竹の里は宝の山
2024年6月17日~6月23日
山口放送 ラジオ制作部 寺岡岳男
【番組概要】
山口県山口市、中国山地の山あい徳地地区、かつて重源上人が奈良の東大寺大仏殿の再建のために木材を切り出した、自然豊かな地域でもあります。過疎化と高齢化により、森林資源の手入れも行き届かなくなり、放置竹林が目立つようになっています。結婚を機に大阪から徳地地区へ移住してきた武石智絵さんは、イメージしていた整備された竹林と、現実の放置竹林との違いに驚きます。本業の林業のかたわら、竹林整備で竹を伐採していましたが、切り倒された竹を見て「資源として活用出来れば『宝の山』」と考え始めます。福岡県で先行していた、「伐採した竹からメンマを作る『美味しく食べて竹林整備』」の活動を知り、純国産メンマづくりを始め、持続可能な竹林整備を目指しています。
【制作意図】
番組を聞かれた方に、山口県山口市徳地地区の自然豊かな風景をイメージしていただければと思いました。ただ、観光地などの整備された竹林のイメージとは全く違う、中山間地域の土砂災害の原因にもなりかねない放置竹林の状況、その状況の改善に向けて取り組む武石さんたちの活動「純国産メンマプロジェクト『美味しく食べて竹林整備』」、収益化して竹林整備を持続させていくために、メンマを商品化するという活動が、徐々にですが広がりを見せつつあること。また、「竹林の問題だからといって山にとどまらず、川を通じて海まで、水環境全てに関わっている」ということを多くの方に知っていただければと思い制作しました。
【制作後記】
取材をしていく中で、山口県の竹林面積は全国4位ということを知りました。あまり高い山や寒い地域では育たないため、山口・九州に多くの竹林があることも知りました。これらの地域で共通の問題への対策の一助となればと思いました。武石さんへのインタビューのなかで、「山にふった雨は、川を下り海へ流れる、山の環境保全は命の水を守ることにつながる」というお話が印象的でした。