新宿の“どん底”で轟く声
2024年4月8日~2024年4月14日放送
文化放送 制作部 目黒ほのか
【番組概要】
東京都新宿区・新宿三丁目。
末廣亭という寄席と数々の飲食店が並び立つ、文化が根を張る街です。そんな新宿三丁目の中でも、赤レンガにツタが生い茂る洞窟のような建物がひときわ目を惹く、老舗酒場「どん底」。黒澤明や三島由紀夫も通ったという、70年以上も続くこの酒場で、脈々と受け継がれてきた”声”に迫りました。お酒をつくる氷の音を背景に轟くのは、お客さんも店員さんも、思いおもいに歌う声。現在お店を切り盛りする宮下さんにもインタビューを行い、お店の歴史や、歌う声への想いなども語っていただきました。
【制作意図】
大学進学を機に上京した私にとって、新宿は不思議な街です。大都会でありながら、寂しさや苦しさを受け止めてくれる土壌が確かにあると感じるからです。新宿三丁目を通るとときどき聞こえてくる「どん底」の歌声は、そんな新宿の豊かさを表すシンボルでもあるように感じ、今回のテーマでの制作を決めました。都市の生活はせわしなく回っているけれど、人の心が集う場所は変わらず存在している。「どん底」という酒場が持つそんな魅力を、力強い“声”から少しでも伝えられるようにと制作いたしました。
【制作後記】
お客さんも店員さんも、取材に伺った私を一人の仲間として迎えてくださったように感じ、「どん底」という酒場がいかに生き生きとした集いの場であるかを実感しました。
今回初めて企画から編集までを一人で制作しましたが、各制作段階で「次はこうすればもっと伝わりそうだな」という反省と気づきがたくさんあり、今後のために不可欠な経験となりました。