2020年8月 7日 (金)

さんさを止めるな!

2020年7月27日~2020年8月2日放送 
IBC岩手放送 ラジオ放送部 滝村知大

【番組概要】
岩手県盛岡市にある岩手大学。サークル「岩手大学さんさ踊り実行委員会」は毎年8月に開催される晴れ舞台「盛岡さんさ踊り」に向けて日々活動しています。踊りのコンセプトは「基本に忠実なさんさ」。他大学のさんさ踊りに比べて、より踊りの基礎的な動きにシビアなのが特徴です。そんな彼らの活動にも、新型コロナウイルスは暗い影を落としました。感染拡大を予防するため、盛岡さんさ踊りが1978年の第1回以来はじめての中止に追い込まれたのです。今年度の活動開始は例年より1か月以上遅れ、感染予防のため新入生の勧誘もままなりません。サークルを率いる代表の照井春汰さんが心配していたのは、なにより大舞台を失った部員たちのやる気でした。一見単調な練習に黙々と取り組み、ひとたび太鼓と笛が鳴れば夢中で踊る大学生たち。彼らがコロナ禍のなか、さんさ踊りを止めない理由とは。

【制作意図】
ブラジル人にとってリオのカーニバルが人生のすべてであるように、「岩手大学さんさ踊り実行委員会」の学生たちにとって8月の盛岡さんさ踊りは青春のすべてといっても過言ではありません。活動の集大成を披露する場を失った彼らが何を目的に踊り、何を思って太鼓や笛を響かせるのか。答えは祭りの中止くらいでは揺らがない、予想を越えるものでした。新型コロナウイルスで少し変わったものの、そこには間違いなく彼らの青春が存在していました。そんな風景を音で伝えられたらと制作しました。

【制作後記】
岩手県、特に盛岡周辺に住む人にとって「さんさ踊り」はとても身近な踊りです。8月のお祭りにも、学生のみならず多くの企業や団体からチームが出場し、揃いの浴衣で思い思いのパレードを披露します。学校に通いながら、家事に追われながら、仕事を気にしながら、それでも時間をつくって集まって踊る。それは彼らにとってさんさ踊りが「共通言語」だから。ひととひと、ひとと地域をつなぐ「さんさ」の魅力を、太鼓と笛と足音の熱いビートに乗せてお届けします。ラジオを聞いて、ひとりでも多くの新入生がサークルの見学に来ると良いなぁ。

おばちゃんの味は無限大?!創業60年のまるきんたいやき屋

2020年7月20日~2020年7月26日放送 
北日本放送 報道制作部 岩本里奈

【番組概要】
みなさんは、どんな味のかき氷がお好きですか?シロップだけがかけられたシンプルなもの、具がたくさん乗ったもの。単純なように見えて組み合わせが幾通りもあって何度でも通いたくなる。そんなお店が富山県の東部・魚津市にあります。『まるきんたいやき屋』。「まるきん」の愛称で知られ、ことし創業60年を迎えたこの町の甘味処です。店名の通りたいやきを提供するお店として産声をあげたまるきんには、創業当初から提供しているもう一つの看板メニューがあります。それが夏の定番“かき氷”。60年で発案したメニューの数はなんと300種類!と言ってもメニュー化しているのが300種類でそれ以外にも…。今ではこの“おばちゃんの味”を求めて県内外から人が訪れています。柔軟な発想から生まれる数々のメニュー。なぜここまで増えたのか?そこには2代目店主・川原田幸子さん(75歳)のお人柄が溢れでていました。

【制作意図】
なんと言っても300種類のかき氷が気になる!という興味からですが、コロナ禍でのストレスやジメジメとした気持ちを少しでも晴らしてほしいと思い、さわやかな音でお届けしようと制作しました。この番組と同じ60年続く地元でも大変有名な甘味処。おしゃれなかき氷が流行る中、昔ながらの味を求めて通うお客さんがたくさん居ます。カウンター4席と2人掛けのテーブルが1つと大きな店内ではありませんが、壁には訪れた人の感想や応援メッセージが所狭しと書かれています。続けてきた活力の源、なぜここまで増えたのか。幸子さんの思いを伺いました。

