2015年8月 5日 (水)

夏に響け!職人たちの思い

2015年8月3日~2015年8月9日放送
高知放送 ラジオ局ラジオ制作部 清水崇義

【番組概要】
毎年2万人以上の踊り子が街の至る所で舞い踊る高知の夏の一大イベント「よさこいまつり」この祭りに欠かせない物の一つに持って踊る鳴子がある。この鳴子を製作しているのは高知市にある身体障がい者受産施設。ここでは26人の職人が一つ一つ手作業で鳴子作りに励んでいる。他の製品や外国の安いものに負けぬように木の乾燥から組み立てまでを試行錯誤しながら丈夫でいい音が出る鳴子を作っています。そこで働く職人たちの思いとは。

【制作意図】
今年で62回目を迎える「よさこいまつり」歴史ある祭りを支えているものの一つに高知市中心部の住宅地にある障がい者施設がある。毎年、全出場チームの半数近くがこの施設で作った鳴子を使っている。ここで働く人たちは踊り子たちに対する思いやりを持って査業に打ち込んでいた。その思いを伝えたくて企画しました。

【制作後記】
朝8時半から夕方5時半まで休憩をはさんで行われる鳴子作りは全員が黙々と真剣な眼差しで作業にあたっていた。話を聞くうちに彼らの思いやりは、祭りよりも踊り子に対する思いやりがあることに気付いた。鳴子は決して祭りの主役ではないが、踊り子をより輝かせる1つの要因ではある、だから今年のよさこい祭りは踊り子が放つ鳴子の音色にも注目してみたい。

 

2015年7月29日 (水)

日本一小っちゃな本屋さん「カドベッカ書店」

2015年7月27日~2015年8月2日放送
IBC岩手放送 編成局ラジオ放送部 照井達也

【番組概要】
岩手県大船渡市三陸町吉浜地区。太平洋に面するこの地域は、過去の明治、昭和の津波を教訓に海抜約20mの高台に住民が移転した地域。この地域のうっかくに、日本一小っちゃな本屋さんがあるということで、訪問することに・・・行くとそこは、普通の民家。出てきたのは、この家に住む小松フスミさん82歳。営業時間は、常識の範囲内。お休みは、フスミさんの都合が悪い日。一体、このカドベッカ書店、どんな本屋さんなんでしょうか。気になります。

【制作意図】
実際に東日本大震災で津波で流されそうになったフスミさん。その実体験から話す、命の尊さ家族の絆が伝わればと思います。

【制作後記】
フスミさんの津波体験がそのまま絵本になった「ふろしきづつみ」は、英訳もついており、実は、インターナショナルな絵本なんです。絵本は学校の教材にもなるなど、日本一小っちゃな本屋さんは、全国に、いや、世界に発信している本屋なのです。

2015年7月27日 (月)

清水のある暮らし

2015年7月20日~2015年7月26日放送
北日本放送 報道制作部 小林淳子

【番組概要】
富山県東部。北アルプスの雪解け水が大量に流れこむ清流、黒部川。その流域はきれいな扇形をした典型的な扇状地になっていて、上流で伏流した水が地下水となって流れています。下流域の街を歩くと、あちらこちらから水が湧き出していて、地元の人は、この湧き水を「清水(しょうず)」とよんで、生活の中に上手に、取り入れています。洗濯は勿論、夏場はスイカやトマトを冷やしたり、そうめんを洗ったり。清水が”家の中”にあるというお宅もあって、第二の台所として、冷蔵庫代わりとして使っています。ミネラルたっぷりの名水が24時間わき出している街、黒部。そこに暮らす人々の生活をご紹介します。

【制作意図】
湧水は自然の恵みそのもの。黒部には、地域の人が共同で使える洗い場があって、子供も大人も集まってきます。そこには、自然と会話が飛び交い、笑いが生まれます。地域の絆が薄れがちな現代において、黒部には昔ながらのコミュニティがありました。黒部の名水は、生活用水としてだけでなく、人と人とを繋げてくれるかけがえのない大地からの贈り物。自然のありがたさは勿論、地域の人々のふれあいが温かいなぁと思える町の様子を、お伝えできればと思います。

