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2014年4月

2014年4月25日 (金)

鹿児島 宴の合戦!「なんこ」

2014年4月28日~2014年5月4日放送
南日本放送 報道局ラジオ制作部 神宮寺明人

【番組概要】
1人あたりの焼酎の消費量が全国一位の鹿児島県。日が暮れると、さつま揚げや豚骨・きびなごの刺身といった郷土料理に舌鼓を打ち、芋焼酎を片手に語らう人たちが溢れる。その酒席の遊びで注目されつつあるのが「なんこ」。負ければ罰としてお猪口に注がれたお湯割りを飲む。酔いも手伝い白熱する「なんこ」。その魅力や参加している方たちの笑顔をお届けする。

【制作意図】
「なんこ」の存在を知ったのが2013年の年末。各地で大会が行われており、参加者の年齢・性別・職業も様々。「なんこ」の用語に鹿児島の方言が使われており、その意味もユニークだ。古くは戦国時代からあったという「なんこ」。鹿児島の文化や言葉を再発見し、広める機会になればと制作した。


【制作後記】
いろんな大会に参加しました。たくさんの方たちと話しました。駆け引き上手な方、酔いで頭が回らず負け続ける方、笑いっぱなしの取材でした。取材をしているうちに「なんこ」にすっかり魅了されてしまい、今では「myなんこ玉」を持ち歩いて、日々「なんこ」の腕を磨いています。各地の大会に参加していますが、いつも一回戦負け。当面の目標は勝つことです。

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2014年4月22日 (火)

フジツボさん、青森の海で育ちました。

2014年4月21日~2014年4月27日放送
青森放送 ラジオ編成制作部 山本鷹賀春

【番組概要】
青森県の陸奥湾では巨大なフジツボが獲れます。 フジツボとは、海岸の岩などに付く富士山の形をした、あの小さなイボイボのことです。それが青森では、女性の握りこぶし程の大きさにまで育ちます。しかも、珍味として食べられるのです。巨大フジツボも二十年前まではホタテ貝などに付着する「粗大」ゴミでした。それを和食の食材として初めてメニューに出したのが、日本料理人の浪打通さんです。「食べてもおいしくないよ」という漁師さんのひとことに職人魂が燃え上がったそうです。フジツボは活発な生き物です。店に運ばれてきても元気に爪や触角(蔓脚)を動かしています。青森の珍味が元気に動いている音を、まずはお聴きください。

【制作意図】
 「初めて食べた人は勇気がある」といわれる海の珍味はいろいろありますが、その初めての人が誰なのかはっきりしているものは、このフジツボのほかにないでしょう。ふるさとを愛し、新しい郷土料理に挑戦し続けたいという浪打さん。その前向きな想いを伝えたいと思いました。「フジツボにマイクを向けても音はしないよ」という彼の言葉にこちらの職人魂も燃えました。取材では超小型マイクを使い、無口なフジツボさんの元気な音の収録に成功しています。

【制作後記】
仕入れ値0円のサービス品だったフジツボは、今や高級食材です。魚市場では1市場にあるわけではありません。取材では入荷待ちのため1週間待たされました。キロ3,000円もするそうです。しかも、養殖があまり進んでいないため、いつでもゆでたフジツボは殻の底に残る汁がとてもおいしいのですが、ストローで飲むのがおすすめです。フジツボの口がいろんな角度を向いてくっついているので、そのまま手に持って傾けると、衣服を汚してしてしまうからです。

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道後温泉花盛り

2014年4月14日~2014年4月20日放送
南海放送 メディア情報センター 下村章子

【番組概要】
日本最古の温泉といわれる道後温泉。まちのシンボルである道後温泉本館は回収120年の大還暦をむかえました。大還暦を記念してイベントが開催される中、地元商店街のおかみさんたちが自らを「美しく商いをする女性」「美商女(びしょうじょ)」と名乗り、合唱団を結成するなど明るく楽しく道後の街を盛り上げています。そんなおかみさんたちを見てきて息子さん達、商店会青年部もまた母に続きこれからはまちを自分たちが盛り上げていこうと頑張っています。おかみさんたちの明るい笑い声が響く道後温泉はまさに今、花盛りです。

