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2025年4月 9日 (水)

紡ぎ、手すき、繋ぐ者たち

2025年2月17日~2025年2月23日
秋田放送 編成局ラジオ放送部 鈴木悠

【番組概要】
秋田県の中でも特に豪雪地帯、地元では白鳥の飛来地としても人気の横手市十文字町。この町の伝統工芸「十文字和紙」。200年以上もの歴史を持ち、かつては50軒以上の家で作られてきた和紙の担い手は、今やたった一人の職人だけ。その職人、佐々木清男さんも入退院を繰り返していて、今年は和紙作りに参加できません。代わりに立ち上がったのは、清男さんを応援し、自分たちも和紙作りを行う「十文字和紙同好会」。職人が不在の中、毎年1月に訪れる「卒園証書」と「卒業証書」作りの様子を和紙作りの音と共に伝えます。

【制作意図】
十文字和紙に限らず、秋田県内の様々な伝統工芸が直面している「職人の高齢化」や「跡継ぎ」の問題。職人不在の中、その問題にどのように向き合い、解決し、未来に繋げていくのかを和紙作りの音も取り入れながらお伝えしたいと思い、制作しました。ほとんど機械化されている工程も手作業で行うからこそ、和紙に表れる温かみ。そんな和紙同様、十文字和紙同好会の皆さんの温かい人柄なども、言葉や空気感を通してお伝えしたいと思います。

【制作後記】
当初は、十文字和紙のたった一人の職人である佐々木清男さんに密着しようと考えていましたが、取材の電話をかけたときに初めて、清男さんが入院されていることを知りました。事前調査で、地元の中学校と幼稚園に卒業(卒園)証書づくりをしていることを知り「今年の和紙作りはどうなるんだろう…?」と思いながら、和紙作りをしている公民館へ。和気あいあいとしながらも、真摯に和紙作りに向き合う姿を見て、愛好会の皆さんを主役にすることに決めました。                                               手作りの和紙同様、温かい皆さんのお人柄。和紙作りの様々な工程も体験させていただき、取材中も笑いが絶えない現場でした。マイクに私の笑い声も沢山入ってしまい、編集が大変だったのはここだけの話です…。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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