2022年12月22日 (木)

山あいから世界へ!オクシズ産まれのウイスキー

2022年12月26日~2023年1月1日放送 
静岡放送 SBSメディアビジョン 小林正樹

【番組概要】
いま、世界が注目するジャパニーズウイスキー。世界の5大ウイスキーのひとつにも数えられています。中でも、2018年に製造を始めた、静岡市の中山間地」「オクシズ」にある、ガイアフローディスティリング株式会社静岡蒸留所は、多くのウイスキー愛好者に注目されています。なぜ、注目が集まるのか、それは世界に、「ここだけにしかないもの」があるから…  創業者の情熱と、土地にまつわる数奇な運命。そして、静岡市の中山間地「オクシズ」の豊かな自然が育むウイスキーに迫る。

【制作意図】
静岡県は食の都です。と同時に、酒の都でもあります。日本酒の世界では「吟醸王国」と言われ、静岡独自の酵母による香りをお抑えたスッキリとした「食中酒」を極めています。また、小規模なビールの醸造所の数も多く(国内4位)静岡市の繁華街を歩けば、いたるところにビアパブがあります。近年、そんな街のうわさで持ちきりなのが「静岡生まれのウイスキー」オクシズに出来た蒸留所でした。そして、その創業者と話をすると、意外なドラマがあったのです。今回はこれをテーマにしようと意図しました。。

【制作後記】
蒸留所には、全国からここでウイスキー造りがしたいという若者が多く働いています。地元の働き手が、町へ働きに行くその道を、遡って通勤してきます。一方でえ蒸留所は、地元にも雇用を作り出しています。また、こうした中山間地では林業が盛んですが、、間伐材の有効利用が進すまず、そうなると山林も荒廃します。薪による直火加熱の燃料になることで、活用が進めば、持続可能な活動になる可能性があります。社長の中村さんが言うように、300年後もここで、地元の人たちがウイスキーを作り続けている未来を、私も見たくなりました。

うちのやぶ~お仕事は神様の警護と道案内

2022年12月19日~2022年12月25日放送 
中国放送 RCCフロンティア 森下 朋之

【番組概要】
広島県呉地区の秋祭りに出没する「やぶ」。山に囲まれた狭い地域の中で、怖がられる存在だったり、憧れる存在だったり。姿・格好は鬼のようで、シャープな鬼とは違う肉厚の「やぶ」らしいといわれる面に着物、しめ縄のたすき姿。ヒーロー的に強いあこがれを持つ人たちも多いです。ただ、この「やぶ」、いろんなことが、地域によってちょっとづつ違います。基本的に地元の「やぶ」しか、見て過ごしていないがゆえに他の地域の「やぶ」を見ると違和感しか抱かない状態になるという面白い状況に。
SNSなどの発達でうちの「やぶ」によその「やぶ」の影響が出始めている中、昔ながらのお祭りを丁寧にやっている場所もあります。その八咫烏神社の俵神輿を氏子が神社に奉納する神事・俵もみの様子を取材。力と力のぶつかり合い。次世代を担う子供たちにも、当たり前のように、うちの「やぶ」が育っている、その息吹をお届けします。

【制作意図】
9月下旬から11月23日までの呉の秋祭りで「やぶ」という怖い存在がいるというのを知ったのが取材のきっかけ。なんでも、竹棒や綱で子供をバンバン叩いたり、追っかけまわしたりするそうで。今どきそんな怖いものがいるのか?と思い、ふたを開けてみれば収拾がつかないほど様々な「やぶ」の宝庫。怖い「やぶ」はある地域に実際に存在してましたが、他にも強いあこがれやヒーロー的な存在となっている地域もありました。神様の使いで基本的な衣装の共通点はあるものの細部は実に多種多様。そして、多様性がありながら、しかも、よそを認めない貧境なローカリズム。どこの地域でも、うちのやぶがナンバーワンで、実は地元の人も気づいてないけどオンリーワン。しかも、それを競うわけでもなく。そして、コロナ禍でお祭りが派手な部分だけを残したり、よそから「やぶ」を輸入して来たり、フェス化したりする状況も。長期の取材の中で地元にある、この変わらないことが、かっこいい、大切にしないといけないという文化を守ろうとする地域に出会えました。呉地域の人が愛してやまない「うちのやぶ」に興味をもってもらえればと思い、制作しました。

