2017年7月11日 (火)

いつまでも回り続けろ!神大独楽

2017年7月17日~2017年7月23日放送 
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 柳田紗緒里

【番組概要】
宮崎県宮崎市佐土原町。歴史と文化が多く残る町です。
ここに江戸時代から伝わるのが「神楽独楽」。「ホー」という独特の音を響かせて回ります。この独楽を5歳の頃からずっと作り続けているのが佐土原に住む兵頭正一さん(80)。佐土原にたった一人の神代独楽作り手です。時代の変化とともに神代独楽で遊ぶ子どもは減り、現在作り手もおりません。ですが、兵頭さんは神代独楽を作り続け、神代独楽で遊ぶ楽しみを保存会と一緒になって子ども達に伝えています。これからの未来も子ども達の手によって神代独楽が回り続けて欲しいという願いを込めながら・・・。

【制作意図】
「神代独楽」は佐土原の子ども達にとって身近な遊びでした。それが時代の変化と共に神代独楽で遊ぶ子ども、そして作り手が減って今では兵頭正一さんがただ一人神代独楽を作り続けています。兵頭さんはじめ保存会のメンバーは子ども達に神代独楽を広め、残していく為の活動を精力的に続けています。当たり前だった事が時を経ると当たり前でなくなる。でも昔から伝わる物というのは次の世代、そしてまたその次の世代にも受け継いで語り継ぐ事で新たな知識や発見になる事を伝えたいと思いました。

【制作後記】
神代独楽は音が出るのも特徴ですが、その形もまた独特です。その1個を手作業で作る・・・作ってみないと分からないという事で神代独楽作りを体験してみました。完成形しか見る事がなく、何でも簡単に作れてしまうこの時代ですが、「手作り」の良さ、作り手の苦労、そして何よりも「温かみ」を改めて感じました。そう思わせてくれたのは作り手である兵頭さんの人柄が一番大きかったと思います。

故郷(ふるさと)を描く 太鼓の音色

2017年7月10日~2017年7月16日放送 
ラジオ福島 編成局放送制作センター 森本庸平

【番組概要】
東京電力福島第一原子力発電所の事故による避難指示が、今年3月に解除された福島県川俣町山木屋地区。この地区には、15年あまり前から活動する創作和太鼓「山木屋太鼓」があります。自然豊かな故郷の風景を描いた曲を、和太鼓の演奏で表現してきました。メンバーの中に、この春、解除に合わせていち早く山木屋に戻った姉妹がいます。6年ぶりに故郷で暮らしながら、思いを新たに太鼓と向き合う2人の姿をお伝えします。

【制作意図】
東日本大震災と原発事故から6年4か月。今年春の避難指示解除で、当初の3割まで避難区域は縮小しました。しかし、住民の帰還はなかなか進んでおらず、川俣町山木屋地区もその一つです。そんな中、「山木屋太鼓」は、小学生から社会人まで若いメンバーが中心となって、ふるさとへの思いを、太鼓を通して、国内外で発信してきました。この春の解除を経て、再スタートを切った山木屋で練習に取り組むメンバーの姿を通して、今の福島の姿を全国に伝えられたらと思いました。

【制作後記】
和太鼓の演奏を間近で見るのは初めてでしたが、まずその迫力に圧倒されました。山木屋での練習はまだ限られていますが、仕事や学校終わりに集まったメンバーの表情は、リラックスして清々しい位に気持ちよさそうで、演奏の一体感も特別でした。移動距離も長く大変な人もいますが、故郷での時間を大切に過ごしているようでした。山木屋に帰った人、帰ろうとしている人、帰らない人。事情は違っても、故郷を思う気持ちは変わらない。それぞれの思いがにじみ出た、山木屋太鼓の魅力に一気に引き込まれました。

2017年7月 5日 (水)

