2002年10月21日 (月)

紙の文化の根付く町

高知放送 ラジオ局 渡邊 護

高知市の西隣の町、伊野町は、人口2万5000.明治の時代から和紙の生産地としての長い歴史があり、「紙の町」として知られています。

この町で紙産業に関係する町民は1000人、手すき和紙職人は11人です。中でも去年の秋、手すき和紙職人として人間国宝に認定された、浜田幸雄さんは、薄さ0.03ミリ、「カゲローの羽根」といわれる「土佐典具紙」の唯一人の手すき和紙技術を持つ人として知られています。

この浜田さんをとりまく人々の姿を追いながら土佐和紙の産地として知られる伊野町を紹介します。

2002年10月14日 (月)

八月踊り・奄美の唄

南日本放送 ラジオ制作部 宮川 由紀江

鹿児島県の南に浮かぶ奄美大島。
今年、元ちとせのブレイクで奄美の島唄がにわかに脚光を浴び始めた。
その奄美大島に伝わる島唄よりもずっと昔から唄いつがれているのが「八月踊り」。

八月踊りは、旧暦の八月に奄美の各集落でそれぞれ行われる。五穀豊穣を願い、輪になって“ちぢん”と呼ばれる太鼓のリズムにのって、夜通し唄い、踊られる。

島唄が三味線を伴って、1人で唄われるのに対し、八月踊りは男女20人ほどで行われる。 また、島唄には目立った動きはないが、八月踊りには手、足の動きや形がある。この踊りと唄は、各集落ごとに異なっており、その集落の中で、人から人へと踊り唄いつがれてきたものなのである。

2002年10月 7日 (月)

洛北の僧都 竹の響き

KBS京都 ラジオ編成制作部 奥田 靖彦

京都・洛北の名刹、詩仙堂丈山寺は、江戸期の文人、石川丈山が59才の時、隠せいのため造った庵で90才まで住み続けました。

その庭園に響く、僧都=添れ=鹿おどしは日本で初めて庭園に取り入れられたものと伝わっています。

寺を維持する14代目住職、石川順之さんと、僧都の竹選びなど、庭を守る庭師の小西良明さんにその思いを聞きました。

2002年9月 9日 (月)

30年間変わらない瓦

大分放送 ラジオ制作部 古川 能久

大分県臼杵市。
ここには30年間一度もデザインを変えることなく「生産」、「販売」、「施工」まで全てをやってしまうという九州でもめずらしい「松尾粘土瓦工場」がある。

そこで働く四代目の松尾吉公(よしひろ)さんは「工場」を継ぐだけでなく、「父親の職に対するこだわり」を受け継いだ。

瓦業界の将来に不安を感じつつも、「30年間変わらない瓦」を死ぬまで守り続ける松雄さんにお話を伺います。

2002年9月 2日 (月)

蘇った太古の音

山形放送 制作部 野々村 美賀子

初めて、カエル砂の音を聴いた時の感動を伝えられればと思い制作しました。

砂の音だと思うと不思議な気持ちになりますし、500万年前の砂だと思うとなぜか浪漫も感じてしまいます。

全国の皆さんに、この不思議な声を知ってもらって、この音が守りつづけてゆく自然環境の大切さに、あらためて気付いていただければ幸いです。

同志社大学の三輪先生の電話インタビューが少し聞きづらかったこと、お詫び申し上げます。(遠方のため取材に直接うかがえませんでした)

2002年8月26日 (月)

福岡黒板物語

RKB毎日放送 ラジオ局ラジオ制作部 服部 義夫

黒板は、最も古くからある教育メディアのひとつです。
また、多くの授業は、黒板を通して行われています。 
誰もが、その存在は知っていても、その黒板がどのようにできてくるのか、意外に知られていません。

そこで、今、夏休みを前に、かき入れ時をむかえている、国産黒板の発祥の地、“福岡”で、会社としては一番古い福岡黒板(1907年、明治40年創業)という会社の工場を取材し、
“なぜ福岡が国産黒板の発祥の地なのか”
“黒板が出来あがる様子”
“機械化が進む中で、いまだ手作業でしかできない職人の技”を探ります。

