2017年1月 5日 (木)

国宝・臼杵石仏に魅せられて~案内人は女子高生

2017年1月9日~2017年1月15日放送 
大分放送 ラジオ
局ラジオ制作部 那賀ひとみ

 【番組概要】
大分県南部の臼杵市に鎮座する「臼杵石仏」。熔結凝灰岩で覆われた山肌にあるおよそ60体の磨崖仏は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて刻まれたとされています。平成7年6月には国宝に指定。年間12万人の観光客が訪れ、地元の有志が観光ボランティアガイドとして活躍しています。ガイドを務めるのは大人たちだけではありません。臼杵の歴史に関する検定試験に合格した小・中学生が「臼杵っ子ガイド」として、活動しています。その「臼杵っ子ガイド」出身の一人、高校3年生の宇佐美多紀さん。彼女が「臼杵石仏」に出会い、魅力に気づき、観光客へ伝えるようになったのは理由がありました。

【制作意図】
磨崖仏として初めて国宝と指定された「臼杵石仏」には、日本各地に限らず、海外からも毎年多くの観光客が訪れます。そんな観光客のために、地元の良いところを知ってもらいたいと活動する現役女子高生の宇佐美多紀さん。海外の方にも臼杵の歴史を知ってもらおうと苦手な英語を積極的に学び、高校のALTの先生と協力して観光ガイドの英文を作成しました。去年の夏からスタートした「英語de臼杵っ子ガイド」の立ち上げにも携わった宇佐美さん。高校生とは思えない、地元愛に溢れる宇佐美多紀さんを紹介したいと思い、制作しました。

【制作後記】
朝6時から観光できる「臼杵石仏」。“どの季節でも楽しむことのできる風景がある「臼杵石仏」が大好きです”と語る宇佐美さんの笑顔がとても印象的でした。宇佐美さんは将来、一度故郷を離れ、進学して英語を学び、臼杵の良いところだけでなく悪いところも見えるようになって、また戻って来たいと強い意志を語ってくれました。

冬のおやつはおばあちゃんの味

2017年1月2日~2017年1月8日放送 
高知放送 ラジオ
局ラジオ制作部 清水崇義


【番組概要】
高知県の東部に伝わる郷土の味。「かんば餅」干したさつまいもともち米の砂糖を入れて練り上げただけのお餅だ。北川村で50年以上前からお米屋さんで作られている見た目も味も素朴なこのお餅は販売用に作られたものではなく地域の人たちの「おやつ」だった。今では県内の量販店やお土産ものとし人気が高くなってきた。代々受け継がれるお米屋さんの餅づくりを紹介する。

【制作意図】
冬の風物詩ということをまず念頭に、地域に根付いているものにスポットをあてた。時期になると宣伝をするより先に注文が舞い込む、というかんば餅は地域内外の人に愛されている、まさに風物詩的なおやつと言えるだろう。また、この放送をきっかけに自分の「ふるさとの味」を思い出してもらえればと企画した。

【制作後記】
かんば餅は非常に素朴で優しい味である。このおやつが生んでいるのは利益や収入ではなく、地域の人とのかかわりや思い出なのだと感じた。そもそも「お義母さんの味を引き継ぐ」と始まった岡島さんのかんば餅づくりはまた子へ、子へ、と引き継がれ、いまでは孫世代とのコミュニケーションを生む場になっている。また、購入した家庭でも「思い出の味」として引き継がれていくことだろう。

2016年12月28日 (水)

軽トラで町を元気に!~元祖しずくいし軽トラ市の賑わい~

2016年12月26日~2017年1月1日放送 
IBC岩手放送 編成局ラジオ放送部 照井達也

【番組概要】
岩手県雫石町の中心商店街を歩行者天国にして毎月1回、軽トラの荷台に商品を積んで販売する「軽トラ市」。約60台の軽トラが直線道路約470mにずらりと並び、多くの人で賑わいます。売り手側は、軽トラの荷台に商品を積んで販売するので、搬入撤収が簡単。買う側も、新鮮野菜や特価商品が並ぶとあって大好評。2005年全国に先駆けて始まった軽トラ市の魅力を紹介します。