まっすぐ前を向いて営業します。8度の傾斜を持つラーメン店

2017年7月3日~2017年7月9日放送 
和歌山放送 報道制作局 柘植義信

【番組概要】

和歌山市の郊外、紀の川の堤防沿いにある木造の小さなラーメン店。店の名前はまる豊。店を切り盛りするのは70代後半の老夫婦。味もさることながら店の人気は店舗が8度傾いていること。地盤沈下と老朽化で店舗が傾いて久しい。顧客は専用の板や棒でラーメン鉢を支えてラーメンを食べる。ラーメンブームもあって知る人も知る人気の店に。しかし、店が立ち退くことになり、今月初めから市内の別な場所で心機一転、店を移転した。看板ものれんも元の店のまま。顧客も新しい店を訪れ、早速老夫婦のラーメンを味わう。店は傾いていないが、専用の道具は健在。店には前の店同様笑い声が絶えない。番組を通して町作りと店舗の持つ意味を考えてみたい。

【制作意図】
少子高齢化や後継者不足、過疎と地域経済の衰退で、個人商店が置かれている状況はとても厳しい。町から個人の店が段々減っている。こうした中、30年以上にわたり、堤防沿いの物置小屋を改造したラーメン店が人気を博していた。店の人気は店が8度傾斜していること。いつの間にか地盤沈下と老朽化で店が傾いてしまった。店を切り盛りするのは70代後半の老夫婦。いつも店からは元気な声と笑い声が絶えない。この店も立ち退きを余儀なくされ、今月初め、市内の別な場所に移転した。心機一転、新しい店でがんばる老夫婦。2人の心意気を通して活気を失う地方都市に勇気と元気を与えたい。

【制作後記】
店主は、「客の喜ぶ顔が見たい」と会社勤めをやめラーメン店を開いた。何をやっても長続きしないといわれた木造の店舗。店が地盤沈下と老朽化などで傾斜したことが新しいビジネスチャンスに客が考案したラーメン蜂が滑らない棒や平らになる板。客が店主の背中を押し、店を盛り上げていく。老夫婦も持ち前の明るさで、客に元気を与える。チェーン店の飲食店が増え、後継者難もあって素朴な個人の店が段々減っていることに改めて気づく。形骸的なチェーン店の店員の会話にはない老夫婦の会話に、人と人のつながりを感じる。人の心に働きかける仕事とはどんなものかを改めて考えてみたい。

2017年7月 4日 (火)

たこプロレス

2017年6月26日~2017年7月2日放送 
新潟放送 報道制作課 佐藤智也 

【番組概要】
新潟県新潟市北区白根地区(旧白根町)で江戸時代から続く白根大凧合戦。毎年6月初旬に5日間に渡り行われる夏の風物詩です。越後平野を流れる「信濃川」の支流「中ノ口川」の両岸から畳24畳分の大凧を揚げ、空中で絡ませ川に落とし、相手の凧綱が切れるまで引き合う勇壮なお祭りです。白根に住む人はこのお祭りの準備に1年をかけます。縄、凧、凧に書く絵は全て手作業です。その1年間の想いをお祭りの5日間にぶつけます。お互いの組のプライドを賭けたこの戦いで組の団結を強くします。凧を揚げるため、勇壮な若者が堤防を賭け、綱を引く。その迫力と思いを音と実況で届けます。

【制作意図】
準備に一年かかるという白根大凧祭り。一年間の想いが、堤防を駆けるその一瞬に凝縮されます。その激しさ、迫力、想いを言葉でなく音で伝えたいと考えました。ただ、白根大凧合戦のルールは複雑で、現地で見ていてもわかりづらい部分もあります。この説明をナレーションで行うのではなく、敢えて現地の興奮をそのままに実況することで、臨場感も伝えられたらと考えました。白根大凧合戦協会会長 種村幸夫さんと中之口川河川敷で凧を見上げているような、そんな雰囲気を感じて頂けたら幸いです。

【制作後記】
取材したのは5日間行われる白根凧合戦の初日でした。この激しさでこの後も凧を揚げ続けるのかという驚きがありました。銭湯のお祭りが地域にもたらすものとは何か、その答えが河川敷にあったように思います。この意地と意地がぶつかりあう合戦で、地域は結束を深め、地域のアイデンティティを育んでいます。私が生まれた地域にはこのようなお祭りはありませんでしたので、少し羨ましい気持ちになりました。是非、来年観に来て頂き、白根大凧合戦の:迫力、青春の匂いを感じて頂けたらと思います。

2017年6月23日 (金)