【制作後記】
広島の隣町に、こんなにも多様性と地域的性格がある「やぶ」がいるとは思っていもいませんでした。週末には集中してお祭りが行われるため、どこの神社にいって音をとるか、また、「やぶ」は神社の管理ではなく、基本的に地元の青年団の管理。しかも天気やコロナの状況で当日・直前に内容が短縮されたり、中止されたりで、「やぶ」の音になかなか出会えませんでした。また、お囃子一つとっても同じものがないです。その地域ならではのお囃子などが楽しめます。また「俵もみ」なる神事は、お祭りの大きな見どころの一つ。大人の力と力のぶつかり合いを、録音のためということで、最前列にいることが出来ましたが、息をのむほどの迫力に、気がつけば自分もすっかり「やぶ」に魅せられてしまっていました。ひとくちに「やぶ」と説明できない「やぶ」を伝えられたらと思っています。

2022年12月 6日 (火)

鬼師~3代目の挑戦

2022年12月12日~2022年12月18日放送 
熊本放送 ラジオ制作部 日野 禎

【番組概要】
1000年以上の歴史を持ち、神社仏閣をはじめ、日本の家屋や家族を守ってきた鬼瓦。その鬼瓦を伝統の技でつくり出す職人が「鬼師」です。熊本地震で大きな被害を受けた熊本城。その大小の天守閣に、新しいしゃちほこを復元し、熊本復興のシンボルとして県民を元気づけたのは鬼師の藤本さん親子です。神社仏閣の全国的な減少の影響を受け、職業としての「鬼師」も存在の危機にあります。
そんな中息子で3代目、気鋭の34才の若者、藤本修悟さんは、一旦は別の道に進みましたが、職業として成り立つような新しい「鬼師」を目指し、跡を継ぎました。今新しい商品として、ミニチュアのしゃちほこの置物の他、瓦のアロマキャンドル等日用品も制作しました。また新たにペットの日よけなど試作品にも取り組みます。跡を継いで10年、理解し応援してくれるサポーターも増えてきました。一方で、職業としての「鬼師」をPRし、その裾野を広げていく活動も。近くの美術館を借りて、「紙粘土教室」を開いています。将来の子供たちの「鬼師」としての可能性にも目を向けているのです。 藤本修悟さん。そのチャレンジと模索の日々は続きます。


【制作意図】
私たちの生活にも深く関わってきた寺院・神社。その急激な減少に大きな影響を受けている職業の一つが「鬼師」です。お寺や神社の独特な「鬼瓦」は、専門にする瓦職人「鬼師」でないと作ることが難しいのです。日本の歴史を刻んできた寺社・仏閣。そして名城の数々。日本独特の建築は、そこに深い意味があり、細部に渡って表現されている芸術作品です。あの名城「熊本城」の天守のしゃちほこを制作した藤本さん親子ですら、この先これまでの様な仕事があるとは限りません。大変厳しい状況なのです。業界では、九州最後と言われている「鬼師」3代目の藤本さんの新しい取り組みを少しでも知って欲しい。そして「鬼師」という存在も知って欲しい。応援したいという気持ちはもちろんあります。今消滅の危機にある寺社仏閣。そして「鬼師」。日本の伝統文化が消えようとしている現実。このままで本当にいいんですか?そんな思いを持ち、制作しました。

【制作後記】
自分も18代、室町時代から続く寺院の次男として生まれ、お寺で育ちました。思い入れのあるお寺や神社が消滅の危機にある、もちろん他人事ではありません。そこで出会ったのが「鬼師」藤本さん親子です。34才 3代目の修悟さんのその言葉や作り上げた作品はとてもインパクトがありました。新しい「鬼師」を作り上げる。頼もしいと感じました。うまく焼いた瓦は、200年も300年も持つと言われています。土で出来ていて、エコにも優しく今のSDGsにも合ったものです。「鬼瓦」が日本の伝統文化だけでなく、アロマキャンドルなど日常品として、海外にも広がっていく。そんな日も近いと感じました。そして、今後海外から多くの旅行者が来る中で、芸術品としての「鬼瓦」に目を向け、再評価されていく。そんな近い将来がやって来る、そんな期待もしています。

 

