2015年5月22日 (金)

踊屋台が紡ぐ未来

2015年5月11日~2015年5月17日放送
ラジオ福島  編成局 放送制作センター 大槻 幹郎

【番組概要】
昨年の秋に約半世紀ぶりに復活した福島市唯一の踊屋台。4月初めに福島市で開かれた山車フェスタに参加し注目をあびました。自身が小学生の時に踊屋を引き回した踊屋台伝承会の高倉さんの声を通して復活の経緯や思いを伺うとともに、実際に山車フェスタで踊った「伝統未来文化研究会」の子どもたちの声をお届けします。

【制作意図】
福島県はいうまでもなく東京電力福島第一原子力発電所の事故により特別な環境にあります。復興に向けて様々な活動が行われている中で復興のシンボルの一つとして歴史のある踊屋台を全国各地の皆さんに知ってほしいと考えるとともに、福島の未来をつくるこども達のふるさと、伝統への思いを伝えたいと思い今回の内容を企画しました。

【制作後記】
なかなか関わる人々すべての思いを伝えることができず、(特に踊屋台に親子三代で関わっている福島市の宮大工の方を紹介したかったのですが) 心残りの部分が正直ありますが、フェスタでの熱気やこども達、踊屋台伝承会の皆さんの思いを感じていただければと思います。

急こう配を駆けあがれ 高野山への登山鉄道

2015年5月4日~2015年5月10日放送
和歌山放送  報道制作局 報道制作部 花井歩高

【番組概要】
弘法大師・空海が開いた高野山は今年で開創1200年。木立に囲まれた標高およそ900メートルの霊場に向かう南海高野線は、急こう配とカーブが続く全国有数の登山鉄道のひとつ。新緑に囲まれた春の沿線風景を音で表現する。

【制作意図】
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録から10周年を迎えた和歌山県高野町高野山。世界的な旅行雑誌「NATIONAL GEOGRAPHIC TRAVELER」が「2015年に訪れるべき場所 世界のベスト20」に日本でただ一つ、この地を選んだという。去年1年間の和歌山県への外国人宿泊客数が初めて30万人を突破し、欧米からの旅行客の7割が高野町で宿泊したそうだ。古都の京都や奈良にはない「何もないところ」が人気を集める要因のひとつと分析する人もいる。今回取材した南海高野線は大阪のベッドタウンとして沿線は発展し、府県境の橋本市までは通勤通学客で混雑するが、この先は様相が一変する。紀ノ川を渡り、真田幸村ゆかりの九度山町、そして高野町へ最大50パーミルというカーブの続く急こう配を、車体をきしませながら最高時速33キロの速さで登っていく。開創1200年の記念行事の人気で高野山に向かう車内は混雑する一方、クルマ一台がやっと通れるような山中にある途中駅はゆっくりとした時間が流れている。昭和初期から変わらない山岳区間の風景を切り取った。

【制作後記】
ジオラマの中を走っているような風景は車内から眺めるにはよいが、録音のために沿線に近づくのは意外と難しい。観光バスが行き交う国道から、地元の人だけが通る細い道を入り集落へ。さらに登山道に分け入っていくと、薄暗い谷あいに真っ赤な鉄橋が姿を現した。竣工は昭和2年。トンネルを出てすぐに鉄橋を渡り、またトンネルへ。通り過ぎる一瞬をとらえたくて、マイクを向け続けた。

2015年4月30日 (木)

350歳、関川村渡邊邸の新たな門出

2015年4月27日~2015年5月3日放送
新潟放送 営ラジオ本部制作部 高橋紀子

【番組概要】
山形県に接する関川村にある、国の重要文化財、渡邊邸。老朽化のため、6年間の修復工事を終え、一般公開にさきがけてこけら落とし公演が2日間に渡って開かれた。大きな母屋と立派な梁に響く、和楽器の音色。フィナーレは、村民も一緒になって踊ることのできる盆踊り大会という演出。出演者、県内外のお客さん、村民、そして、久しぶりに賑わう「渡邊邸」も喜んでいる様でした。二日間の公演を軸に、静かな村が渡邊邸を中心に賑わう様子を描きました。