ねぇ!一緒に行こうよ!飯野山

2017年6月19日~2017年6月25日放送 
西日本放送 営業局 ラジオセンター 出石 亜弥


【番組概要】
香川県丸亀市と坂出市にまたがる「飯野山」その形の美しさから讃岐富士とも称され昔から地元の人々に愛されてきました。標高422m、周囲6km。平成17年には「新日本百名山」にも選定され、登山途中には讃岐平野や瀬戸内海が一望できるます。眺めてよし登ってよしの、香川県が誇る愛しき山。その魅力をお伝えします。

【制作意図】
わが香川県には、自信をもって紹介できる伝統工芸や食べ物、風物がたくさんあります。きっと日本全国でその土地にしかないものがあるはずです。そんな中どこにでもある「里山」で香川県にしかない魅力を伝えたい、飯野山と一緒に生活を共にしている地元の人たちの、本当になんでもない日常の一コマを切り取れたら、と思い制作しました。

【制作後記】
「山」という喋らない、動かないものをテーマにするのは初めてで、自分で決めたにもかかわらず戸惑い、とりあえず飯野山に登りました。私(30歳女)の足で山頂までおよそ2時間。たくさんの登山者と出会い、鳥の声を聴き、緑を感じ、ネコとじゃれあい、澄んだ空気を吸って、山頂では毎日登っているという人とお話をしました。ただただ気持ちがよく、1人でもとても楽しく、それから何度も登りに行きました。すっかり飯野山に魅了されてしまったんです。変わらない安心さ、家庭的な雰囲気の「飯野山」は地元の人にとってもう当たり前の存在でなくてはならない母親のような存在なのかもしれません。

2017年6月16日 (金)

水戸公衆放送~移りゆく水戸の街と共に~

2017年6月12日~2017年6月18日放送 
茨城放送 編成局編成制作部 鴨川貴史


【番組概要】
昔は、多くの買い物客などで賑わった水戸の中心市街地も、現在は郊外型のショッピングモールに押されて休日もあまり人が歩いていません。シャッターを閉めているお店も何軒かあります。そんな水戸の街に昭和23年から流れる街頭放送「水戸公衆放送」は、水戸の街を歩く人にとって、とても身近な存在であると同時に水戸の移り変わりを近くで見てきた存在でもあります。時代の流れを受けながらも昔から続く街頭放送を聞いて、皆さんは何を感じますか。

【制作意図】
昭和23年から続く水戸の街頭放送「水戸公衆放送」は、水戸駅北口から続く中心市街地を歩いたことがある人間にとっては、とても身近なものです。水戸に遊びに行くことが一大イベントだった昭和の時代、この放送を聞いて水戸に来たことを実感した人も多くいたのではないでしょうか。そういう存在だった水戸公衆放送の音声を伝え残すと共に、実際に放送している人の想いを紹介したいと考え、企画しました。

【制作後記】
現在、一人で放送を続ける小松崎節子さんは、エネルギッシュでとても魅力的な方でした。そんな小松崎さんがいるからこそ、今も水戸公衆放送は続いているのだと実感しました。また、そういう小松崎さんに少しでも長く水戸公衆放送を続けてもらいたいと感じました。

春風を帆に受けて~長崎帆船まつり

2017年6月5日~2017年6月11日放送 
長崎放送 ラジオ局ラジオ制作部 久保田麻智子


【番組概要】
2000年(平成12年)日蘭交流400年を記念して始まった「長崎帆船まつり」。18回目を迎えた今年も4月20日(木)から25日(月)までの5日間にわたって開催されました。今回のまつりに参加した帆船は、日本最大の練習船「日本丸」をはじめ5隻。

長崎港では世代を超えて多くの帆船ファンが出迎えました。「帆船まつり」の期間中、その優雅な姿を見るだけでなく帆船内部を見学したり、乗組員と触れ合ったりすることができ、そのことを楽しみに港を訪れる方も少なくはありません。今回、取材をお願いした「みらいへ」は神戸を母港とする帆船ですが、乗組員の皆さんが様々な体験企画を用意し、帆船と海の魅力に触れてもらうために工夫をしていました。明るく元気な乗組員と始めての体験に帆船の魅力を満喫した見学者のみなさんには笑顔が溢れています。天候にも恵まれ多くのお客さんが訪れた「長崎帆船まつり」。5日間はあっという間に過ぎ、出港の日を迎えました。人々に見送られ離岸する5隻の帆船。その汽笛は次の再会を約束しているようでした。

