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2026年6月

2026年6月 1日 (月)

のぼってこーいこどもたち ~長坂のぼり大会

2026年5月25~2026年5月31日
長崎放送 報道制作部 中島千夏

【番組概要】
子どもたちの健やかな成長を願って、毎年こどもの日に開かれている諏訪神社の「長坂のぼり大会」。0歳から小学6年生までの500人のこどもたちが、長坂と呼ばれる石段をかけ上がって、境内にかけられた一番札を目指します。始まりは40年ほど前。もともとはタイムレースだったそうです。今や参加定員500名の枠がすぐに埋まってしまうほどの人気ぶり。一番札をめぐって繰り広げられる、こどもたちの熱き戦いを取材しました。

【制作意図】
石段を駆け上がる子どもたちの姿を、ラジオでいきいきと描きたい」そんなシンプルな好奇心から取材は始まりました。
500人の子どもたちが一番札を目指す「長坂のぼり大会」には、理屈抜きのエネルギーが溢れています。昨今、子どもが犠牲になるような悲しいニュースが耳に入ることも少なくありませんが、この大会に溢れるのは、我が子の成長を信じて全力で応援し、ゴールした子どもの姿に歓喜し、ともに涙する家族の姿です。
子どもたちの力強い足音と、それを見守る大人たちの熱い声。番組を聴く人が自然と笑顔になり、身近な幸せを再確認するきっかけになることを願っています。

【制作後記】
2026年、こどもの日の長崎は抜けるような快晴に恵まれました。
競技開始は午後からですが、諏訪神社の境内は朝早くから、我が子の雄姿を特等席で見守ろうとする人たちの場所取りが始まっていました。

いざ本番が始まれば、石段を叩く足音をかき消すほどの大人たちの歓声が境内に轟きます。誰もが先頭でゴールし「一番札」を手にすることを目指しますが、どんな結果であっても、ゴールまでたどり着いた我が子を抱きしめ、惜しみない愛情を注ぐ家族の姿があちらこちらで見られました。その姿こそが、この大会の本当の主役なのかもしれません。




新住職は元IT起業家 伝統行事復活で目指す寺の再生

2026年5月18~2026年5月24日
南海放送 メディアセンター 平野和子

【番組概要】
四国には、風物詩として「遍路」の存在がある。お遍路さんが巡り始めると「春遍路」と呼び、本格的な春の訪れを実感する。
愛媛県にある四国八十八か所第51番札所の石手寺には新住職が誕生した。
前住職の急逝に伴い2年の修行を経ての就任。
住職としてのお披露目と覚悟を示す場として選んだのは、18年以上途絶えていた春の伝統行事「お練り供養」だ。当日へ向けた住職の想いを華やかな行列の音声とともに伝える。

【制作意図】
四国八十八か所第51番札所の石手寺は、四国の中でもお遍路に人気の寺であり観光地でもある。
前住職の急逝に伴い、娘の夫である畑違いのIT企業の経営者が新住職となった。
はじめに着手したのは寺の整理整頓。国宝や重要文化財がひしめく寺の課題は、その保存と整理だった。寺の再生をテーマに新住職がスタートさせたプロジェクトの最初が「お練り供養の復活」だった。地元でも忘れ去られようとしていた春の行事の復活とその住職の挑戦を伝える。

【制作後記】
復活させた「お練り供養」は4月4日に行われた。あいにくの雨となり、道後温泉を出発し、アーケードがある商店街のみを練り歩き、その後は寺まではバス移動となった。しかし、新住職はじめ参加者たち140人余りは、皆、達成感に満ちた表情で、雨だからこそ記憶に残ると喜びとともに語っていた。人々が集い、心が満たされるひと時が確かに復活したと感じた。来年以降は、石手寺の境内を練り歩き、伝統行事を続けていく予定。今後の石手寺の復活と再生を期待させる春の雨だった。

