2009年1月19日 (月)

子供落語家奮闘記

西日本放送 営業局ラジオセンター 壁下 太郎

香川県は丸亀市、通町商店街にある大正時代の家屋「秋寅の館」は、市民の交流の拠点「まちの駅」として利用されています。

この秋寅の館で、定期的に開催されているのが、「秋寅寄席」。50~100人が入る座敷で、高座とお客さんの距離が近いアットホームな寄席です。スタッフも商店街の方々。街の活性化を図るため、この寄席を始めた方は、ボランティア落語家、白鷺亭楽笑さん。

その楽笑さん一押しが、子供落語家、潮流亭謙笑くん。小学3年生。彼の落語はかわいらしく、何より上手なんです!。酔っ払いの真似や、昔の武士の言葉など、きちんと表現し、体全体を使って演技をします。

そんな謙笑くんも、もう一人の女の子噺家、日向家ひかるちゃんも、練習は家族の前で行います。両親が、そしてお客さんが、自分たちの落語で笑うと、子供たちはとてもうれしい表情を浮べます。

落語を通して、子供が、その家族が、そして街が少しずつ幸せになっていく表情を出せたらと思い制作しました。

2009年1月12日 (月)

紙にいきる~越前和紙の里

福井放送 ラジオセンター 越桐 清司

越前市五箇地区には、1500年ほど前から和紙づくりの技術が代々受け継がれていて数十軒の和紙工場が軒を連ねています。寒のころになると山あいを流れる清い川の水を使った「紙すき」が盛んになります。

その生産工程は、今でも人の手によるものです。原料となる木の皮を煮る時のほど良い加減や、煮た原料を叩いてほぐす時の力加減。紙を漉く加減など、それらが長年培った熟練のの技です。

その紙づくりと共に五箇に伝わる民謡「越前紙すき歌」は、「五箇に生まれて紙すき習うて」「親も子も漉く孫も漉く」と歌う作業歌です。紙すきを続けて48年の玉村秋子さんは、小学4年生の「伝統産業」の課題授業で、見学に訪れる生徒たち、観光に訪れる人たちに和紙の魅力を伝えています。

※(こぼれ話)原料を煮る音は「グツグツ」だと思っていましたが実際は「ザーッ」という音でした。

2009年1月 5日 (月)

諏訪湖のワカサギ釣り

信越放送 ラジオ局編成制作部  伊藤 めぐみ

長野県の真ん中に位置する諏訪湖。ワカサギ釣りの名所として知られています。

近年、漁獲量・採卵量の減少により、ワカサギの禁漁が続いていましたが、この冬、4シーズンぶりに解禁となりました。ボート(手漕ぎ・エンジン付き)や屋形船など、何種類もの船がある中で、この時期の一番人気は、諏訪湖名物、ドーム船。

大きなイカダの上に、カマボコ型のドーム(主にビニールハウス)が乗ったものです。ストーブやトイレ、調理用コンロなどが用意され、ささに至れり尽くせりです。冬でもヌクヌクとワカサギ釣りを楽しめる…と、大好評です。

ブラックバスは駆除すべきか?カワアイサを追っ払うには?白鳥に餌付けは必要か?-自然界の生き物との共存には、まだ課題が残りますが…まずはワカサギ釣りを経験してみませんか?

 ・2008年~2009年 諏訪湖ワカサギ釣り
 ・毎日07:30~13:30(諏訪湖が結氷した場合、禁漁)
 ・1人 上限 1kg

2008年12月22日 (月)

けなしあいを笑いにかえて~能登いどり祭~

北陸放送 ラジオセンター 川瀬 裕子

能登町鵜川の菅原神社では、毎年11月7日夜に氏子が直径1.2メートルの大鏡もちを奉納し、他の地区の氏子らが、そのもちに対して悪口を言い合う奇祭「いどり祭」が開かれています。

6つの集落のうち、毎年2地区ずつが交代でもちを作る当番となり、競い合います。

「いどり」は「悪口を言う」「けなす」の方言。まつりでのケチのつけ合いは、軽妙で笑いに包まれています。一年を笑い飛ばして来年への糧とするユーモアに、この土地の大らかな人柄と暮らしを感じます。

2008年12月15日 (月)

