兵庫いかなご譚~春を運ぶ漁師たち~
2018年4月16日~2018年4月22日放送
ラジオ関西 報道制作局報道制作部 山本洋帆
【番組概要】
春になると、当たり前のように食卓に現れる「いかなご」。兵庫・播磨灘の地域では冬が終わると、そこかしこの家から、いかなごの釘煮の甘辛い匂いが漂い、まさに「風物誌」と言えます。しかし、ここ数年はいかなごのシンコの漁獲量が減ってきており、価格の高騰もすすんでいます。そこで番組では、垂水の海で行われていたいかなごのシンコ漁に密着し、港に春を運ぶために奔走する漁師さんの姿を収録しました。
【制作意図】
「いかなごが減ってきているらしい」そんなニュースが数年続いていることは知っていましたが、実際に現場でその問題に直面している方たちの存在まで意識せずに聞き流していた気がします。シンコの数が減っても、変わらず海に出る漁師の方たちの姿を知りたい……そんな思いで取材させていただきました。いかなごが、地域に愛される名物であり続けるためにも、いま改めて漁師の方たちの漁と向き合う様子を、少しでも伝えられていればと思います。
【制作後記】
今回初めて漁を間近で見ることができ、あらためて神戸という街が、いかに海と密接にあるかということを実感することができました。「いかなごの釘煮」は、播磨灘を中心とした兵庫の地域において、まさに”ソウルフード”と呼べる名物です。そのいかなごを、これからもこの兵庫の食卓から消してしまわないように、食べつづけていけるように。漁師の方たちの届けてくれる春を、地域の皆さんに伝え続けられる放送局でありたいと思います。