未来につなげる 三保海岸の観光地引網漁

2026年5月11~2026年5月17日
静岡放送 ラジオ局 編成制作部 富山裕之

【番組概要】
静岡県静岡市清水区、世界文化遺産、富士山の構成資産である「三保の松原」。
その間近では、江戸時代から伝統的な沿岸漁業「地引網漁」が行われてきました。
約4kmに続く三保半島に包み囲まれた湾は、黒潮の影響と良好な地形から豊富な種類の
魚が生息しています。船を使った沖合での漁が主流となった戦後からは、「観光地引網」と
して、地域の子供会や遠足、企業のイベントなどで地引網が盛んに行われていました。
しかし近年は、漁業者の高齢化と人手不足で、廃業が進み、ついには市内の地引網漁が無
くなろうとしていました。
そんな中、地引網の漁法を学び、維持・継承していこうと、有志が立ち上がります。
2023年に設立された「三保地引網保存会」。年間を通じて、地元自治体や企業のイベン
ト、食育の一環も兼ねたイベントを行い、合わせて地元の東海大学海洋学部の研究と連動
した取り組みも行っています。
そんな伝統的な漁業と、食育、未来の自然環境について考えるきっかけにもなる「地引網漁」の様子をお届けします。

【制作意図】
前方には富士山、背には世界文化遺産の構成資産でもある「三保の松原」を有し、
近年では海外からの大型客船も多く寄港する国際拠点港湾の清水港。その一角に位置する三保半島の内浜で行われる「地引網漁」。この伝統を絶やしたくないと、6年前に設立された保存会が奮闘しています。海水を触るのが初めての子どもから、漁を懐かしむ大人まで、老若男女が力を合わせて編
を引き、取れた魚をその場で味わうイベントが人気を博しています。
昨年からは大学の研究室と連携し、海水温、獲れた魚の種類や量などをデータで残す取り
組みも始まっています。伝統を守りながらも、地元の海に感謝し、未来につなげていく活動を発信したく、スポットを当てました。

【制作後記】
当日は、地元スーパーマーケットの呼びかけで、子どもから大人まで、約80人がイベントに
参加しました。当日の釣果は、「大漁!」とは遠い結果になりました。
しかし、参加者の感想は、「釣果に関係なく楽しめた」「子供にとっても貴重な体験になった」
「漁の難しさを知ることができてよかった」など一同に満足している様子が見られました。
地引網を体験したあとはビーチークリーン活動も忘れずに!
老若男女が力を合わせて網を引き、地元の自然、魚が取れるありがたさを感じる時間を記録することができました。

古式捕鯨の里の学び舎 その幕は閉じるとも・・・

2026年5月4日~2026年5月10日
山口放送 ラジオ制作部 髙田 知太郎

【番組概要】
山口県長門市・青海島の通地区は江戸時代から明治にかけて行われた古式捕鯨で栄えました。この地区には捕鯨に関する様々な文化が残っており、鯨を捕る人たちに歌い継がれてきた「通鯨唄」(市指定無形民俗文化財)もそのひとつです。
長門市立通小学校では、この「通鯨唄」の伝承活動に1985年から取り組んできました。通鯨唄保存会の指導を受け、唄を練習し、地域の行事などで歌ってきました。
明治7年・1874年に開校し、児童数が700人を超えていた時代もある通小学校ですが、近年は児童数が減少。昨年度はわずかに3人となり、今年の3月で閉校となりました。
3月15日には閉校式と閉校記念行事が行われ、最後の児童となった3人は保存会のメンバーと一緒に「通鯨唄」を披露しました。
閉校という現実を突きつけられるなか、伝統文化を伝えていこうとする児童や通地区の人たちの姿や思いをお伝えします。

【制作意図】
「通鯨唄」は大漁を祈り大漁を祝うとともに、鯨を弔う気持ちも込めた唄です。
「鯨一頭捕れれば七浦賑わう」と言われ、鯨は地域を豊かにしました。人々の生活のために捕獲される鯨ですが、そんな鯨に対する感謝の気持ちを表すとともに鯨の死を心の底から悼んで、「通鯨唄」は手拍子をせず、合掌の形で両手をすり合わせ揉み手をしながら歌うのが特徴となっています。また、通地区には、鯨を供養するための「鯨墓」が300年以上前に建てられています。
「“命を大切に”ということが通地区の文化にある…」。この度取材した通鯨唄保存会の方はこのように話し、鯨唄を歌う子どもたちは唄とともに命の尊さを学び、それを唄を通して伝えていくと言います。
鯨との関わりから培われた遠い昔の人々の思い、そして、それを大切にし後世に伝えていこうとする通地区の人たちと受け継ごうとする子どもたち。子どもの数が減少するなかでしっかりと伝承が行われている通地区を素敵に思い、制作しました。

