2010年1月25日 (月)

今も残る江戸の銭湯 ただ一人の三助橘さんを追って

文化放送 編成局制作部 太田尾 和也

最近では滅多に見かけなくなってしまった銭湯。
それでも銭湯は確かに存在していて、中には江戸時代からの風情を残している店もある。

仲でも東京都荒川区にある「斎藤湯」には今でも三助さんが働いている。三助さんとは、「ながし」のサービスをしてくれる人の呼称で、平成の世に写ってからは姿を消したと思われていたが、実際にはまだ健在であった。
これには驚かされてしまった。

家に風呂があることが当たり前になりつつある現代。
そんな時代だからこそ、時には江戸の文化に思いを馳せながら、湯につかってみてはいかがでしょうか…。

2010年1月18日 (月)

小さな町の干物物語

高知放送 ラジオ編成制作部 手島 伸樹

高知市御畳瀬(みませ)。古くから干物作りが盛んな港町です。
近年、高齢化など様々な事情で、漁師・干物屋共に減少しています。
そこに50歳にして会社員から転身、干物屋の道に進んだ城下秀二さん。この冬、3年目を迎えました。

番組では「みませの干物」を残す為に努力する城下さんの姿と小さな港町の様々な”音”を拾い集めてみました。

漁師町の現状はおそらく全国で同じような問題が出て来ていると思います。故郷の文化、味を残す為に何をすれば良いのか?
そんな思いで制作しました。

朝3時の湊は寒さを通り越してましたが、冬の星座の美しさは又、格別でした。

2010年1月11日 (月)

人力車誕生から140年~ふる里、直方を走る!~

RKB毎日放送 ラジオ局ラジオ制作部 村上 雪絵

近代日本を象徴する乗り物、人力車の誕生から140年。

人力車を発明した和泉要助は福岡県直方市で生まれました。
しかし彼に関する資料はほとんど残っておらず、地元でも和泉要j助の名を知る人は多くありません。

要助の功績を掘り起こした郷土史家の舌間信夫さんに、彼はなぜ人力車を発明し、どんな生涯だったのか話を聞きました。

また、福岡天神の街で出会った「人力車で全国を旅するカップル」山田祥平さんと中川水帆さん。二人の人力車への想いを織り交ぜながら、人力車の魅力を伝えます。

2010年1月 4日 (月)

150年の歴史を重ねる俵津文楽

南海放送 ラジオ業務部 松本 直幸

愛媛県で最も古い文楽座として知られる西予市明浜町(せいよしあけはまちょう)俵津文楽「すがはら座」。

1852年(嘉永五年)、大阪から伝わったといわれ、身近な娯楽として庶民に親しまれてきた。一時高齢化などで危機もあったが、前座長らの努力で現在は26人の座員が所属。
所有する人形の頭や衣装約140点は県指定有形民俗文化財。2月には定例公演を控えている。

演じるのは三味線、太夫、人形遣いが一体となって演じる人形浄瑠璃。なかなか息を合わせるのも大変だが、「ピタッと合ったときは気持ちいい」と座長。

現代にあってすたれつつある義理と人情は人々の心を打つ。

2009年12月28日 (月)

豊穣の海 富山湾からの贈り物~新港漁港の昼セリ~

北日本放送 放送本部報道制作局報道制作部  庄司 幸寛

富山県のほぼ中心に位置する旧新湊市。現在の射水市。
ここ射水市の新湊漁港では、富山湾の豊かな漁場から四季を通して、
多くの魚介類が水揚げされます。

なかでも9月1日に漁が解禁されるベニズワイガニは、秋から冬の主役です。
このズワイガニのセリは、午後1時にに始まります。
新湊漁港のセリは、午前5時半からと午後1時からの2回行われます。
新湊漁港は1日にセリが2回開かれる全国でも珍しい漁港です。

昼にセリができるのは、ベニズワイガニの魚場が漁港から近く、午前0時に漁に出た漁船が、その日の10時過ぎに戻ることができるからです。
そしてその日の昼にセリにかけられ、夕方には消費者の元に届くため、鮮度は抜群です。

また新港漁港では、漁場を地域の人々に理解してもらおうと、地元の小学校6年生の児童に、ベニズワイガニを1匹づつプレゼントする
「ベニズワイガニ給食」という取り組みを6年前から実施しています。
地元の子供達は、小学校6年生になるまで、ベニズワイガニ給食を楽しみにしているそうです。