【制作後記】
町のいたるところから名水が湧き出ているって、想像できますか?現在の日本において、ちょっと信じがたい光景ですが、本当です。そうめんを家で湯がいて、共同洗い場に洗いにくる。面倒臭くないかと思いますが、それが不思議ではない町なんです。おいしい名水が蛇口から出てくるってなによりの贅沢ですよね・・・いやぁ、本当にいい所です。できれば住みたい!

2015年7月13日 (月)

夢の切符は一円玉

2015年7月13日~2015年7月19日放送
ラジオ関西 報道制作部 西口正史

【番組概要】
明延鉱山は1200年の歴史を持ち、東大寺の大仏に銅が使われた、という言い伝えも残っています。特に明治以降は日本最大のスズの産地として、日本の近代化を支えました。その明延の人々に愛されたのが、運賃一円の「一円電車」でした。人口80人、うち7割が75歳以上という超高齢化の中、明延再生に向けて歩みつづける人々の、故郷や一円電車への思いを取り上げます。

【制作意図】
「地方創生」とは何か。明延に通ううちに見えてきたものをまとめたいと思って作りました。


【制作後記】
明延のみなさんに聞いた鉱山の町の暮らしは、想像とは大きく異なり、豊かで、華やかでした。もちろんその裏には、危険と隣り合わせの鉱山労働があったわけですが、サラリーマンの年収が100万を超えない時代に、月給が45万あったり、社宅なので家賃負担なかったり、地域の大運動会やお祭りがとんでもなくにぎやかだったり。過疎で厳しい現実に直面しながらも、決して諦めずに笑顔が絶えないのは、町がつちかった気質なのかもしれません。


舞妓と遊ぼう~岐阜の新しい伝統~

2015年7月6日~2015年7月12日放送
東海ラジオ放送 報道部 成田香織


【番組概要】
明治15年に始まった岐阜町芸妓。明治から戦前まで、連と呼ばれる芸舞妓のグループが3つあり、互いに芸を競い、しのぎを削っていましたが、戦後、次第に衰退していきました。そして、平成22年11月に、130年ぶりとなる、岐阜の新しい芸舞妓の団体「鳳川伎連」が誕生。現在、岐阜で唯一の舞妓が活躍しています。岐阜で約20年ぶりに復活した舞妓さんの、お座敷での様子とともに、伝統の音色をお届けします。

【制作意図】
京都や金沢には、町並みとしての花街がありますが、岐阜でも芸妓さん舞妓さんに出会えます。「鳳川伎連」は、舞妓の復活とともに、長良川鵜飼での「船遊び」も再開させ、敷居が高いと思われがちなお座敷遊びを、身近なイベントとして提案。お茶屋や料亭のお座敷で、鵜飼船の上で、幅広い世代のお客様をおもてなしし、岐阜の美しい遊宴文化を受け継いでいます。古くて新しい伝統を発信し続ける「鳳川伎連」の皆さんの思いをのせて、番組制作しました。                                                             

 【制作後記】
岐阜の町並みや地域の人々に育まれながら、日々厳しいお稽古に励み、お座敷を盛り上げる、「鳳川伎連」二代目の舞妓・喜久富さんは、「地域の皆さんに愛される舞妓さんになりたい」と語ってくれました。皆さんも、お祝いや記念日に、また、女子会やご夫婦で、岐阜の新しい伝統・舞妓さんと遊びませんか?



