2009年11月16日 (月)

琉球くがにぜーく(金細工)最後の職人

琉球放送 アナウンス室  狩俣 倫太郎

数百年前から響き続ける金細工職人の金槌の音が聞けなくなるかも知れない。

保護を受けることが出来ず、消えかけている音がある事を知って欲しい。

2009年11月 9日 (月)

名前のないワイン

山梨放送 ラジオセンター 制作部 依田 司

「勝沼や馬子も葡萄を喰いながら」  
芭蕉は秋の甲州・勝沼をこう詠みました。

甲府盆地の東部に位置する甲州市勝沼町は、日本一のブドウ産地、そして日本一のワイン産地。勝沼には大小30社以上ものワイナリーが軒を連ねます。

「菱山中央醸造」は家族で営まれる小さなワイナリー。
この地域では、古くからぶどうの栽培農家が集まって組合を作り、共同で自家消費用ワイン(晩酌用ワイン)の醸造をしていました。「菱山中央醸造」はそんな組合ワイナリーの形態を今に残す、数少ないワイナリーの一つです。

自家消費用なので、ラベルも銘柄もありません。
ほとんど流通もしていません。

農家がブドウを持ち寄りって、博物館にあるような昔ながらのプレス機を使い、みんなでブドウを搾ります。
「おいしいワインを飲みたい」「おいしいワインになれ…」と思いは同じです。

甲州・勝沼の昔と変わらぬ「秋の香り」を感じていただけたら幸いです。


(実は、某日本一有名なソムリエの方も注目しているワインなんです。本当においしいですよ!)

2009年11月 2日 (月)

ふるさとの心・くるま市

IBC岩手放送 ラジオセンター 高橋 典子

岩手県の県北沿岸に位置する久慈市。市街地から離れたひっそりした山の中にある山根地区の端神郷(はしかみごう)は、月に一度、第一日曜日だけ、小さな広場で市を開きます。

シンボルとなっている水車にちなみ「くるま市」と名付けられたこの市には、毎回1000人程の人が訪れます。
この山奥にある素朴な市になぜ多くの人がやってくるのか、その魅力をリポートしました。

同じ岩手に住んでいても、聞いたことのない食べ物もあり(とても素朴な味でした)、地域によって文化の違いが大きいことを改めて知らされると共に、とてもなつかしい温かい気持ちで取材できました。

取材の時は岩手のお客さんだけでしたが、北海道から関東まで遠くからやって来るお客さんも多いとのことです。

2009年10月26日 (月)

地域に、自然に見守られサバーさまは行く!

山口放送 報道制作局 ラジオ編成部  村田 俊子

山口県の北西部、北浦地方に江戸時代から伝わる「北浦のサバー送り」は、ウンカ等の害虫を”サバーさま”と神格化して、稲につかないよう願う虫送りの行事です。

藁と竹で出来た2本の騎馬人形の”サバーさま”を住民がリレー方式で自分が住む地区の外(そと)に運びます。長門市藤中地区の有志によって作られた”サバーさま”は7月3日に飯山神社を出発、日本海を右に見ながら下関までの26キロの行程を、リレーされて行きます。

7月11日 出発から9日目、油谷川原浦の道祖神の傍に”サバーさま”は運ばれていました。油谷地区では、子ども会によって運ばれることが多いのですが、地区によっては子どもが数人しかいないところもあります。

藁と竹で出来た人形は、日を追うごとにボロボロになりながら、最後は「サバーさま 唐へ行け」と言って下関の海に落とされます。
山口県は、今年7月中旬豪雨に襲われたこともあり、サバーさまの行方も途中で途絶えてしまいました。

送るルートは概ね決まっていても、確かな申し合わせがある訳ではありません。害虫を隣の地区に送る訳ですから、送った方はその後の”サバーさま”の行方をあまり気にしません。

昔ながらの”虫送り”の行司は細々と伝えられていますが、自然を相手にお米を作ってきた人々のおおらかさも感じます。

子ども達は、青田を渡る風を受けながら”サバーさま”を運んだ初夏の夕暮れを忘れることはないでしょう。

今年4月、山口県の無形民俗文化財に指定されました。

※”サバーさま””さねもりさま”2体総称してサバーさまと呼びます。

2009年10月19日 (月)

復活にかける~真妻ワサビ発祥の地、印南町の挑戦

和歌山放送 報道制作局 編成制作部  花井 歩高

和歌山県印南町は、かつおぶし発祥の地として知られている。
実はワサビの最高品種は真妻ワサビの発祥の地でもあるのだ。
温暖な和歌山とワサビの結びつきに、最初はピンと来なかったが、現地を訪れて納得。

