2009年3月30日 (月)

豊平川とサケ

北海道放送 ラジオ制作部 伊藤 嘉章

今回は、180万年、札幌の中心部を流れる豊平川(とよひらがわ)とサケをテーマに制作しました。

これほどの大都市の川でサケが遡上する川は、世界的に見ても、珍しいといわれます。人々の生活のすぐそばに自然の営みがある。そんな札幌の街を描きたいと思いました。

人の手によって、一度、豊平川のサケは姿を消しました。しかし、人の手によって、もう一度、サケは帰ってきました。今、はやりの“自然再生”もう、30年前から「カムバックサーモン」という市民運動として北海道では行われてきました。

サケは、水産資源でもありますが、自然の生態系を支える重要な生き物です。そして、まさに今、サケの稚魚は、長い長い北洋への旅に出ようとしています。

2009年3月23日 (月)

俺の好きな安来節

山陰放送 放送制作部 大田 祐樹

全国に誇れる島根県の民謡「安木節」。

保存会の会員の平均年齢は63.3才。30台以下は10%で、後継者の育成が課題です。

そんな中、若手有志が、グループ「SOW」を結成。2月20日の旗上げ公演に向けて、メンバーの意気込みや、そのステージを取材し、熱い想いをお伝えします。

2009年3月16日 (月)

腹話術おばちゃん、笑い届けて30年

ラジオ関西 報道制作部 国広 正夫

小学校の先生をしていた藤井さんは30年前、腹話術を取り入れた授業を目指し、練習に励みましたが、当時は週1回ほどのものでした。

元々、ウイットに富んだ藤井さんは、退職した後の9年前から、地域のふれあい喫茶を皮切りに、本格的に、腹話術の公演をこなすようになりました。

そして、先日、その数510数回となり、これからも益々張り切って、ステージに立ちたいと、意欲満々でした。

藤井さんと、人形の女の子を前に、話しを聴いたわけですが、思わずお人形にもマイクを向けたときは苦笑してしまいました。

藤井さんのように、おなかの底から声をだすこと、イコール、身心の健康と納得したものです。

2009年3月 9日 (月)

親と子の絆を深める、おてて絵本

新潟放送 ラジオ局編成制作部 後藤 亜弥

新潟でちょっとしたブームになっている「おてて絵本」。
これはオトナと子供が一緒になって1つのストーリーを完成させていく遊びです。この遊びを発見したのは、3児のパパである佐藤伸さんです。

佐藤さんは子供が小さかったとき、自宅でコピーライターの仕事をしているとき、絵本を読んでいる子供に問いかけてみたところ、合いの手が面白かったためか、自分でお話しをつくり出したことがきっかけでした。

手を絵本に見立てて、想像力を働かせて物語をつくる…。大人よりも子供は素直にお話ししてくれ、時には大人には思いつかないようなストーリーをつくってくれます。

そんな子供たちが作るお話し集めは、佐藤さんにとっては大切な時間だそうです。これからもお話し集めは続きます。

2009年3月 2日 (月)

友と作る島の祭り

ラジオ沖縄 制作報道部 前川 英之

沖縄県宮古島市伊良部 佐良浜地区の年中行事「ミャークヅツ」。旧暦の9月に豊漁・豊作を願って行われる。

この祭の変わったところは、2つの地区でそれぞれ47歳と50歳を迎えた男性が、幹事となって祭りを運営するところ。このため、同じ年の男性らが全国各地からこの祭りのために島に帰ってくる。

若者の多くが中学・高校を卒業すると同時に島を離れるために、30年振りに会う同級生もいる。祭りを機会に島に帰る友と島に残った友らが、交流を深める。

祭りは、いつしかふるさとの島と友を、思い返すいい機会となっている。

2009年2月23日 (月)

44年にわたる名前のない贈りもの

山梨放送 ラジオセンター制作部 小林 かおり

山梨県立盲学校には卒業式の季節になると、卒業生の数をたずねる電話があり、式に間に合うようにオルゴールが届きます。
この贈りものに名前はなく、誰が送ってくださるのか、44年経った今も、女性の方で今はかなり年配の方でいらっしゃるということしかわかりません。

