9月2日~9月8日放送
秋田放送 松田千穂

【番組概要】
秋田市民が夏の間に一度は並ぶ、小さなお店。
秋田市南通にある広栄堂は、年間の99%を夏のかき氷で売上ます。生の果汁と果肉をたっぷり使った自家製シロップと、メロン大の氷の盛り。
昭和9年から世代を通して愛されている、秋田の夏の味覚です。

【制作意図】
秋田在住の市民だけでなく、帰省客、それから学生、子ども、お年寄り、全世代に愛されている広栄堂のかき氷の魅力を表現し、暑い夏に一陣の涼を届けたいと思いました。

【制作後記】
いつ取材に訪れてもお店は満席!お忙しいところ時間を取っていただき、お店の皆さまには本当に感謝しています。氷を崩す小さな音を録音するのは苦労しました。
お客さんがみんな楽しそうにニコニコしていて、こちらも嬉しくなった取材でした。

2013年8月21日 (水)

綱に乗ったご先祖様

2013年8月26日~9月1日放送
茨城放送 業務局 編成制作部 報道防災課 鹿原 徳夫

【番組概要】
茨城県内で行われている、迎え盆の風習「盆綱」は、地区の子供たちが綱を引いて墓地へ出向き、ご先祖様を乗せて集落を回り、家々に送り届けるものです。「盆綱」が行われている地区のひとつ、東茨城郡茨城町奥の谷地区を訪ね、独特の掛け声とともにご紹介します。

【制作意図】
お盆の行事は、さまざまな形で各地に伝わっていますが、少子化や地区の交通事情などによって、取りやめたところも少なくありません。『音の記録』として残しておくとともに、さまざまな年代の人たちが協力して地区の行事に取り組む姿を伝えたいと思って取材しました。

【制作後記】
「独特の掛け声は、この番組にぴったりの題材だ…」と思って、マイクを持って同行しましたが、結局1時間にわたり奥の谷地区を走り回り、子供たちといい汗をかきながらの取材になりました。「盆綱」の終了後、子供たちが笑顔でジュースを飲んだり、笑いあっている姿を見て、地区の人たちが一緒になって行う風習の大切さを感じました。そして、私も古くからこの地区に住んでいたような錯覚に陥ったのでした。

親子3代で受け継ぐ南部風鈴の音色

2013年8月19日~8月25日放送
IBC岩手放送 編成局ラジオ放送部 照井達也

【番組概要】
江戸時代から鉄瓶や茶釜など南部鉄器のふるさととして知られる岩手県奥州市。南部鉄器の伝統の技を生かして作られた、南部風鈴を製造している会社の一つ、及春製造所では、現在、孫の及川貢基社長が会社を受け継いでやっていました。先代から教わったというより、見て覚えたと話す及川社長。祖父が作った風鈴と比べても遜色のない風鈴を作っていると自信を持ちます。その及川社長が作った風鈴の音色を聴いてみました。

【制作意図】
夏の暑さを和らげる音の一つ風鈴の音色。しかし、涼しい音を奏でるまでの工程は、千度を超える鉄を溶かす作業から始まる。灼熱の工程から出来上がった南部風鈴。暑い最中、涼しい音を味わってもらえればと思っています。

【制作後記】
鉄が溶けた1400度を型に入れる作業を取材し、鉄の流れる音、鉄の息吹を音に残したかったが、さすがに難しく、音に残すことはできませんでした。涼しさを醸し出す風鈴が出来上がる裏には、暑い工場の中で、丹精込めて作り上げる職人の技があることを改めて実感しました。

 

2013年8月12日 (月)

鳥取の夏の味覚 大栄西瓜~おいしいスイカは叩けば分かる

2013年8月12日~8月18日放送
山陰放送 ラジオ総局放送制作部 大田祐樹

【番組概要】
鳥取県中部の「北栄町」は日本有数のスイカの名産地です。100年をこえる歴史を持つ「大栄スイカ」は、鳥取の夏を代表する味覚。収穫作業に追われるスイカの生産者の畑に伺い、スイカ農家のやりがいや思い、そしておいしいスイカの選び方などをお伝えします。

