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2003年4月28日 (月)

かしわめしの立ち売り

RKB毎日放送 ラジオ局ラジオ制作部 宮岡 明治

いまや全国的にも珍しくなった、駅ホームでの弁当の立ち売りが残る、JR鹿児島線折尾駅。最新型の特急が走るその横で、威勢の良いかけ声が聞こえるというミスマッチな光景を音声で全国のリスナーにお届けします。

今からおよそ80年前の大正10年、折尾の地で生まれた駅弁「かしわめし」。九州で「かしわ」と呼ばれている鶏肉をスライスし、しょうゆと酒で味付けしたものを、のり、錦糸卵とともに、鶏肉の煮汁で炊いたご飯の上に盛り付けた弁当は、いまや九州を代表する駅弁になっています。

その「かしわめし」の立ち売りを受け継いでいるのは、山口和利さん(59)。
最盛期には20人いた折尾駅の立ち売りですが、現在は山口さんただ一人。華奢な体に十数キロの弁当入りの木箱を抱え、「ベントー、ベントー」という威勢のいい声を上げながら、5番ホームの端から端までを1日何度も往復する毎日です。

そんな山口さんの趣味は、「歌謡曲づくり」。4年前には、なんとその趣味が高じて、「鹿児島本線」と題した歌がCD化されています。その歌には、山口さんが、彼の生真面目で寡黙な性格からはなかなか伺い知ることのできない、現在の仕事をまもり、愛し続ける強い気持ちが現れています。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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