【制作後記】
番組の中で通鯨唄保存会の方が、「通地区の子どもは、自分たちが伝統を守るんだという気持ちが強い」と話しています。その事について伺ってみますと・・・ 
保存会では以前から年に4回ほど学校に行って鯨唄の指導をしており、それ以外の期間は学校の先生方が教えていたということです。しかし、去年はそれに加えて市の施設で月に1回、鯨唄の教室を開いたのだと・・・。児童たちが「やりたい」と言ったのだそうです。
また、「通鯨唄」と言われる唄はいくつかあり、児童たちは以前はそのうちの2曲を覚えていたそうですが、通小学校の最後の児童たちは「もう1曲覚えたい」と言い出して練習し、歌えるようになったとのことでした。本当に頼もしいお子さんたちだと思いました。

時間が紡ぐ信頼の味~北区・十条の厚皮たい焼き~

2026年4月27日~2026年5月3日
文化放送 コンテンツ局制作部 小東裕子

【番組概要】
東京北区十条。
有名な十条銀座商店街を筆頭に、人情味溢れる街並みが広がるエリアです。
今回取材させていただいたのは、十条銀座とは少し離れた場所にあるたい焼き屋「けんぞう」。
「けんぞう」のたい焼きの特徴は、とにかく分厚いこと。
厚さ約5cmのボリューミーなたい焼きは、なんと1個190円(取材当時)。
なぜ分厚いたい焼きを作り続けるのか、人気店の秘密に迫りました。

【制作意図】
十条は実際に私が学生時代に住んでいた街です。
そこで「けんぞう」の厚皮たい焼きを初めて目にした時、大変衝撃を受けました。
見た目のインパクトもさることながら、そのおいしさと価格の手ごろさに惹かれ、何度も通いました。
東京には、流行の最先端を走るエリアも多く存在する一方、十条のようにどこか安心できる、
ふるさとのような地域が存在するのも大きな特徴だと思います。そのような心温かな街、
十条で愛され続ける「けんぞう」をぜひ取材させていただきたいと思い、制作いたしました。

 

相棒は100年選手

2026年4月20日~2026年4月26日
北陸放送 ラジオ開発部 中川留美

【番組概要】
大正時代に作られたコーヒーミルを今も使っている店があります。店の名前は「茶房 懐古洞さかえ」。昭和レトロな雰囲気の店内、カウンターに置かれたコーヒーミルは両腕に抱えるほどの大きさがあり、左右にはSL機関車のような形の車輪がついています。マスターはコーヒーミルを10年探し続け、同じ型で100年以上前のコーヒーミルは全国を探しても、あと1台あるか無いかではないかと言います。手挽きのコーヒーだからこそ提供できる香りと味。40年間、コーヒーを共に淹れてきたマスターのコーヒーミルへの想いと音をお送りします。

【制作意図】
新しい物が次々と生み出される時代ではありますが、古いものであっても大切に使い続けることがあります。今回、取材をした茶房マスターの年齢は83歳。コーヒーミルは100年以上前に作られたものです。人も道具も活かされる場があってこそ活躍することができます。長い年月を共にしたマスターとコーヒーミルは、お互いが美味しいコーヒーを淹れるための不可欠な存在、支え合う相棒のように感じて制作しました。

【制作後記】
取材中、マスターのさかえさんが「機械だから、いつかは壊れてしまう。そしたら、店を辞める」と言った言葉に、ドキッとしました。長い年月をかけて、お互いに支え合う存在になっていることが素敵に思い、取材を始めましたが、時の経過というのは容赦がないことを感じてしまいました。古いから良いとか、新しいから物足りないということではなく、人や物が存在することの大切さを感じました。

伝統のバトンを繋いで 〜桜島の新しい春〜

2026年4月13日~2026年4月19日
MBC南日本放送 ラジオセンター音声メディア部 立和名梨絵

【番組概要】
鹿児島市からフェリーで約15分、桜島の東側に位置する鹿児島市立黒神小学校は、148年という長い歴史を持つ学校です 。これまで大規模な噴火による廃校や休校といった幾多の困難を地域住民と共に乗り越えてきましたが、少子化や教育環境の変化に伴い、2026年3月にその歴史に幕を閉じました 。閉校時の全校児童は、6年生のこうさんと1年生のちかさんのわずか2人 。3月11日に行われた閉校式では、こうさんが「この学校での思い出はいつまでも色褪せない」と力強く決意を述べ、卒業生や地域の方々が一体となって最後の校歌を歌い、慣れ親しんだ学び舎に別れを告げました 。そして2026年4月1日、桜島内にある8つの学校がひとつに統合され、義務教育学校「桜島学校」として新たな一歩を踏み出しました 。新しい門出に際し、鹿児島出身の俳優・歌手である上白石萌音さんが作詞、吉俣良さんが作曲を手がけた新しい校歌が無償で贈られました 。歌詞には「桜島」という直接的な言葉こそ入っていないものの、みかんの小道や海を進む船など、故郷の情景が色鮮やかに描かれています 。子どもたちは、黒神小学校で育まれた伝統や思いを胸に、新しい学び舎で未来へと歩み始めています 。