水産資源という自然からの贈り物と共存する漁港で生きる漁師と、その地域で生活する人々との関わりを表現しました。

2009年12月21日 (月)

城下町のトンテンカン

茨城放送 編成局 大内 康次

水戸徳川家の城下町として発展した「水戸」、その中でも古くから
栄えた下市と呼ばれる地区、昔からのたたずまいを残す町並みを
歩いていると、どこからともなく”トンテンカン”という金属を叩く槌音が
聞えてくる。
その源は鍛冶屋さん「中屋平治」に辿りつく。

もともとはのこぎりを専門に作る鍛冶屋で、創業は嘉永元年(1848年)、160年という歴史を誇る。

その伝統を守るのは五代目の武石好文さん。
15歳の時に四代目の父・武石喜八氏に弟子入り、家事一筋の43年
だったという。
その武石好文さんと、息子で後を継いだロクダイメお武石治さんにマイクを向けました。

2009年12月14日 (月)

街の動物園はノアの箱舟

北海道放送 フリーランス 伊藤 嘉章

動物園は人と動物をつなぐ場ですが、もう一つ、種の保存、
さらに希少生物を絶滅から救う役割も担っていることを伝えたかったのです。
サブタイトル通り、身近な動物園が実はノアの箱舟なのだと。
特に北海道の人は、身近な物を評価しないところがあるので。

ちなみに本編中に使っているBGMを北海道在住で北海道をテーマにした音楽を作っているミュージシャンの曲を使いました。

効果音、BGM,インタビュー、ナレーション、すべてオール北海道です!北海道の子供たちに北海道本来の自然が受け継がれることを願いつつの制作でした。

2009年12月 7日 (月)

石州半紙(せきしゅうばんし)~その腕で伝統を漉く~

山陰放送 ラジオ総局 放送制作部  宇田川 修一

石州半紙を受け継ぐ職人 久保田彰氏59才のインタビュー。
浜田市三隅町に伝わる「石州半紙」は1300年前、奈良時代に
万葉歌人・柿本人麻呂によってこの地に伝えられたといわれています。

島根県西部、石見地方で守り伝えられて来た伝統は昭和44年に
重用無形文化財に指定されました。
しかし年々職人の数、工房も減少、ここ数年で貴重な職人が4人も
亡くなり、現在石州半紙技術者会会員はわずか5名となりました。

そこに飛び込んできた今回のユネスコ無形文化遺産への登録。
さぞかし喜んで、と思いきやそこは職人、そっけないもの。
ただその内には伝統を守り続ける技とプライド、ふるさとに対する
人一倍の愛情があふれていました。

現在は4つの工房と去年完成した石州半紙会館を拠点に、石州半紙の普及ならびに後継者の育成に力を入れています。

2009年11月30日 (月)

笙にいそしむ89才

ラジオ関西 報道制作部  国広 正夫

私自身長い間生きてきて「笙」なる楽器を目の当たりにするのも、目の前で演奏を聴くのも初めてのことで、日本人としてある種の期待を込めての取材となりました。

しかも登場する浅田さんは、定年後「笙」づくりと演奏を一から始めた訳で興味は尽きませんでした。

89才の浅田さんのことを、腰はやや曲がり、摺り足の男性だろうと勝手にイメージしていましたが、お会いした瞬間「30才は若い!」と思いました。

「笙」を奏でるには、絶えず背筋を伸ばした上、かなりの肺活量を必要とするからでしょう。そして目を閉じて演奏に聴き入っていた私は、浅田さんの言う「笙の持つ、不協和音の心地よさ」を静かに感じました。

2009年11月23日 (月)

越後上布~繊細な手作業に思いをこめて

新潟放送 報道制作局情報センター ラジオ制作担当 熊谷 春香

実は隠れた織物の名産地の新潟県。
今回は昔ながらの手作りの製法が評価されて今年9月にユネスコの無形文化遺産に登録された「越後上布(えちごじょうふ)」を支える女性たちを紹介しました。

一人は、いまや親子の織り子さん(機を織る人)がほとんどいない中、母親と一緒に機を織る高波さん。
そしてもう一人は、岡山県出身で沖縄の芸術大学で機織りを学んだ後、新潟に移り住んだ北村さん。

越後上布の里、南魚沼市塩沢地区に「機織りがしたい」という一心でやってきた北村さんは、機織の仕事とアルバイトを両立させてがんばっています。

安く大量生産できる布が当たり前の今、丁寧に丁寧に作られる越後上布を支える女性たちに密着しました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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