母と子を繋ぐ子守唄 よーかい

2022年12月5日~2022年12月11日放送 
南日本放送 音声メディア部 後藤 剛

【番組概要】
令和のこの時代、世の中から消え去ろうとしている子守唄だが、鹿児島県内各地に、その子守唄を歌い継ごうと活動されている方がいる。今回番組では、種子島で歌い継がれている「よーかい」を取材した。ちなみに「よーかい」は、子どもを「よーし、よーし」とあやす時に使う言葉。最初にお話を聞いたのは、間もなく75歳になる南種子町の日高たか子さん。日高さんはどのように子守唄を教わったのか。また、日高さんが「よーかい」を歌い続ける理由とは...。続いて訪れたのは、中種子町で三味線を子供たちに教えている織部佐恵子さん。種子島の子守唄や民謡を今現在も子供たちへ歌い継ごうと思ったきっかけや、教わっている10代の子供たちにも、子守唄への思いを聞いた。

【制作意図】
収束に向かいつつあるコロナ過だが、密集、密接、密閉の三密を避けなければならない暮らしが続いてきた。このような状況にあっても、母親と乳児は密接な触れあいなくして成り立たない。番組では、種子島で歌い継がれている子守唄を取材し、貴重な音源として収録すると共に、人と人が触れあうことの大切さに改めて思いを馳せていただく。

【制作後記】
子守唄「よーかい」の意味について調べると、出稼ぎで種子島特産の鎌を売りに、離れた屋久島へ出かけたまま長年帰らない父親を思いながら、赤ちゃんを寝かしつけている光景が描かれている、切ない唄だった。母と子だけではなく、妻と夫、そして家族全員を繋ぐ願いが込められていたのかもしれない子守唄「よーかい」。ちなみに島の高校生に話を聞くと、「よーかい」を昔聴いたことはあるが、「妖怪」と思っている生徒も少なくないようだ…

2022年11月25日 (金)

磨いて輝け!靴と人生

2022年11月28日~2022年12月4日放送 
京都放送 ラジオ編成制作局 制作部 大坪右弥

【番組概要】
京都の御池通に店を構える、靴の磨きと修理の専門店『株式会社 革靴をはいた猫』
2017年、当時学生だった代表の魚見航大さんが、龍谷大学構内のカフェで障がいのある若者と共に働く中で、メンバーの成長と自立の必要性を感じ、靴磨き専門店を起業します。1足1,100円~靴を磨いてくれるこのお店では、障がい者と健常者が靴磨き職人として共に働いています。靴磨き職人に求められるのは預かった靴を時間内に綺麗にすること。職人歴5年の藤井琢裕さんは、約15分でお客さんの求める仕上がりを実現するために、靴を大事に磨きます。これまで3,000足を超える靴を磨いてきた藤井さんの技術とスピードをお届けします。そして、魚見さんが、なぜ靴磨きという仕事を選び、株式会社を起業したのかについても迫ります。

【制作意図】
きっかけは、お店で革靴を磨いてもらったときに磨く音の微妙な違いを聞き、革靴をはいた猫の靴磨きの様子をラジオで伝えたい。と考えたからです。「正当に評価される職人が活躍する世界観を作りたかったので...」という代表の魚見さんの言葉を受け、靴磨き職人の技術やスピードを先に伝えてから、革靴をはいた猫の歴史や背景を伝える構成にしました。また、靴磨きの技術やスピードを伝えるために実況風のナレーションを試みました。さらに、靴を磨いている藤井さんがどんな靴磨きをするのかが分かるように、職人仲間の竹内さんのインタビューも入れるなど立体的に伝わるように演出しました。「靴を磨くことで、靴の寿命だけでなく、お客さんの人生、そして革猫の職人たちの人生が輝いていく。」ということが伝わればと思い、このタイトルにしました。

【制作後記】
靴磨きの様子を音だけで想像してもらうにはどうすればいいだろう?という点と、起業の背景をどのように伝えるのがいいだろう?という点に悩みました。約6分間で、靴磨きの様子をスピード感と丁寧さを両立させてお届けすることを意識して番組を制作したのですが、番組を作っていくうちに、番組の構成が靴磨き職人のみなさんの仕事ぶりと重なる部分があるのかなとも思いました。取材の際に、私の革靴も磨いていただいたのですが、思い入れのある靴がピカピカになった時の嬉しさやそれを履いて歩く高揚感など言葉にできない喜びを感じることができたので、お聞きいただいた皆さんにもぜひ体験していただきたいです。



荒海が育む極上サーモン

2022年11月21日~2022年11月27日放送 
青森放送 ラジオ制作部 斉藤暢

【番組概要】

三方を海に囲まれ、海産物の豊富な青森県ですが、近年県内外で評判の魚があります。その名も海峡サーモン。津軽海峡の荒波が育てた引き締まった身と脂のりは、非常識と言われた荒海での養殖の末にたどり着いた味です。「獲る漁業」から「育てる漁業」へ。決して穏やかではない道のりをたどってきた、漁業生産組合の濱田勇一郎さんを取材しました。

