2014年6月17日 (火)

残したい「茶摘み唄」

2014年6月16日~2014年6月22日放送
静岡放送 編成制作部 佐野有利

【番組概要】
駿河路や 花たちばなも茶のにおい」
と俳人、松尾芭蕉がよんだように静岡県はお茶の産地として古くから知られています。お茶の産地、牧ノ原市に住む、中村肇さん(67)は、高校の教師として、郷土史の研究に力を注いできました。その中で茶摘みの時に歌う茶摘み唄は、何十年も前から調査してきました。茶摘み唄は、機械化と共に歌われなくなりましたが、高級茶の産地、大井川沿いの川根地区で何十年も前に古老の声でテープに録音していました。中村さんは1つの文化として残そうと活動しています。

【制作意図】
この数十年で静岡県の生産量は半減してしまいました。明治以降の大量生産、大量消費に伴い、茶摘みも機械化され、人の手でお茶が摘まれることはなくなりました。そして産地から茶摘み唄も消えてゆきました。しかしそこには当時の風景や生活がかいまみられ、当時の1つの文化ともいえるのではないか。1つの文化財として知る必要を中村さんから学べます。

【制作後記】
書籍などでは文字として歌はありますが楽譜はなし。又、まねようと思ってもカラオケ世代の我々にはまねることは容易ではありません。そんな中、番組中で紹介した古老は明治29年生まれ。孫たちも歌が残っていたことも知らなかったとのことです。放送で声が流れることは楽しみにしているとのことでした。

そろばんでつながる、そろばんがつなげる

2014年6月9日~2014年6月15日放送
中国放送 RCCフロンティア 制作営業部 ラジオGr 村山太一

【番組概要】
広島県安芸郡坂町に、67年続くそろばん教室があります。梶谷珠算塾。
梶谷珠算塾の講師、梶谷成子さんは今年で88才。御主人と二人三脚で教室を立ち上げてから、現在も生徒の指導にあたっています。子どもたちが夢中になってそろばんをはじく音と関係者の声をご紹介します。

【制作意図】
そろばんは、パソコンや電卓にとって代わられ、私たちの生活であまり目にしないものになりつつあります。指先でスライドして操作するスマホが当たり前の子ども達が、そろばんとどう向き合っているのかを取材するとともに、戦後すぐから続くそろばん教室を支えた1人の女性が紹介できればと思い、制作しました。

【制作後記】
そろばんを習う子どもたちにインタビューしましたが、「そろばんは楽しい!」「そろばんだったら誉めてもらえる!」と好意的な意見ばかりでした。梶谷さんのそろばんに対する熱意が、これからも1人でも多くの子どもたちに届き、広島に残っていくことを願っています。

2014年6月 2日 (月)

イルカの町の漁師さん

2014年6月2日~2014年6月9日放送
熊本放送 ラジオ編成制作部 宮川理佳

【番組概要】
熊本県天草市五和町周辺の海には約200頭もの野生のミナミバンドウイルカが生息している。20年ほど前から野生のイルカが泳ぐ姿を見ることができるイルカウォッチングが始まり、休日には多くの観光客が訪れる。船頭として案内するのは、地元のベテラン漁師たちだ。番組では去年からイルカウォッチングの船頭を始めた漁師を紹介。漁師として船頭としてイルカ達と共存する姿を描いた。

【制作意図】
この海では、トサカやウニ漁が盛んで、魚も豊富にとれていました。しかし不漁のために漁だけでは立ちゆかず、イルカウォッチングを始める漁師たちが増えてきました。昔から変わらないイルカの泳ぐ風景と、20年ほど前から見られるようになったイルカウォッチングの風景を楽しみながら、そこで生活する漁師さんの生き様を感じてほしいです。

【制作後記】
イルカの潮を吹く音を録るために、船酔いと闘いながら4回も船に同乗させていただきました。大変でした。しかし、漁からの帰り、イルカの群れが船の1m近くを泳ぎ過ぎていく姿を見て、疲れもどこかへ。そしてこれが漁師とイルカが共存してきた五和町の海なのだと感じました。イルカの息づかい、漁師さんの声がする「イルカの町」を耳で感じて頂き、そして五和町に遊びにきて頂きたいです。

白神の春 ~ブナが育む森の声~

2014年5月26日~2014年6月1日放送
秋田放送  ラジオセンターラジオ制作部 石﨑 富士子

【番組概要】
雄大な白神山地に抱かれている町のひとつ、藤里町。秋田県最北端の町に桜の便りが届く頃、山ではどんな風景が見られるのか、この時期の藤里駒ケ岳に登り、春の森の音をお届けします。