【制作意図】
豪農の館として知られる渡邊邸の重厚な邸宅と篠笛と太鼓の音色。県内外からお客さんが集まり、村民が待ち望んでいた渡邊邸の修復工事完了を祝い、集う様子を描きました。

【制作後記】
綜合プロデューサーは、実はひとりの関川村民。自称関川村観光大使と言う彼女が、ゼロからつくりあげた二日間でした。小さな村ですが、旧米沢街道の街並みを残し、温泉もリーズナブルなところからお忍びで行けるお高いところまでいろいろ。海の幸山の幸も満載の魅力的な関川村。ぜひ、一度お越しください♪

2015年4月21日 (火)

歴史を受け継ぐ案内人

2015年4月20日~2015年4月26日放送
西日本放送 営業局ラジオセンター 出石 亜弥

【番組概要】

香川県琴平町 金刀比羅宮・門前町にある「旧金毘羅大芝居」この芝居小屋では、年に1度、讃岐路に春を告げる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催されます。「旧金毘羅大芝居」は、現存する芝居小屋の中では日本最古。通称・金丸座とも呼ばれ、国の重要文化財の指定を受けています。その「金丸座」で、案内人を勤めるのが「二藤 龍文」さん。訪れた方達を案内する様子、歌舞伎・金丸座に対する仁藤さんの思いを、歌舞伎の音とともにお届けします。

【制作意図】

今でも人力で動かされている様々な仕掛け、情緒あふれる芝居小屋、そして歌舞伎の話や仕掛けの詳しい説明をおもしろおかしくお話する案内人。金丸座は、訪れた人達がただ建物を見て帰るだけではなく、実際に触れて体験して楽しめる、貴重な文化財です。その魅力をラジオ通して伝えたいと思い制作しました。

【制作後記】

まだ寒さの残る3月初旬に金丸座で取材を行いました。金丸座に足を踏み入れた時にどこか温かさの残る空気と、手入れの行き届いた小屋内を見て携わる方達の愛を感じました。そして何より、仁藤さんの”歌舞伎が好き”という気持ちがとても伝わってきました。こんぴらさんの参道から、5分程歩くと「金丸座」に到着します。お参りをしたら、ぜひ立ち寄ってみませんか?笑顔の案内人が出迎えてくれますよ。

うぷゆう~島の未来にかける橋

2015年4月13日~2015年4月19日放送
ラジオ沖縄 制作報道部 金城奈々絵

【番組概要】

「伊良部島との間には 離れ島との間には 渡る瀬が 休む瀬が あればよいのに」

宮古圏域に伝わる「伊良部トーガニ」の一節には、伊良部島に離れて暮らす恋人を思う男性の想いが綴られています。宮古島の北西に浮かぶ伊良部島は、「離島の離島」と呼ばれ、島民はこれまで医療や教育などの面で不便を余儀なくされてきました。今年1月31日、宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋が開通し、島は喜びに沸いています。番組では橋の開通によって変わりゆく島の情景と、変わらない人の温もりを伝えます。


【制作意図】

伊良部大橋は、島民にとって40年来の悲願でした。夢の懸け橋の完成によって、人々の移動手段は、定期高速船から車へと変わります。橋の開通によって変わる「島の音」を記録するとともに、島民の喜びを発信したいと思い、取材に取り組みました。


【制作後記】

「うぷゆう」とは、伊良部島の言葉で「大変嬉しい」という意味です。数え107歳の宮国カマドさんは橋の開通について、「(島を取り巻く環境が昔と比べて)天と地ほど変わっているよ」と興奮を抑えきれない様子で語り、伝統の歌と踊りで喜びを表現しました。番組を通じて、伊良部島を身近に感じてもらい、一人でも多くの方に島を訪れて頂けたら幸いです。

 

 

2015年4月 7日 (火)

