2012年4月22日 (日)

ある船頭の舟唄

2012年4月16日~2012年4月22日放送
熊本放送 ラジオ制作部 宮川 理佳

熊本県南部の人吉・球磨地方を流れる急流・球磨川。

この川では観光下りが有名ですが、そのさらに上流の、流れが穏やかな場所では「梅花の渡し」という遊覧舟が季節限定で運行します。
その木造舟の櫓を握るのが段村憲一さん、65歳です。

段村さんは民謡や舟唄を唄い、いまやその唄声は名物です。
どうして唄声が乗客の心を打つのか?
その答えは段村さんが「梅花の渡し」の船頭になるまでの半生にありました。

取材をした日は風が強く、出発する際に何度も舟が押し流されました。それでも段村さんは「こりゃぁ無理だあ」と淡々とした口調ではにかみ、乗客を楽しませていました。段村さんの息づかい、唄声を聴いて、「梅花の渡し」の舟旅を味わっていただけたら…と思います。

2012年4月 9日 (月)

つむぎニューウェーブ~結城紬を受け継ぐ人々~

茨城放送 業務局 編成制作部 斎藤 佳子

結城紬の歴史はなんと2000年前にさかのぼる。
大島紬などに比べ地味な印象が強いが、伝統の手仕事にこだわる結城紬を地元の放送局としてなんとか応援できないかと日頃から考えていた。「録音風物誌」の趣旨に照らして、「結城紬」はふさわしい取材対象と感じたが、結果的に、音の使い方は単調になってしまい、また、インタビューも中途半端になってしまったと反省している。

番組では、茨城県が行っている結城紬の機織りの後継者育成事業で研修し、現在はその指導者となっている渡辺直子さんと、反物を作る「機屋」の跡取り、岩田大蔵さんの2人に話を聞いた。

渡辺さんも岩田さんも、結城紬をもっと広めたいと日々格闘している。手仕事を受け継ぐ人々に共通の悩みかもしれない。茨城県の担当者は後継者を育成し、雇用につなげることが重要と強調している。伝統工芸品の良さは多くの人が認めるところではあるが、時代の変化にあわせて産業として自立させていくことはとても難しい。そのあたりを番組でもっと伝えたかった。

2012年4月 2日 (月)

平和の光

青森放送 ラジオ局ラジオ編成制作部 夏目 浩光

青森県鶴田町は人口1万4000人程の町。ここには髪の毛の少ない人たちで世の中を明るく照らしていこうと「ツル多はげます会」があります。

平成元年に結成され今年で24年目。毎年、2月2日をツルツルの日と制定して新春例会を開いています。
呼び物はひもをつけた吸盤を互いの頭に貼り付けて引きあって相手の吸盤をはずしたら勝ちという吸盤綱引き大会です。

とにかく笑いの絶えない会場の模様を録音風物誌としてお届けします。

2012年3月26日 (月)

響け! ゴッタンの音色

南日本放送 ラジオ制作部 七枝 大典

南九州に古くから伝わる弦楽器「ゴッタン」。
総杉枝造りで三本の弦を撥を使わず演奏します。見た目や大きさが三味線に似ていることから「箱三味線」とも。

以前は「各家庭に一本はあった」というぐらい身近な楽器だったそうですが、最近では殆ど見かけることはありません。

鹿児島県薩摩川内市の西、およそ40kmの沖合いにある「甑(こしき)島」、ここの上甑・里集落に住むヤマシタケンタ(山下賢太)さんは、2010年に島から消えていく「ゴッタン」を使って地域の風土を取り戻そうと決意します。

なぜゴッタンにこだわるのか?

県内でも殆ど演奏されることになり「ゴッタン」のメロディにのせて紹介します。

2012年3月19日 (月)

渓谷に響くげいびの舟唄

IBC岩手放送 編成局ラジオ放送部 照井 達也

岩手県一関市にある日本百景の一つ、猊鼻渓舟下り。

竿1本の手漕ぎ舟で、行きは船頭による猊鼻渓の案内を、帰りは舟歌を聞きながら景色を堪能します。
冬の期間は、こたつ舟が登場し、雪景色の中の川下りは、まるで別世界に来たような幻想的な雰囲気です。

猊鼻渓にいつ訪れても、船頭と客との和やかなやり取りがあり、
乗り合わせた見知らぬお客同士、ほのぼのとした会話があります。
また、ここを訪れた人から、忘れ得ぬ思い出になったとの「ありがとう」のメッセージが寄せられています。

なぜ、色んな思いを寄せた、感謝の便りが届くのか。
その背景には、一期一会の出会いを大切にする船頭たちの思いがありました。
今回は、船頭歴44年の小原松男さんと、今年、船頭歴10年を迎え、唯一の女性船頭で、ママさん船頭でもある、千葉美幸さんにお話を伺っています。

