2014年2月 4日 (火)

足元に響く 神戸っこの心意気

2014年1月27日~2014年2月2日放送
ラジオ関西 報道制作部 西口正史

【番組概要】
神戸の観光スポット・神戸ハーバーランドモザイク。去年、ハーバーランドモザイクUMIEとしてリニューアル。アンパンマンこどもミュージアムもオープンして、20年たった今も人気は衰えません。そのハーバーランドの憩いの場が「海の広場」です。海の広場を歩くと心地よく響く足音。その足音から、交差する神戸の歴史と、神戸っこの思いを切り取ります。

【制作意図】
神戸らしい風景、といわれて先ず浮かんだのが「ハーバーランド・海の広場」。しかし、他の人が取り上げなさそうな、マニアックな音はあるか????と考え込んで目を落とした先にあったのがウッドデッキでした。施工者・井上裕崇さんのこだわりを通じて、神戸っこの粋な部分を伝えられればと思います。

【制作後記】
「神戸はストーリーがあるまち。それを掘り起こすのが我々の務め」
神戸を愛する井上さんの仕事のスタイルは、極めてベンチャー的。しかしそれでいて先人への敬意にあふれ、スマートさと庶民性がまざりあった、汽水域のようでした。そこで育まれた神戸っこの思いは、世代や国籍を超えて伝わっていくと思います。

2014年1月17日 (金)

大学応援団~彼らは、なぜ応援するのか~

2014年1月20日~2014年1月26日放送
文化放送 放送事業局 制作部 上野耕平

【番組概要】
「早稲田大学 応援部」伝統ある応援部の中で、初めて女性リーダーが誕生しました。
彼女の名前は、小暮美季さん。応援部70年の歴史の中で、初めての女性リーダー。そして東京六大学の応援部の中でも、今まで女性リーダーはいませんでした。そんな彼女は、高校時代はチアリーダーをしていたのですが、2011年入学の時に見に行った六大学野球で、応援部のリーダーにあこがれて、「男の世界」である応援部のリーダーとして入部します。女性である彼女が、応援部の中で苦労したこと、そしてチアリーダーだった彼女が、リーダーとして応援部に入った理由を、インタビューと早稲田大学応援部の応援風景とともにお伝えします。

【制作意図】
応援部という一般的には「男の世界」といわれる厳しい世界の中に、飛び込んだ彼女の決意を聞きました。長い歴史の中で、初めての女性リーダーとして奮闘する彼女の応援に対する思い。そして厳しい規律の中で、真剣に応援の練習をする応援部のリーダー達の応援をお伝えします。

【制作後記】
練習に伺った際、早稲田大学応援部のピリピリした空気に圧倒されました。主将を頂点とする厳しい上下関係の中で、誇りを持って応援をする応援団員の皆さん。その中で、下級生をまとめる小暮さん。大学生とは思えないしっかりした考えと意思を感じました。しかし、練習では厳しい表情で下級生を指導する彼女も、取材の際は一般的な大学生。「練習では、心を鬼にして厳しくしています。少し無理をしているかもしれません。」と笑う彼女は、等身大の大学生でした。

港町・毛がに狂想曲

2014年1月20日~2014年1月19日放送
北海道放送 ラジオ局編成業務部 榊原満

【番組概要】
北海道十勝の最南端広尾町は豊かな漁業資源を有する太平洋に面した人口約8,000人の町です。毎年12月の第一日曜に町外れの公園で開かれる冬のビッグイベントが第44回目を迎えた「広尾毛がにまつり」。今回はこの「おまつり」に集う人々に迫りました。

【制作意図】
毛ガニと言えば、地元の人も地元以外の人もみんな大好き、北海道を代表する海の幸です。広尾町では12月、毛ガニ漁が始まる時期に合わせて、町をあげてのイベント「毛がにまつり」で町おこしを行います。まつりの呼び物は「毛ガニ大釜茹で」。総量5トンのカニを大鍋に投げ込み、茹でたての毛ガニを即売します。たかが毛ガニ、されど毛ガニ・・・。大鍋茹でと毛ガニ目当てに群がる人たちの様子を紹介します。