【制作意図】
白神山地が世界自然遺産に登録されて20年がたちました。毎日来ても飽きない、感動する!という山のガイド斉藤栄作美さんは日々白神山地の魅力を訪れる方々に伝え続けています。再来年のカレンダーから新たな祝日「山の日」が加わる事になりそうですが、番組を聴いて、白神山地だけでなく、すぐそばの山でも、「山に行ってみたい」と思っていただけたらと思い制作しました。

【制作後記】
ナレーション担当酒井も私も白神山地に登るのは初めてでした。感動と心地よさの中、見た目はまだ冬の森でも春へと動く植物、動物、生きるための水、それを生み出してくれる森、生かされているという事を改めて感じました。今回登りながらいろんな音を録りましたが、木の音は、木のよって木の部位によって良く聴こえるところそうでないところがあり、様々試しましたが、実際に耳に聞こえる音と同じ音をと、聴診器の管にピンマイクを入れて録りました。

2014年5月20日 (火)

からくり山車と人形芝居

2014年5月19日~2014年5月25日放送
茨城放送  業務局営業部 鹿原徳夫

【番組概要】
茨城県北部の工都、日立市に江戸時代中期から伝わる「日立風流物」。かつては不定期に神社の祭礼で奉納されていたが、現在は年に一度、「日立さくら祭り」の会場で披露されている。
巨大な山車の上で、おはやしの音とともに人形たちが繰り広げる芝居について関係者の声と合わせて紹介します。

【制作意図】
ユネスコの文化遺産にも登録されている貴重な郷土の宝を音の形で残そうと取材しました。山車の上で人形たちが細かく動く姿は、さすがに音だけで表現できませんが、むしろ逆に想像を掻き立て、壮大かつ繊細な「日立風流物」に興味を持てると考え制作しました。

【制作後記】
はじめて「日立風流物」を見たのは20数年前でした。人形たちが器用に、背中から矢を取り出し、弓につがい、空に向けて射る。その一連の動作は見ていて感動的であり、ぜひ多くの方に見て頂きたいと感じました。同時にこうした文化があったから、大メーカーを生み出す町になったとも思いました。

待望の三陸鉄道~喜びの声~

2014年5月12日~2014年5月18日放送
IBC岩手放送 編成局ラジオ放送部 照井達也

【番組概要】
岩手県の沿岸を縦貫する三陸鉄道は、東日本大震災による津波で甚大な被害を受け、大部分で運休していましたが、今年4月、震災から3年を経て、全線にわたり運行を再開しました。震災発生の年、田野畑村で旅館を営む畠山照子さんに、三陸鉄道の再開を望むお話を聴いていたのをきっかけに、再び畠山さんの旅館を訪ねてみました。

【制作意図】
沿岸被災地に鉄道の走る音、こだまする汽笛。汽車の走る音が聞こえるだけで、どれだけ被災地域に住む皆さんが励まされるか計りしれません。三陸鉄道開業30年の節目に、再び全線運行を果たした三陸鉄道の喜びの声、力強い汽車の音を後世に残せればと思い制作しました。

【制作後記】
昭和26年に創業した本家旅館は、三好達治、深田久弥などの作家も訪れた由緒ある旅館の一つ。2年半ぶりに女将さんを訪ねましたが、87歳と思えないお元気な様子。取材では、女将さんが田野畑の地を初めて踏んだ70年前のこと、震災から現在までの話を伺い、あっという間に時間が過ぎていきました。女将さんいつまでのお元気で。


2014年5月13日 (火)

音がよく鳴ると運気よくなる!~鳥取・鳴り石の浜

2014年5月5日~2014年5月11日放送
山陰放送 ラジオ総局 放送制作部 大田祐樹

【番組概要】
鳥取県中部にある琴浦町赤崎。ここに東西500mにわたって、護岸整備のされていない自然のままの石の浜が残されています。この鳴り石の浜を保全し、全国に魅力を発信しようと、平成23年mプロジェクトも発足。そのプロジェクトの活動や、鳴り石の浜の魅力、観光客インタビューを、心地よい鳴り石の音と共にご紹介します。

【制作意図】
丸石が波にもまれて「カラコロ」と不思議な音をたてる珍しい浜。
「音がよく鳴ると運気も良くなる」と口コミで広がり、パワースポットの一つとして全国から観光客が訪れています。プロジェクトのメンバーに人気の秘密や今後の夢についても伺います。

【制作後記】
願かけアイテムの「石絵馬」をリポーターの大田も体験。石を海に流すと「カラカラコロコロ」といい音が鳴り、大いに運気が良くなる予感が・・・。自然の織りなす心地いい鳴り石の音、あなたも感じに出かけませんか?




