2003年6月16日 (月)

春を迎えたイスキア~佐藤初女さんを訪ねて

青森放送 ラジオ報道制作部 藤田 晴央

弘前市に自宅のある佐藤初女さん(81才)は、ろうけつ染の教室を開くかたわら、心の病、心の悩みを持つ人々の相談をうけ始め、10年前に岩木山麓に“森のイスキア”と名づけた宿泊施設を開設。その、自然の中で“食”を大切にして生きる姿は、映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)・第2番」でも紹介された。

番組では、初女さんお得意のオニギリを作るところなどを本人の言葉を交えて紹介。冬の間、閉ざされている“森のイスキア”が雪解けとともにオープン。訪れた人々の北国の春への感動、初女さんへの感動の言葉を紹介。

一人の老女の存在が人々に“生きる喜び”と“安らぎ”を与えていることを、津軽の春の訪れとともに伝える。

2003年6月 9日 (月)

銘鶯引仮名口(めいおうひきかなぐち)

東海ラジオ放送 報道部アナウンス課 山崎 聡子

『銘鶯』とは、ウグイスに独特の鳴き方を覚えさせ、その優劣を競う文化のことです。
約1300年の歴史をもち、かっては全国に15種類もの鳴き方があった、この銘鶯が、今、絶滅の危機にあります。現在は愛知県安城市に「引仮名口」が残るのみ。

この伝統を守るため、ウグイスの人工孵化に取り組む深津鉞郎さんにスポットをあてました。
現在のところ成功まで90%のところにきているそうです。なんとか成功させ、伝統を残して欲しいと思います。

ちなみに番組の中で使用した、すでに絶滅している関東の鳴き方「文字口」の入ったカセットテープは、好事家の間では100万円ほどの値で取引されているらしい…。貴重なテープをお借りすることが出来ました。

2003年6月 2日 (月)

ヒゲロクさんの紙芝居

中国放送 ラジオ制作部 瀬尾 奈月

広島県の三原市には、今も、拍子木を打ち鳴らしながらやってくる“紙芝居のおじさん”がいます。録田健次(ろくたけんじ)さん、通称ロクさんです。

ロクさんは、長年の会社勤めを辞め、脳出血で左半身不随になった妻、公枝(きみえ)さんの介護をしながら、本格的な紙芝居師として、街頭へ出ています。

ロクさんの紙芝居にかける思いを、いきいきとした子供たちや、懐かしそうに見守る大人たちの様子とともに描きました。

だれにでも優しくて温かいロクさんの人間味と、情熱を伝えたいと思いました。

2003年5月26日 (月)

よみがえった塩炊き小屋

南日本放送 ラジオ制作部 布袋 貴代江

鹿児島県の西部、吹上浜沿いの町、吹上町から「天然の塩作り」の様子をお伝えします。

この一帯では、終戦当時、自給のため各家庭で「塩炊き」が行われていました。「懐かしの塩炊き」をもう一度復活させようと、3年前に結成されたのが、「吹上浜天然塩の会」。60代、70代の地元の高齢者が自分達の生きがい作りにと、塩作りをスタートさせたのです。

懐かしさと楽しみ半分で始めたものの、実際の塩炊きは手間も時間もかかる大変な作業。「もうやめようか…」という声もあがったものの、吹上げのおじちゃん、おばちゃん達は頑張った!。

どうせならおいしい塩を作ってみようじゃないか!」
…そして、立派な塩ができたのです。掘建て小屋からスタートした塩作り。塩は今や町の特産品に、そして煙たなびく「塩炊き小屋」は、高齢者の活気に満ちています。

ふるさとを担う、元気なおじちゃん達、どうぞお聞きください!