【制作意図】
北栄町でスイカを育てる38年の南場英さんにスイカの作業を見せてもらいながら、実際スイカを叩くと、その音でおいしさが分かることをきき、おいしいスイカの音を取材しました。


【制作後記】
みずみずしくて甘い大栄スイカ。生産者の南場さんの熱い思いに触れ、大栄スイカが一層好きになりました。このラジオをおききのリスナーの皆さんにも、スイカを買う時は叩いてみて、音の低いスイカを買ってもらいたいですね。

 

丸峯の朝の声~集落放送半世紀~

2013年8月5日~8月11日放送
南日本放送 ラジオ制作部 米森 仁美

【番組概要】
鹿児島県大隅半島の最南端の町、南大隅町。その南大隅町根占にある、丸峯集落では、50年間集落放送を一人で続けてきている人がいます。今年74歳になった、牧口弘次さんです。毎朝6時25分に公民館から放送が始まり、およそ30分間、小学生の朝読みや、独特な調子で集落の人たちへ情報を伝えます。弘次さんの声は、放送の声だけでなく、集落にとって必要な声でもありました。どうして放送を始めたのか、どのような放送を毎朝届けているのか、実際の放送の声とともにお送りします。

【制作意図】
集落放送が減少する中、50年間の長きにわたり、丸峯に根付き親しまれている、弘次さんの声。その放送とともに生活を営んでいる集落の人たちの想いをしりたくて取材制作に取り組みました。

【制作後記】
鹿児島市内から、南大隅町根占まで、車とフェリーでおよそ3時間。朝の放送に間に合うようにまだ暗いうちに取材に出かけました。他所からきた私にもみなさんすれ違うたびに挨拶をしてくださり、「ご飯は食べたね?」、「野菜もってかんね!」と声をかけてくださいました。昔からある集落の人たちのあたたかさや、人柄のよさがすごく伝わってきた数日間でした。

 

2013年7月26日 (金)

カッパと孫助さんの約束

2013年7月29日~8月4日放送
青森放送 ラジオ編成制作部 山本鷹賀春

【番組概要・制作意図】
青森県の西側、津軽地方で話されている方言「津軽弁」。かつては「汚い言葉」とされ、県内の学校では津軽弁を使わないよう、生徒へ指導していた時期もありました。そして時が流れ、今では「本当の津軽弁」を話せる人も少なくなりました。

 そんな中で25年間続けられてきたのが毎年10月23日に行われる「津軽弁の日」のイベントです。津軽弁で書いた俳句・短歌・川柳・詩・体験記を広く一般募集し、本物の津軽弁が話せる役者がステージで紹介しています。25年目の今年は、1632作品が寄せられ、そのうち半数は県外から、海外からも14作品が届きました。そこには日常生活の素朴な笑いや、望郷の想いが綴られています。  

 忘れられようとしている地元の方言が堂々と共通語となる日。この「津軽弁の日」がこれからもずっと続いて欲しいと思います。

 なお、録音の中で流れている津軽三味線のBGMは、ステージで発表される作品に合わせて、即興で演奏されたものです。

 

2013年7月22日 (月)

願いを編み込んで~北条鹿島・玉理寒戸の大しめ縄

2013年7月22日~7月28日放送
南海放送 ラジオ局ラジオ業務部 吉尾亜耶

【番組概要】
松山市北条では、毎年5月3,4日に「北条鹿島まつり」が開催されています。かつて北条の地を治めていた伊予の豪族、河野水軍ゆかりの伝統行事を中心に行われる春まつりです。最終日4日には五穀豊穣や海上安全を願って、鹿島沖に浮かぶ夫婦岩「玉理(ぎょくり)」と「寒戸(かんど)」の大しめ縄の張り替えが行われます。今年はその大しめ縄に1400枚もの「願い文」が編み込まれました。北条のおじいちゃん達が協力してつくり上げるしめ縄から、昔ながらの音や長年の技、北条の町の雰囲気を、しめ縄づくりに初めて参加した大学生の様子を交えて伝えます。

