2005年7月18日 (月)

故郷の言葉~伊吹島は宝の島~

西日本放送 営業局 ラジオセンター 伊達 典子

誰もが持っている故郷の言葉「方言」は、温かく懐かしい気持ちにさせてくれます!。

故郷の良さを守り続けて欲しいという願いを込めて、香川県の西部、伊吹島に住む、久保カズ子さん(75才)をたずねました。

何と、伊吹島には、日本中どこを探してもない平安時代の京都の言葉のアクセントがそのまま残っているのです!。研究に訪れた金田一春彦さんの歌碑もあります。

独特の漁師言葉は乱暴に聞こえますが、人情にあふれた優しい言葉でした。日本古来の美しい言葉のひびきと久保カズ子さんのざっくばらんな人柄にひかれてしまい、取材をしているうちにすっかり伊吹島の方言を真似できるようになってしまいました。

貴重な言葉や文化は、ずっと守り続け未来に伝えていきたいです。

2005年7月11日 (月)

茶所(ちゃどころ)・東彼杵(ひがしそのぎ)

長崎放送 ラジオ局 ラジオ制作部 橋口 英恵

長崎県東彼杵町は、全国でも有数の茶所ですが、東彼杵町で作られている彼杵茶(そのぎちゃ)の名は、あまり知られていない。

そのため、東彼杵町では、バスツアーやそのぎ茶PRのための広告電車を走らせるなどして、まずは地元の方々に知ってもらいそして、ブランド化に向けて努力し続けている。

そのぎ茶を親子3代で作り続けており、平成15年に行われた全国農林水産祭で、内閣総理大臣賞を受賞している大山次作さんに、東彼杵町の土地を生かして作られているそのぎ茶の特徴を聞いた。

大山さん自身、今年も内閣総理大臣賞の受賞を目指し、日々丹精を込めて、お茶作りに励んでいる。

お茶の時期は、とても限られており、しかも雨の日には、茶摘が出来ないため、取材する時期を選ぶのに苦労しました。

また、自然豊かな場所で、お茶の魅力を知ることが出来ただけでなく、風景の美しさにも、思わず見とれてしまったそのぎ茶取材でした。

2005年7月 4日 (月)

はじまり、はじまりぃ~

秋田放送 ラジオ局 ラジオ放送部 山後 美奈子

由利本荘市の石渡力造さんは、昔話を紙芝居にして学校や保育所、介護施設などで約30年間、公演してきました。

地域に伝わる昔話を聞いて、ふるさとの良さを感じとって欲しい。昔話を子供たちに残していきたいという思いから聞かせるだけの昔話を石渡さんは、漫画風の楽しい紙芝居にして子供たちが受け入れやすいように努力をしてきました。

毎日、鎮守の杜で練習しています。石渡さんにとっては、精神統一の場、また、人に知られずこっそり大きな声を出せる秘密の場所なのです。

聞いてくれるのは名もない小鳥やカモシカたち。今までに約70の作品を作りましたが、まだまだ語りの材料は、頭の中にいっぱい詰まっているようです。

老人や子供たちが、泣いたり笑ったり反応してくれることが最大の喜びとなっています。

2005年6月27日 (月)

赤い靴物語

静岡放送 ラジオ局 ラジオ部 荻野 倫久

静岡市の歌舞伎研究家で脚本家の藤浪俊夫さんが、童謡「赤い靴」のモデルになった少女の悲話を題材にした浪曲「ああ・母子草」を書き上げた。

実在の少女が辿った運命を物語として蘇らせた藤浪さんの作品にこめた思いに迫る。

同時に浪曲のもつ独特の表現方法を通し、日本語のもつリズムと言葉の美しさを伝える。

2005年6月20日 (月)

遥かなる沖ノ鳥島

文化放送 報道制作部 高橋 民夫

東京都小笠原村、沖ノ鳥島へは、港区の竹芝桟橋から「おがさわら丸」(6700トン)で、丸二昼夜、距離にして焼く1,750キロ。

位置としては台湾の中ほどにあたり、気温も29度位、サンゴ礁の中にある東小島に知事が上陸したのは平成17年5月20日の14時50分頃。

太陽の陽光をさえぎるものは何もない中、石原知事は中国を意識した言動を表しましたが、当番組ではあくまでも沖ノ鳥島での今後の経済活動に関する可能性や期待などを取材しました。

往復4昼夜の船旅での取材は少々辛いものがありましたが、一生のうち2度と経験できないと思われる貴重な取材体験でした。

2005年6月13日 (月)

わっ!! しゃべった

熊本放送 ラジオ編成制作部 高野 泰宏

水俣市の「湯の児スペイン村福田農場」に今年4月、声の出るポストができました。声の出るポストがあるのは九州では長崎市役所前とここ福田農場だけです。

このポストは水俣市深川地区にあった円柱型のレトロなポストを移設したものです。水俣市では地域おこしのキーワードに「古いものに戻ろう」というものがありました。

まず、ポストが設置された理由ですが、福田農場では、エコはがき体験を実地しており、体験者から「ここでつくったはがきを手紙として出したい」という要望があったのが一つの理由です。