島原半島に息づく「のぞきからくり」

2015年4月6日~2015年4月12日放送
長崎放送 ラジオ局制作部 藤井真理子


【番組概要】
鎖国時代、西洋の文化が長崎を経由して全国に広がってゆきました。ビードロ(ガラス)製品の「レンズ」もその一つ。そのレンズを使った大衆娯楽が「のぞきからくり」です。レンズをはめ込んだ穴の向こうに広がる極彩色の別世界と独特の「口上」は人々を魅了し、昭和初期までは日本各地で見ることができました。しかし戦後は急速に廃れ、残された屋台装置や工場を伝える人もごくわずかです。雲仙普賢岳のふもと、有明海に面した南島原市深江町。ここには江戸時代から伝わる屋台と口上を残すために活動を続けている「のぞきからくり保存会」があります。メンバーはわずかに8人。会長は尾ノ上範男(おのうえのりお)さん76歳。番組では「のぞきからくり」独特の口上、そして保存にかける思いをご紹介します。

【制作意図】
「のぞきからくり」の魅力は次々に替わる極彩色の「絵」と、からくり屋台を操作し、手に持った棒で拍子をとりながら演じられる「口上」です。独特の旋律にのせ語られる「地獄」の世界や悲恋物語。その不思議な魅力を、敢えてラジオの音の世界で伝えたいと考え取材を始めました。また、西洋文化の入口であった長崎市内には残っていない「のぞきからくり」が、人口7800人の小さな町、南島原市深江町で伝え残されていることは少なからず驚きであり、その活動と思いをぜひ紹介したいと考えました。

【制作後記】
演目は昔から継承されているものはほとんどですが、尾ノ上会長が作った「平成新山物語」は、雲仙普賢岳災害と、その後の復興に向かう人々の姿を描いた新作。地域の行事をはじめ、県の内外、さらには地元の小中学校でも演じられています。番組内で若手メンバーとして登場する細波和歌子(さいはわかこ)さんも中学生の時、授業の一環で「のぞきからくり」に触れ、その魅力を知り保存会に飛び込んだのでした。とはいえ、細波さんを除けば、メンバーのほとんどが年配者。次の若手育成が望まれます。

2015年3月30日 (月)

ここは無人駅じゃない ~理容師夫妻の20年

2015年3月30日~2015年4月5日放送
福井放送 ラジオセンター 前田智宏

【番組概要】
福井県の南西部、若狭湾をのぞむ小浜市には、JR小浜線というローカル線があります。その駅の1つJR加斗駅には、駅を示す看板の横に、理髪店の軒先でよく見る赤・白・青3色のサインポールが。塚本久夫さん(71)と、妻の朝子さん(67)夫妻は、かれこれ20年間、加斗駅の舎内で、理髪店を営みながら、駅の業務を一手に引き受けて利用者を見守り続けています。毎日毎日掃除を欠かさず、駅を訪れる人を笑顔と優しい言葉で迎える塚本夫妻。加斗駅を支える2人の思いをお届けします。

【制作意図】
電車を利用する上で、駅は単なる通過点のひとつになっていることが多いと思います。しかし、加斗駅を訪れたときに感じた、日常のコミュニケーションの豊富さ!塚本夫妻が理容師と駅員を兼任しているというユニークさもさることながら、夫妻と利用者の会話のあたたかさに胸を打たれ、駅での会話を通してこの駅の魅力を伝えたいと思い、制作しました。福井県内にも無人駅はたくさんありますが、そこに人がいることの意義、そして、駅は自分たちが守っていくのだという塚本夫妻の熱意を感じていただければ嬉しいです。

【制作後記】
20年、単純に365日をかけると、その日数は7300日。ひとくちにいうのは簡単ですが、それだけの期間、来る日も来る日も駅に通うというのは相当なご苦労でしょう。しかし、そんなことを微塵も感じさせないお2人の明るさに、取材をしながらパワーをいただきました。若狭小浜は、人のぬくもりにあふれ、時間がゆっくり流れているような気持ちになる素敵なところです。ぜひ、小浜線に乗って、加斗駅を訪れてみてくださいね。

