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2017年2月

2017年2月27日 (月)

100年前の音色再び~愛しのノヴィー~

2017年2月20日~2017年2月26日放送 
山陰放送 テレビ総局報道部 森谷佳奈

【番組概要】
島根県松江市にある明治時代に建てられた旧田野医院で、長い間ひっそりと眠っていたチェコ製ピアノ「ノヴィー」。2013年、建物の調査にやってきていた安部隆さんに発見されたことから、ノヴィーの再生物語はスタートしました。現代のピアノ修復士の井土和幸さん、再生プロジェクトの人々とノヴィーが赤い糸で結ばれていく様子を描きました。たくさんの人を引き付ける魅力のあるノヴィーがどんな音を奏でるのか、お楽しみください。

【制作意図】
私は小さいころからピアノを習っていました。そこで、自分の住む松江市に100年以上も前のピアノが修復されたということを聞き、そのピアノが発する音に興味を持ち取材しました。ノヴィーの音色は、どこか素朴で柔らかな音で、現代のピアノにはない魅力を感じました。この魅力的なピアノを多くの人に知ってもらえればと思い、制作しました。

【制作後記】
取材してわかったことは、ノヴィーには人を惹きつける力がある、ということでした。ノヴィーの再生プロジェクトの方々をはじめ、ピアノ修復士の井土さんにとって、ノヴィーはピアノというよりは「人」でした。彼女の魅力はどんなところにあったのかを放送を聞きながら多くの人に感じてもらえれば幸いです。そして、ノヴィーの「友達」になっていただければと思います。

2017年2月15日 (水)

雪原に轟く馬蹄、開拓の魂は脈々と

2017年2月13日~2017年2月19日放送 
北海道放送 HBCフレックス 氏家誠一

【番組概要】
北海道開拓の為、フランスから輸入されたサラブレッドの2倍の体重をもつ農耕馬達、その子孫たちが競う世界で唯一の馬のレース、ばんえい競馬。このレース風景からスタートします。場面は変わって、十勝牧場。ここでは、ばんえい競馬の馬達と同じ大型の若い馬たちが群れを成して駆け巡る、「馬追い運動」と呼ばれる真冬の風物詩あります。約30頭の大型馬の群れが、800メートルのコースを駆ける迫力の音を伝えます。また、牧場の係りの方や写真を撮りに来た方に「馬追い運動」の目的や魅力を語ってもらいます。

【制作意図】
北海道は明治の開拓期から今日まで、馬との強い関わりの歴史があります。開拓期の農耕馬、その後の軍馬の生産、戦後の競走馬の生産。その中で農耕馬は、開拓民にとって家族同様に暮らしていた時代がありました。しかし、昭和30年をピークにどんどん減って、農耕馬のような大型の馬を見たことのない世代が増えています。その姿が残るばんえい競馬と「馬追い運動」を取材し伝えることで、農耕馬の歴史を伝えていきたい。ばんえい競馬の力強さと「馬追い運動」の迫力を音で、その姿を想像してもらいたい、また、この時期の北海道の厳しさを透明感のあるナレーションで伝えたいと思いました。そして、ラジオを聞いてくれているリスナーが開拓期の馬の姿を思い描いてくれればありがたいと思い企画しました。

【制作後記】
取材した1月9日、10日はとても寒く、特に10日の「馬追い運動」はマイナス7度くらい、馬場は遮るものがないから、風が吹くと地吹雪で体感温度もぐっと下がるような状況でした。現場で命の次に大切な録音機材が古かったので、体で温めながら馬が駆ける音をひろいました、むちゃくちゃ辛かったです、笑。

2017年2月10日 (金)

くみ上げる文化~時代を越えて広がる組紐~

2017年2月6日~2017年2月12日放送 
京都放送 ラジオ編成制作局制作部 永田和美

【番組概要】

2016年8月に公開されると瞬く間に国内、そして世界へと広がった映画「君の名は。」興行収入は200億円を突破し、今もなお人気を博しています。その映画で登場する「組紐」が今注目されています。組紐というと帯締めを思い浮かべる方が多いかと思いますが、おぼ締めとして使われたのは組紐の歴史からみると最近のこと。昔は男性のファッションの要でした。番組では組紐がどのように作られるのか、インタビューと音を紡ぎながら紹介。そして映画でも登場する手組みで組む組紐。組んでいる最中に木玉のおもりがぶつかり合って響く、なんともいえない音が印象的です。リズムよく聞こえるその音は職人がする音と体験で一般の方がする音では大きく違います。この違いも感じていただけたら幸いです。映画の影響はどんな形で表れているのか、そしてその先に見える組紐の可能性をご紹介します。

【制作意図】
映画から注目されることになった組紐。改めて組紐がどういったものなのかを知るとともに、時代を超えて、用途を変えながらも今なお使われている組紐の魅力を探りたいと思い制作しました。また、組紐を組む時のおもりの入った木玉と木玉がぶつかるあの独特の音を番組で紹介できればと思い、体験の方と職人の方の音を収録しました。違い感じていただけたら幸いです。

【制作後記】
取材の最中にもご家族で、友達同士で海外からとお客さんが訪れていて「あっこれ似てるやつ!」などと言いながら買っていかれる方が多く、映画の影響を肌で感じました。また、帯締めのイメージが強い組紐ですが、アクセサリーはじめ様々なものに形を変えていきます。それに加えて、商品としてではなく文化として海外へ伝えていこうとする八田さん。日本で時代とともに形を変えて受け継いできた組紐という文化を海外に伝える。日本とはまた違った、その土地にあった活用法で変化し、受け継がれ広がっていく、、、まだまだ組紐の可能性を感じた取材となりました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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