2015年7月 1日 (水)

ふるさとをのんびりと~観光列車「おいこっと」の旅

2015年6月29日~2015年7月5日放送
信越放送  ラジオ局編成制作部  小林万利子


【番組概要】
これまで「長野新幹線」として東京~長野間をつないだ路線が、この春さらに北に延び、「北陸新幹線」として金沢につながりました。東京にも北陸にも「近く」「速く」なった長野県。けれど、できれば「のんびり」「ゆっくり」と、この地域の良さを感じてもらえたら、という願いを込めて、北陸新幹線と同時期に誕生した観光列車が「おいこっと」です。「おいこっと」という名は「TOKYO」を逆さまに読んだもの。車両デザインは「古民家風」、販売サービス担当は「もんぺ姿」、地元の味のサービスもあり!田舎の魅力を目いっぱい詰め込んだ「おいこっと」の旅を、音でお楽しみください。


【制作意図】
交通網の発展は、旅を便利にスピードアップさせます。その一方で、急ぐことで見えなくなってしまうものも・・。「おいこっと」は、北陸新幹線と並行して北進する「飯山線」を、あえて、ゆっくりのんびり走ることで、この地域「北信濃」の魅力を実感していただける観光列車です。車内放送を担当するのは、北信濃出身の俳優・常田富士男さん。おなじみの味わい深い声で、「おいこっと」の旅を案内してくれます。また、ここは童謡唱歌の作詞作曲者を数多く輩出した地。唱歌「ふるさと」の作詞者・高野辰之は、この辺りの「かの山」「かの川」を歌にしたのです。車窓からの眺めを想像しながら聴いて下さい。

【制作後記】
ゆっくりのんびり田舎満喫の「おいこっと」。お客さんは中高年層が中心、かと思いきや、中高生からOLグループ、小さい子を連れたママさんなど、予想以上に若い人たちも多く、驚いたと共に、ちょっと嬉しくなりました。皆さん口を揃えて、「すごくいい」「楽しい」「のんびりできる」と感想を述べ、年齢層の違う知らない同士でも、なんとなく会話が弾んで盛り上がっていたりして・・。「おいこっと」の目指すところは「田舎のおばあちゃんの家」。訪れた様々な人たちを温かく包み込むようなこの列車の魅力は、まさにここ北信濃の人々の「おもてなし」の心がもたらしているのだと感じました。

 


    

2015年6月29日 (月)

輝きの学舎~全国唯一の公立ジュエリー専門学校~

2015年6月22日~2015年6月28日放送
山梨放送  ラジオ本部ラジオ制作部 内田孝輝

【番組概要】
国産ジュエリーの訳3割を生産する山梨県甲府市。そんな宝飾の街に全国で唯一のジュエリーに公立専門学校、山梨県立宝石美術専門学校があります。創立から40年以上にわたり、宝飾に関わる人材を育て、地場産業を支え続けてきた学校を舞台に生徒らがおりなす音を追いかけます。

【制作意図】
地場産業の衰退が叫ばれる中、人材育成の場として産業を支えてきた学校にスポットをあてることで、次世代を担う若者たちの思いや業界に求められている変化などを紹介したい。

【制作後記】
学校では地元企業の職人などが講師を務め、宝飾業界あげて地場産業を守っていこうという強い思いを感じた。また宝飾業界の未来を担う生徒たちのキラキラした表情も印象的だった。

2015年6月22日 (月)

福岡筑豊から大分へ。蘇れ!僕らの街の蒸気機関車

2015年6月15日~2015年6月21日放送
RKB毎日放送  三輪肇

【番組概要】
かつて石炭産業で栄えた筑豊三都の一つ、福岡県直方市。今ここでは地方の鉄道愛好家・汽車倶楽部の手によって、1台の展示用蒸気機関車の修復作業が進められています。現役引退後40年間、福岡県内の公園に展示されてきたこのSLは、修復後、大分県玖珠町の鉄道遺産「豊後森機関庫」へ移設されます。今回はその修復作業を追いかけながら、今や世界遺産への登録を勧告された九州各地の石炭産業の遺構と同様に、日本の近代化を支えた炭都筑豊、鉄道の街・直方、そして大分へ運び込まれようとするSLが繋ぐ街の姿を描いていきます。