広がれ裾野!伝統芸能の挑戦

2015年3月23日~2015年3月29日放送
四国放送 ラジオ編成制作部 松島史佳

【番組概要】
400年の歴史を誇る阿波人形浄瑠璃は国の重要無形民俗文化財で、徳島が全国に誇る伝統芸能です。しかし義太夫三味線奏者・鶴澤友輔さんは、現状に危機感を覚えています。とにかく色んな人に足を運んでもらいたい、その中から後に続く人に出てきてもらいたい。そこで取り組んだのが特殊詐欺の被害防止を訴える脚本作りでした。

【制作意図】
お堅いイメージの伝統芸能で、パロディともいえる取り組みに興味を持ちました。批判を恐れない覚悟と、前に進もうとする強い意志を感じたからです。しかし新たな挑戦の場として、なぜ伝統芸能にこだわり続けるのでしょうか?また、受け継がれた芸を磨き、極めるだけでは駄目なのでしょうか?そんな素朴な疑問から制作しました。

【制作後記】
伝統芸能と呼ばれるためには、絶えず変化して生き残らなければなりません。義太夫三味線奏者の鶴澤さんも、「師匠はみんなチャレンジャー」とおっしゃっていました。伝統芸能のスピリットは「挑戦」だったのです。鶴澤さんの挑戦する姿を見て後に続こうと思う人が、きっと現れると思いました。

2015年3月19日 (木)

まちなか・豆まき・水ようかん

2015年3月16日~2015年3月22日放送
茨城放送 業務局営業部 鹿原 徳夫

【番組概要】
霞ヶ浦の南に位置する、稲敷市江戸崎地区では、ちょっと変わった節分の豆まきを行います。ます。豆を持った人たちが、町内にある神社や寺をめぐり、境内から拝殿や本堂に向かってて豆をまき、終わった後は、「水ようかん」を食べるのです。このため、町内の和菓子屋では、この日のために水ようかんを大量に作ったり、店先で販売する様子が見られます。さらに、「あんぺらぽん」なるお菓子も登場し、稲敷市江戸崎地区に伝わる節分の独特な雰囲気をお伝えします。

【制作意図】
茨城県内でも他に類を見ない、独特の豆まきを行っている江戸崎地区。町内を走り回る子どもたちの足音と元気な声を通じて、賑やかな節分の風景を伝えようと思いました。また、「水ようかん」を食べる風習は北陸地方(福井県との説もあり)から持ち込まれたとの説が有力ですが、このような全国ネットの番組でお聴きいただくことで、手がかりをつかめるのではないかとの期待も込めて取り上げました。

【制作後記】
何より、子供たちの元気な掛け声と笑い声が響き渡る街に、好感を持ちました。動きがある豆まきだけに、録音も子供たちと一緒に走り回って行いました。地域の人たちが受け継いできた風習と、イベントとして楽しむ人たちのわくわく感で春を待つ江戸崎地区の様子が伝えられればと思います。それにしても、豆まきの〆が何故「水ようかん」だったのか?同様の風習がある地域のラジオ局の方、ぜひご一報ください…


2015年3月 9日 (月)

いい氷あります!青森のカーリング

2015年3月9日~2015年3月15日放送
青森放送 ラジオセンター ラジオ編成制作部 山内千代子

【番組概要】
青森市にある室内カーリング場のアイスメイクを担当しているのは中島潤さん。選手たちがアイスを利用する2時間ほど前からアイスメイクをします。いくつかある工程の中で氷の表面に水の玉をうちつける「ペブル」の作業に注目し、選手を想うアイスメーカーの姿に迫ります。

【制作意図】
カーリング選手の活躍の裏側に迫りたい。選手の経験のあるアイスメーカーが青森から活躍する選手を送り出すために日々努力を重ねているアイスメイクに魅力を伝えたいと感じ制作しました。

【制作後記】
カーリング場に初めて入った時に感じた選手の皆さんの躍動感を伝えたいとスタートした取材。いいアイスを保つため冷房機や空調の音に悩まされながらアイスメイクの”音”を収録させていただきました。選手を支える方々の笑顔に囲まれ、4℃の室温野中で心温まる時間を過ごさせていただきました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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