【制作後記】
人口減少の港町で繰り広げられる冬のイベントを見るのは初めてでした。町の人口の倍の人が朝から行列を作っている光景は壮観です。夏フェスならぬ冬フェスとでも言えるでしょうか。町への幹線道路は大渋滞で、ウッドストックを思い出しました。毛ガニは完売。行列の人びとが「はずれなし」と言っていた毛ガニの味は未知のままでした。

一年の福届けます 阿波木偶箱廻し

2014年1月6日~2014年1月12日放送
四国放送 ラジオ局ラジオ編成制作部 大久保裕司

【番組概要】
江戸時代から民衆の娯楽として人気を博した徳島の阿波人形浄瑠璃。この阿波人形浄瑠璃を世に広める役割を果たしたのが伝統芸能の「阿波木偶箱廻し」と言われています。箱廻し芸人は新年が明けた元旦の午前0時から、正月ギレイの「門付け」をするため民家を訪ねて歩きます。人形で”三番曳まわし”や”えびすまわし”を舞って、去年の厄を落とし、今年の福を届けます。明治時代には200人いた箱廻し芸人も今は、阿波木偶箱廻し保存会が活動するだけとなっています。消滅寸前だった箱廻し芸を継承した保存会の「門付け」の様子を紹介します。

【制作意図】
阿波木偶箱廻し保存会代表の中内正子さんは徳島県で最後の箱廻し芸人だった師匠のもとで3年間修行して芸を継承しました。そして独り立ちして13年。中内さんたちの努力があったからこそ、箱廻しが今見直され、改めて多くの人に知られることになったと言えます。そんな箱廻し芸の素晴らしさを全国に紹介するとともに、伝統文化を継承する中内さんの思いなどが伝えられないかと考え制作しました。

【制作後記】
人形を操って語る中内さん、鼓を叩いて合いの手を入れる南公代さん。この二人の息の合ったコンビ芸を見ると、いつも幸せな気分にさせられます。残念ながら、人形の顔の表情やしぐさを音で表現することはできませんが、テンポのある語りと絶妙のタイミングで入る合いの手、それを聞くだけでも雰囲気を感じてもらえると思うのですが・・・。

2013年12月24日 (火)

伝承・黒糖造りの男衆

2013年12月30日~2014年1月5日放送
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 日高 千明

【番組概要】
宮崎県南部に位置する日南市風田地区。風田に伝わる製法は、さとうきびの汁を煮詰め、棒でかき混ぜて練り上げることから「さとねり」と呼ばれ、江戸時代から受け継がれています。現在ではその製法を守り造っているのは一軒のみ。師走に入ると、さとねり小屋には男衆が集められ夜を徹して作業が続きます。その黒糖造りをしきるのが、さとねりのすべてを知る風田でたった一人の名人、平島二三夫さん(56)です。さとうきびが黒糖になるまでを名人の技と共にお伝えします。

【制作意図】
宮崎の冬の風物詩「さとねり」。様々な商品が出来上がるまでには、沢山の時間と思いが込められています。黒糖もそのひとつです。さとうきびから黒糖になるまでは8時間以上かかります。大変だけれども、祖先から受け継いだ伝統製法を守り次に伝える平島さん。そして地元の正月の思い出に必ず出てくるのが平島さん達が造る黒糖です。番組では、江戸時代から続く伝統製法を受け継ぐ男衆を描きました。

【制作後記】
さとうきびを搾る所だけが唯一の機械での作業、後は手仕事。寒さも眠気も襲ってくる午前4時、何故ここまで・・と思いもしましたが一睡もせず黒糖造りを進める男衆。「辞めるのは簡単だけど、祖先から受け継いだ息子の使命、伝統の灯を絶やさずによ」としきりに言われていた平島さん。江戸時代から続く「さとねり」。音の変化と共にお聴きいただければと思います。

池島炭鉱、その終点の先に

2013年12月23日~12月29日放送
長崎放送 ラジオ&プロモーションメディア総括本部 ラジオ制作部 元永純史

【番組概要】
長崎市中心部からバスとフェリーを乗り継いで2時間半。長崎市の北西部に池島という小さな島があります。かつて炭鉱の島として栄え日本の近代化を支えていました。しかし国産の石炭需要の低下に伴い、2001年11月に炭鉱は閉山。多くの住民が島を去る中、島に人を呼び戻す為にスポットライトがあたられたのは、かつて島を支えた炭鉱の存在でした。
この炭鉱を体験できるツアーには、現在、日本中から参加者が集まっています。そして、この島の魅力はそれだけでないのです。

