愛知のパナマ運河”に響く鐘 ~愛西市、船頭平閘門(せんどうひらこうもん)
2013年6月10日~6月16日放送
東海ラジオ放送 制作局制作部 北 敏明
【番組概要】
閘門とは水位の異なる河川の間で、その水位を調整して船を通行させるための施設。“パナマ運河”がその代表例です。船頭平閘門は明治期に木曽川と長良川を繋ぐ水路つくる際、両河川の水位が違うことからつくられました。2000年には重要文化財に指定されています。 通行しようとする船は、予約も必要とせず、自由に通ることができます。 船が来たことを知らせるのは、門の上に取り付けられた鐘。 鐘の音をはじめ、門の開閉音、通過する船舶など背景の音を交えて閘門のしくみを紹介する他、作業員の心意気をお伝えします。
【制作意図】
かつて木曽川、長良川、揖斐川のいわゆる木曽三川は下流にあたるこの地域で複雑に合流していました。このため水運が栄える一方で、頻繁に洪水の被害に遭ってきました。その対策として明治期にこの三つの川を分流する工事が行われたことは広く知られていますが、その中でこのような施設がつくられたことはそれほど知られていません。携帯電話が普及した現代でも鐘の音で開閉を知らせることに惹かれ、文化財でありながら今も機能しているこの閘門を知っていただければと思い取材しました。
【制作後記】
予約がないということは、いつ船が通過するかわからないということで、天気のよい休日に1往復する観光船を頼りにゴールデンウィーク期間での収録となりました。準備から3日目、収録ができたこの日は晴天に恵まれた絶好の行楽日和で、おだやかな川のように時間がゆっくり流れているようでした。