【制作意図】
松山市北条は、祭りのときはとても熱くて、でも普段は穏やかで優しい人が多い町です。この2、3年、まちづくりに力を入れている北条には取材で足を運ぶ機会が多く、この町の空気感を音で伝えられないかと思っていました。大しめ縄づくりは、地域の人と触れ合いながらの作業が多く、昔ながらの音や声がたくさんあります。伝統行事であると同時に、多くの人の”願い事”が編み込まれたたくさんの人の思いも一緒につくり上げる、大しめ縄を通して、北条のおじいちゃん達の優しいやわらかな雰囲気と男らしさが一緒に伝えられるのではと思い、制作しました。

【制作後記】
自分も取材しながら参加しましたが、作業に慣れない私達若者にも優しく、時に叱咤しながら家族のように一緒に作業しました。初めて参加した大学生からポロリとこぼれた言葉は、おじいちゃん達と一緒にいて感じたものが、自然と出てきたのだと思います。それが嬉しかったです。「願い文」は次の年のしめ縄づくりまで常時受付けていて、郵送も可能だそうなので、来年は一緒に編み込んで欲しいという方は、北条地区まちづくり協議会(〒799-2430松山市北条辻6番地)に送ることができます。

2013年7月11日 (木)

レコードの命

2013年7月15日~7月21日放送
山形放送 報道制作局 制作部 大久保円

【番組概要】
山形県東根市にある、レコード針作りの現場を訪ねます。豊かな自然の中にある小さな工場で、レコード針は作られていました。いまでは、世界で唯一の量産工場です。レコード針作りを担うのは、30歳代から60歳代までのたった6人の女性職人。その女性職人たちが一本一本針を作っていく、手仕事でした。製造の様子を材料から針先の完成まで伝えます。

【制作意図】
音楽を聴くにはラジオ、CD、MP3、インターネットからのダウンロードなど様々な手段がありますが、昭和の主流はレコードでした。そして、今もレコード愛好者は少なくありません。そのレコードを聴く要の道具は、「レコード針」です。レコード針は細々と作り続けられています。どのようにして作られるのかを、世界で唯一のレコード針量産工場である山形県東根市の㈱ナガオカに取材。

【制作後記】
レコード針作りの取材は、驚くことばかりでした。製造する人は、30歳代から60歳代までのたった6人の女性だけ。毎日1500本を目標に、手作り。針先を上手く削ることは、大変な熟練を要します。そして、工場の休憩室で、出来上がった針を使いレコードとCDを聴き比べると、レコードの音は再生音域が広く、響きが豊かに聞こえます。 これにはとても驚きました。製造技術の伝承のためにも、いつまでもレコード針作りを続けてほしいものです。

 

 

2013年7月 8日 (月)

名調子! あひるの競走

2013年7月8日~7月14日放送
大分放送 ラジオ局ラジオ制作部 宮本 武典


【番組概要】
大分県別府市に昭和4年創業の老舗遊園地、別府ラクテンチがあります。遊園地と言えば、ジェットコースターなどの乗り物が人気ですが、ここには、名物とも呼べるアトラクション「あひるの競走」というものがあります。野田峰生さん(63歳)が8羽のあひるを操り、あひるのレースを披露してお客さんを楽しませています。60年以上続くこの「あひるの競走」、ここまで続けてきた野田さんの思い、そして、この競走の魅力を野田さんの名調子とともにお送りします。


【制作意図】
私も子どもの頃に何度も遊んだ、「あひるの競走」。野田さんの掛け声に魅了された一人でした。調べてみると、「あひるの競走」は60年以上続いていることがわかりました。遊園地で長きにわたり人気を保ち続ける「あひるの競走」にどんな魅力があるのかという思いで制作しました。


【制作後記】
取材を行っていくと、”競走を主に考えていない”という野田さんの一言にはおどろこされました。私自身、競走を楽しんでいたと思っていました。この野田さんの一言で、あひるの競走が長く続く理由がわかりました。そして、野田さんは本当に「あひるの競走」が好きだというところが見えてきました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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