【制作意図】
優美な姿で、見る者を魅了する「帆船」。大海原を往く帆船は雄大な海と、自然に挑む冒険心を具現していると言っても過言ではありません。

番組では帆船が大好きで、その到着を待ち焦がれる人々、出会いを喜ぶ人々、そんな人々の思いに応えるために様々な工夫と努力を重ねる乗組員の「心」にスポットを当て、「帆船まつり」の5日間を描きました。

【制作後記】
帆船に惹かれて集まったみなさんが、一つの船で楽しいひと時を過ごしていく。そのお客さんを楽しませるために働くスタッフのみなさんですが、彼ら自身が船を楽しんでいる。「みらいへ」は、そういう船でした。取材に協力してくださった「みらいへ」の乗組員の大谷さんが「取材しているあなたが楽しんでくれたなら、何よりです。」と言った笑顔を見た瞬間に、私自身も「みらいへ」のファンになってしまいました。

2017年5月30日 (火)

すべての願いがかなう杜(もり) ~守り続ける王の舞(おのまい)~

2017年5月29日~2017年6月4日放送 
福井放送 ラジオセンター制作担当 松村和也


【番組概要】
福井県美浜町の彌美(みみ)神社。地元の皆さんに「すべての願いがかなう杜」として愛される場所です。その彌美神社で毎年5月1日に開かれるのが例大祭です。この例大祭では18の氏子集落が色々な形で奉納する儀式があります。そのうちの一つ、麻生(あそ)地区が奉納するのが「王の舞(おのまい)」です。王の舞は平安末期に宮廷で誕生したといわれる舞で、今も美浜町のある福井県若狭地方に数多く残る伝統芸能です。いつからこの彌美神社の例大祭で奉納されているか不明ですが、麻生の皆さんにとって「王の舞」を舞うことは一人前の男になった証しで、誇りに思いその体験談を代々語り受け継がれてきました。元々は麻生地区の独身男性が舞うとされてきた麻生の王の舞も近年の人口減少、少子化で舞い手不足は深刻です。 一度舞った男性でも2度舞が当たり前になっています。麻生の皆さんの願いはこの「王の舞(おのまい)」を後世に残す、そして、子供たちに地元の祭りを誇りに思ってほしいという、秘めた熱い想いをお送りします。

【制作意図】
福井県や美浜町の無形民俗文化財に指定されている麻生の王の舞が近年の人口減少や少子化で舞い手不足と聞き取材を始めました。そこで聞けたのは「やめるわけにはいかない」という、秘めた熱い想いでした。都会に比べればまだましだと思いますが、地域の関係は希薄になりつつあります。しかし、地域の皆さんが集まるこの彌美神社の例大祭は男性は一度は舞った誇りである「王の舞」を見に行き、女性は子供たちに見せないといけないという、地域独特の使命みたいなもの感じました。そんな地域の皆さんの秘めた熱い想いを感じていただけたら幸いです。

【制作後記】
彌美神社は普段は本当に静かでのどかな場所です。しかし、その静かな場所というのは、近年の人口減少や少子化を表すと言えるかもしれない。そんな思いで5月1日の例大祭を取材するとあの静かだった場所が人でにぎわう場所に。地元の方に聞くと、彌美神社は大切な場所なんです。困ったときの神頼みではないですが、神社仏閣は心のよりどころで、彌美神社は「すべての願いがかなう杜」といわれる場所なんだと感じました。そして、その場所に奉納する「王の舞(おのまい)」は地元の誇りで「残すべき」というより、「やめるわけにはいかん」という一つ上の秘めた熱い想いを感じられました。