また、福田農場の福田社長から「最近、Eーメールが全盛の中、古くて温かみのある手紙のほうがいいのでは」という意見があったのも理由です。

では、なぜ声が出るものになったかといいますと、ポストという改造に規制があるもので、可能な面白い仕掛けは声を出すというものだったのです。

このポストはボタンを押すと「ありがとう。おくりまーす」など2~3種類の声を出します。声を出るようにしたのは、地元、水俣工業の機械科の生徒でした。

これは福田社長が勉強の一環として、依頼したものです。現在はボイスレコーダーとスピーカーを取り付けたものですが、現在ソーラーセンサーで声が出るように研究開発中ということです。

また、水俣工業の生徒は廃材を使って、このポスト用の看板を作っています。このポストを見た観光客はどんな反応でしょうか?

地域住民の協力で誕生した、声の出るポストは地域おこしのシンボルとなっていくのでしょう。

なお、このポストには「夢のあるポスト」という名前が付けられています。これは福田社長が「水俣での感動を広く伝えてもらおうという意味を込めたものです。

2005年6月 6日 (月)

飛べ! 巨大ラジコン

高知放送 報道センター 福田 耕

高知県・四万十川で開かれたラジコン大会に人が乗れそうな程の巨大なラジコン飛行機が登場した。

実は、この飛行機を作った山崎卓さん(当時82才)は、この飛行機が飛ぶ姿を見ることなく去年の暮れに他界した。山崎さんの遺志を継ごうとラジコン仲間が立ち上がり、今年、再びラジコン大会に挑んだ。

去年、テレビの取材で知り合った山崎卓さん、80才を過ぎているのにも関わらず、少年のような笑顔でラジコンに興じていた。

山崎さんの人柄と巨大なラジコンに興味をひかれ取材を続けていたが、突然亡くなったという知らせが…。ラジコン仲間が山崎さんの飛行機を飛ばすという話を聞き、我々としても、山崎さんの追悼という意味も含めて、もう一度企画を作りたいと思いました。

2005年5月30日 (月)

民謡はふるさとの宝

青森放送 ラジオ編成制作部 小杉 陽彦

青森県田舎館村では、前の村長が東京で開かれた会合の席で「津軽出身なら何か津軽民謡を一つ披露して欲しい」とリクエストされたが歌うことができなかったことから、「これではだめだ」と7年前から村内3つの保育所で民謡教育をスタートさせました。

津軽民謡の指導を依頼された沢 久雄さんは、ひらがなも読めない子供たちに口伝えで民謡を教えていき、子供たちは周囲の大人たちが驚くほど早く、次々と覚えていきました。

子供たちは村内の様々なイベントで、元気な歌声を披露し、自信をつけて、毎年小学校へと進学していきます。

沢さんは、最近、小学校でも津軽民謡を教えており、この8年間で、村の人口の2割を超える、1,600人以上の子供たちに指導していて、将来、子供から大人まで民謡を歌える田舎館村の姿を夢見ています。

2005年5月16日 (月)

音戸町最後の日の「音戸の舟唄」

中国放送 ラジオ制作部 面出 成志

平成17年3月20日、広島県安芸郡音戸町は、呉市と合併になり、単独町制が終わった。

広島市内を中心にライヴ活動を行っている音戸町出身のミュージシャン、プロベーシストの中野力さんは合併前に故郷に音楽で何かを残したいと、音戸の舟唄を現代風にアレンジして演奏することを決意。

ライヴの日は、音戸町最後の日、3月19日。しかし、プロになって初めて故郷でコンサート。日本の三代舟唄をアレンジしていいのか?地元の人は喜んでくれるのか?悩みとプレッシャーでなかなか曲ができない。

そこで、音戸の舟唄保存会、副会長の中下利枝子さんをたずねる。生の舟唄を聞いて何かを感じた…。

伝統的な音戸の舟唄、音戸の誇りでもある音戸の舟唄を次の世代に伝えていきたい思いは一緒。

そして、平成の音戸の舟唄が完成し、音戸町最後の日に地元の人を前に披露した…。中下さんの反応は…。地元の人の反応は…。

2005年5月 9日 (月)

奄美発・島唄サンシン侍参上!

南日本放送 ラジオ制作部 冨山 貴司

奄美の島唄に欠かせない三味線を、地元の人は「三線(サンシン)」といいます。名瀬市の浜川昇さん(72歳)は、そのサンシン作りの名手で、全ての工程を手作りするのは浜川さんが島でただ一人。

自分の作ったサンシンで、大好きな島唄を唄いたい! という思いから島唄教室まで開き、後継者探しまで行う浜川さんの元気な姿、力強さを番組に投影しました。

浜川さんを“サムライ”と呼んだのは、後継者がいない、言わばサンシン作りの“ラストサムライ”に思えてならなかったからです。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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