【制作意図】
長崎で炭鉱の島といえば、まず軍艦島(端島)の名前が挙がるでしょう。しかし長崎には2001年まで創業していた九州最後の炭鉱があります。それが池島炭鉱。観光資源として炭鉱や古びた昭和の街並みが大きく注目される中、より魅力的なのは、実は島に暮らす人々でした。そんなチャーミングな島民の雰囲気が少しでも伝えられたらと思います。

【制作後記】
島の数少ない食事処のひとつ「かあちゃんの店」で話をしてくれた炭鉱マンの皆さんは、どこからどう見ても不器用そうなのですが、当時の様子を熱く語る姿はとても魅力的でした。炭鉱の中という非日常、対してどこにでもいそうでいない、素敵な登場人物たちを想像しながら聞いていただけると幸いです。池島へ行かれる際は、是非宿泊して思う存分島を体験してみてください。

2013年12月18日 (水)

ぬか床を守り続けて140年。4代目榮助さん

2013年12月16日~12月22日放送
和歌山放送 報道制作局報道制作部 花井歩高

【番組概要・制作意図】
紀伊半島の中ほど、和歌山県日高川町寒川(そうがわ)地区。
海沿いにある高速道のインターチェンジからは車でおよそ1時間かかる山に囲まれた地域です。集落の中心地で営業している「三尾屋」は創業明治元年。屋号の三尾は、太平洋に面した日高町三尾を指し、「アメリカ村」とよばれる移民の町でもあります。初代の榮助は長さ2メートルほどもある天秤棒をかつぎ、2~3日かけていくつもの山を越え、紀伊水道で水揚げされる塩サバなどの海産物や大阪からの小間物を運び、寒川からは椎茸やお茶を町に届けていました。

そんな寒川に店を構えて140年。4代目の福島榮助さん(84歳)の自宅居間にはその天秤棒が大切に保管されていて、今も店に出るときは棒をくぐりながら常に感謝の心を忘れないといいます。初代の妻が大阪・船場のまかない仕込みでこの漬物を覚え、以来、榮助漬けとして地元の人たちに親しまれてきました。ダイコンやキュウリ、ナス、ショウガにミョウガ・・・ぬか床の入った壺がずらり並ぶ倉庫には、ぬか床の甘酸っぱい香りが漂います。香ばしく煎ったぬかと塩、鷹の爪、ぬか床の中身は至ってシンプルですが、なんとも深い味わいです。ちなみに、ぬか床を「まぜる」というよりも、かめの端を上から「押さえつける」という表現がしっくり来ます。それだけぬか床がしっかりしているのです。

ふるさとの食についての著作も多い地元随筆家・梅田恵似子さんはおよそ30年前に取材に訪れた際、そのぬかを指にすくって口に運んで「うまい!」とひと言。それがきっかけに地元の人たちだけで食べられてきた榮助漬が県内外に知られるようになりました。4代目榮助さんが見せてくれた歴史年表には、三尾屋の歴史が詳しく記されていました。一日も休まず混ぜられてきたぬか床ととも大切な家族の記録で、この歴史は5代目に受け継がれています。

2013年12月11日 (水)

守り育てる村上の鮭

2013年12月9日~12月15日放送
新潟放送 ラジオセンター 五十嵐滋章

【番組概要】
「寒くなると、鮭がのぼって来るんだよな…」つぶやくように語る小池さんは、新潟県村上市、()面川(で行われる伝統的な鮭漁、テンカラ漁をやって60年の大ベテラン。20歳頃から始めたテンカラ漁。85歳となった今も三面川に通う。歴史が深い村上の鮭。江戸時代の村上藩士、青砥(あおと) ()平治(へいじ)は、鮭が生まれた川に帰ってくる「回帰性」に着目、「(たね)(がわ)の制」を実施して、世界で最初の鮭の自然保護増殖を成功させた。その精神は今も受け継がれ、地元の子供たちも手伝って、毎年800万匹の鮭の稚魚が見面川に放流される。今年はちょうど、青砥武平治生誕300年の年にあたる。そして今年も、越後村上に鮭の季節がやってきた。