【制作後記】
本当に明るくお喋りが大好きな方で、1人で来たお客さんには隣に座って会話を楽しんだり、富山弁で言う「なんでも好きなが言うてみられ~」と好きな具材を言えばどんな組み合わせでも作ってくれます。私も取材で2回お邪魔しましたが、「まるきんスペシャル」と「プリンフロートブルーベリー」をいただきました。飽きのこない自家製シロップと、価格も高くはないのでどんな味にも挑戦できますよ。幸子さんと従業員、常連のお客さんと話をしていたら気づけば氷が溶けていました…。居心地が良く、本当に何度でも通いたくなるお店です!もう次はどんな組み合わせを食べようかな~と考えています(笑)

守り続ける「トンツー」の響き 漁師を守るモールス信号

2020年7月13日~2020年7月19日放送 
ラジオ福島 編成局放送部 森本 庸平

【番組概要】
今では珍しくなった、モールス信号が使われる場所が福島県にあります。いわき市の福島県漁業無線局では、漁師たちに「トンツー」の呼び名で親しまれるモールス信号が開局以来70年以上、船乗りの命を守ってきました。通信技術の発達で、世界的な廃止の危機に直面する中、地元出身の通信技師・矢萩達也さんは、短点と長音を次世代に残そうと、毎日、丁寧にモールス信号に向き合っています。一度は無線局をやめ、再び交信を続ける矢萩さんの姿に迫りました。

【制作意図】
私のような若い世代(20代30代)にはなじみのないモールス信号、最初はたまたま年賀電報のニュースで目にしたことが取材のきっかけでした。実際に符号を打つ姿は、まさに職人技。インターネットなどが普及した中で、モールス信号がなぜ生き続けているのか。自然とその奥深さに魅了され、その裏にある矢萩さんの思いを知りたいと考えました。

【制作後記】
時間が来ると、黙々と「トンツー」を聞き取り、瞬時に符号を打ち込む矢萩さんをはじめ、通信技師の皆さんの姿に圧倒されました。東日本大震災がきっかけで、宮城県の無線局との合併を経てなお、地元出身の若い世代が現場に加わり、活躍をしている姿に、明るい光を感じました。

2020年6月11日 (木)

やねよりの箸屋

【お知らせ】
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受けて
録音風物誌は5月18日放送分から7月12日まで過去作品の再放送体制となります。


2020年7月6日~2020年7月12日放送 
山口放送 ラジオ制作部 千田 正秀

【番組概要】
山口県東部にある周防大島。ここに「やねより」という屋号を掲げた箸屋があります。そこの主、河合 悦生さん69歳は40年ほど前から竹を使った箸を作り続けています。その箸は孟宗竹を使ったものと希少な煤竹を使ったもので、どちらもしなやかで使いやすく、そして美しい箸です。そんな箸を黙々と作る悦生さんは大の人好き、お酒好き。夕方になると部屋の中央にある囲炉裏に炭を起し、海の幸を肴に晩酌するのが日課。お客さんがいれば一緒に囲炉裏を囲むことを勧めてくれます。そして酔いが回ってくると、箸を作る気持ちを表した自作の「詩」を披露してくれます。そんな愉快な主人がいる「やねよりの箸屋」を「絵に描き」ます。 

【制作意図】
河合 悦生さんが作る箸も魅力的ですが、ご本人の人としての魅力と「やねより」の雰囲気を伝えたいと思いました。職人であり、大酒飲みであり、詩人でもある。一度、その人柄に惹かれるとまた会いに行きたくなる。「やねよりの箸屋」を描くことは悦生さんという「人」を描くことだと考えて制作しました。

【制作後記】
「やねよりの箸屋」へは会社から車で行くしか交通手段がありません。3回、取材にお邪魔し、3回とも晩酌にお付き合いさせてもらいましたが、いずれの取材も運転手だったため、毎回ノンアルコールでお付き合い。絶品のコノワタやサザエの刺身など、酒好きにはたまらない肴の数々をお茶で流し込みながら、次は必ず運転手確保してお邪魔したいと心に強く誓った次第です。           

 

命をつなぐ~佐屋高校 文鳥プロジェクト~

【お知らせ】
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受けて
録音風物誌は5月18日放送分から7月12日まで過去作品の再放送体制となります。

 