2012年3月12日 (月)

川が育む”筒描藍染 糊落とし”

山陰放送 ラジオ総局 板井 文昭

自然に恵まれた山陰地方、”用の美” 美しいものを暮らしの中に取り入れる人々の心ばえが、島根県出雲地方の人には今もある。

出雲市街地を流れる高瀬川で行われている、季節を問わず、また手間も惜しまない筒描藍染の糊おとし作業が、作品に独特な風合いをもたらします。

いまや出雲地方で一軒だけとなった染物工房の前を流れる川での作業を中心に、筒描藍染の最後の工程(糊おとし)匠の技を紹介します。

2012年3月 5日 (月)

沖縄(うちなー)のデュエット定番曲・二見情話

ラジオ沖縄 制作報道部 阿利 貴子

沖縄では正月が明けると北から桜が咲く。

その桜を愛でながら地域々々の民謡大会が盛んであるということをPRしたかった。
毎年外国人が出場して盛り上がるのに、今年はいなかったのが残念だった。

この曲は県外から赴任してきたサラリーマンが最初に覚える曲である。よって練習という名目でスナックに通い、ママさんと出場しているおじさまも数人いたが、ON-AIRでは使えなかった。

2012年2月27日 (月)

先輩の教え

北日本放送 報道制作局 報道制作部(ラジオ) 熊野 智元

富山県の東部にある魚津水族館。来年創立100周年を迎える、日本海側で最も古い水族館です。

飼育員の木村知晴さんは昨年の春大学を卒業し、故郷の三重県から、この魚津水族館に就職しました。そして先輩飼育員の福島千鶴さんもまた6年前に、故郷の大阪からこの魚津水族館に就職しました。
2人は、どの飼育員よりもこの水族館での社歴の長い大先輩と一緒に仕事をしています。

その先輩との仕事の中で、木村さんが教えられること、そして福島さんが学んだことは?
記録的な大雪の富山で、大先輩と若い飼育員2人の交流を追いました。

※水族館の取材は心が安らぎました。小学校以来久しぶりの魚津水族館。しばし浮世を忘れました・・・。

2012年2月20日 (月)

雪国~グラスの中の花咲かじいさん~

山形放送 報道制作局制作部 門田 和弘

雪国というカクテルがあります。日本では漢字で 雪国。海外のカクテルブックには Yukiguni と紹介される世界スタンダードカクテルの一つです。

この雪国を創作したのが山形県酒田市に住む井山計一さん。
背筋をピンと伸ばしスナップをきかせリズミカルにシェーカーを振る姿はとても86才の男性には見えません。
最近はこの雪国の生みの親が今なお健在だと知り、全国のバーテンダーや雪国ファンが本家雪国を求め酒田の地を訪れます。

冬に飲む1杯は「春を待つ喜び」・・・。
夏に飲む1杯は「涼やかな」気分になれます。

井山さんとは15年来のお付き合いをさせて頂いています。
去年暮れ、電話で話をしていた時「いつまで作れるのかなー」と井山さん。その言葉を聞き、久し振りに雪国を飲みたくなりました。
取材に出掛けた日は大荒れ。ホワイトアウト状態の山岳道を通り抜け4時間。着いた酒田は海がゴーゴーうなっていました。その吹雪の酒田の夜に出された雪国の1杯は忘れられません。

三角グラスに沈む「春を待つミントチェリー」
そのグリーンの輝きは本当にきれいです。

酒田の冬~春の情緒を1杯のカクテルの世界に描いた芸術作品「雪国」を、ラジオの音の世界で楽しんで頂ければと思います。

2012年2月13日 (月)

永遠(とわ)に響け! 豊後大友宗麟鉄砲隊

大分放送 ラジオ局ラジオ制作部 宮本 武典

大友宗麟の生きた時代を再現したい」と平成18年、大分市に豊後大友宗麟鉄砲隊が結成された。その鉄砲隊の副隊長を務めるのが、大分市役所に勤務する秦弘文さん、58歳。

秦さんは、江戸時代中期に製造された火縄銃をはじめ、家に5丁の火縄銃を所持するほどの鉄砲好き。その火縄銃の歴史や迫力、そして魅力について語っていただいた。
秦さんにインタビューをすると、お話が大変好きな方で、大分の歴史についても昔の地図や大分市史を広げて説明をしてくれるほどだった。  
秦さんは、鉄砲隊の中で、重さ20kgもある大きな火縄銃を担当している。また演武を行うときには、重さ10kgある甲冑を着ているため、演武を行うステージまでの移動が大変だというお話もしていただいた。鉄砲隊の副隊長としてボランティアで活動し続ける秦さんの思いを、豊後大友宗麟鉄砲隊の火縄銃の号音とともに送る。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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