2012年6月26日 (火)

さぬき水風景~水とともに暮らす

2012年6月25日~7月1日放送
西日本放送 営業局ラジオセンター 白井美由紀

 
平安の昔より、水不足に悩んでいたという記述が残る香川県。
高松藩記にも「川浅く水乏しく、常水の川一つもこれなく」との表記があります。古来、生活に欠かせない水の確保に努めてきた先人たちの苦労は、さまざまな知恵を生み出し、水にかかわる行事や風習も多く伝えられています。

春から夏にかけては、水と農業との密接な関係から、水にかかわる行事も多く、そのひとつとして、ため池の「ゆる抜き」があります。ため池から流れてくるこの豊かな水が、地域の水田を潤し、田植えができます。

ゆる抜きの前には、地域の恒例行事、水路の一斉清掃も行われ、準備が整えられます。
先人たちの知恵と苦労、そして大切な水への思い・・・。この水の音から、香川の水への思いが聞こえてきますように・・・。

2012年6月14日 (木)

モリアオガエル、生命(いのち)をはぐくむ川内村の水

2012年6月18日~24日放送
ラジオ福島 放送部 山地美沙子

大好きな村、川内村。
なんてステキなところなのだろう、とこれまで幾度となく遊びに行っていた地域でした。日本の原風景が広がり、人々は豊かな自然と共生してきました。

昨年の原発事故後、川内村は全村避難しました。今年1月末に村長が帰村宣言をし、この春から学校や診療所が再開され、少しずつ住民が戻ってきています。その川内村で変わらぬものをと、この時期ならではの「モリアオガエルの産卵風景」をメインに番組を構成しようと考えました。

が、取材を重ねるうちに村の方々が「川内村の水」にどれほど愛着を感じているかを知り、「水」にスポットを当てて番組を構成することにしました。川内村に上水道はなく、人々は地下水で生活しています。心配されていた放射性物質の検出は地下水からは全くなく、一安心。避難先で違う水を経験したことで、あらためて、川内村の水を誇りに思ったと多くの方が言います。その土地が自分の気質に合うかどうかを「水があう」「水が合わない」といいますが、まさに「水」が生命の源、と感じた取材でした。

2012年6月 5日 (火)

東尋坊の音風景

2012年6月11日~6月17日放送
福井放送 FBCラジオセンター 越桐清司

 越前加賀海岸国定公園にある国指定の天然記念物、東尋坊は、1km以上に亘って続く断崖絶壁です。ここからすぐそばにある雄島まで遊覧船が就航しており、観光に訪れる人達を魅了しています。

また、雄島の周辺は古くから海の幸が豊富にあって初夏になればワカメ、夏真っ盛りともなれば、ウニやあわび漁などが最盛期となり、地区の海女達は磯笛を発しながら呼吸を整え漁に精を出します。

海鳥の鳴き声、波の音、海女の磯笛は、地元の人達が大切にしているこの地域ならではの音の遺産と言えます。
その音風景は民謡「三国節」にも歌われています。

”岩が屏風か、屏風が岩か、海女の呼ぶ声、東尋坊”

絶景、東尋坊の様子を今に伝えています。

2012年5月31日 (木)

伝統を刻む黒い石

2012年6月4日~6月10日放送
東北放送 ラジオ局制作部 坂戸貴之

約600年の歴史があり、伊達政宗も愛用したという雄勝硯。国の伝統工芸品にも指定された逸品です。その硯の産地が石巻市雄勝町。カキやホタテの養殖が盛んな小さな町です。

しかし2011年3月11日、津波は町を壊滅させ、雄勝硯もほとんどが失われました。硯職人の杉山澄夫さんは自宅も硯の道具も全て失い、現在は大崎氏古川で奥様と生活しています。

しかし、家族や古川の方達の助けがあり、杉山さんは硯作りを再開します。息子さんはガレキの中から道具を見つけ、古川の方達は杉山さんを応援しようと展示会を開催。無償で実施に向け東奔西走しました。

多くの方達に支えられた杉山さんは硯作りを続けることを決意します。雄勝硯は震災を乗り越え、更なる歴史を刻み続けます。

ちりんちりんの豆腐屋さん

2012年5月28日~6月3日放送 
北陸放送 ラジオ局放送部 川瀬 裕子

金沢の町に、夕方になるとリンの音が鳴り響きます。そしてその「ちりんちりん」という音を聞いて家の中から玄関前まで水をはったボウルを持って出てきて豆腐を買う人の姿があります。

かつてはどこの地域でも見られた光景です。

昭和24年から続く豆腐店の2代目・高山幸一さんは、今もこの行商を続けています。高山さんの姿を見つけると、地域の子どもたちは必ずじゃんけんをして会話を交わします。近所同士の声かけなどが希薄になるこの時代に、気持ちがあたたかくなる日常会話がそこにはありました。

リンの音で思い出す光景はありますか?

