2011年11月14日 (月)

阿蘭陀船の数え歌~白秋が見たNagasaki

長崎放送 ラジオ局制作センター 松尾 千代

北原白秋、山田耕筰のゴールデンコンビによる数多くの曲の中に、長崎を舞台にレコードが発売されたのは昭和8年。当時小学生くらいの子どもが歌っていたとしたら現在80代の方が知ってるはずである。

しかし、その曲は戦争がきっかけで、敵国の言葉が入っているため歌われなくなり長崎の地からも忘れ去られていった。

長崎の老舗洋菓子店の梅月堂の本田邦子さんはずっとこの曲を求め、70年の時を越え再会することが出来た。再び甦った白秋の詞から、白秋の眼に当時の長崎はどのように映ったのだろうか。

探すにつれ、他にも歌われ、レコードになっているものもあった。現在、本田さんを初め、宮川さんらは、長崎の童謡として歌われることを願い、行動を起こしているところである。

2011年11月 7日 (月)

醤油発祥のまち、湯浅

和歌山放送 報道制作局 報道制作部 花井 歩高

毎日の食卓に欠かせない、しょうゆ。

何気なく食べてますが、紀州・和歌山が発祥なのをご存じでしょうか。鎌倉時代、由良に禅寺の興国寺を開いた法燈国師が中国から金山寺味噌の製法を伝えました。その製造過程で、上澄みから出た汁を味わってみたことがしょうゆのはじまりとか…。

熊野詣での宿場町、海上交通の要衝であった湯浅の古い町並みは、「重要伝統的建造物群保存地区」として町歩きを楽しむ観光客も増えてきています。そこにはいつもしょうゆのあまい薫りが漂います。

ラジオから香りは出ませんが、しょうゆ蔵に入って一緒に杉桶をまぜる気分に浸ってくれればと思います。なお、湯浅はシラス漁も盛んです。出来たての釜揚げシラスをごはんにたっぷり載せて手作りのしょうゆに梅干しを…これは和歌山で味わって欲しいですね。

2011年10月31日 (月)

異郷の灯火

新潟放送 報道制作局 ラジオ制作担当 高坂 元己

原発事故で福島県南相馬市を追いやられた酪農家 黒木正三さんは、福島県内の友人宅に1ヶ月滞在した後の4月半ば、飼い犬のモモを連れて新潟市の避難所にやって来ました。

ふるさとに戻れる見通しが全くたたない中、異郷の地で働く黒木さんは、どんな気持ちで毎日を送っているのだろうか?それを知りたくて取材を始めました。

そこで…見えてきたものは、冗談を交えながら黒木さんを励ます職場の仲間やスポーツ仲間の存在。そして黒木さんの酪農への想いでした。

番組の性格からは少し離れるかも知れませんが、黙々と前向きに生きるひとりの人間を描きたかった。それが制作意図です。

2011年10月24日 (月)

100年の歴史 ~動く電車博物館

西日本放送 営業局ラジオセンター 湯浅 直子

今年開業100周年を迎えた琴平電気鉄道。通称ことでん。

この”ことでん”は昔から関東、関西、九州など全国各地から電車を譲り受けているという事で、鉄道ファンの間で注目されている四国・香川の私鉄です。

通常車両の耐用年数は35年ほどだそうですが、香川にやってきた車両たちは丁寧に修理・点検され、新たな人生を送っています。

その中には大正生まれの80歳を超える車両もあるんです。
”ことでん”でたくさんの車両と向き合ってきた鉄道マン山下良吉さんや、”ことでん”を見に来た鉄道ファンの方の声には愛が感じられます。

電車の音と皆さんのお話振りで、穏やかな讃岐の様子を感じながら、少し旅した気分を味わっていただければ幸いです。

2011年10月17日 (月)

お値段なんと1本100万円 伝統の南部箒に込められた想い

IBC岩手放送 ラジオ放送部 宮崎 格

岩手県九戸村、県北に位置するこの村では、農閑期に日用品をつくり生活していました。

この日用品の中から南部箒をつくる職人が生まれました。ホウキに使われるほうき草からほうき作りまですべて自分達で行う南部箒は、高いものだと1本100万円になるという。

ホコリやゴミが驚くほどよくとれるという南部箒、その秘密はこの地域でしかとれないほうき草にあった。

日本全国のデパートで催事を行っているので見かけた人は是非手にとってその性能をお試し下さい。

2011年10月10日 (月)