【制作意図】
高い店でも安い店でも、どこで食べてもそれなりに美味しいと思われているサーモンですが、良い物は全く違います。その味を完成させるには、並大抵の試行錯誤では足りません。荒々しい津軽海峡という土壌と、その荒海に負けない熱意を持った濱田さんだからこそ育てられた魚なのです。

【制作後記】
私自身、元々サーモンが大好きなので「ノルウェー産が食べたいけど値上がりが…今日はチリ産で…」というような日々を過ごしておりましたが、海峡サーモンと出逢ってしまうとそうはいきません。濱田さんの情熱を知ってしまうとなおさらです。弊社アナ筋野とのやり取りで、濱田さんが楽しんで仕事をしている様子が少しでも伝われば幸いです。

未来に響け!お多賀さんの祭りばやし

2022年11月14日~2022年11月20日放送 
RKB毎日放送 オーディオコンテンツセンター 山田健太

【番組概要】
福岡県の北部に位置し、石炭産業で栄え、自然豊かな直方市。「おたがさん」の愛称で親しまれる神社・多賀神社で300年以上の伝統を誇るお祭り御神幸(ごじんこう)。福岡県の無形民俗文化財で、直方市民に古くから愛されていましたが、神社の改築や資金不足、人員不足から1992年を最後に途絶えていました。ようやく今年30年ぶりの開催となりました。復活に燃える御神幸執行委員の毛利良幸さんと、御神幸で行列の先導役を担当した地域の小学生たちの姿を追いかけます。

【制作意図】
私自身も30歳で、同じ30年に興味が湧き取材を始めました。取材を通じて、祭りを継承するためには中断は30年が限度。この機会を逃すと祭りが滅びてしまうと知り驚きました。この取材を通じて感じた直方市民の御神幸に対する思いと、復活にかける思いが伝わればと思い制作しました。ちなみに、ナレーションを担当したアナウンサーも30歳です。

【制作後記】
御神幸の当日は私も行列について回り、およそ5時間練り歩きました。この日、30年前の御神幸の姿を知っている人、初めて御神幸を見た人、そのすべての人たちが一丸となって盛り上げて、コロナ禍で鬱屈した世の中を明るく照らしていました。今後は5年に1度の開催になるそうですが、これからも復活にかけた人たちの思いを胸に絶やしてはいけない希望の光だと感じました。

2022年11月 8日 (火)

いくつになっても夢を追え!石狩のひつじ飼い

2022年11月7日~2022年11月13日放送 
北海道放送 オーディオビジネス局編成制作部 横山佳菜絵 

【番組概要】
北海道のソウルフード「ジンギスカン」。ですが、私たちが口にしている羊肉のほとんどが輸入でまかなわれているのをご存じですか?北海道札幌市の中心部から車でおよそ40分のところに、「石狩ひつじ牧場」があります。そこで「ヤンボー!」と叫ぶのは、ひつじ飼いの山本知史さん。
36歳からチーズ専門店を営む山本さんは、ある時「ひつじのチーズ」のおいしさに感動し、53歳になって、自らひつじのチーズを作ると決意!55歳で牧場をつくり、58歳でチーズ作りを始め、60歳でひつじのお祭りを開催。いくつになっても夢を追い続ける山本さんの次なる夢は?この夢が叶った時、「北海道産のジンギスカン」が当たり前になるかもしれません。・・・ところで「ヤンボー!」って何?

【制作意図】
山本さんと初めて出会ったのは、テレビディレクターとして牧場にお邪魔した2年半前。それから、会うたびに新しいことを始めているパワフルさに驚くばかりでした。
ある日、話を聞いてみると…「理想のチーズができた!」「フランスに輸出するんだ!」「ひつじのお祭りもやるよ!」「ひつじのマチを作りたいな!」その他にもたくさんの叶えた夢とこれから叶えたい夢を教えてくれました。山本さんの夢を聞いていると、自分もなんだか頑張れそうな気がしてきます。
この物語を聴いた皆さんにもそんな気持ちになってほしいと思い、制作しました。

【制作後記】
「どうして、新しいことにチャレンジし続けられるんですか?」と私。「自分よりも先にやっている人が必ずいる。だったら自分にもできる。」と山本さん。何をするにも、一歩立ち止まってしまう私は、その言葉にハッとしました。私は20代。人生まだまだこれから!
山本さんに負けないくらいのチャレンジ精神とあたたかさを持って生きていきたいと感じました。
是非一度、北海道の石狩で、山本さんとかわいいひつじたちにパワーをもらいに来てほしいと思っています!

