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2026年9月

2026年9月30日 (水)

秘境・黒部 ~山小屋の守り人たち~

2026年9月14日~2026年9月20日
北日本放送 メディア本部 報道制作局 小丸明宏

【番組概要】

黒部峡谷の断崖に建つ山小屋「阿曽原温泉小屋」。
この小屋は雪崩の巣にあるため、毎年、冬を前に小屋を解体し、春になると再び立て直すという全国でも極めて珍しい運営を続けています。そうした中、登山者も利用する黒部峡谷鉄道のトロッコ電車の鉄橋などが、2024年1月の能登半島地震で落石被害を受け、2年間にわたり全線開通を断念。阿曽原温泉小屋は、トロッコ電車の終点から、12キロほどの場所にあり、この影響で2年営業ができていません。トロッコ電車が今年10月にようやく全線開通の見込みとなり、3年ぶりの小屋再開にむけ準備を進める小屋の仲間たちを追いました。

【制作意図】
登山者が当たり前のように感じている山小屋かもしれませんが、毎年、小屋を解体しては、組み立てている小屋もあることをまず知っていただきたいです。
また、2024年1月の能登半島地震の影響で、2年以上、通常営業にもどれない黒部峡谷鉄道や山小屋など、地震被害の大きさや被害の長期化の現実を伝えたいと思いました。
そして、3年ぶりの営業再開に向けて、かたい絆で結ばれた小屋の仲間が集まり、人がいない秘境で、人知れず小屋建てを進める人たちの存在、そして山小屋のありがたさが伝わればと思います。

【制作後記】
阿曽原温泉は、富山県の黒部峡谷の秘境の断崖にあります。およそ100メートル下には清流・黒部川が流れています。川の流れる音、森にすむ虫や鳥たちの声も意識しました。 
この小屋の営業期間は今年は10月1日に営業再開しますが、11月1日までの1か月間です。秋の紅葉シーズンは、多くの登山者でにぎわうと思われます。ただ、日本一危ない温泉ともいわれるくらい、危険個所が多いルートにありますので、登山されるみなさんには事故やけがのないように気を付けて来てほしいと願っています。

磨く時間、味わう時間、大人の秘密基地

2026年9月7日~2026年9月13日
山梨放送 ラジオコンテンツ部 鈴木 翔太

【番組概要】
山梨県甲府市の幹線道路沿い店舗を構える「靴磨き専門店BASE」。
外見だけを見ると、喫茶店、もしくは雑貨屋、はたまた美容院かと思うような
アンティークな雰囲気を醸し出すお店で、店主の井上将司さんは、お客さんから依頼を受けた革靴を無心でピカピカに磨き上げ、待ち時間に気分上がるようなこだわりの珈琲を提供しています。
そんな井上さんがそれぞれにかける想いを、お店の中で日々聞こえてくる
「大人の秘密基地を彩る音」とともにお届けします。

【制作意図】
靴磨きと珈琲、ともに「大人の嗜み」と括ることができるかとは思いますが、
一見、共通点があるようには思えない2つを同じ店内で提供をする意図と想い、
そして、そんなお店が山梨県にあることを伝えたいと考え制作しました。

【制作後記】
今回は私が8年ほど愛用している革靴を、井上さんに磨いていただく様子を
収録させていただいたのですが、音や作業中の姿はもちろん、磨き上がりの靴が
最初に購入した際と同じように輝いているのを見て気持ちが明るくなると同時に、
状態を維持する日常のケアの大切さを改めて実感させていただきました。
また、珈琲もオリジナルブレンド、ブラジル、エチオピアをいただき、
芳醇な香り、深みのあるコク、爽やかな酸味、それぞれの面で特徴があり、
その日の気分に応じて選ぶことができるのは魅力的だなと感じました。

2026年9月 1日 (火)

温度ジュ~ぶん!アツすぎる飯田焼肉

2026年8月31日~2026年9月6日
信越放送 ラジオ局編成制作部 町田篤朗

【番組概要】
 長野県南部に位置する飯田市は、人口1万人あたりの焼肉店舗数が日本一(2021年南信州畜産物ブランド推進協議会調べ)でコンビニよりも焼肉店が多い「焼肉の街」です。
 精肉店が肉や野菜だけでなく、鉄板やガスボンベといった焼肉道具一式を届けてくれる「出前焼肉」や、黒モツやサガリ、カシラといった他の地域ではなかなか見かけない部位を食べるなど独自の焼肉文化が根づいています。また、7月には音楽と焼肉が融合した「焼來肉(ヤキニク)ロックフェス」が開催されるなど、まちのいたるところで焼肉が行われています。
 今回は、アナウンサー2人の掛け合いとともに、鉄板の上で肉を焼く音や人々の賑わいから、飯田市民の熱すぎる焼肉愛に迫ります。