幸せな春を願って…会津の縁起物「初音笛」

ラジオ福島 編成局放送部  山地 美紗子

会津の民芸品「初音笛(はつねぶえ)。」

竹と糸だけの素朴で小さな笛が出す、鶯そっくりの音色に驚きました。どうしたらきれいな音が出るのだろう。そのようなことから取材は始まりました。

鶯の音色に、春を待ちわびる人々の思いがつまっています。
この笛を元旦に吹き鳴らすことで、福を招くとされ、以前は笛を吹いて売り歩く方がいたといいます。

ところが近年は、初音笛を見かけることがほとんどなくなってしまいました。現在の作り手はただ一人。

82歳の山田さんの工房で作る姿、思いを取材しました。

2011年9月12日 (月)

僕たちのメロディ~たけだの響(ひびき)

福井放送 ラジオセンター 吉川 圭一

福井県の北東部、石川県との県境にある坂井市丸岡町竹田地区。
市街地より10キロほど離れた自然に囲まれた集落です。

かつては賑わいをみせた集落も過疎化が進み2010年この地区の中心的存在だった竹田小学校が休校となりました。

休校式で子ども達が歌ったのは「僕たちの景色」
子ども達から寄せられたメッセージカードを基に地元出身のシンガーソングライター ヒナタカコさんが作ったオリジナルソングです。

歌詞にはしだれ桜・竹田川といった地域を象徴する景色のほか、地域をあげて取り組むテニスや校庭の風景など学校の日常が織り込まれています。

涙の休校式が終わり子どもたちは近隣の大きな学校に旅立ちました。それでも「僕たちの景色」のメロディーは竹田地区に流れ続けています。この春、24本パイプが「僕たちの景色」を奏でるメロディーチャイム・たけだの響(ひびき)が完成しました。チャイムにはふるさとを大事にして欲しいという地域の皆さんの想いがこもっています。

山里に響くメロディーはいつまでもふるさとを見守りつづけます。

2011年9月 5日 (月)

あの井戸のまわりで

東北放送 ラジオ局制作部  伊香 由美子

仙台市中心部から車で20分ほどの若林区下飯田。
集落に一つだけの商店「フードショップ茶屋」の手押しポンプ式井戸の周りはまさに井戸端会議。入れ替わり立ち替わり人が訪れます。
近所の人、子ども、そして震災の復旧にあたる作業員の姿も。
井戸の周りで、今もあの日のことが語られます。

下飯田は海岸から4キロ。3月11日には津波が到達し、人々の日常を奪いました。水も電気もない、食料も調達できない一ヶ月も続く混乱の中、小さな商店には市場でやっと仕入れた食料品が並び、井戸からは水が湧き続けました。

落ち着きを取り戻した今、井戸のそばで涼しげな水音を聞いていると、
「お茶飲んで行って」「私が作ったクッキーがあるよ」とみんなが声をかけてくれます。

こんなほっとするような、懐かしいような場所に出会えることが、今は心から嬉しく、感謝の思いです。

2011年8月29日 (月)

能登に響くジャズ~被災地から音の恩返し

北陸放送 ラジオ局放送部  川瀬 裕子

石川県の能登にある七尾市では、毎年夏のジャズイベント、
「モントレージャズフェスティバル イン 能登」が開催され、全国からジャズファンが訪れます。

このイベントは世界3大ジャズフェスティバル開催地であるアメリカ、モントレー市と七尾市の交流から始まったもので23回目です。
単にステージを楽しむだけではなく、「ジャズの普及と教育」をテーマに中学生や高校生がプロミュージシャンから指導を受ける機会も設けています。

今年は東日本大震災の被害にあった東北から3校が招待されました。中でも閖上中学校吹奏楽部は、近江町市場青年部から贈られた金管楽器で元気な演奏を聞かせてくれました。

2011年8月22日 (月)

歌声よ響け! SLおばさん

静岡放送 ラジオ局制作部  山中 貴弘

静岡県島田市の金谷駅と、南アルプスの玄関口でもある川根本町(ほんちょう)の千頭(せんず)駅とを結ぶ大井川鐵道の鉄道路線があります。
SLの旅を、さらに想い出深いモノにしてくれるのが「もてなし車掌」こと通称「SLおばさん」。「SLおばさん」の仕事は客をもてなすこと!
マイクを片手に、歌やハーモニカでお客さんを盛り上げています。

「SLおばさん」を務めるのは、「大原ひで子」さん(67歳)。若い頃、バスガイドになる事が夢だった大原さんは「乗客の笑顔が見たい」と、
「もてなし車掌」の道を選びました。

人気のSLは一便の乗客数だけでおよそ500人!
それでも持ち前の明るさとハーモニカでお客さんの心を掴んでいます。

(48歳の時に始めたこの仕事も19年のベテラン。今では大井川鐵道の名物になっています。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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