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2018年12月

2018年12月14日 (金)

命をつなぐ~佐屋高校 文鳥プロジェクト~

2018年12月31日~2019年1月6日放送 
東海ラジオ放送 報道制作局 第一制作部 森川美穂

【番組概要】
愛知県・弥富(やとみ)市。木曽川の下流に位置する弥富市は、日本一の金魚の産地として、名をはせています。ですが、一昔前まで弥富市は、「金魚と文鳥のまち」として知られていました。1960年代~1970年代の弥富の子どもの遊びといえば、金魚にエサをやり文鳥を手に乗せて遊ぶ。そんな時代でした。子どもの遊びが多岐にわたるようになると、文鳥の需要が無くなり、文鳥農家は減少。ピーク時は200軒以上あった飼育農家が今は2軒となり、若手の後継者もおらず、文鳥組合も解散してしまいました。江戸時代から続いている、文鳥文化が消えてしまう…そこで立ち上がったのが、愛知県立 佐屋(さや)高校でした。佐屋高校 文鳥プロジェクトのみなさんの「思い」と、文鳥のさえずりをお届けします。

【制作意図】
「好き」という気持ちで、人はどれだけ動けるのでしょうか。もともとは「好き」だから始めたこと。でも今は、日々を過ごすので精いっぱい。そんな思いを持っていたこともすっかり忘れてしまった。・・・そんな人が、大人が、増えてきたように思いす。文鳥プロジェクトに参加されている生徒のみなさんは、休みの日も、テスト期間中も、自分の時間を犠牲にし文鳥に愛情をそそいでいました。その原動力になっていたのが、「好き」という思いでした。取材前は、「愛知県民も知らない、弥富市=文鳥について紹介したい」と考えていましたが、彼女たちを取材させて頂き、「文化の命をつなぐのは、人の思いだ」と教わりました。文鳥プロジェクトのみなさんの、文鳥への愛が伝わる番組にしたいと制作しました。

【制作後記】
「一番さえずりがキレイな文鳥」を教えて頂き、そのケージの前にマイクを立て、1時間ほど無人の状態で録音しました。後で聴いてみると、可愛らしく美しいこと。文鳥が、こんなにも美しい鳴き声の持ち主とは知りませんでした。放送時間全てを使って、文鳥の鳴き声をオンエアしたいぐらいです。また、文鳥がはばたく音が、こんなにも力強いとは、知りませんでした。文鳥プロジェクトのみなさんは、事前にこちらがお送りした「質問事項」の答えを紙に書いて準備し、マイクの前でキレイに読んでくれました。…その声を全く使わなくてゴメンナサイ!みなさんのナチュラルな声を届けられていたら幸いです。

親子で繋ぐ”んまい”味。~元祖!日本のハンバーガー

2018年12月24日~2018年12月30日放送 
東北放送 ラジオ局制作部 小笠原悠

【番組概要】
東北随一の繁華街、仙台・国分町に”日本最古のハンバーガーショップ”があります。1950年創業の『ほそやのサンド』です。牛100%にこだわった看板メニューの「ほそやのハンバーガー」は、世代を超えて多くの人に愛され、これまでになんと129万個を売り上げました。戦後、先代の主人が、山形の米軍キャンプで食べた本場の味に衝撃を受けたことが「ほそやの味」の始まり。その先代は8年前に亡くなり、現在は二代目の細谷正弘さん(65)が息子さんとともに厨房に立っています。「親父に教えられた通りに牛100%であること、誠心誠意”ハヤイ、んまい、やすい”を守ること。」が信条と話す細谷さん。親子で繋ぐ”んまい”へのこだわり、そして元祖日本のハンバーガーの美味しい音をたっぷりとお届けします。

【制作意図】
牛タンやずんだ餅といった広く知られた名物以外にも、仙台の街に根付いた味があります。昭和レトロな佇まいのカウンター席で、パティが焼ける音を聞きながらハンバーガーを待つワクワク感。出来立て熱々をほおばったときの幸せ。カウンター越しに見えるご主人の笑顔。時代とともに街並みが大きく変化する中で、70年近く愛される「変わらない味」。そのルーツと親子の絆に迫りたいと思いました。

