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2019年1月

2019年1月28日 (月)

新元号へ、発車オーライ 『還暦ボンネットバス』~昭和の町を巡る

2019年2月4日~2019年2月10日放送 
大分放送 メディア局ラジオ放送制作部 那賀ひとみ

【番組概要】
大分県の北部に位置する豊後高田市。商店街は「昭和の町」と呼ばれ、昭和30年代の街並みが残されています。その街中を、多くの観光客を乗せてめぐるボンネットバス『昭和ロマン号』。人間でいうと還暦を迎えており、製造されて今年5月で62年になります。車掌を務めるのは名物バスガイド・西佐知子さん(47歳)。軽快なトークで車内を笑いの渦に巻き込みながら、昭和の街をめぐります。昭和の時代に生まれたボンネットバスは平成、そして新時代へ。新時代となっても、また戻りたくなる「昭和」がここにはあります。

【制作意図】
「昭和の町」で、老若男女の観光客を乗せるボンネットバス『昭和ロマン号』。バスガイドを務めるのは、結婚を機に豊後高田へやってきた西佐知子さん。大分県内のバス会社に勤めていた頃の経験を活かし、軽快なテンポで訪れる観光客に「昭和」を案内します。「昭和」へ誘う『昭和ロマン号』はこれからも走り続けるために、今年1月から大規模修理に入りました。また3月に戻ってくる予定ですが、これからも「昭和」を残し、伝えるために、奮闘する西佐知子さんを紹介したいと思い、制作しました。

【制作後記】
若い人には新鮮、年配の方には懐かしいと思えるものがあふれる「昭和の町」を、ボンネットバスで案内する西佐知子さん。車窓から見える建物を紹介しつつ、観光客をいじってはバスを笑いで揺らしていました。新時代となる前に、「昭和」から「平成」と移りゆく時代を、大分ではどんなもので
表現できるか考え、制作しました。昭和生まれにも、平成生まれにも“懐かしい”と想ってもらえれば嬉しいです。

未来へつなぐ、土佐の伝統・黒糖づくり

2019年1月28日~2019年2月3日放送 
高知放送 ラジオ局ラジオ制作部 佐藤孝祐

【番組概要】
高知県の東部にある安芸郡芸西村。この村で、江戸時代から脈々と受け継がれてきた大切な産業が黒糖づくり。地元で栽培されるサトウキビの収穫にあわせて、毎年11月下旬から年末にかけて行われています。ここで作られる黒糖には、「白」という名前が付けられているのが特徴。高齢化が進む小さな村で伝統を絶やさぬよう活動する、製糖組合の様子を取材しました。

【制作意図】
地元の伝統産業を受け継ぐ人材を育成することはとても重要です。しかし、少子高齢化が進む地方にとってそれは容易くなく、そもそも「知らない」という若い人が多いのも問題です。そういった若い人に、知ってもらい、興味を持ってもらいたく制作しました。

【制作後記】
早ければ夜中の3時から昼頃まで、ずっと作業し続けなければならない大変な仕事です。しかし、インタビューをした猪野さん含め皆さんが楽しそうに作業をしているのが印象的でした。何度か作業を手伝わせてもらいましたが、自然と「また一緒に作業がしたい」と思うようになりました。「楽しさを伝えること」。これが後継者を育てる1つのヒントの様な気がしました。

~平成とともに歩んだ30年~陸前高田市全国太鼓フェスティバル

2019年1月21日~2019年1月27日放送 
IBC岩手放送 ラジオ放送部 佐々木美穂

【番組概要】
大船渡東高校は、「大農太鼓」として旧大船渡農業高校時代に発足し、以来40年を超えて培われてきた伝統と志を受け継ぎ、現在は大船渡東高校、太鼓部として活動しています。現在、全国大会出場を目標に、日々の練習に励みながら地域での演奏活動を通して郷土芸能の保存と普及に努めています。今回は東高校が「30周年記念大会 全国太鼓フェスティバルin 陸前高田」に参加した様子を3年生千田南瑠部長を中心に放送します。

【制作意図】
今年で30回目を迎えた陸前高田市の全国太鼓フェスティバル。人手不足が深刻化する中で、積極的に参加する高校生の姿をラジオを通して聴いてる方へ届けたいと思い、制作しました。