 

朝日差す丘からサミットへ~3セクワイナリーの挑戦~

2022年10月31日~2022年11月6日放送 
山形放送 制作部 佐藤嘉一

【番組概要】
山形県朝日町は、町の中心を流れる最上川沿いの河岸段丘を生かした、果樹栽培が盛んな地域です。この町のブドウでワイン作りが始まったのは、太平洋戦争末期の1944年。ワインの滓や樽の内壁に結晶化する酒石酸が、潜水艦や魚雷などを探知する水中聴音機の部品の原料として軍需物資になりました。このため国は、ワイン作りを奨励。このとき全国で新たに作られたワイナリーの1つが、のちの朝日町ワインです。敗戦で、軍需物資は不要になり、大手メーカーにポートワインの原料として買い取ってもらうなどしましたが、ワインブームの盛衰により会社も大きく左右されます。町内のブドウ農家を守るため、町と地元農協の出資で第3セクター方式に転換。高品質なワインを作るため、町ぶどう生産組合と話し合い、研さんを続け20年。品質の向上で数々のワインコンクールで入賞。2016年の伊勢志摩サミットでは、各国首脳に提供する赤ワインに選ばれました。毎年10月、町の未来を担う中学生と保護者がブドウを収穫。6年後の成人の集いで出来上がったワインが手渡されます。

【制作意図】
軍需物資の増産という、いわば国策から始まった山間の小さな町のワインが、サミットのひのき舞台で、先進各国の首脳に飲んでもらう日本を代表するワインの1つにまでなった。町のワイナリーの草創期を知る人たちが、どんどんいなくなる中、貴重な本人のインタビューと、町の未来を担う子供たちの取り組みを通じて、「まじめで、ひたむきなモノづくり」の大切さを感じてもらいたい。

【制作後記】
報道制作の現場でも、主に報道、しかもテレビが中心の部署で仕事をして来たので、音だけで伝える難しさを改めて感じる取材現場となりました。収録の場所や、マイクなど機材を変えみたり、ワインの仕込みの工程ごとに通って収録し、分かりやすい音を探して見たりと、時間の許す限りやってみましたが、まさに「沼」の状態を体感させていただきました。ワイン仕込み最盛期の一年で最も忙しい中、お付き合いいただいた朝日町ワインの皆様、生産者の皆様には、感謝の言葉しかありません。中学生たちには、6年後の成人の集いでワインを受け取った時に、この番組が、思い出の一コマになっているといいなと思っています。

松江の隠れ名物・カツライス~音で感じる歴史の味~

2022年10月24日~2022年10月30日放送 
山陰放送 制作局制作部 森谷佳奈

【番組概要】
ご飯の上に揚げたてのトンカツを載せ、デミグラスソースをたっぷりとかけたご当地グルメ。「松江カツライス」をご存知でしょうか。「カツ丼」でもなく、「とんかつ定食」でもない、島根県東部に伝わる松江市発祥のグルメです。このカツライス、最近新たなご当地グルメとして、人気急上昇中なのですが、その歴史を調べてみると…なんと90年も前から親しまれていた味でした。洋食店では、牛タンシチュー、オムライスに並ぶほどの人気。では、なぜ今になって人気が再燃したのでしょうか。それは地元民では気づくことのできないある理由がありました。この松江カツライス、知れば知るほど奥深いものでした。音で味わえるようにカツライスを作る音にもこだわりました。どうぞお腹を空かせてお聴きください。

【制作意図】
ここ2~3年で、島根県松江市では「松江カツライス」というグルメをよく耳にするようになりました。ただ、松江市出身・在住の私なのですが「松江カツライス」の存在は知りませんでした。そこで「松江カツライスとはなんだ?」と思ったのが制作に至ったきっかけです。調べてみると、歴史的に貴重な食文化であると知り、多くの方に知っていただきたく制作に至りました。

【制作後記】
今回は「音で味わうカツライス」を裏テーマに収録し、編集しました。よりおいしそうな音、表現を工夫しながら制作していると、どうしてもお腹が空くテーマでした。放送後には、すぐに食べに行こうと思います。みなさんにもこの気持ちが伝われば嬉しいです。また、今回取材で伺った西洋軒以外にもいろいろな松江カツライスがありますので、お気に入りの一皿を探してみてください!

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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