【制作意図】
 単なる「肉が焼ける音」でなく、飯田市全体で焼肉が大切なコミュニケーションの場であることを伝えるため、焼肉を通して聴こえてくる人々の「声」に焦点を当てました。焼肉の音自体は「ジュ~」という単調な音になりがちなため、出前焼肉の車の音やフェスの音楽なども織り交ぜ、市内のいたるところで焼肉が行われている情景を表現しました。
 また、早いテンポ感によって現場の熱気を伝えようと実況と解説(飯田市出身アナウンサー)風の掛け合いナレーションにしました。
 飯田市民の熱狂的な焼肉愛を聴きながら、「今晩は焼肉にしよう」と思っていただけたら幸いです。

【制作後記】
取材を通して強く感じたのは、飯田の人々にとって焼肉は単なる食事ではなく、「コミュニケーションツール」だということです。鉄板を囲んでお肉を頬張る人たちの間には、常に温かい会話と笑顔があふれていました。
 今回は時間の都合上カットとなりましたが、各家庭で自作する「マイダレ」へのこだわりや、焼肉が好きすぎて自宅に「焼肉小屋」を建ててしまった男性のエピソードなど、市民の焼肉愛を示す魅力的な話題は尽きませんでした。
 一方で、焼肉の音はどうしても一辺倒になりやすく、構成をインタビュー(声)に頼る部分が多くなってしまったため、今後は「音」だけで情景を伝えられるよう取材をおこなっていきたいです。


再生~謎の踊りに魅せられて~

2026年8月24日~2026年8月30日
東北放送 ラジオ局制作部(tbcAz)坂部亮太


【番組概要】
仙台市の東部、太平洋に望む地域「荒浜」、東日本大震災の発生以前は約800世帯の住民が住んでいましたが、今は誰も住むことができません。
そこで生まれ育った庄子隆弘さんは震災後、地元の歴史を集める活動をしている際に、100年前に途絶えてしまった『荒浜磯獅子踊』という謎の踊りの事を知ります。
残された資料が少なく謎が多い『荒浜磯獅子踊』。70年前に文化財保存のために録音された「カセットテープ」の音を頼りに、失われた故郷の文化の再生に向けて活動をする庄子さんの想いを伝えます。

【制作意図】
私が担当しているワイド番組のイベント紹介コーナーで知った100年前に途絶えた「荒浜磯獅子踊」。
展示会でこの踊りを残した70年前のカセットテープの音声を聞き、こういったものが残されていることに驚きました。
また、学芸員の方にこのカセットテープの音や、残された各資料をもとに踊りを再生しようとしている人たちがいるという事を聞き、「荒浜磯獅子踊」という踊りに興味を持ったのが制作のきっかけです。
70年前に録音されたものであるため音質は悪くなっていますが、この音からどんな踊りなのかも想像しながら、荒浜という土地に思いをはせてもらえればと思います。

【制作後記】
仙台市若林区荒浜は仙台市内唯一の海水浴場「深沼海水浴場」がある地域でもあります。
この海水浴場は昨年、15年ぶりに入場制限なしで楽しめるようになりました。
取材した時期はちょうど海水浴シーズンという事もあり、多くの人で賑わっていましたが、この場所の元の風景を覚えている人はどのくらいいるのだろうかと考えると、月日の流れを感じずにはいられません。そんな中、100年前に途絶えてしまった地元の文化を再生させようとしている庄子さんたちの活動は輝いて見えました。
荒浜では多くの物が津波で流されてしまいましたが、踊りや歌は伝え繋いでいくことができます。
庄子さんたち「荒浜磯獅子踊を再生する会」の皆さんが作り上げる新たな「荒浜磯獅子踊」が、荒浜の歴史と共にこれからも繋がっていくことを祈っています。

小さな社会 ~駄菓子屋のおばちゃんの教え~

2026年8月17日~2026年8月23日
山陰放送 コンテンツ制作部 丸山聡美

【番組概要】
鳥取県米子市の路地裏で150年以上続く駄菓子屋「実重菓子店」。そろばんを弾く店主と、小遣いを手に工夫しながら好きなお菓子を買う子どもたちの日常を切り取りました。手作りのくじや昔ながらの対面販売を守り続ける店主。そこには、単にお菓子を売るだけではない、世代を超えた「学び」と「繋がり」の時間が流れています。

【制作意図】
子どもたちが、予算内で買い物をする経験は、経済感覚を養う「小さな社会」の入り口であります。 店主が計算中にあえて話しかけず見守る姿勢や、カゴの返却を促すルールを通じて、公共のマナーや自立心を教える場として機能しています。
希薄になりがちな現代の人間関係において多世代が交流し大人が子どもを見守る「地域の居場所」の大切さを伝えます。

【制作後記】
店主の実重幸子さんは90歳。新聞を読むのが毎日の日課だそうです。自分で仕立てた服をきて凛とお店に立っていらっしゃる姿はとても美しいです。幸子さんとの会話も楽しみにやってくるお客さんとの触れ合いをお楽しみいただきたいです。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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