鍋合戦 秋の陣

宮崎放送 ラジオ部 福田 直子

宮崎県内で農業産出額トップを誇る東児湯5町(高鍋、川南、新富、木城、都農)で地元の食材を使った鍋合戦が行われました。

これは4月に高鍋と川南の2町で争われた鍋合戦ー春の陣ーについで2回目。地元でとれた豊かな海の幸、山の幸をたっぷり使った鍋は、いろんな食材から出るダシが効いて、甲乙つけがたい味でした。

今回の取材を通して、宮崎の食材の豊かさを改めて感じました。

2008年12月 8日 (月)

父から子へ・伝統のふすまからくり

四国放送 ラジオ局編成制作部 三浦 審也

徳島市八多町は、みかんやイチゴの栽培が盛んな田園地域ですが、犬飼農村舞台で浄瑠璃が上演される秋祭りの日には、町内外から数百人の観客が集まります。

見せ場の「ふすまからくり」は、合計百枚以上のふすまを縦横に動かして場面を転換するもので、地元のみなさんはが操作します。

さぞや日ごろから練習を…と思いきや、ほとんどぶっつけ本番に近い状態と聞いてビックリ。子供のころから慣れ親しんだ舞台で、メンバーは数十年来のご近所さんたちですから、あえて練習しなくても息が合うのだそうです。

文化って、向こう三軒両隣にあるものなんですね。

2008年12月 1日 (月)

音浴(おんよく)博物館

長崎放送 ラジオ制作センター 小森 裕子

長崎県西海市大瀬戸にある、分校跡を利用して開かれた「音浴博物館」を取り上げた。夫であり、初代館長であった、栗原栄一郎さんが亡くなり、跡を引き継いだ妻の節子さんが語るレコードや施設に対する思いが柱となっている。

開館から7年、この施設は、16万枚という膨大なレコードの整理、収支のバランス、後継者不在など様々な問題を抱えている。

しかし、それでもなお、めまぐるしく変化するこの時代において、人々を引きつけ、必要とされ続けるその魅力とは何か、伝わればと思い、制作した。

2008年11月24日 (月)

ふぐのささやき

秋田放送 ラジオ局ラジオ制作部 佐々木 偉性

秋田沖で捕れるふぐを町おこしのきっかけに、という人たちと、そのとらふぐの鳴き声を収録。

“ふぐ”という漢字が河の豚と書く意味を収録したとき、自身気が付きました。秋田では、もともと食べる習慣がない食材をこの地区のある女性が町の復活にとがんばっています。

この女性の取り組みを応援したいとラジオ番組で度あること、取材・放送してきたものです。

2008年11月17日 (月)

ガラ紡のつむぐ夢

静岡放送 ラジオ局制作部 藤浪 由希子

静岡県西部の浜松市を中心に活動しているNPO法人ガラ紡愛好会の活動を通して、ガラ紡の魅力とガラ紡から広がる将来のふるさと作りの夢を綴る。

ガラ紡は明治6年に日本で発明され、昭和30年頃まで、日本各地で活躍した紡績機だが、西洋紡績機の導入により、徐々に衰退。いまは愛知県三河にわずかに残っているのみとなった。

しかし、10数年前から、そのガラ紡から紡ぎだされる糸で作ったフキンが油を吸着することで、洗剤のいらないフキンとして話題になり、浜松市の主婦グループも汚染度全国ワースト1の湖、佐鳴湖をきれいにする切り札としてガラ紡に注目。ガラ愛好会をスタートさせた。

愛好会は、ガラ紡の普及により水をきれいにし、ガラ紡の風合いを子供たちに伝えることを目的にしているが、夢は広がり、農家に綿の栽培を呼びかけて、地場産業の復興をめざし始めた。

2008年11月10日 (月)

海の中にも季節がある~豊後水道素潜り漁師が見た世界

大分放送 ラジオ制作部 青山 松嗣

大分県では、鶴見,米水津、下入津、蒲江、佐賀関を始め様々な地域で素潜り漁が行われています。

今回スポットをあてた場所は、豊後水道に面した大分県、津久見市高浜。ここは、古くから素潜り漁が盛んな地域で、ここに30年間素潜り漁を続けている成松親善さんがいます。

今回番組では、実際に成松さんの漁をする現場に同行し、巣潜り漁を通して、海底の環境変化を描いています。私たちの何気ない行動が、海に及ぼしている影響とは?

収録では、通常のマイクに特殊な加工をし、海底の様子を収録しました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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