横笛づくり~竹にきざむ音色~

2017年5月22日~2017年5月28日放送 
四国放送 ラジオ局ラジオ編成制作部 大谷初美


【番組概要】
阿波踊りといえばやはり”踊り”が印象的ですが、鳴り物に惹かれて始める人も多いのです。神下さんもその一人、25才から踊り連で笛を吹き始め、やがて45才からは笛の製作を始めました。現在、徳島県内で”みさと笛”を製作・販売しているのは神下さんのみで、その笛は有名連から企業連・学生連まで多くの人に愛用されています。楽器の製作といっても、自然素材である竹をそのまま使用するため、竹を切り出すところから見極める”技”が必要です。洗浄し、45cmに切りそろえ、そこから2年以上自然乾燥。そして指孔を独自の技術で開け、正確な音階が出せる笛に仕上げるまで大変な手間と時間がかかります。完成した”みさと笛”はなんとも優しい音色に仕上がっていました。

【制作意図】
阿波踊りの笛は『みさと笛』、みさと笛って?というところから取材が始まりました。篠笛はお祭りのお囃子などに使われてきましたが、阿波踊りの場合は笛の合奏、さらには三味線の伴奏と合わせるため調律が必要なのです。神下さんの工房を訪ねてみると、決して広くはない部屋に、”笛になるのを待っている竹”が山積みで、神下さんはそれを一本一本手に取り、丁寧に孔をあけ、調律し、塗りを重ねて仕上げていました。世界的にも有名になった阿波踊り、この工房がそのお囃子を支えているのだと感動しました。今の季節、夕方になるとあちこちから阿波踊りの練習の音が聞こえてくるようになり、はずむような笛の音色は人の心をウキウキさせてくれるものです。そんな音をきざむ風景を紹介したいと思いました。

【制作後記】
今回取材した神下さん、経歴をうかがってみると、もともとはジャズマンでサキソフォンを吹いていたそうです。徳島にUターンし、何か別の楽器を。。。と考えた時出会ったのが『篠笛』でした。笛づくりにはそんな音楽の経験が活かされているように思いました。中には依頼され特別な”装飾”をほどこす場合もあると聞き、取材の際に見せてもらいました。線状の細かい溝を幾重も彫り、そこに糸のような”藤”を巻き付けていく作業、出来上がりはまさに芸術品の域でした。70歳になった神下さん、その神技を伝承する後継者を現在探しているそうです。阿波踊りが踊り継がれているように、笛作りの技も伝承されていくことを願っています。

2017年5月22日 (月)

ウミネコ集う蕪の島

2017年5月15日~2017年5月21日放送 
青森放送 ラジオ局ラジオ制作部 齊藤暢


【番組概要】
青森県八戸(はちのへ)市から太平洋に突き出した蕪島にはウミネコが集まります。ウミネコとは、猫のような声で鳴く海鳥の一種です。魚のいる場所に集まるため、港町である八戸市では神の使いとしてシンボルになっています。ウミネコは蕪島に2月頃から飛来し始め、4月下旬から産卵、この番組が放送される頃にはヒナが孵ります。蕪島の頂上には蕪嶋神社がありましたが、平成27年に火災に遭い、社殿は全焼してしまいました。それでもウミネコが帰ってこなくなることはありませんでした。ウミネコがいる間は建て直しの工事は中断していて、ウミネコが飛び去ったお盆頃から再開します。蕪島でのウミネコの子育てには、人間の気遣いが欠かせません。人間とウミネコがお互い助け合って生きています。

【制作意図】
蕪島は東日本大震災の津波と平静27年の火災、2つの試練に直面しました。それでも、ウミネコと蕪嶋神社という八戸市のシンボルを絶やさないため、多くの人たちの支援を受けながら立ち向かっています。この2つのシンボルについて、既に知っている人には改めて見つめ直してもらい、知らない人にはどのような存在なのかを知ってもらいたいと思いました。

【制作後記】
4月中旬、蕪嶋神社のお祭りの時に取材に向かいました。地元の人たちにとって最初の春祭りということもあり、出店やブラスバンド演奏、神楽などで賑わっていました。海沿いなので一年中風が強い場所ですが、この日は特に強く、よろめく人や帽子が飛ばされてしまう人がいました。驚いたのが、ウミネコがとても人に慣れている事です。鳥に近づくと普通は飛び去ると思いますが、蕪島のウミネコはスッと横に数歩動いてかわします。まるで人混みをあるく人間のような動きで、とても愛くるしかったです。これも地元の人たちがウミネコへの気遣いを忘れないからだと思います。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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