夏でも杉木立から涼しい風が吹き、沢を流れる水は20℃以下に保たれていた。かつて西日本でのワサビの一大産地だったそうで、伊豆の農家が苗を求めて通ったという。

平井さんは長らく一軒だけでワサビ作りにとりくんでいたが、町もブランドを復活させようと本腰を入れ始めました。
ボックス栽培は水温管理が難しく、安定出荷には遠いようだが、地域の盛り上がりに、平井さん自身も新たなワサビ田を計画するなど意欲を燃やしている。

ちなみにほかほかの白いご飯に、かつおぶし、おろしたての真妻ワサビと醤油をかけて食べると最高ですよ…。

2009年10月12日 (月)

読みきかせボランティア部オイガ~耳を傾けて~

ラジオ福島 編成局放送部  島田 弥栄

全国でも大変珍しい部活動を紹介しています。
ボランティア活動をしている高校は多くありますが、「読みきかせ」を専門としている部活動は、ほとんどありません。

読みきかせボランティア部「オイガ」…スペイン語で「耳を傾けてね」という意味で、顧問の庄司先生がつけた名前です。

読書するきっかけを作ること、それが読みきかせで、とても尊い活動をしていると、先生は語りました。

公民館で、保育園で、養護施設で、オイガは絵本を読んで、子供たちを笑わせます。その仁美はキラキラと輝いています。

オイガの輪が広がるように、この活動をとりあげました。

2009年9月14日 (月)

心をむすぶ 石のまち石のあかり

西日本放送 営業局ラジオセンター  古茂田 圭

石のまち、牟礼町。
町が持つ魅力を力にして成功しているイベント(町おこしイベントでも) 牟礼源平石あかりロードを取材しました。

源平屋島の合戦場でもあり、石あかりロードには源平史跡も残っており、期間中は地元の方が史跡のガイドもしてくれます。

様々な人が自分にできることをして作り上げるイベントでもあると、取材を通し感じました。10年、20年続けるためには様々な工夫が必要でしょうが、趣があり、ほのぼのとした石あかりと人の心が集まれば続いていくのではと思います。

イベントを作り上げる人も来られる人も、石あかりが、ふっと心をむすんでくれているのではと感じています。

2009年9月 7日 (月)

土から生まれた音板の調べ

福井放送 ラジオセンター  越桐 清司

福井県越前町とその周辺地域に、平安時代末期から伝わる越前焼は、現在60ほどの窯元があります。その原料はこの地区の土。

古くは農業の発達に伴い、種壷や肥料を入れる甕(かめ)などを作っていましたが、最近では日用品として皿や茶碗などの需要が高まってきました。
ところが器として強度の低く、割れやすい越前焼は3年前から土の改良が加えられました。
その結果、丈夫になった越前焼に注目したのが町内にお住まいの宮川澄雄さん。

越前町はマリンバの山地でもあることからそのマリンバにヒントを得て、越前焼の打楽器を作ろうと考えました。

打たれ強く丈夫で響きのある越前焼の音色を聞いて、窯元の人達は越前焼の将来に期待を寄せています。

2009年8月31日 (月)

自然と遊ぶ~信州・戸隠高原の夏

信越放送 ラジオ局編成制作部 伊藤 めぐみ

その大部分が、上信越高原国立公園の中にある、戸隠(とがくし)。
標高およそ1,200m。真夏でも過ごしやすい冷涼な高原には、
森林植物園やスキー場、キャンプ場、牧場などが点在します。

長野市の中心部からは、クルマでおよそ30分。
アクセスの良さもあり、県内外から大勢の観光客が1年を通して訪れます。

今回は、高山植物と野鳥の楽園『戸隠森林植物園』と、家族連れに大人気の『戸隠キャンプ場』で、夏の一日の音を集めました。

大きな自然の中で坦々と過ぎる時間。そこに愛惜を感じました。

2009年8月24日 (月)

未来へ放て! 輝く響き

東北放送 ラジオ局制作部  三国 喜章

1979年、宮城県小牛田町(現美里町)に、児童太鼓として発足した「創作和太鼓 駒の会」。今年で発足30年。

1990年から始めた定期演奏会も今年20回目を向かえ、6月に盛大に行われました。

私が「駒の会」を知ったきっかけは、その定期演奏会を広く知ってもらいたいと別の番組宛てにきた「駒の会」からのメール。
それでラジオカーで訪問して生の演奏をしてもらったところ、その太鼓の響きに心ひかれ、今回の番組制作に至りました。

メンバーの減少による消滅の危機も乗り越え、太鼓を通して人としての成長も促す「駒の会」。
現代には少なくなっている家庭的な温かい団体です。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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