鉄の音に聞く金沢の茶の湯
2015年11月16日~2015年11月22日放送
北陸放送 ラジオ放送部 内潟堅太郎
【番組概要】
石川県金沢市の茶道釜師宮﨑寒雉さん。宮﨑家は江戸時代から加賀藩の御用釜師として続く家です。宮﨑家では初代が裏千家四代仙叟宗室に釜づくりの指導を受けて加賀藩の御用釜師となり、代々宮﨑家では当主が寒雉を襲名して家業を継いできました。その茶釜は自ら土を積み重ねて形を作った鋳型に1500℃に熱して溶けた鉄を流し込んで作られます。茶釜を制作する音、炉にかけられた茶釜が発する微かな音にリスナーに耳を傾けていただき、茶の世界の伝統と様式の美しさを感じていただければと思います。
【制作意図】
茶会を開く際に亭主は訪れた客に五感の全てで楽しんでもられるように工夫を凝らすといいます。茶釜が湯を沸かす音、炉にかけられて鳴る鉄の微かな音、茶釜をつくる時の音、茶会での語らいなどから、金沢に350年にわたって受け継がれる伝統工芸を表現しようと考えました。
【制作後記】
茶室で茶釜が発する音、鋳型として固められた土を削る音、これらの音について寒雉さんは「茶釜は地味な茶道具だし、音も目立たないし…」と謙遜していましたが、注意深く耳を傾けることで、鉄や土の様々な表情が感じられるような気がしました。
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