【制作意図】
この番組は、時代の潮流の中で姿を消していく伝統校の最期を記録するとともに、形を変えて受け継がれる「郷土愛」のバトンを描くことを目的としています。まず、厳しい自然環境と共生してきた黒神小学校の歴史と、最後を飾った2人の児童の日常を音で切り取ることで、「地域の記憶」をアーカイブ 。閉校という寂しい出来事だけでなく、卒業生や地域住民が口にする「桜島大根や椿油などの活動を続けてほしい」という願いを紹介することで、学校が地域文化の核であったことを浮き彫りにしています 。また、新設された桜島学校の校歌を作曲した作曲家吉俣良さんのインタビューや、新しい校歌の歌詞に込められた想いを通じ、学校が統合されても「ふるさとの情景」や「共に生きる喜び」は変わらずに守られていくという希望を提示しています 。慣れ親しんだ校歌から新しい校歌へと歌い継ぐ子どもたちの前向きな姿を描くことで、過疎化や学校再編に向き合う地域社会へ、温かなエールを送る構成となっています 。

【制作後記】
今回の取材では、10回以上桜島へ足を運びました 。フェリーで渡るたびに、桜島は刻々とその表情を変え、自然の雄大さと厳しさを教えてくれます 。全校児童わずか2人という環境に、最初は少子化の深刻さを肌で感じ、どこか寂しさを抱いて取材を始めました 。しかし、そこで出会った「こうさん」と「ちかさん」は、そんな不安を吹き飛ばすほど元気いっぱいで、自分の言葉でしっかりと想いを届けてくれるお話上手な子どもたちでした 。(ちかさんはちょっぴり人見知りでしたが、少しずつ学校のお話をしてくれました)地域の方々と対話を重ねる中で見えてきたのは、148年の歴史を誇る黒神小学校への深い愛着と、それを支えてきたコミュニティの絆です 。閉校は確かに寂しい出来事ではありますが、子どもたちは決して過去だけを振り返っているわけではありませんでした 。彼らは母校を愛しながらも、新しく始まる「桜島学校」での生活を心から楽しみにしており、その眼差しはしっかりと未来を見つめていました 。この番組を通して、伝統のバトンが次世代へと前向きに引き継がれていく、桜島の新しい春の息吹を感じていただければ幸いです 。

地元に愛されるアツい場所

2026年4月6日~2026年4月12日
KBS京都 ラジオ局編成制作部 森俊輔

【番組概要】
京都有数の花街のすぐそばにある銭湯、大黒湯。
古くから地元民のみならず、芸舞妓に創業から100年を超えた今も愛されてきました。しかし2025年店主の高齢化や設備の老朽化に伴い、惜しまれながらも廃業。
そこで立ち上がったのが、様々な顔を持つ現役京大生の竹林さんでした。
そんな一度復活した大黒湯ですが、この2月改めての改修のために休業を発表し4月1日再オープンの日がやってきました。
そんなたくさんの人から愛される大黒湯を舞台に録音風物詩を製作しました。

【制作意図】
元々別の番組のゲストでご出演いただいたときに始めて竹林さんと知り合いました。その時の銭湯に対する思いと自ら500万借金するといった行動力その様なアツさに惹かれ、今回テーマにさせていただきました。

インタビューは工事真っ最中に行わせていただいたのですが、敢てマスキングせずそのままの音を使い、臨場感を演出。
また再オープン当日に取材をしたこともあり、お客さんの率直な感想をありのまま使用しました。

【制作後記】
本来なら2月一杯の改修工事だったのですが、激しい設備の老朽化により3月一杯までの工事が延長となりました。別のテーマでいこうとも考えましたが、これも何かのご縁と考えなんとか取材を行いました。制作を通じて店主の竹林さん、スタッフさん、お客さん含め皆さんにとって大黒湯が改めて掛け替えないの場所であると再認識しました。




半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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