【制作意図】
蒸気機関車は、日本の近代化の礎、筑豊の街、街を生きた人々、後世へ繋いでいく強い意志、その全てが集約されていると話す汽車倶楽部代表・江口一紀さん。朽ち果てた車体をこだわり抜いて修復する江口さんの姿を伝えたいと考え企画しました。

【制作後記】
汽車倶楽部の事務所には、広さ7m四方の立体模型、ジオラマで昭和40年代の直方機関区を中心とした街の様子をリアルに再現していて、江口代表のこだわりには驚くばかりです。丁度、オンエアの頃には移設作業に入っている頃だと思います。

地下の賑わい

2015年6月8日~2015年6月14日放送
文化放送 制作部 齋藤拓馬

【番組概要】
有名・無名を問わず様々なタレントが各々の目的を持ち集まってくる東京のライブハウス。地下アイドル・地下芸人・地下ミュージシャン。いわゆる「地下文化」・「サブカルチャー」などと呼ばれるメジャーではない芸能活動は、どのように行われているのか。彼らが何を考えているのか。地上で生きている分にはあまり目にかからない地下の賑わいを東京都杉並区あさがやドラムからお送りします。

【制作意図】
野望を抱き大都会に集まってきた若者たちが形成する「地下文化」は今や首都東京からは切り離せない文化になっています。中には必ずしも有名になることが目的でない人もいるようで、思惑が渦巻きます。サブカルチャーにあまり触れることが無い方へ、地下という暗がりで何が行われているのか。現代の「東京といえば」。その一端をお届けできればと思います。

【制作後記】
やりたいことをやっている人たちが楽しそうであるという図。それを見ている都会人の一人称視点を感じていただければと思います。喧騒の地上から扉と階段で隔たれた賑やかな地下の世界、そこへの行き帰りを遠ざかっていく音・近づいてくる音でリアルにお伝えできていれば幸いです。

2015年6月 1日 (月)

オロロンは泣かない

2015年6月1日~2015年6月7日放送
北海道放送 ラジオ局編成業務部 榊原満

【番組概要】
札幌から車とフェリーを乗り継いで4時間、日本海の沖に浮かぶ天売島。昭和36年制作のHBCのTVドラマ「オロロンの島」の舞台にもなったこの島は、海鳥と人間が共存する世界的にも貴重な『共生の島』です。春から夏にかけて天売島では約100万羽の海鳥が集まり、子育てをします。中には絶滅危惧種のオロロン鳥や、姿は見えども声を聞く機会の少ないウトウなど、貴重なものもいます。今回はオロロン鳥をはじめとする天売島の海鳥との出会いを求めて、初春の天売島を訪ねました。

【制作意図】
天売島は国の天然記念物にも指定されている世界有数の海鳥の繁殖地です。島の代名詞オロロン鳥は昭和39年には8000羽が生息していましたが、流し網漁など漁法の変化によるエサの魚の減少、天敵の増加などで10数羽にまで激減しました。天売島を舞台にした昭和36年制作のHBCのTVドラマ「オロロンの島」には、貴重なオロロン鳥も登場します。今回はドラマにも登場したオロロン鳥を訪ねながら、ここでしか聞くことの出来ない海鳥の生態を紹介します。

【制作後記】
深夜、人気のない海鳥たちの居住区天売島の西海岸に、録音機片手に一人で取材に向かいました。あたりは灯台の明かりが時々照らすだけの真っ暗闇の世界です。待つこと30分、闇の中からバサバサバサッと羽音が聞こえてきます。その音は次第に増え、耳元をかすめたり、足元に転がったり、こちらの存在に気づくこともなく縦横無尽に飛び交います。約80万羽のウトウのコロニーの真ん中で、バードアタックの恐怖と闘いながらの取材は映画「鳥」のシーンを思い起こしました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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