【制作意図】
「私達びしょうじょなんよ~。あ~っはっは。」と話をしているおかみさん達、道後を盛り上げるために集う婦人部の会合はまるで女子会。そんなおかみさんたちのパワーと明るさ、まちを思う気持ちを伝えたいと制作しました。また、最近まちづくりに参加しはじめたという青年部も取材をしました。おかみさんたちが花をさかせたあと、その種がまた立派な花をさかせる、そうして古い歴史をつないできた道後のまちをたくさんの方に知っていただけたらと思います。

【制作後記】
今回、何度も道後のまちにお邪魔し、商店街のこの店が誰の店だ、と覚えてしまうほどおかみさん達に会いにいきました。いつ伺っても笑い転げて、元気になって帰る、の繰り返し。誰にあっても楽しむ気持ちやまちを思う気持ちが強く、おかみさんたちを通して道後のまちの虜になってしまいました。あなたも是非、美商女に会いに道後にいらしてください。

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2014年4月 2日 (水)

生まれ変わるくだものの木

2014年4月7日~2014年4月13日放送
山形放送 報道制作局 制作部 芹川紗希子

【番組概要】
山形県は一年を通して様々な果物が獲れる果樹王国。蔵王山麓の上山市にその果物の木々で器を作る職人がいます。建具職人の鈴木正芳さんです。建築様式の変化の中で建具の需要が無くなりつつある中、鈴木さんはある人との出会いがきっかけとなり、周囲の山々に目を向けます。役目を終えて捨てられる果物の木に着目したのです。番組では、様々な果物の木がもつ木肌の色の違いなど木の特性を見事に活かした器が出来るまでを果樹園に吹く風や初春の残雪の音、工房の工作音、鈴木さんの温かみのあるインタビューを通してお届けします。

【制作意図】
初めて工房を訪れた時、果物の器の美しさと温かさに息をのみました。長年、山形の四季折々の果物を食しながら、果物の実と同じように果物の木にも色があるということに出会った発見と、鈴木さんの自然の恵みを余す所なく存分に活かすというシンプルでありながら豊かな想いをお伝えしたいと思い、制作しました。

【制作後記】
果樹の間伐は、葉が落ちてから新芽が出るまでの間、概ね雪解けが進む3月に行われます。器作りの材料となる木を集める大切な時期に取材に伺いました。「面白い木が手に入ったんだよ」と、電動のこぎりで木を割り、新たに手にした木の肌の色を目にした時の鈴木さんの笑顔はとても印象的でした。

2014年4月 1日 (火)

別府名物!流しのはっちゃんぶんちゃん

2014年3月31日~2014年4月6日放送
大分放送 ラジオ局 ラジオ制作部 富田 浩史

【番組概要】
大分県別府市の温泉街に、今では珍しい“流し”のコンビがいます。「アコーディオンのぶんちゃん」こと日浦文明さん(82歳)と、「ギターのはっちゃん」こと二宮誠さん(62歳)。2人は高校の先輩と後輩で、ぶんちゃんはこの道50年以上になるベテラン流し。はっちゃんは、先代のはっちゃんが亡くなった6年前に2代目を襲名しました。レパートリーはなんと「1万曲」!(…ただし昭和歌謡専門) お客さんのリクエストに即座に応える姿は圧巻です。別府の夜を盛り上げようと、はっちゃんぶんちゃんは今夜も湯けむりに包まれたネオン街に繰り出します。

【制作意図】
ぶんちゃんが流しを始めた1960年頃は流しの最盛期で、毎晩スナックや宴会から引っ張りだこ。しかし、その後のカラオケの出現や観光客の減少などで仕事は激減。別府市内に20数人いた同業者は次々と廃業に追い込まれてしまいました。そのような苦境の中でも「流しの灯を絶やすまい」と奮闘する2人の貴重な歌声を記録したいと思い取材しました。ごきげんな顔で熱唱するはっちゃんぶんちゃんの表情、またお客さんの満面の笑顔を想像してお聴きください。

【制作後記】
別府では知らない人がいないほど有名な「はっちゃんぶんちゃん」。2人の歌声が聞こえると、ほろ酔い気分の通行人から「はっちゃ~ん!」「ぶんちゃ~ん!」と声援が飛ぶほどの人気ぶりです。今ではぶんちゃんが高齢になり、かつ冬場は痛風が疼くとの理由でかつてほどその姿を見ることは出来ませんが、20歳年下のはっちゃんが、ぶんちゃんの背中を懸命に押しながら息がぴったりの演奏を披露しています。いつまでも別府の夜の温泉街にはっちゃんぶんちゃんの歌声が響きわたることを願うばかりです。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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