フジツボさん、青森の海で育ちました。
2014年4月21日~2014年4月27日放送
青森放送 ラジオ編成制作部 山本鷹賀春
【番組概要】
青森県の陸奥湾では巨大なフジツボが獲れます。 フジツボとは、海岸の岩などに付く富士山の形をした、あの小さなイボイボのことです。それが青森では、女性の握りこぶし程の大きさにまで育ちます。しかも、珍味として食べられるのです。巨大フジツボも二十年前まではホタテ貝などに付着する「粗大」ゴミでした。それを和食の食材として初めてメニューに出したのが、日本料理人の浪打通さんです。「食べてもおいしくないよ」という漁師さんのひとことに職人魂が燃え上がったそうです。フジツボは活発な生き物です。店に運ばれてきても元気に爪や触角(蔓脚)を動かしています。青森の珍味が元気に動いている音を、まずはお聴きください。
【制作意図】
「初めて食べた人は勇気がある」といわれる海の珍味はいろいろありますが、その初めての人が誰なのかはっきりしているものは、このフジツボのほかにないでしょう。ふるさとを愛し、新しい郷土料理に挑戦し続けたいという浪打さん。その前向きな想いを伝えたいと思いました。「フジツボにマイクを向けても音はしないよ」という彼の言葉にこちらの職人魂も燃えました。取材では超小型マイクを使い、無口なフジツボさんの元気な音の収録に成功しています。
【制作後記】
仕入れ値0円のサービス品だったフジツボは、今や高級食材です。魚市場では1市場にあるわけではありません。取材では入荷待ちのため1週間待たされました。キロ3,000円もするそうです。しかも、養殖があまり進んでいないため、いつでもゆでたフジツボは殻の底に残る汁がとてもおいしいのですが、ストローで飲むのがおすすめです。フジツボの口がいろんな角度を向いてくっついているので、そのまま手に持って傾けると、衣服を汚してしてしまうからです。
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