« 2016年12月 | メイン | 2017年2月 »

2017年1月

2017年1月25日 (水)

星空のカウントダウン

2017年1月30日~2017年2月5日放送 
南日本放送 ラジオ制作部 七枝 大典

【番組概要】

日本のロケット打ち上げは、独立行政法人のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が内之浦宇宙空間観測所(肝付町)と種子島宇宙センター(南種子)で行っています。2016年12月9日に種子島、20日には内之浦から それぞれ打ち上げが行われました。この様子を一目見ようと、全国からファンが集まり 満天の星空の下、宇宙への旅立ちを見守りました。番組では それぞれの打ち上げを取材し、打ち上げのカウントダウンに のせて それぞれの発射の瞬間や地域の想いを伝えます。

【制作意図】
年に何回か 行われるロケットの打ち上げは、全国から鹿児島に大勢の見学者が訪れる、人気コンテンツ。2016年12月には2回の打ち上げが行われ、無事に成功しました。番組では、この打ち上げを一目見ようと集まったファンの声や、長年 ロケット基地と地域の絆を大切にしている 橋本雅子さん(82歳)への取材やインタビューをもとに、「打ち上げだけではない、ロケットの魅力」を紹介したいと思い、企画しました。

【制作後記】
MBC本社のある、鹿児島市からもロケットの打ち上げは見ることができますが実際に地域に入って取材するのは初めての事でした。きっかけは、とある友人から「ロケットの打ち上げがある街ってスゴいよね」という一言。確かにっ!と納得して 打ち上げ関連の情報を調べてみると興味深いことだらけ。取材を通して2つの地域の想いを知ることもできましたが、何よりも「日常の面白さ」について、改めて気付かされた取材でした。

2017年1月19日 (木)

変わりゆく道後と変わらぬ音風景

2017年1月23日~2017年1月29日放送 
南海放送 メディア情報センター 藤田勇次郎

【番組概要】
道後温泉本館の最上階にある太鼓楼振鷺閣(しんろかく)。
赤いギヤマン障子に囲まれた道後温泉本館の象徴です。毎朝午前6時にここの扉が開き、道後温泉の開館を告げる「刻太鼓(ときだいこ)」が鳴り響きます。今年で改築123年を迎える道後温泉本館がずっと続けてきた習わしです。道後は近年、温泉とアートを掛け合わせた「道後オンセナート」というアートフェスティバルが好調で日本最古の温泉で最新のアートを表現するというコンセプトに共感した観光客や地元の人たちが道後を訪れ宿泊者数が飛躍的に伸びています。道後オンセナートの仕掛け人に聞きました。

【制作意図】
日本最古といわれる道後温泉。愛媛県で最大の観光地ではあるけれど近くに住む人たちは「行ったことがない」と答える人が意外にたくさんいます。しかし2014年の「道後オンセナート」を境にオシャレな場所としての認識があがり若者に人気のスポットとなりつつあります。古いものと新しいものが融合する今の道後にどんな音があるんか?どんな音が残っているのか?訪ねてみようと思いました。

【制作後記】
伝統の「刻太鼓」。太鼓楼振鷺閣の中に入らせてもらいました。午前6時きっちりに時を刻むため自国の参考にしていたのはラジオの時報でした。太鼓が鳴ると嬉しそうに道後温泉に入る人の中には毎日通う地元の人もたくさんおり改めて地域にも愛されている温泉だと感じました。

2017年1月16日 (月)

夢ふくらむ 米ふくらむ

2017年1月16日~2017年1月22日放送 
山形放送 報道制作局 制作部 鈴木紫乃

【番組概要】
山形県の庄内平野は日本有数の米どころ。 冬の田んぼには餌を求める白鳥の姿が見られます。  庄内平野の真ん中にあたる 鶴岡市 渡前地区にある 井上農場には〝ポン菓子〟部長がいます。 米を窯に入れて圧力をかけ膨らませる〝ポン菓子〟は出来上がった時の破裂音から 『バクダン』 とも呼ばれています。ポン菓子部長を務める井上 夏さんは13年前に農場に嫁いできました。夏さんが情熱をかたむけているのは山形生まれのブランド米・つや姫を使ったポン菓子です。 米どころの庄内でも ポン菓子職人は少なくなりましたが、夏さんはポン菓子に大きな夢をふくらませています。


