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2009年11月 9日 (月)

名前のないワイン

山梨放送 ラジオセンター 制作部 依田 司

「勝沼や馬子も葡萄を喰いながら」  
芭蕉は秋の甲州・勝沼をこう詠みました。

甲府盆地の東部に位置する甲州市勝沼町は、日本一のブドウ産地、そして日本一のワイン産地。勝沼には大小30社以上ものワイナリーが軒を連ねます。

「菱山中央醸造」は家族で営まれる小さなワイナリー。
この地域では、古くからぶどうの栽培農家が集まって組合を作り、共同で自家消費用ワイン(晩酌用ワイン)の醸造をしていました。「菱山中央醸造」はそんな組合ワイナリーの形態を今に残す、数少ないワイナリーの一つです。

自家消費用なので、ラベルも銘柄もありません。
ほとんど流通もしていません。

農家がブドウを持ち寄りって、博物館にあるような昔ながらのプレス機を使い、みんなでブドウを搾ります。
「おいしいワインを飲みたい」「おいしいワインになれ…」と思いは同じです。

甲州・勝沼の昔と変わらぬ「秋の香り」を感じていただけたら幸いです。


(実は、某日本一有名なソムリエの方も注目しているワインなんです。本当においしいですよ!)

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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