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2025年4月 9日 (水)

「飛べ、るみあ! ~紀州のプロレス少女爆誕~」

2025年3月24日~2025年3月30日
和歌山放送 報道制作部 寺門秀介

【番組概要】

和歌山県を拠点する地域プロレス団体”紀州ぶんだらプロレス”に、地元の高校を卒業したばかりの19歳の少女・藤井瑠美愛(ふじい・るみあ)が入団し、1年間の練習を経て2024年12月、地元・和歌山でデビュー戦を迎えた。ベテラン男性選手との7分間の力闘の末、惜しくも初勝利はならなかったが、観客は熱狂し、拍手喝采の華々しいデビューとなった。

スポーツ歴は高校の時にソフトボールをしたくらいで格闘技経験は皆無。中学時代はイジメがきっかけで不登校にまで陥った瑠美愛の目に、突如飛び込んだ女子プロレスのYouTube動画がきっかけでプロレスの虜となる。パワー溢れるファイトに勇気づけられて自らもプロレスラーを志し、地元・和歌山の社会人団体”紀州ぶんだらプロレス”に入団する。

高校卒業後は県内の飲食業に就職し、休日は道場で稽古に励む会社員とプロレスラーの二足のわらじで多忙を極める瑠美愛だが、「和歌山が好きで、自分もプロレスで和歌山を元気にしたい」との思いを胸に、ファイティングロードを駆け上がっていく。

【制作意図】

大都市と異なり娯楽の少ない和歌山県をはじめ、いま、地方の各地に”紀州ぶんだらプロレス”のような
昼間は社会人・休日はプロレスラーとして活動する選手と団体が増えている。中には”新根室プロレス”のようなメジャー団体のマットに参戦するレスラーも登場したり、地方の団体同士の交流戦も盛んに行われるなど、地域の元気をもたらすツールとして、それぞれの土地に愛される存在に成長する地域プロレス。

将来への希望が少ないと若者が県外に流出していく和歌山県で、引きこもりから立ち直ったプロレスの世界に自ら飛び込み、”和歌山が好きだ”という思いをファイトスタイルに込め、プロレスによる地域おこしの力となる道を選んだ藤井瑠美愛の姿を通じて、和歌山の若者による可能性のひとつとして提示したい。

【制作後記】

高校卒業前の2023年11月、紀州ぶんだらプロレスの稽古の報道取材中にたまたま出会った藤井瑠美愛選手。自己主張や器械体操が苦手と言っていたが、その後も黙々と道場での稽古を重ねるうちに
目覚めるような成長を遂げた姿に、密着取材をしていた身としても、目頭が熱くなった。

これから他団体の強敵選手との対戦や遠征も増えていくが、多忙な本業との両立にも苦労するなか、
誠実かつ前向きに取り組む姿にこれからも注目したい。

 

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