2020年6月29日~2020年7月5日放送 
東海ラジオ放送 報道制作局 第一制作部 森川美穂

【番組概要】
愛知県・弥富(やとみ)市。木曽川の下流に位置する弥富市は、日本一の金魚の産地として、名をはせています。ですが、一昔前まで弥富市は、「金魚と文鳥のまち」として知られていました。1960年代~1970年代の弥富の子どもの遊びといえば、金魚にエサをやり文鳥を手に乗せて遊ぶ。そんな時代でした。子どもの遊びが多岐にわたるようになると、文鳥の需要が無くなり、文鳥農家は減少。ピーク時は200軒以上あった飼育農家が今は2軒となり、若手の後継者もおらず、文鳥組合も解散してしまいました。江戸時代から続いている、文鳥文化が消えてしまう…そこで立ち上がったのが、愛知県立 佐屋(さや)高校でした。佐屋高校 文鳥プロジェクトのみなさんの「思い」と、文鳥のさえずりをお届けします。

【制作意図】
「好き」という気持ちで、人はどれだけ動けるのでしょうか。もともとは「好き」だから始めたこと。でも今は、日々を過ごすので精いっぱい。そんな思いを持っていたこともすっかり忘れてしまった。・・・そんな人が、大人が、増えてきたように思いす。文鳥プロジェクトに参加されている生徒のみなさんは、休みの日も、テスト期間中も、自分の時間を犠牲にし文鳥に愛情をそそいでいました。その原動力になっていたのが、「好き」という思いでした。取材前は、「愛知県民も知らない、弥富市=文鳥について紹介したい」と考えていましたが、彼女たちを取材させて頂き、「文化の命をつなぐのは、人の思いだ」と教わりました。文鳥プロジェクトのみなさんの、文鳥への愛が伝わる番組にしたいと制作しました。

【制作後記】
「一番さえずりがキレイな文鳥」を教えて頂き、そのケージの前にマイクを立て、1時間ほど無人の状態で録音しました。後で聴いてみると、可愛らしく美しいこと。文鳥が、こんなにも美しい鳴き声の持ち主とは知りませんでした。放送時間全てを使って、文鳥の鳴き声をオンエアしたいぐらいです。また、文鳥がはばたく音が、こんなにも力強いとは、知りませんでした。文鳥プロジェクトのみなさんは、事前にこちらがお送りした「質問事項」の答えを紙に書いて準備し、マイクの前でキレイに読んでくれました。…その声を全く使わなくてゴメンナサイ!みなさんのナチュラルな声を届けられていたら幸いです。

 

世界でただ一つの音色 ~木のぬくもりが響くオルゴールに魅せられて~

【お知らせ】
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受けて
録音風物誌は5月18日放送分から過去作品の再放送体制となります。

 

2018年6月22日~2018年6月28日放送 
KBS京都 ラジオ編成制作局制作部 永田和美

【番組概要】
オルゴールに魅せられた木工作家が長岡京市にいます。清水明さん 69歳。市内から車で10分ほど走らせた山の中にある木創舎が清水さんの工房です。仕事をしながら20年以上オルゴールを作り続けているその工房は秘密基地のよう。壁一面に木材や工具が並び、木や金属を加工する機材が所狭しと並べてあります。オルゴールと一言でいっても、その音色は千差万別。オルゴールを設置する箱によって音色が少しずつ変わってきます。木とふれあいオルゴールを作ってきた清水さんは、その木によって違うオルゴールの音色の特徴を理解し、その曲にあった木材を使ってオルゴールを作成しています。高音がキラキラと響く木、低音がより響く木、使い分けることでオルゴールの音色がより深いものになっていきます。オルゴールのことを話し出したら止まらないという清水さん。作り出したオルゴールは娘のようと笑う清水さんのオルゴールに対する愛情がまた、音色に深みを出しているようです。めまぐるしく変わる世の中で、オルゴールの鳴り響くこの工房はまるで時間が止まったような空間です。皆さんもぜひ、急ぎ足の中、少し時を止めて、オルゴールの音色に耳を傾けてみてはいかがでしょうか??

【制作意図】
オルゴールの音色の深みを伝えたいと思い制作しました。取材させていただいた清水さんは仕事をしながらも20年以上オルゴールを作り続けていらっしゃいます。ものづくりが元々好きだったという清水さん。かつては機械関係の会社に就職されていました。この仕組みはどうしたらできるのかといったことを自分自身でとことん調べるという清水さんの姿勢はオルゴール作りにも活かされています。この木はこういうふうに響鳴するからこの音が、、、この音楽は低音を響かせることでより届けられるのではないか。。。清水さんの感覚と理論によって計算されたものがあわさり、世界でただひとつのオルゴールの音色が完成します。清水さんにとってオルゴールは単なる音色を出すものではなく、楽器そのもの。そして時を止めて、楽しむもの。騒がしい世の中で、心地よく心に響くオルゴールの音色は、私たちの中の何か足りないものを充足させてもらえるものかもしれません。