【制作意図】
米農家が多い渡前地区では、新米を使ったポン菓子で おこしを作り 大黒様に収穫の感謝の気持ちを込めてお供えする習わしがあります。 コメの需要が減る時代、食卓でご飯として食べるのとはまた別の形でコメの美味しさに触れるきっかけとして昔なつかし〝ポン菓子〟に新たな息吹をもたらす 井上 夏さんを紹介したいと思い企画しました。

【制作後記】
放課後に井上農場で鳴り響く破裂音!寒い冬でも外に出て集まってくる地元の子ども達は、出来立てのポン菓子を嬉しそうに食べています。ユニークな食べ方もお楽しみのひとつ。アイディア豊富な夏さんのご実家はお寿司屋さんです。 嫁いだ当初、お米ひと粒にどれだけの手間暇がかけられているかを目の当りにして感動し、義理の両親がとても楽しそうに農業をしている姿に憧れを抱いたそうです。旦那さんが作ったお米に誇りを持ち、より多くの人に美味しさに触れてもらいたいと夏さんは願っています。味付けをしない、出来立てポン菓子の味わいは格別でした!

2017年1月 5日 (木)

国宝・臼杵石仏に魅せられて~案内人は女子高生

2017年1月9日~2017年1月15日放送 
大分放送 ラジオ
局ラジオ制作部 那賀ひとみ

 【番組概要】
大分県南部の臼杵市に鎮座する「臼杵石仏」。熔結凝灰岩で覆われた山肌にあるおよそ60体の磨崖仏は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて刻まれたとされています。平成7年6月には国宝に指定。年間12万人の観光客が訪れ、地元の有志が観光ボランティアガイドとして活躍しています。ガイドを務めるのは大人たちだけではありません。臼杵の歴史に関する検定試験に合格した小・中学生が「臼杵っ子ガイド」として、活動しています。その「臼杵っ子ガイド」出身の一人、高校3年生の宇佐美多紀さん。彼女が「臼杵石仏」に出会い、魅力に気づき、観光客へ伝えるようになったのは理由がありました。

【制作意図】
磨崖仏として初めて国宝と指定された「臼杵石仏」には、日本各地に限らず、海外からも毎年多くの観光客が訪れます。そんな観光客のために、地元の良いところを知ってもらいたいと活動する現役女子高生の宇佐美多紀さん。海外の方にも臼杵の歴史を知ってもらおうと苦手な英語を積極的に学び、高校のALTの先生と協力して観光ガイドの英文を作成しました。去年の夏からスタートした「英語de臼杵っ子ガイド」の立ち上げにも携わった宇佐美さん。高校生とは思えない、地元愛に溢れる宇佐美多紀さんを紹介したいと思い、制作しました。

【制作後記】
朝6時から観光できる「臼杵石仏」。“どの季節でも楽しむことのできる風景がある「臼杵石仏」が大好きです”と語る宇佐美さんの笑顔がとても印象的でした。宇佐美さんは将来、一度故郷を離れ、進学して英語を学び、臼杵の良いところだけでなく悪いところも見えるようになって、また戻って来たいと強い意志を語ってくれました。

冬のおやつはおばあちゃんの味

2017年1月2日~2017年1月8日放送 
高知放送 ラジオ
局ラジオ制作部 清水崇義


【番組概要】
高知県の東部に伝わる郷土の味。「かんば餅」干したさつまいもともち米の砂糖を入れて練り上げただけのお餅だ。北川村で50年以上前からお米屋さんで作られている見た目も味も素朴なこのお餅は販売用に作られたものではなく地域の人たちの「おやつ」だった。今では県内の量販店やお土産ものとし人気が高くなってきた。代々受け継がれるお米屋さんの餅づくりを紹介する。

【制作意図】
冬の風物詩ということをまず念頭に、地域に根付いているものにスポットをあてた。時期になると宣伝をするより先に注文が舞い込む、というかんば餅は地域内外の人に愛されている、まさに風物詩的なおやつと言えるだろう。また、この放送をきっかけに自分の「ふるさとの味」を思い出してもらえればと企画した。

【制作後記】
かんば餅は非常に素朴で優しい味である。このおやつが生んでいるのは利益や収入ではなく、地域の人とのかかわりや思い出なのだと感じた。そもそも「お義母さんの味を引き継ぐ」と始まった岡島さんのかんば餅づくりはまた子へ、子へ、と引き継がれ、いまでは孫世代とのコミュニケーションを生む場になっている。また、購入した家庭でも「思い出の味」として引き継がれていくことだろう。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad