2010年12月 9日 (木)

これぞ開拓者魂! 口蹄疫からの復興 川南軽トラ市

宮崎放送 ラジオ営業制作部 小倉 哲

約29万頭もの牛や豚が犠牲になりました。
その激震地が、日本3大開拓地に数えられる町、開拓者の宮崎県川南町です。

口蹄疫が収束した今、町民一丸となって復興に取り組んでいます。川南町の中心市街地・トロントロン商店街で開かれる軽トラ市。
月に一度、特産品や農産物を載せた軽トラックがズラリと並びます。その数130台。県内屈指の朝市です。

自家製の落花生や手作りのあくまきを売る杉尾芳彦(すぎおよしひこ)さんは特別な想いでこの軽トラ市に参加しています。
杉尾さんもまた口蹄疫で家畜を失った畜産農家の一人。
11月、祈るような思いで仔牛6頭を購入した杉尾さん。杉尾さんの軽トラ市に対する胸のうちに秘めた想いとは?


【制作裏話】 

宮崎県を襲った口蹄疫禍。「がんばろう宮崎」のかけ声のもと、復興にむけた取り組みが行われています。そのなかで「『復興』といっても簡単なことではない」という杉尾さんの言葉に、ハッとさせられました。

2010年12月 2日 (木)

記憶のかけら

青森放送 ラジオ局ラジオ編成制作部 夏目 浩光

青森県五所川原市のグループホーム祥光苑で暮らす認知症の人々に「忘れられないこと」をききました。
農業・美容師・教師を経験してきた認知症患者さんたちの忘れられないこととは?

日本国内の認知症の人は訳208万人。30年後には65歳以上の
10人に1人に増加すると見込まれています。
認知症はひとごとではありません。認知症の人とはどんな人なのか?
認知症の方々の声に耳を傾けて欲しいと感じています。

取材した皆さんの話す言葉が津軽弁のためラジオの全国放送で通じるのか? 編集作業をしながら、自分も聴きなれてしまっている津軽弁を冷静に判断するのに苦労しました。

2010年11月25日 (木)

燃えるオハラ~熱血先生~

南日本放送 ラジオ制作部 七枝 大典

毎年11月2、3日に行われる「おはら祭り」。
南九州最大のお祭りで、鹿児島の秋の風物詩です。

このお祭に欠かせないのが郷土舞踊家の永田明子さん。
厳しい指導で有名ですが、なぜか多くの人の心をとらえて放しません。
しかも教室に通う生徒さんは年々増えているんだとか…。


「厳しく指導してホメて育てる」を信条としている永田明子さん。
小柄ですが、太鼓とバチを持つと迫力満点!!
生半可な気持ちで練習に参加すると…。

厳しさの中にも優しさやユーモアを感じる永田先生の魅力をご紹介します。

2010年11月18日 (木)

山間(やまあい)の暮らしを潤す水の流れ

山陰放送 ラジオ総局 放送制作部 桑本 充悦

鳥取県東部にある山間の町、若桜町(わかさちょう)に今も残る水路を訪ねました。                                     
若桜宿は、かつて因幡と播磨とを結ぶ宿場町として栄えました。
昔の道幅を残す通りの両脇には水路が流れています。
八東川(はっとうがわ)から取り込んだその流れは、夏に涼を運び、
雪深い冬には雪かきの雪を流してくれる大切な存在。
そして通りに面した家々は水路からうちへと水を引き込み、生活に欠かせないものとして使ってきました。

でも、水道も整備され、そうした家もめっきり減ってきています。
そうした中、君野えつさんのお宅では今でもうちに水を引き込んで使っています。
81歳の君野さんはこの地に嫁いで60年。水路とどう関わってきたのか、君野さんのお話を交えながらお伝えします。    

水は本当にいろんな表情を見せるんですね。
そして、番組の中では使いませんでしたが、君野さんは水路のこと以外にも実にさまざまなお話をしてくださいました。あらためて人の声を残すことの大切さを感じます。取材を終えて帰るとき、姿が見えなくなるまで見送ってくれた君野さんの姿が忘れられません。

2010年11月11日 (木)

夜空のイマジン

茨城放送 編成局 大内 庸次

日本各地で多くの花火日大会が開かれていますが、その中で
花火競技大会として開催され、最優秀賞に内閣総理大臣賞が授与されるのは、8月末に秋田県大仙市で行われる大曲の花火大会と、10月初めに茨城県土浦市で行われる土浦全国花火競技大会の2つだけです。

今年の大曲で内閣総理大臣賞に輝いたのは、茨城県つくば市にある山崎煙火製造所。再び頂点を目指して土浦の花火大会に臨みました。社長の山崎芳男さんと、中心になって花火を製作した花火師・杉山さんのイマジンが夜空に描かれます。

花火の音で夜空に開く花を思い描いてみて下さい。

2010年11月 4日 (木)

古くて新しい最上川舟唄

山形放送 ラジオ局ラジオ制作部 植松 香織

山形県民の約80%が最上川流域に暮らしており、最上川は
「母なる川」として県民にとって非常に身近な存在です。

かつては源義経や松尾芭蕉も訪れていて、その最上川を観光船で
下る「最上川舟下り」は山形で人気の観光のひとつです。
県内外、海外からもたくさんの人が訪れます。そのクライマックスで船頭さんが歌うのが「最上川舟唄」。世界三大舟唄とも称され、県民のほとんどが知っている民謡です。

その舟唄、歌い継がれてきた「正調」に加えて、現在は外国語詞でも歌われるようになりました。英語、中国語(北京語)、韓国語の3バージョンを20代~70代の船頭全員がマスターしています。

民謡を外国語にすることに抵抗や苦労はなかったのでしょうか?
新しいものも柔軟に受けいれる船頭さんの人柄に触れてきました。

2010年10月25日 (月)

古里の唄に生涯を捧げた加藤正人

大分放送 ラジオ制作部 安藤 隆之

大分県は古里の唄の宝庫といわれています。
加藤さんはその古里の唄、つまり民謡を誰にでも唄え、もっと身近なものにという思いから採譜を始め、結果2000曲を越す民謡を採譜・発掘してきました。加藤さんの手にかからない県民謡は一曲もないと言われています。

実際加藤さんが採譜し、今も加藤さんの思いを伝承している人物がいるのか?その疑問がそもそもこの取材の原点でした。しかし取材を始めてみて、加藤さんに採譜してもらったという人物がなかなか見つからず大変でした。

またBGMで流している民謡は実際に今年の祭りで唄われていた物を収録しに行きました。

2010年10月18日 (月)

薪と暮らす

高知放送 ラジオ編成制作部 越智 義久

高知県いの町吾北地区に住む三浦博史さん(43)は、薪風呂や薪ストーブを使った暮らしを送っています。

高知県は森林率84%という日本一の山国。
こうした山の資源を生かして、高知が他をリードできるエコへの取り組みとして、薪を再評価し、利用できる仕組みの発信を目指しています。

今回の録音風物誌では、かつて日常生活の中に普通にあった薪に関わる音を取り上げました。
薪割り、木が燃える様子など、かつて聞いた記憶にある音です。

三浦さんは木が燃える音なんてそんなにないよ…とおっしゃっていましたが、薪に火が付くと、じっと耳を澄ませて
「あ~こんな音がいつもしてますね…と改めて聞き入っていました。
薪に関する音は、どれも穏やかで耳に心地よいものだった気がします。

2010年10月11日 (月)

日本一HOTな商店街! 京都激辛商店街

京都放送 ラジオ制作部 永田 和美

シャッターを降ろす店が増えていた向日市の商店街。
なんとかしなくてはと立ち上がった磯野さんは店主の皆さんと一緒に
“激辛商店街”を作ることを決意しました。

激辛と聞いてはじめは戸惑っていた商店街の皆さんも今では、激辛目当てに来るお客さんの反応を楽しんだり、再び青春時代を謳歌したりしています。その広がりは商店街だけにとどまらず、原料の生産にまで波及し、地元農家と農商連携で盛り上げていくことにもなりました。

大型スーパーに押されつつある商店街ですが、もともとはその道のプロが集まった場所です。そこに「激辛」というエッセンスが加わり、今一度そのプロの技を奮う機会になり、再注目されるきっかけを作り出しました。

「激辛」という共通点を持つことで、一つにまとまることが出来た京都向日市激辛商店街。
これからも終わることのない挑戦が続きます。

2010年9月 6日 (月)

日本一暑いまちに響く涼の音色

東海ラジオ放送 制作局報道部アナウンス課 福本 晋悟 山口 由里

岐阜県多治見市は陶磁器の美濃焼の産地として有名で、
近年は2007年に最高気温40.9℃を記録したことから「日本一暑いまち」として報道されています。

今年7月、電車で多治見に向かい、JR多治見駅のホームに降りた時に出会ったのが、今回取材した美濃焼風鈴です。
今回担当したのは、美濃焼の食器づくりをされている磯村将也さん。
実は風鈴づくりは初めて。きれいな音色を出すための試行錯誤や、風鈴に込められた多治見への思いが聴きどころです。

『日本一暑い多治見のまちに響く涼の音色』を、みなさんのまちにもお届けしたいと思い、番組を制作しました。
まだまだ残暑が続く多治見では、今日も風鈴の音色が聴こえます。

この美濃焼風鈴は多治見駅観光案内所などで販売されています。多治見市のマスコット「うながっぱ」も人気です。

ぜひ一度、日本一暑いまち多治見に足を運んでみてください。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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