しかし学校も卒業生も贈り主を探すようなことはせず、ただこの方の健康と幸せを祈り、感謝の気持ちを胸いっぱいにしてオルゴールを受け取っています。

今回は二人の卒業生をたずね、その音色とそれぞれの思いに触れながら、この寄贈のきっかけとなったエピソードをご紹介します。

盲学校の生徒は、生来光を失っている人、成人になってから病や事故で見えなくなった人など、これまでもそしてこれからも、さまざまな道を歩んでいますが、この名前の贈りものは、その温かな音色で卒業生たちに寄り添い、彼らをそっと見守り続けています。

2009年2月16日 (月)

僕は駅長マロン

IBC岩手放送 ラジオセンター 高橋 典子

IGRいわて銀河鉄道、奥中山高原駅(岩手県の北、一戸町)では、去年6月、名誉駅長に、ヨークシャーテリアで8歳になるオスのマロンを任命、活躍してもらっている。

制服・制帽もあり、乗降客の出迎え、見送りが業務。人なつっこさと、可愛さでアイドルになり、地元はもちろん、わざわざ見に来る人もいるほどの人気となっている。

番組では、このマロンを中心に(マロン役はIBCの大原喬史アナウンサー)飼い主で、駅の委託駅員である本木ヨコさんの思い、客との触れ合いなどを紹介している。

因みに番組中、マロンの鳴き声が入っていますが、実際は人に向かって吠えることは、ほとんどありません。

2009年2月 9日 (月)

甦った和ろうそくの灯~田布施ハゼの実ロウ復活物語

山口放送 ラジオ編制 村田 俊子

山口県の南東部、態毛郡田布施町に樹齢250年といわれるハゼの木が一本残っています。毛利藩が経済政策として米・塩・和紙・ロウの生産を奨励した“防長四白政策”の生き証人といわれるハゼの木です。

そして、ハゼの実ロウ復活のきっかけになった木であり、今では「ハゼの実ロウ復活委員会」の活動を見守るシンボルツリーでもあります。

この木の歴史を伝え、会結成のきっかけになった田川一郎さんの父上はすでに亡くなりましたが、田川さんの生家、亡きお父さんの家が会の作業場となっています。

庭や納屋、家の中で行われる様々な手仕事、力仕事の音を、亡き主は嬉しく聞いていることでしょう。

“エコ”と言わず、“癒し”と表現せず、昔の人の仕事を懐かしみ、地域の人々とのふれあいを楽しみ、村の歴史を伝えて行く、“ハゼの実ロウ復活委員会”は、そのような暖かい活動を続けていました。

2009年2月 2日 (月)

日本一心豊かなローカル線に~ネコの駅長たま奮闘記~

和歌山放送 編成制作部 花井 歩高

「いちご電車」「おもちゃ電車」などユニークな車両がファンに人気のわかやま電鉄、貴志川線。通勤・通学の足として欠かせない路線ですが、利用者の減少に歯止めがかからず、一時は廃線の危機を迎えましたが、沿線住民の熱意と行政の支援で、新会社が運営を引き継ぎました。

取材に訪れた1月上旬、社内には地元住民らしくない家族連れや、カップルの姿が目立ち、中にはフランスからも、終点のたま駅長みたさにわざわざ和歌山を訪れていました。

彼らはたまの写真を撮り、グッズを買い、電車で帰ってゆく…。ここまで人気になったのだから、駅を出てまちをゆっくり楽しんでもらえるような仕掛けをつくらなければ。お出迎えする側の心意気が試されています。

2009年1月26日 (月)

真冬のつめたーいお祝・沼の内の水祝儀

ラジオ福島 制作報道部 飯田 英典

いわき市平の沼の内地区には400年以上にわたって続く「水祝儀」と呼ばれる水かけまつりがあります。

特に大きなお祭でもなく、有名で遠くからたくさんの人がかけつけるわけではありません。しかし、地域の若者たちが守り続けるこの祭の生の音を取材し、若者たちが歴史ある祭を楽しんでいる姿がとらえることが出来るのではないかと考え、今回番組で取り上げました。

実際の「水祝儀」自体も観客から水をかけられる婿たち、桶取りと呼ばれる水をかける役の若者、皆が笑っています。笑いにつつまれたこの祭を音として録音し、聴いた方が少しでも笑えるような番組を目指しました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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