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2018年5月

2018年5月31日 (木)

マリンポートの母

2018年5月21日~2018年5月27日放送 
南日本放送 ラジオ部 七枝大典

【番組概要】
大型クルーズ船が接岸する鹿児島市南部にある「マリンポートかごしま」は鹿児島と海外の観光客をつなぐ海の玄関口。船の写真を撮ってブログにアップする人、船を見るのが好きな人、そして寄港のたびにお出迎えやお見送りを行っている人たちが大勢いらっしゃいます。その中のお一人が東浜子さん(71歳)。船が入港する度に 自宅からおよそ2時間かけて 自分で車を運転してやってきます。4年前の2014年から雨の日も、雪の日も一度も欠かすことなくお見送りとお出迎えをする浜子さんの一日を追いました。

 【制作意図】
何気なく「マリンポートかごしま」へ行くと、両手にたくさんの国旗を持った女性がいました。話を聞くと「船の見送りにきた」とのことですが、手にした国旗の数や雰囲気など(いい意味で)「只者ではない」印象を受けました。これが浜子さんの第一印象です。一緒についていくと、そこには浜子さんと同じくお見送りをする方々が大勢いらっしゃいました。程なくして船が出港すると、みんな一斉に大きな声で「ばいばーい!!」とお見送りを始めます。僕には不思議な光景でしたが、なんだか胸が熱くなりました。しかも、完全にボランティアで お出迎えの時も同じように集まって自分たちの声でお出迎えをするという事実も発覚。出迎えも見送りも笑顔になる、スポットに集う皆さんをご紹介します。

【制作後記】
浜子さんと出会った時は、お出迎えとお見送りの回数がそれぞれ297回目。その原動力を探っていたのですが「何と言いようがない」の一点張り。「この魅力は体験した人でないと分からない」との事でした。ならば!と思って密着取材を始めたのですが、そこには浜子さんと同じく「何と言いようがない」お出迎えとお見送りの人たちが集うコミュニティがありました。明治維新150周年を機に観光に沸く今年の鹿児島ですが、知られざる人たちによる知られざるお出迎えとお見送りの声をお届けします。

 

茶碗にこめた一期一会のおもてなし

2018年5月14日~2018年5月20日放送 
大分放送 メディア局 ラジオ放送制作部 那賀ひとみ

【番組概要】
大分県の南に位置する佐伯市。この町で生まれ育ち、茶の湯の世界を学び、後世に伝える男子生徒がいます。今年の春、高校3年生になった岩井駿空(しゅんすけ)君。茶道をはじめてまもなく2年。今年は大きなお茶席があります。大分県で今年の秋、20年ぶりとなる「国民文化祭」で開かれるお茶会で、お手前を披露することになりました。全国から、そして世界から人々が集う大舞台。
おおいたで“一期一会”の出会いを“茶道でおもてなし”します。

【制作意図】
今回の国民文化祭のテーマは「おおいた大茶会」。期間中は、日本各地に限らず、海外からも参加者や観光客の来県が見込まれています。その催しのひとつとして、佐伯市直川の正定寺で開かれる「茶会」。その席で、高校に入学して「茶道」を習い始めた現役男子高校生・岩井駿空(いわい・しゅんすけ)君がお手前に挑戦。普段は週に1度、加藤宗枝(かとう・そうえ)先生と山田宗香(やまだ・そうこう)先生から指導を受け、地元のお祭りや小学校の学童保育などで披露しています。新たな出会いに繋がる一期一会の席を迎える岩井駿空君を紹介したいと思い、制作しました。

【制作後記】
普段の学校生活と稽古はあまり変わらないと言いながらも、お手前本番になると自分の世界に入り込む姿が印象的な岩井君。岩井君は“おもてなしの心”を一期一会のお茶席でも伝えようと、週に1度だけの稽古をとても大切にしていました。茶道のおもてなしをどのように“音”で伝えるか悩みましたが、
岩井君の優しいお手前が、リスナーの皆さんに伝わればいいなと思います。

2018年5月16日 (水)

守ろう里山 ~おんちゃん部隊はきょうも行く~

2018年5月7日~2018年5月13日放送 
高知放送 ラジオ制作部 手島 伸樹

【番組概要】
春になると、山ではタケノコが顔を出す。春の恵みです。しかし、喜んでばかりはいられず近年は竹が浸食し、山(里山)の生態系を壊し始めています。森林整備を目的に設立されたボランティア団体、
「こうち森林救援隊おんちゃん部隊」。こつこつと黙々と日々、間伐に精を出すおんちゃん部隊。
その活動の一頁です。

【制作意図】
高知県は森林率84%と日本一を誇ります。翻って、人の手が入らなければ、みるみる山は荒れていきます。財政面も、人口も少ない高知県にとっては課題の一つ。そんな中、森林整備に精を出すおんちゃん部隊(全員リタイア組。80代の隊員も)こうした人たちによって、山(里山)が守られていることを伝えたい。

【制作後記】
こうち森林救援隊おんちゃん部隊の皆さんは、拍子抜けるほど飄々としていました。「山を守ることが、川・海、そして自分たちを守ることになる」などという形式張った理想を語ることなく、ただ単純に「山に入るのが好き」「みんなと一緒に昼飯を食うのが楽しい」「リハビリよ」と言います。
肩肘張らず活動する。その姿を淡々と伝えました。

奇跡のオルガン ~東日本大震災で被災し、修復された希望の音色~

2018年4月30日~2018年5月6日放送 
IBC岩手放送 放送本部 編成局ラジオ放送部 佐々木美穂

【番組概要】
3月3日、岩手県立博物館で「天に響け 陸前高田 奇跡のオルガン演奏会」が行われました。人間の手で修復され、元の音色を取り戻したリードオルガンの力強い音色を届けます。

【制作意図】
被災したオルガンが、本来の音を取り戻し演奏されている生命力をラジオから流し、聴いた人の心に響く演奏をお届けしたいと考えます。現在震災から立ち直ろうとしている人に自分と重ね合わせ、勇気づけられるような番組作りを目指します。

【制作後記】

現在はあまり目にする機会がないオルガンが奏でる優しい音色に、心癒されながら制作しました。会場には涙を浮かべながら演奏を聴く姿も印象的でした。

 

2018年5月15日 (火)

まるでゴールドラッシュ!ホタルイカが湧けば人も湧く

2018年4月23日~2018年4月29日放送 
北日本放送 報道制作部 西崎雄一郎

【番組概要】
富山湾の春の風物詩「ホタルイカ漁」が3月1日に解禁され、初日の水揚げ量は荒天のせいもありここ最近では最も少なかった。研究者によれば今年は少な目とのこと。毎年浜辺では幻想的な光りを求め多くの人で賑わうが果たしてどうなるか。。。?

【制作意図】
まだまだ寒いこの時期、深夜に500人を超える人が集まる海水浴場なんて日本中どこを探しても富山湾だけじゃないでしょうか。。。SNS上での情報、あるいは長年の勘を頼りにホタルイカを掬いに集まる人たちの熱意と光る姿を身近で見られた時の感動を少しでも伝えられたらと思い制作しました。


【制作後記】
意外にホタルイカの身投げを見たことがない富山県民も多いです。一説によれば新月間近の穏やかな夜にチャンスがあるらしく仲間を引き連れてリベンジしたいと思っています。今回の取材ですっかりホタルイカ掬いにはまってしまいました。

 

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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