【制作後記】
テレビでの報道経験はあるもののラジオは今回が初めて。開店前の仕込みから夜の営業終了まで、色々な音を録らせてもらいました。忙しい中、たくさんお話を聞かせてくれた細谷さん。インタビューにその人柄が出ていると思います。50年前から通う常連さんや、元祖の味に感動していた学生さんの”んまい”表情も伝わっていたら嬉しいです。取材後、お土産にと包んでくれたハンバーガー。んまかったなぁ…。

秋を告げるオオシマゼミ

2018年12月17日~2018年12月23日放送 
琉球放送 ラジオ編成制作部 長濱明美

【番組概要】
沖縄県は年中緑の葉が生茂り、紅葉もなく四季折々の風景を楽しむ事が出来ません。年間の平均気温が23度という中、秋を感じるには乏しい現実があります。しかし,沖縄に住む生きもの達は、沖縄にもきちんと秋が訪れた事を「音」で伝えています。その代表が蝉の「オオシマゼミ」。
県民にもあまりしられていない「オオシマゼミ」を主人公に”秋の音風景”をお伝えします。

【制作意図】
12月の沖縄は涼しくなった!と言えど日中は汗ばむ事も多々あり季節の移り変わり感じる事が出来ません。そんな沖縄に秋の訪れを告げてくれる生きものが「オオシマゼミ」
オオシマゼミの鳴き声は「秋の音風景」ですが、その声に耳を傾けている県民は少なくその存在すら知らない人もいます。それは、オオシマゼミの生息域にも関係があり本島中南部では、オオシマゼミの声を聞く事は出来ません。そこで、沖縄にも秋が訪れている事を「音風景」で感じてほしい、という思いからオオシマゼミの気持ちになって制作しました。

【制作後記】
沖縄に秋を告げる「オオシマゼミ」の認知度調査で街頭インビューを行った際にほとんどの方が「オオシマゼミ」の存在を知らない事に驚きました。しかし、オオシマゼミの生息地である本島北部の方々にとっては、「秋の風物詩」として生活の一部であり大切な存在だと教えて頂きました。今回、ご紹介した「オオシマゼミ」の鳴き声の録音は3年がかり・・・・
早朝6時から、ひっきりなしに本島上空を飛ぶ米軍のヘリコプターの音をかい潜って録音に成功したオオシマゼミの鳴き声です。今年10月の下旬に偶然!手の届く範囲で鳴く「オオシマゼミ」に出会う事ができ、今回の番組を制作する事が出来ました。



 

ふるさとの想いをつなぐ鮎やな

2018年12月10日~2018年12月16日放送 
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 藤島由芽

【番組概要】
延岡で300年続く鮎やな漁。街中を流れる大瀬川に横たわるように架かる、壮大な鮎やなは、延岡の秋の風物詩です。伝統鮎やな師の髙橋生矢さん(68歳)も、延岡に生まれ、鮎やなでの思い出をもつ一人。どのような思いで、鮎やなを架けていらっしゃるのでしょうか。

【制作意図】
私の出身地でもある延岡市。鮎やなの宣伝で「延岡」の文字が出ると、嬉しく思っていました。そんな「延岡の秋」を訪ねてみたいと、リスナーに思ってもらいたい。そんな思いで制作しました。川の音、鮎の跳ねる音、鮎やなを囲む笑い声。髙橋さんの延岡弁にも、優しく温かい時間を感じて頂けたら嬉しいです。

【制作後記】
初めての番組制作で、制作期間中は勉強の日々でした。その場で感じた音、感じた空気感をラジオを通していかに伝えられるか、試行錯誤しながらの制作となりました。今回学んだことを生かし、今後もラジオを通して、宮崎の元気や穏やかな日常を発信できる番組を制作したいです。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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