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2003年4月14日 (月)

山里に響くバタバタ茶せんの調べ

北日本放送 報道制作局アナウンス部 佐藤 栄治

富山県の最も東、新潟県と接する県境の町。朝日町蛭谷地区では室町時代よりも前から、バタバタ茶という珍しいお茶を飲む習慣がある。このバタバタ茶は黒茶と呼ばれる醗酵茶で、全国的に見ても生産量が極めて少ないお茶で、富山県内では現在この朝日町蛭谷地区にしか伝わっていない。

2本の竹を束ねた手製の特別の茶筅で、茶碗の淵を叩きながらバタバタと大きな音をさせながら点てるお茶である。

このバタバタ茶はこの地区のおばあちゃんたちによって、代々守り伝えられてきた。蛭谷に暮らす人々にとっては、嬉しい時や祖先を祭るときなど生活になくてはならないものである。

しかし、最近では過疎化と核家族化によってかってほどの賑わいを失ったと地元の人は言う。それでも「地域のコミュニケーションの場として、またお年寄りの元気の場として大切にして行きたい。」と考える地元に人たちが多い。

山里に暮らす元気なお年よりたちの声が響くバタバタ茶会の雰囲気を、このバタバタ茶筅の調べにのせて紹介する。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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