【制作意図】
新潟県の北部に位置する村上市には、古くから鮭漁の歴史があり、言葉や料理など、鮭にまつわる文化は多岐に渡ります。長い年月の中で、村上の人々には、川や鮭を大切に思い感謝する気持ちが、自然と育まれてきました。その歴史と想いを、現在の村上と、市井の人々を通じて描きたいと思い、この作品を制作しました。

【制作後記】
川魚としてはとびきり魚体が大きな鮭は、5kg以上というものもざらにかかり、アタリの手ごたえは堪らないのだそうです。テンカラ漁は、誰でも出来るわけではなく、村上市に住民票があり、かつ、漁業組合に登録した人しか出来ません。「楽しいよ。村上に住みなせ。」と言われた言葉が耳に残りました。歌を発表したのは村上小学校の3年生でした。この舞台のために半年練習したそうです。作品を通じて、村上の風土や風物に少しでも興味を持っていただければと思います。

この醤油でないとアカンのよ

2013年12月2日~12月8日放送
西日本放送 ラジオセンター 堀部直子

【番組概要】
醤油づくりとして400年の歴史をもつ香川県小豆島。ここに創業110年を迎える「やまひら醤油」があります。工場は港のすぐ近くにあり、瀬戸内の7つの島へ時代を逆行し、今もなお船で醤油を運び続けています。
島の人に「やまひらの醤油じゃないとアカンのよ。」と、愛され続けられる理由とは?

【制作意図】
インターネットが発達し、流通も昔ながらの船から車へと時代がシフトしてもなお、島々へ船で醤油を運ぶ「やまひら醤油」の3代目山口俊徳さん。島民はただ醤油を待っているのではなく、人と人との関係が希薄になっている時代、醤油を通して人情や人と人との関わり方が見えたような気がします。

【制作後記】
山口さんは今年75歳。ここ何十年も休まず仕事をされているそう。他人から見たら大変な仕事だが、本人は悠々と楽しく仕事されているのが印象的でした。配達の合間の世間話も人と人との結びつきには欠かせない大事な要素なんだと改めて感じました。

2013年11月21日 (木)

飯坂けんかまつり~世話人日記

2013年11月25日~12月1日放送
ラジオ福島
 編成局放送制作センター 飯田英典

【番組概要】
300年余りの歴史をもつ福島県福島市飯坂町の「けんかまつり」祭り二日目「本祭り」では重さ1トンの担ぎ屋台をぶつけ合う「宮入り」が行われ各町から6台の屋台が境内で「けんか」を繰り広げます。飯坂に住む人間は、10月が近づき、金木犀の香りが漂い、町内各地から太鼓を練習する音が響きいてくると血が騒ぎ、祭りが待ち遠しくてたまらなくなります。にぎやかな祭りの裏で、各町内の祭典事務所に詰めて、祭り屋台の運行や担ぎ手、こども達の調整などを行っているのが「世話人」です。スタッフが世話人として参加、見る側から支える側から聞こえてくる音風景をレポートします。

【制作意図】
子供の頃から、楽しみにしてきた「飯坂けんかまつり」に世話人という裏方として関わる機会を得たことから、見る側、楽しむ側ではない角度から祭りを取材し、これま耳慣れた太鼓の演奏や掛け声などがどのように聞こえてくるのか、そこに関わる人々の姿に近づくことが出来るのではないかと考え、番組を制作しました。

【制作後記】
祭りに関わる老若男女と触れ合うことで、祭りが地域の誇りであり、祭りに関わることで郷土愛、地域愛がはぐくまれていく姿が間近に感じられ、自分自身を育んでくれたこの地域への思いをあためて実感することが出来ました。世話人の中には被災し避難している人もいて、環境はいたって複雑ながら、祭りを成功、そして楽しむため集まった世話人には不思議な連帯感が生まれ、忘れられない三日間を過ごすことが出来ました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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