【制作後記】
69歳になる清水さん。車で10分ほど山道をあがる工房に毎日自転車で通っています。「昔は自宅から35分かかったけどね、今は25分ほどで登れるようになった」と笑う清水さんが印象的でした。仙人と呼ぶ方がいるほど、清水さんの生活は自然の中にあります。30年ほど前から集めだし創作途中の木材や工具に囲まれ、電気も通っていない工房はほぼご自身で作られたまるで秘密基地です。前職で得た技術も活かしながら創られるオルゴールは番組内で紹介したもの以外にもたくさん。知り合いの蔵で眠っていた何十年も前の音色をよみがえらせたオルゴールや炊飯器型のオルゴール。すべてに思い入れがあり、清水さんの優しい人柄があふれていました。清水さんが作るオルゴールの魅力を少しでも感じていただけたら幸いです。

隠し味はラッパの音~豆腐の移動販売~

【お知らせ】
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受けて
録音風物誌は5月18日放送分から過去作品の再放送体制となります。

2018年度録音風物誌番組コンクール 優秀賞受賞作品
(再放送)

 

2020年6月15日~2020年6月21日放送
信越放送 ラジオ局ラジオ編成制作部 笠原公彦

【番組概要】
豆腐販売のラッパ音が地域でどんな意味を持っているのか?販売に密着することで、売り手と買い手、それぞれの思いを描きたいと思いました。

【制作意図】
豆腐販売のラッパ音が地域でどんな意味を持っているのか?販売に密着することで、売り手と買い手、それぞれの思いを描きたいと思いました。

【制作後記】
取材とナレーションを担当した石井嘉恵アナウンサーは新入社員。東京生まれの彼女に、長野県の良さを知ってもらいたいと指名をしました。取材後、スピードや効率といった尺度で測れない価値がある事に気づきましたと話していました。

 

回れ!いつまでも~長崎独楽の復活~

【お知らせ】
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受けて
録音風物誌は5月18日放送分から過去作品の再放送体制となります。

2020年6月8日~2020年6月14日放送
長崎放送 ラジオ制作部 池本志乃

 

【番組概要】
約100年の歴史を持つ長崎独楽。長崎市矢の平の閑静な住宅街にある河原コマヤ三代目河原勝吉さん。大正時代初期、勝吉さんのおじいさん、末吉さんが福岡県の久留米で修行したのち、長崎で独楽づくりをはじめます。時代の移り変わりと共に子供たちの遊びも変わってゆき一度は河原コマヤの看板を下ろす決意を・・・。しかし長崎市のかつての風景を取り戻そうと活動している松原一成さんとの出会いにより長崎独楽が復活します。長崎独楽を知らない世代の子供たち、子供の頃独楽で遊んでいたおじいちゃん、おばあちゃんたちが独楽回しを楽しむ様子など、長崎独楽の歴史を振り返りながらお送りします。

【制作意図】
佐世保を代表する郷土民芸の佐世保独楽は全国的にも有名ですが、長崎市の正月遊びの定番でもあった長崎独楽が長崎市にはあります。長崎市で竿後の職人となった河原コマヤ三代目河原勝吉さん。子供たちの遊びも変わってきているこの時代・・・。河原さんがどんな想いで独楽を作っているのか、時代の移り変わりをどう受け止めているのか、今の子供たちは独楽回しをできるのか?約100年の長崎独楽の歴史を振り返りながら河原勝吉さんが作った長崎独楽の音と共にお楽しみ下さい。

【制作後記】
小さい頃からなじみのある長崎独楽。しかし最近では独楽といっても子供たちが手にしているのはベイブレードといわれる、パーツを組み替えて改造できるバトル専用のコマが主流となってきています。長崎独楽の復活イベントに参加した子供たちおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんたちと一緒に独楽回しに挑戦。独楽を得意気に回すおじいちゃん、お父さんに負けじと子供たちも一生懸命になって独楽を回す姿がありました。私も懐かしくなり何度も挑戦。河原さんの教えの元練習するとできるようになりました。子供たちは呑み込みが早い為すぐ回せる子が多かったです。長崎独楽のイベントが好評だったようで次回開催も決まっているそうです。

