靴職人は世界旅行に想いを馳せる
2024年9月30日~10月6日
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 大石怜香
録音風物誌番組コンクール 優秀賞受賞 再放送
【番組概要】
宮崎県宮崎市にある靴修理のお店「飯干製靴店(いいほしせいくつてん)」。このお店を営むのが靴職人の飯干畩二さんと奥さんの久美子さんです。畩二さんは、小学校1年の時に小児麻痺にかかり、左足に麻痺が残りました。足が不自由だから座ってできることを、と思い靴職人の道に進みました。しかし、10年前に脊柱管狭窄症を患ってしまいます。それでもなお、畩二さんは奥さんや相棒の足踏みミシンとともに靴修理を続けます。そんな畩二さんが靴に託す想いとは・・・
【制作意図】
飯干畩二さんは、82歳です。まずはじめに、この歳まで靴修理のお店を続ける理由が率直に気になりました。さらにお店には、130年物の足踏みミシンや靴に使う革をすく革すき機など、今ではあまり見られない機械が並んでいます。この足踏みミシンや畩二さんが打つ力強い金槌の「音」を録音風物誌で皆さんに聴いてもらいたいと思い制作しました。
【制作後記】
靴職人と言っても、分業制で大きく2つの職人に分けられるそうです。一つが靴をデザインし、靴の甲の部分を作る甲革師、もうひとつが靴底をつくる底付師です。畩二さんはそのどちらも修行をして一人で靴を作る職人になりました。靴を作るすべての工程が分かっているからこそ、その人に合った、靴に合った修理ができるのだなと今回の取材で感じました。また、畩二さんは「今は、修理の靴を手がけることでいっぱいいっぱいだが、いつかオーダーメイドの靴をまた作りたい」とも話していました。そ
して「第一号を作るなら、奥さんの靴を」と決めているのだそうです。この話を聞いて、ほっこりしました。とても心温まる靴修理のお店でした。
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