【制作意図】
かつて国道が走り活気のあった商店街もバイパスの開通などの影響で次第に人通りの少ない商店街に。新たな取組みとして2005年から始まった「軽トラ市」で、商店街では売り手、買い手のにぎやかな声が響きくようになりました。軽トラ市の魅力はどこにあるのか、「軽トラ市」の賑わいと共に伝えます。

【制作後記】
今回放送の音は、今年最後の開催となった11月の様子。開催月によっては、地元団体による芸能披露や地元学校の生徒による吹奏楽の演奏、無料体験イベントなど催しも様々あるようです。今回紹介できなかった賑やかさを今度は別の角度からお伝えできればと思います。

2016年12月22日 (木)

里芋の町が熱い!全日本イモ洗いコンテスト

2016年12月19日~2016年12月25日放送 
北日本放送 報道制作部 西崎雄一郎


【番組概要】
秋の終わりから年末にかけて旬を迎える里芋。いくつかある富山県内の里芋産地のなかでも南砺市旧井波町で毎年開催されるとてもユニークなコンテスト「全日本イモ洗いコンテスト」ルールは至ってシンプル!60年以上前まで里芋農家の間では当たり前のように行われていた樽と櫂を使う方法で里芋をひたすら洗い白さを競う。熱い戦いが繰り広げられている会場を取材しました。


【制作意図】
全日本と名がつき今年で26回目となるこの大会。芋の白さを競うのはもちろん、パフォーマンスも採点に加点されるため毎年個性豊かなメンバーが参加すると聞きこの大会を取材しようと決めました。イモ洗いコンテストの熱い戦い以外にも地元町民で賑わう雰囲気も伝えられたらと思い今回このテーマにしました。

【制作後記】
ハロウィーン人気もあってか当日は想像以上に気合いの入ったコスチュームで臨む参加者が多くこの大会に掛ける想いを感じました。(映像で伝えられないのが残念!)イモ洗いコンテスト以外にも里芋詰め放題や里芋料理、加工品のコーナーは常に賑わっていて里芋組合の方が「どんどん里芋農家が少なくなっていく中でこういった催しごとで少しでもこの地域の里芋を知ってもらいたい」と話しておられたのが印象的でした。大会に参加料は不要で参加するだけで洗った芋(4kg)お土産用の芋(2kg)が貰えさらに優勝すれば賞金も・・・来年は出場を考えました。

港町を駆け抜ける二人四脚

2016年12月12日~2015年12月18日放送 
ラジオ関西 報道制作部 西口正史

【番組概要】
秋の風物詩に定着した「神戸マラソン」。毎回、およそ2万人のランナーが、阪神淡路大震災から復興した神戸の街を駆け抜けます。その中には、フルマラソンに挑む視覚障がい者たちもいます。目が見えないというハンディキャップを抱えながらも、前を向いて挑戦し続けるブラインドのランナーたちと、彼ら彼女らを支える伴走ボランティアの姿を追います。

【制作意図】
私自身もフルマラソンには数回挑戦したことがあり、大会で視覚障がい者のランナーと、伴走ボランティアの方々の姿をみかけていたことが取材のきっかけでした。ランニングで地面を蹴る音、走り終えたときの笑い声、仲間との語らい。快活なブラインドランナーとボランティアとの交流から、「障がい」とは何か、「バリアフリー」とは何か、気づくきっかけになればと思います。

【制作後記】
目が見えないランナーにボランティアはどのように伝えながら走るのか。練習会で一緒に走ることでうかがい知ることができました。前向きなブラインドランナーたちの走りが、おなじ障がいを持つ人たちだけでなくボランティアや健常者のランナーたち、なにより私が強く励まされました。

