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2009年11月30日 (月)

笙にいそしむ89才

ラジオ関西 報道制作部  国広 正夫

私自身長い間生きてきて「笙」なる楽器を目の当たりにするのも、目の前で演奏を聴くのも初めてのことで、日本人としてある種の期待を込めての取材となりました。

しかも登場する浅田さんは、定年後「笙」づくりと演奏を一から始めた訳で興味は尽きませんでした。

89才の浅田さんのことを、腰はやや曲がり、摺り足の男性だろうと勝手にイメージしていましたが、お会いした瞬間「30才は若い!」と思いました。

「笙」を奏でるには、絶えず背筋を伸ばした上、かなりの肺活量を必要とするからでしょう。そして目を閉じて演奏に聴き入っていた私は、浅田さんの言う「笙の持つ、不協和音の心地よさ」を静かに感じました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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