紡ぎ、紡がれ~錦織りなす北限の絹~

【お知らせ】
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受けて
録音風物誌は5月18日放送分から過去作品の再放送体制となります。

2020年6月1日~2020年6月7日放送 
山形放送 報道制作局制作部 新野 陽祐

2018年度録音風物誌番組コンクール 最優秀賞受賞作品
(再放送)


【番組概要】
舞台は山形県鶴岡市。江戸時代、この地域を治めていた庄内藩の藩士たちが明治維新の後、刀を鍬に持ち替えて土を耕し、カイコのエサとなる桑の木を植えました。この時、国内最北限の絹産地が誕生しました。そして、140年余りが経過したいま、一つの産地でカイコを飼育する養蚕から、私たちの手元に届く商品になるまでのすべての工程が存在する、日本で唯一の絹産地になりました。絹が生まれる時、その工程の中でどんな音が生まれているのでしょうか。そして、人と歴史はどんな音を奏でてきたのでしょうか。そこに暮らす人々の風景とともにお届けします。

【制作意図】
絹に音はありません。そう思った時、絹ができるまでにはどういう音が存在するのだろうと、ふと思ったのが取材のきっかけでした。侍が刀を鍬に持ち替えて養蚕を始めたというストーリーにも惹かれました。豊かな歴史と文化がはぐくんだ絹産地の魅力をぜひ多くの人に知ってもらいたいと思っています。そして、絹産業にはこんなにも多くの工程があり、支えている人たちがいるということを知ってもらい、絹自体の魅力も再認識してほしいと思っています。

【制作後記】
取材を始めたのはいまから7年前2010年にさかのぼります。以来、年に数回は絹産業の会社やそこに携わる人たちの取材を続けています。カイコが桑の葉を食べる音、糸が作り出される音、機織り機の音・・・目で見るとすぐ分かるはずの音が、耳だけになるとまったく違った音に聞こえ、より効果的にラジオとして聞いてもらえるようにするのは苦労しました。7年の間に、加藤さんは亡くなり、番組には反映できませんでしたが、製糸会社も火事にあいました。それでも一生懸命に絹産業を支える人たちをこれからも応援していきたいです。

 

マリンポートの母

【お知らせ】
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受けて
録音風物誌は5月18日放送分から過去作品の再放送体制となります。

2020年5月25日~2020年5月31日放送 
南日本放送 ラジオ部 七枝大典

2018年度録音風物誌番組コンクール 優秀賞受賞作品
(再放送)



【番組概要】
大型クルーズ船が接岸する鹿児島市南部にある「マリンポートかごしま」は鹿児島と海外の観光客をつなぐ海の玄関口。船の写真を撮ってブログにアップする人、船を見るのが好きな人、そして寄港のたびにお出迎えやお見送りを行っている人たちが大勢いらっしゃいます。その中のお一人が東浜子さん(71歳)。船が入港する度に 自宅からおよそ2時間かけて 自分で車を運転してやってきます。4年前の2014年から雨の日も、雪の日も一度も欠かすことなくお見送りとお出迎えをする浜子さんの一日を追いました。

 【制作意図】
何気なく「マリンポートかごしま」へ行くと、両手にたくさんの国旗を持った女性がいました。話を聞くと「船の見送りにきた」とのことですが、手にした国旗の数や雰囲気など(いい意味で)「只者ではない」印象を受けました。これが浜子さんの第一印象です。一緒についていくと、そこには浜子さんと同じくお見送りをする方々が大勢いらっしゃいました。程なくして船が出港すると、みんな一斉に大きな声で「ばいばーい!!」とお見送りを始めます。僕には不思議な光景でしたが、なんだか胸が熱くなりました。しかも、完全にボランティアで お出迎えの時も同じように集まって自分たちの声でお出迎えをするという事実も発覚。出迎えも見送りも笑顔になる、スポットに集う皆さんをご紹介します。

【制作後記】
浜子さんと出会った時は、お出迎えとお見送りの回数がそれぞれ297回目。その原動力を探っていたのですが「何と言いようがない」の一点張り。「この魅力は体験した人でないと分からない」との事でした。ならば!と思って密着取材を始めたのですが、そこには浜子さんと同じく「何と言いようがない」お出迎えとお見送りの人たちが集うコミュニティがありました。明治維新150周年を機に観光に沸く今年の鹿児島ですが、知られざる人たちによる知られざるお出迎えとお見送りの声をお届けします。

 

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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