2016年12月 6日 (火)

四日市工業地帯 近くから遠くから

2016年12月5日~2015年12月11日放送 
東海ラジオ放送 井田勝也

【番組概要】

三重県四日市市。石油化学コンビナートを擁する産業の街。市内では、ひっきりなしに大型車両が走ります。しばしば物流は人間の血の巡りに例えられます。四日市市はいわば産業の鼓動を、目で、耳で感じることができる街です。それは何も産業に直接携わる人だけではありません。現役の「跳開式可動鉄道橋梁」や近年、注目を集めるようになってきた「工場夜景」など「人が」「街が」働いてる様子を愛でる人がいます。そんな様子をお伝えしていきます。

【制作意図】
「現役の跳開式可動鉄道橋梁が四日市にある」という驚きからスタートした取材でした。平日にも関わらず、その雄姿を写真や動画におさめようとする鉄道愛好家たちの熱意にも驚かされました。「橋梁の取材をしよう」と決めたのと同時に、四日市と言えば「工場夜景の聖地」であることも思い浮かびました。「誰かの働く姿を愛でる人々」の姿を通じて働く人に励みになるような番組を作れればと制作しました。

【制作後記】
ディーゼル機関車を撮影している鉄道愛好家の様子を取材していて感じたのは「最高の瞬間は一瞬しかない」ということ。事前の想像とは裏腹に彼達の写真撮影はほとんど一瞬で終了していました。鉄橋と列車を「最高のアングルでおさめる」ことができるのは一瞬であり、シャッターは一度しか押す必要はない、言い換えればシャッターは一度しか押せないのです。「画像」と「音声」、追いかけるものは違っても、その集中力と情熱を見習いたいと感じました。



2016年11月29日 (火)

朴の木の音

2016年11月28日~2015年12月4日放送 
東北放送 阿部航介

【番組概要】
朴の木コーラスは、宮城県北部に位置する栗原市栗駒地区を拠点に活動する女声合唱団です。七十代以上の女性が全体の半数以上を占めるこの合唱団。メンバーは週に一度の練習日を心待ちにしています。合唱祭という目標に向け、声と心をひとつにして歌う彼女達の思いを柔らかくも深みのある歌声に乗せてお届けします。

【制作意図】
合唱団という「集団」を扱うに当たり、メンバーそれぞれの思いや週に一度集まる理由を見つけ集めていく作業に注力しました。この物語を聴いた方々には朴の木コーラスの存在意義を考えて頂き、胸の中にほんの少しの暖かさを感じてもらえれば良いと思っています。

【制作後記】
今回お話を伺ったおばあちゃんたちはとにかく元気でパワフル。取材に行く度に可愛がって頂、私にとってのある種のパワースポットのような場所になりました。完成した作品を聴いて頂くのが楽しみでなりません。

2016年11月21日 (月)

山峡に響く月明かりの神楽

2016年11月21日~2015年11月27日放送
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 大谷彩歌

【番組概要】
全国各地で伝承される神楽。宮崎でも200以上の神楽が受け継がれています。一方で地域の高齢化や後継者不足によって消えゆく神楽も少なくありません。小川神楽は、宮崎県西米良村小川地区―人口100人にもいたない山間の集落に受け継がれる神楽です。夜になると、月明かりのほかに何もない集落で、消え行くのを待つだけだった小川神楽。今、月明かりに見守られる稽古場からは、年嵩の舞い手達の力強い声と共に、若い舞い手の声も聞こえてきます。地域に人が増えれば神楽を継承できるわけではありません。続ける意志と日々の練習もまた、必要不可欠なのです。