2003年5月19日 (月)

古都の園山大弓場

京都放送 ラジオ編成局制作部 奥田 靖彦

京都市内は祇園祭の祭神が祀られている八坂神社のすぐ傍に江戸時代、文久年間に開設された弓場があります。

この弓場を守り続けておられる人が森みつえ さん59才。
最近めっきり訪れる人が少なくなった弓場を大事に受け継いでおられる姿や、弓場の今昔についてお話をうかがいます。

2003年5月12日 (月)

路地裏人情~別府竹瓦原温泉~

大分放送 ラジオ制作部 原田 正彦

一夜 千両のお湯が湧くといわれる別府温泉。
海沿いの別府竹瓦(たけがわら)温泉は細い路地が入り組んだ路地裏の町。

ここに住む人々の日常の音を収録しながら、竹瓦温泉界隈の人情を描いた。

2003年5月 5日 (月)

飯豊(いいで)ふるさと炭焼き二代

山形放送 ラジオセンター 松浦 正登

山形県飯豊(いいで)町。人口一万人弱の小さな町。
昔から冬場の仕事として炭焼きが行われている。ここ数年、消臭や水質浄化など新たな炭の効用が見なおされるにつけ、ふるさとに戻り炭焼きを志す人が増えている。

そんな一人の樋口 久さん(41)は長年、炭焼きをしている父親に師事して5年前から炭焼きに従事してきた。

炭が焼き上がるまでにの、さまざまな課程の音を取材しつつ、炭焼き職人を目指す、久さんの意気込みなどを織り込みました。

2003年4月28日 (月)

かしわめしの立ち売り

RKB毎日放送 ラジオ局ラジオ制作部 宮岡 明治

いまや全国的にも珍しくなった、駅ホームでの弁当の立ち売りが残る、JR鹿児島線折尾駅。最新型の特急が走るその横で、威勢の良いかけ声が聞こえるというミスマッチな光景を音声で全国のリスナーにお届けします。

今からおよそ80年前の大正10年、折尾の地で生まれた駅弁「かしわめし」。九州で「かしわ」と呼ばれている鶏肉をスライスし、しょうゆと酒で味付けしたものを、のり、錦糸卵とともに、鶏肉の煮汁で炊いたご飯の上に盛り付けた弁当は、いまや九州を代表する駅弁になっています。

その「かしわめし」の立ち売りを受け継いでいるのは、山口和利さん(59)。
最盛期には20人いた折尾駅の立ち売りですが、現在は山口さんただ一人。華奢な体に十数キロの弁当入りの木箱を抱え、「ベントー、ベントー」という威勢のいい声を上げながら、5番ホームの端から端までを1日何度も往復する毎日です。

そんな山口さんの趣味は、「歌謡曲づくり」。4年前には、なんとその趣味が高じて、「鹿児島本線」と題した歌がCD化されています。その歌には、山口さんが、彼の生真面目で寡黙な性格からはなかなか伺い知ることのできない、現在の仕事をまもり、愛し続ける強い気持ちが現れています。

2003年4月21日 (月)

ぽかぽかといい気持ち

南海放送 ラジオセンター 戒田 節子

日本一古いといわれる道後温泉は、古くから松山の観光の目玉です。

ここ最近は、道後温泉駅付近に新しい目玉がいくつか出来、よりのんびりと楽しいスポットになりました。

◎録音(取材)の時、工事現場が近くにあって、音がすごかったので、お願いして工事をしばらくストップしていただきました。
協力していただきすごくうれしかったです。

2003年4月14日 (月)

山里に響くバタバタ茶せんの調べ

北日本放送 報道制作局アナウンス部 佐藤 栄治

富山県の最も東、新潟県と接する県境の町。朝日町蛭谷地区では室町時代よりも前から、バタバタ茶という珍しいお茶を飲む習慣がある。このバタバタ茶は黒茶と呼ばれる醗酵茶で、全国的に見ても生産量が極めて少ないお茶で、富山県内では現在この朝日町蛭谷地区にしか伝わっていない。

2本の竹を束ねた手製の特別の茶筅で、茶碗の淵を叩きながらバタバタと大きな音をさせながら点てるお茶である。

このバタバタ茶はこの地区のおばあちゃんたちによって、代々守り伝えられてきた。蛭谷に暮らす人々にとっては、嬉しい時や祖先を祭るときなど生活になくてはならないものである。

しかし、最近では過疎化と核家族化によってかってほどの賑わいを失ったと地元の人は言う。それでも「地域のコミュニケーションの場として、またお年寄りの元気の場として大切にして行きたい。」と考える地元に人たちが多い。

山里に暮らす元気なお年よりたちの声が響くバタバタ茶会の雰囲気を、このバタバタ茶筅の調べにのせて紹介する。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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