2014年4月25日 (金)

鹿児島 宴の合戦!「なんこ」

2014年4月28日~2014年5月4日放送
南日本放送 報道局ラジオ制作部 神宮寺明人

【番組概要】
1人あたりの焼酎の消費量が全国一位の鹿児島県。日が暮れると、さつま揚げや豚骨・きびなごの刺身といった郷土料理に舌鼓を打ち、芋焼酎を片手に語らう人たちが溢れる。その酒席の遊びで注目されつつあるのが「なんこ」。負ければ罰としてお猪口に注がれたお湯割りを飲む。酔いも手伝い白熱する「なんこ」。その魅力や参加している方たちの笑顔をお届けする。

【制作意図】
「なんこ」の存在を知ったのが2013年の年末。各地で大会が行われており、参加者の年齢・性別・職業も様々。「なんこ」の用語に鹿児島の方言が使われており、その意味もユニークだ。古くは戦国時代からあったという「なんこ」。鹿児島の文化や言葉を再発見し、広める機会になればと制作した。


【制作後記】
いろんな大会に参加しました。たくさんの方たちと話しました。駆け引き上手な方、酔いで頭が回らず負け続ける方、笑いっぱなしの取材でした。取材をしているうちに「なんこ」にすっかり魅了されてしまい、今では「myなんこ玉」を持ち歩いて、日々「なんこ」の腕を磨いています。各地の大会に参加していますが、いつも一回戦負け。当面の目標は勝つことです。

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2014年4月22日 (火)

フジツボさん、青森の海で育ちました。

2014年4月21日~2014年4月27日放送
青森放送 ラジオ編成制作部 山本鷹賀春

【番組概要】
青森県の陸奥湾では巨大なフジツボが獲れます。 フジツボとは、海岸の岩などに付く富士山の形をした、あの小さなイボイボのことです。それが青森では、女性の握りこぶし程の大きさにまで育ちます。しかも、珍味として食べられるのです。巨大フジツボも二十年前まではホタテ貝などに付着する「粗大」ゴミでした。それを和食の食材として初めてメニューに出したのが、日本料理人の浪打通さんです。「食べてもおいしくないよ」という漁師さんのひとことに職人魂が燃え上がったそうです。フジツボは活発な生き物です。店に運ばれてきても元気に爪や触角(蔓脚)を動かしています。青森の珍味が元気に動いている音を、まずはお聴きください。

【制作意図】
 「初めて食べた人は勇気がある」といわれる海の珍味はいろいろありますが、その初めての人が誰なのかはっきりしているものは、このフジツボのほかにないでしょう。ふるさとを愛し、新しい郷土料理に挑戦し続けたいという浪打さん。その前向きな想いを伝えたいと思いました。「フジツボにマイクを向けても音はしないよ」という彼の言葉にこちらの職人魂も燃えました。取材では超小型マイクを使い、無口なフジツボさんの元気な音の収録に成功しています。

【制作後記】
仕入れ値0円のサービス品だったフジツボは、今や高級食材です。魚市場では1市場にあるわけではありません。取材では入荷待ちのため1週間待たされました。キロ3,000円もするそうです。しかも、養殖があまり進んでいないため、いつでもゆでたフジツボは殻の底に残る汁がとてもおいしいのですが、ストローで飲むのがおすすめです。フジツボの口がいろんな角度を向いてくっついているので、そのまま手に持って傾けると、衣服を汚してしてしまうからです。

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道後温泉花盛り

2014年4月14日~2014年4月20日放送
南海放送 メディア情報センター 下村章子

【番組概要】
日本最古の温泉といわれる道後温泉。まちのシンボルである道後温泉本館は回収120年の大還暦をむかえました。大還暦を記念してイベントが開催される中、地元商店街のおかみさんたちが自らを「美しく商いをする女性」「美商女(びしょうじょ)」と名乗り、合唱団を結成するなど明るく楽しく道後の街を盛り上げています。そんなおかみさんたちを見てきて息子さん達、商店会青年部もまた母に続きこれからはまちを自分たちが盛り上げていこうと頑張っています。おかみさんたちの明るい笑い声が響く道後温泉はまさに今、花盛りです。

【制作意図】
「私達びしょうじょなんよ~。あ~っはっは。」と話をしているおかみさん達、道後を盛り上げるために集う婦人部の会合はまるで女子会。そんなおかみさんたちのパワーと明るさ、まちを思う気持ちを伝えたいと制作しました。また、最近まちづくりに参加しはじめたという青年部も取材をしました。おかみさんたちが花をさかせたあと、その種がまた立派な花をさかせる、そうして古い歴史をつないできた道後のまちをたくさんの方に知っていただけたらと思います。

【制作後記】
今回、何度も道後のまちにお邪魔し、商店街のこの店が誰の店だ、と覚えてしまうほどおかみさん達に会いにいきました。いつ伺っても笑い転げて、元気になって帰る、の繰り返し。誰にあっても楽しむ気持ちやまちを思う気持ちが強く、おかみさんたちを通して道後のまちの虜になってしまいました。あなたも是非、美商女に会いに道後にいらしてください。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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