【制作意図】
宮崎では、冬の風物詩として親しまれている神楽ですが、その少し前―秋が終わりに差し掛かる頃に聞こえ始める桂子の音は、地元の人々にとって秋の風物詩です。神楽の担い手達はどんな思いで、そうして神楽を舞うのでしょうか。12月に行われる神社社殿での奉納が本番ですがそれに向けて夜毎稽古に励む舞い手達の声を届けたいと思いました。

【制作後記】
若い舞い手の方々に。神楽を好きな理由を尋ねると、「かっこいいから」という答えが返ってきました。伝統の継承を重んじる一方で、神楽や神楽を担ってきた先人達への純粋な憧憬があることがとても素敵なことのように思えました。稽古場からは、指導の声と同じくらい笑い声も聞こえてきます。「好きだから舞う」「伝統を残すために舞う」どちらも大切で、だからこそこれからも小川神楽は受け継がれていくのではないかと思います。

2016年11月16日 (水)

未来神楽 福島から風を

2016年11月14日~2015年11月20日放送
ラジオ福島 編成局 大槻幹郎 

【番組概要】
平成28年8月27日、福島市内の稲荷神社に現代の創作神楽、ふくしま未来神楽の第三番「天・天・天狗」が奉納されました。前衛的かつ幻想的な音声・演奏とプロジェクトの発起人である詩人・和合亮一さんの創作神楽への思いをおおくりします。

【制作意図】
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から5年と半年が経過。震災前とほぼ変わらぬ生活をしている人もいれば、2011年3月11日で時が止まったままの人・地域もいまだにたくさんあります・「風化させてはいけない」「語りつがなければならない」その想いを伝える福島の動きを全国の人々に知ってほしい、と考えています。

【制作後記】
神楽自体は1時間を超えるもので、その中のほんの一部しか届けられず、正直「分かりづらい」と思いますが、その中でも特子供達の優しい声の響きは取材していても後で聴いても印象的でした。

心も躍る 祭り金太郎たち~ 地域の絆を一つに結ぶ 御坊祭

2016年11月7日~2015年11月13日放送
和歌山放送 報道制作部 柘植 義信

【番組概要】
毎年10月のはじめになると町中の人の心が騒ぎ、心が一つになる時がある。和歌山県の中部のまち御坊市に江戸時代から伝わる「御坊祭」は小竹八幡宮の例大祭。神と氏子が親密感を増し、一体となる祭りで 地域に根付いた祭りです。9つの地域が仕立てた組と呼ばれる連が参加し、神輿や太鼓を積んだ櫓をかつぐ大人。笛を吹く子供、雀踊りの女性たち。住民がそれぞれの役割を担い、祭をみんなで楽しむ。それをリードするのが祭り金太郎と呼ばれる年中「祭」のことが頭から離れない男衆。祭り金太郎が地域の人の心をつかみ、地域の絆を深める。祭りを通して過疎と高齢化が進む地方の元気を回復させる一つの姿が見えてくる。

【制作意図】
御坊祭を一年中、頭のどこかに置いていて、祭では地域の結束を固める役割を担う男衆を「祭り金太郎」と呼んでいる。番組では、祭り金太郎と祭りに参加する住民の表情を紹介しながら、地域と祭りの関係について改めて考えてみたい。各地では、過疎と高齢化が進み地域の絆が脆弱になっているが、祭り金太郎の役割を通して地域の人の心を一つにするきっかけを探るとともに祭りが持つ、高揚感を住民が体感することで地域に生き続ける意味を問いかけたい。

【制作後記】
御坊祭は、地域の人が神とふれあい、楽しむことがあくまで主体で、観光を目的とした見せる祭りでないことがわかります。地元の人が力を合わせ祭りを盛り上げ、今年も共に元気で生きていることを確認しあっています。移り住んできた人も古くからの住民と一緒になって祭りに参加。排他的でなく融和な雰囲気から絆の深さがみえてきます。災害などで地域住民の自助共助が求められる中、祭りを通して築いている住民の絆を引き続き取材していくことで地元局として地域再生のあり方を考えていきたい。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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