2012年5月27日 (日)

音の出る円盤 プロパノータの調べ

2012年5月21日~2012年5月27日放送
静岡放送 ラジオ局編成制作部 羽下 剛

サッカーの街として知られる静岡県藤枝市。

そこに住む男性が、世界的に珍しい「プロパノータ」という楽器を作っています。なぜ珍しいのか…それはプロパンガスのボンベを加工して作っている打楽器だからです。

名前はプロパンガスの「プロパ」と、スペイン語で音を意味する「ノータ」を合わせた造語で、楽器の製作者・菅井肇さんが名付けました。
音はガスボンベと思えない澄んだ優しい音色を奏でます。
別名「音の出る円盤」。

元々花火師だった菅井さんが、偶然、花火の打ち上げ会場で目にしたガスボンベを再利用し、ひたすら楽器作りを続けています。
「まだまだこれからの楽器です」と、控えめに夢を語る菅井さん。

菅井さんの楽器に対する思い、そして楽器そのものの魅力を感じていただけたら…と思います。

2012年5月20日 (日)

心を紡ぐ 糸車

2012年5月14日~2012年5月20日放送
山口放送 ラジオ制作部 大谷 陽子

綿から糸を紡ぎ、その糸で機を織る…。
今では、絵本の世界や伝統工芸などでしか見られなくなってきたことを、日々の生活の一部としてされている方がいます。

山口市の関よしみさん(77)です。一連の行程を拝見して、いかに手がかかる作業かとあらためて実感すると同時に、その糸の元の姿を見てさらに驚きました。糸の元は、タンスの中に眠っている布団です。

50年前、関さんが26才で結婚したときに、関さんの母親が嫁入り道具として持たせてくれたものです。当時は、嫁入り道具と言えば布団で、各家庭の母親が手作りしていたそうです。それも、1人分が敷布団2枚と掛布団2枚の計4枚、夫婦用と来客用の4人分で、計16枚も。
物の少ない時代に母親が苦心して作ってくれた布団を、使わなくなったからといってタンスの中に眠らせておくのはもったいない。捨てて燃やされてしまうなんて、もってのほか! そう思っていた関さんが出会ったのが、糸車だったのです。

母親の想いが詰まった布団は、糸となり、布となり、関さんの手で長女・己珠恵さんにピッタリのシャツに仕立てられます。これまで20年で、14枚の布団が200枚以上のシャツに生まれ変わりました。残る布団は、あと2枚。関さんは、母の想いを穏やかな時間の中で紡ぎます。

2012年5月13日 (日)

八幡平 秋田の春

2012年5月7日~2012年5月13日放送
秋田放送 ラジオ制作部 佐々木 偉性

長い冬を追え春に向かう秋田八幡平の自然の音。
自然界の変化にも変わらず春を目指す八幡平。
雪解けや春を感じさせる生き物達の息吹き。

いつも通りの序列。

自然の力の享受 生かされている実感


(取材)
今年は覆うy機で春への移行が遅れています。
しかし常年以上のスピードで雪解けが進んでいます。
災害等の影響も見当たらず、いつもの序列で八幡平は春に向かっていました。

2012年5月 6日 (日)

おばあちゃんのファムレウタ

2012年4月30日~2012年5月6日放送
琉球放送 ラジオ制作 真壁 貴子

3年前、沖縄のわらべ歌の取材を進める中で、本部町具志堅に住む当時97歳の桃原カマダさんと大村ウシさんの2人のおばあちゃんに出会いました。その時、お手玉を始め昔の遊び唄をたくさん教えてもらったのですが、中でも、冒頭の♪我が抱ち抱ち~♪という子守唄を楽しそうに唄う2人のおばあちゃんの姿が印象的でした。

案内してくれたNPO法人「うてぃーらみや」の田中美也子さんに、歌の内容を尋ねると、

♪私があなたを抱いて育てたら、将来はお金持ちのお嫁さんになるでしょうね。綺麗な草履を履く生活をしなさい。そして私が訪ねてきたら美味しい茶菓子でもてなしてね♪

との解説。
なんともプラス志向な内容ではないですか!以来この曲はずっと頭の片隅にありました。

今年に入り、2人のおばあちゃんが無事100歳を迎えたという話を聞き「200歳のデュエットを残しておかなくては…」という思いから今回の番組制作となりました。

取材を通して気づかされたのは、沖縄のアネ制度の素晴らしさ。子守のお姉さんたちは、誇り高く子育てをし、ファムレウタの中に、明るい未来を込めたのです。

田中さんは、おばあちゃんの子守唄(ファムレウタ)」は、赤ちゃんが安心して眠れる繭のゆりかごだと言います。その繭から次世代へとつながる命の縦糸を、番組を通して伝えたい…そんな願いを込めて制作しました。

2012年4月29日 (日)

思い出が蘇る 小さな島の時計屋さん

2012年4月23日~2012年4月29日放送
中国放送 ラジオ制作部 増井 威司

瀬戸内海の小さな島、大崎下島に140年以上も前から続く日本で最も古いと言われている時計店「新光時計店」があります。

この時計店を守っているのは、4代目の松浦恵一さん。
松浦さんは、直せない時計はないという、ウワサがウワサを呼び日本中から修理の依頼が殺到する腕利きの時計職人です。
持ち主が、どの業者でも(海外でも)無理です、といわれ、最後の望みとして委ねた時計。それを見事に直し甦らせる。まるで止まった心臓を動かす時計のお医者さんです。

使い捨ての時代に、壊れた時計が届く小さな時計店を紹介しながら、物を大切にしようという気持ちと、時計への温い思い出を伝えます。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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