“黒板”という響きの中にある郷愁を感じてもらえたらと思います。

こぼれ話しとしては、
黒板が福岡で生まれたことを福岡の人のほとんどが知らないこと。

さらに、少子化や環境問題、リサイクルなど、課題を抱える中で、この福岡黒板では、磁石を使った黒板を考え出し、福岡発の学校黒板が全国でじわりと売れていること。

注射器を持つ指先の力の加減で、その太さが変わるのにはビックリしました。

2002年8月19日 (月)

お手玉で イキイキ

南海放送 ラジオセンター 戒田 節子

愛媛県内の大正琴グループ 琴扇舞会は、大正琴の教室でお手玉もとり入れ練習しています。高齢者が多いので、昔子供のころに良く遊んだ人が多く、上手にお手玉をふっています。

これが健康にも良く、またお手玉全国大会に出場という大きな目標もあるため、とてもイキイキとしています。

大正琴をひいて、歌を歌い、お手玉をふる…。笑顔がいっぱいの教室のようすを取材してみました。とても楽しかったです。

2002年8月12日 (月)

よみがえった銅の風鈴

北日本放送 報道制作局制作部 岩井 克行

全国にその名を知られた高岡鉄器。その魅力を手軽に楽しめるのが、この風鈴です。
毎年高岡駅のホームに吊るされるのを見ながら、何かの機会に取材を…と、自分の中の「音の引き出し」にしまっていたわけですが、その割には知らないことだらけ。

よみがえった」ものであることすら知りませんでした。
鉄ともガラスとも違う、銅の風鈴のやわらかい音色をお楽しみください。

2002年8月 5日 (月)

三徳川そのせせらぎに耳すまし…かじかの輪広がらん

山陰放送 ラジオ業務局ラジオ制作部 田中 亜矢

鳥取県中部にある三朝町は三方を山々に囲まれた小さな盆地。
その町なかを東西に貫く美しく澄んだ三徳川にはとてもきれいな声で鳴くカジカガエル(アオガエル科)が生息しています。しかし、カジカの名前は知っていてもその鳴き声を知っている人は少ないようです。

今回の番組では、その“カジカガエル”を介して広がる交流、人の輪に焦点を当て構成しました。
中心となるのは、三朝町内で老舗旅館を営み、また、「三朝温泉かじか蛙保存研究会」の代表世話人である御舩道子さん。彼女は平成4年から三朝の夏の風物詩として「カジカガエルを聞く夕べ」を開いており、その会をきっかけに観光客や地元の方たちがカジカを題材にした俳句を作るようになりました。

環境問題を大きく掲げる活動ではなく、ちょっとした人の交流から、清流にしか棲息しない「カジカガエル」の存在を愛しむ輪が広がることを御舩さんたちは期待しているのかもしれません。

自然の音に耳をすましてみると、そこには忘れかけていた何かがきっとあるはずです。

2002年7月29日 (月)

国道沿いの遊園地はどこへ

AM神戸 報道制作部 池田 奈月

全国的にも類を見ない「国道沿いの遊園地」が姿を消すことになったと聞いた時、真っ先に考えたのが動物たちの行く末と、そこに親しんできた人々の気持ちでした。私自身も数えきれないほど宝塚ファミリーランドに足を運んだ一人です。 

取材のために改めてその遊園地に足を運んでみると、国道と塀一枚隔てただけの所にライオンや象、珍しいホワイトタイガーなどが存在することを不思議にさえ感じました。在るのが当たり前で意識したことが無かったのに…。

「国道沿いの遊園地」は、開園から90年以上の長い時を積み重ねることで、私たちの心に息づいていたのです。今回は、「動物たちの鳴き声や訪れた人々の声そのものが風物詩である」というスタンスで番組を作りました。

番組の最後に第3者による客観的な解説を加えることも考えましたが、それはせず訪れた人の声を再度挿入することとしたのは、「国道沿いの遊園地」に集ってきた人の心・気持ちも消えていく風物詩の1つと捉えたからです。

最後に語ってくれた婦人の涙声がその象徴でもありました。
風物詩を守って行くのが人間なら、自らの都合で消えいくものにしてしまうのも人間です。「国道沿いの遊園地」はそれぞれの人の心の中に移転する」と番組を締めくくりましたが、それは、単に全てをキレイごとで収めるという意味ではありません。

集った人々の笑顔や涙の蓄積の上に今回生まれたやるせなさや、動物たちを翻弄する私たち人間の責任について考えて欲しいと、一石を投じる気持ちも込めたつもりです。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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