【制作後記】
在1年生から3年生までの12人の部員で活動している太鼓部の皆さんですが、演奏中の輝いている笑顔と生き生きした表情が忘れられません。ラジオから大船渡東高校、太鼓部の皆さんの熱気を感じていただけたら幸いです。

2019年1月11日 (金)

400年伝わる冬の手仕事 越中福岡の菅笠

2019年1月14日~2019年1月20日放送 
北日本放送 報道制作局報道制作部 岩本里奈

【番組概要】
富山県西部に位置する高岡市福岡町。ここは、江戸時代から400年もの歳月を経ても未だ全国シェアの9割を占める【菅笠】の産地です。材料となるのは植物のスゲ草。農作業時の日除け・雨除けや、地元富山の城端むぎや祭や山形県の花笠まつりなどに使われている菅笠は、冬場の農閑期の副業として毎年11月~翌年3月に生産時期を迎えます。かつて100件あった菅笠を生業とするお店は今では3件のみ。昔も今も変わらず、企業が機械で作っているのではなく、地元のおじいちゃんやおばあちゃんが一つ一つ手作業で作っていました。雪国富山で“手”から“手”へと渡り作られる菅笠の製作風景をお届けします。

【制作意図】
富山県の代表的な伝統産業【菅笠作り】。恥ずかしながら私の住んでいる地域とは離れているため菅笠が一体どうやって作られているのかまでは知りませんでした。その町の人でなければなかなか知らないのが実態。取材をしていく中で、菅笠作りには、問屋・笠の骨組みを作る人・笠を縫う人のリレーが必要不可欠だという事、そしてそのリレーを担っているのはご高齢のおじいちゃんやおばあちゃんたちだという事を知りました。「小さい頃に親の手伝いで作っていたおかげで手が覚えている。今もこうして作れていることが幸せ。」と聞いて、富山、全国に残したい伝統産業の音、継ぐ人の声をリスナーの皆さんに届けたいと思い、初めて聴く人と同じ立場で取材しました。

【制作後記】
技術面でラジオに携わってきた私が自ら取材して番組を制作するのは初めて。笠を縫う作業はとても地味で、取材先のみなさんにも「地味やよ~」と言われたり(笑)でも、意外と音になっているんです。また、皆さんは作っていることを幸せに感じていて、なんならボケ防止になっていると明るくお元気でした。高齢化による担い手不足問題もありますが、続けることが出来る限り続けたいというお話を伺い、寒い中での取材でしたが温かい気持ちになりました。

KOBEルミナリエ ~記憶が灯す、まちの光~

2019年1月7日~2019年1月13日放送 
ラジオ関西 報道制作局 報道制作部 山本洋帆

【番組概要】
12月、神戸のまちに現れる光のアーチ「KOBEルミナリエ」。阪神淡路大震災で犠牲になった方たちのへの鎮魂の想いから始まった光の祭典は、この冬も私たちのまちを優しく照らしてくれました。神戸が迎える明るい「冬」は、たいせつな記憶と特別な想いで語り継がれています。24回目の開催となり、毎年さまざまな声も上がりますが、それでも続けてほしいという市民の意志こそが、消してはいけない光なのかもしれません。神戸にとっての希望の光「KOBEルミナリエ」を、画でなく、音と語りでお届けします。

【制作意図】
震災当時0歳だった私にとって、1月17日を伝えることに使命のようなものを感じています。神戸のまちでは、ルミナリエは冬の季語。まさに風物なんです。私も、まちとともに歳を重ねていくなかで、ルミナリエを見上げる目の奥に、さまざまな過去や涙があることを知りました。24年語り継がれてきた記憶は、いつもこの光とともにあったことを、目ではなく耳でお伝えしたい。そう強く思って制作しました。

【制作後記】
これまで色んな視点で見てきたルミナリエでしたが、録音をするなかで、いろんな人を見て、いろんな声を聞きました。単なるイルミネーションではないということを、たくさんの方たちが理解し、存続を願っていることを直に感じることができ、一市民としてもとても嬉しかったです!本当に!この放送が少しでも多くの方に届いて、24年前に想いを馳せるきっかけにしていただけたら幸いです。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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