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2014年3月

2014年3月20日 (木)

ゴットン ゴットン 路面電車がゆく

2014年3月24日~2014年3月30日放送
高知放送 ラジオセンター 久保英弥

【番組概要】
高知市のはりまや橋を中心に、東西南北に延びる電車の軌道。土佐電機鉄道の路面電車は親しみをこめて”土佐電””とでん”と呼ばれている。交通の流れが速くなっていく中で、常に1車両で走る”とでん”には緩やかな時間と人々の暮らしが乗っている。番組では、日本最古の路面電車の「音」をおりまぜながら”とでん”の持つ意外な(?)日本一も紹介していく。

【制作意図】
近年の鉄道ブームの中で、路面電車にもファンの人気が高まっている。その中で”とでん”は、わざわざ沿線まで見物に来る小さい子供がいるなど、市民の生活に溶け込んでいる。日頃、余る気にした事のない路面電車の「音」をクローズアップすることで、路面電車の持つ“ゆるやかさ”や”あたたかさ”が感じられたらと考えた。

【制作後記】
わずか63mと言えば、次の停留所からこちら側に声をかければ通じる距離である。実際、乗車・録音して、改めて短いなと実感させられた。点検・整備はそれこそ毎日ひっきりなしに電車が車庫に入ってくる忙しさで、日ごろ聴くことのできない「音」が安全を支えていることを、しみじみ感じた。”とでん”の協力に感謝したい。

2014年3月13日 (木)

北山杉の未来をつなぐ

2014年3月17日~2014年3月23日放送
京都放送 ラジオ編成制作局制作部 永田和美

【番組概要】
京都市右京区京北、同じ京都市内でありながら、京都駅などがある中心地とは5度以上低い山に囲まれた自然豊かな地です。北山杉の産地として有名なこの地では毎年この冬の時期になると北山杉の加工作業が最盛期を迎えます。以前は磨き丸太が高値で売れたものの、現在は建築様式の変化などから需要は激減していきました。それでも、この京北の資源である北山杉を守り、伝えていこうとしている人がいます。一方、新しい北山杉の活用法をという思いから、捨てられていた杉の枝葉を使ってアロマを抽出し、京北の魅力を発信していこうとする人がいます。手段は違っても北山杉を思い、京北を思う気持ちは同じであるこの2人の思いを取材しました。

【制作意図】
木のぬくもりのある生活。日本人が忘れかけている暮らしを今一度思い出してほしい。それを北山杉を通して作っていきたい。そう語る米嶋さんはこの道32年の林業家。一度京北を離れ改めて京北の魅力、北山杉の活用を模索し、京北を元気にしたいと語る村山さん。守り続けてきた伝統を伝えることも大事です。そしてまた、それだけでなく新しいものを作り出していくこともその地域が・産業が活性化していく重要な要素です。北山杉の取組は今後の京北の未来を大きく前進させるものではないでしょうか。

【制作後記】
インタビューさせていただいていて、お二人とも本当に北山杉を愛し、京北を愛していることがとても伝わりました。番組の最後に、二人のあの言葉を持ってきたのは、本当にあの言葉の中にすべての二人の思いが込められているように感じたからです。6分20秒という短い時間の中では、北山杉の奥深さをなかなか表現できませんでしたが、それでも、北山杉の魅力を、そこで頑張っている人たちの思いを知っていただき、興味を持っていいただけたら幸いです。

2014年3月 7日 (金)

おりんの音って奥が深~い!

2014年3月10日~2014年3月16日放送
北日本放送 報道制作部 小林淳子

【番組概要】
富山県高岡市のシマタ二昇龍工房は、お経を読む時などにならす仏具の「けいす(おりん)」に製造に携わっています。おりんは、特別に配合された真鍮の板を何万回と叩いて、形を作っていきます。そして最後の腕の見せ所が、調音作業。「ゴーン」という音の中には「カン・オツ・モン」という、3つのリズム(波長)があり、それを聞き分けながら、音の調律していきます。厳かな音色を作りだすためには、最低10年はかかるという職人の世界。全国に10人といない、磨き上げられた職人の技と音をお届けします。

【制作意図】
大量生産・大量消費の時代にあって今なお、手仕事にこだわり続ける職人の皆さん。先人の技を受け継ぎ、地道な努力の積み重ねによって製作された商品は、日本人の感性から生まれた芸術作品とも言えます。おりんもその一つ。手仕事で作りあげられる心地の良い音色を沢山の方に聞いて頂きたいと同時に、日本人の感性の鋭さ、能力の高さを改めて実感して頂ければと思っています。

【制作後記】
おりんの音の高さ・周波数は約400~4000ヘルツ。実はこれ、人間が年をとって、高い音が聞きづらくなっても、聞き取れる音の高さだと言います。また、おりんの音のリズムは、波のリズムとよく似ているという説があります。普段、何げなく聞いているおりんの音色ですが、大変奥が深いことがわかりました。先人の知恵の結集ともいえる「もの」をこれからも多く取材し、たくさんの方に聞いて頂きたいと思っています。



石垣島 白保 さぶぴとぅの豊年祭

2014年3月3日~2014年3月9日放送
ラジオ沖縄 制作報道部 阿利貴子

【番組概要】
八重山諸島石垣島。毎年旧盆の前、7月頃各地域で豊年祭がおこなわれます。その中で芸能が盛んな白保村。他の地域とは異なる独特の風習を取り上げ、3日間あるうちの2日目オンプーリンを中心に、村で三線教室を主催している横目親子に村人の豊年祭への思いを聞いた。

【制作意図】
白保の豊年祭と言えば県内外からもたくさんの観光客が訪れ、特に3日目のムラプール仮装行列の稲の一生が有名だが、2日目のオンプールでの五穀豊穣を願う”あやぐ”と”巻踊り”の音源が少ない為、収録しつつ番組を通じて紹介したかった。

【制作後記】
芸能が盛んな地域とあって、白保出身の唄者も多数輩出している。新良幸人やサンデー、大島保克、BEGIN。皆にインタビューしたかったが、今回はあえて地元に住んでいる横目さんに話を聞いた。白保はもっと取材すべき素材がある。しならく通わねばと思った。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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