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2015年12月

2015年12月22日 (火)

幸多き一年は、さぬきの年明けうどんから!

2015年12月28日~2016年1月3日放送
西日本放送 営業局 ラジオセンター 池田弥生

【番組概要】
純白で清楚なうどんに、紅を一つ添えて、紅白もめでたい年明けうどん。年の初めに食べることで、その年の人々の幸せを願う、うどん県・香川で生まれた新しい風習です。決まりは、白いうどんに何か赤いものを一つ添え、1月15日までに食べること。赤い具材は、梅干しでもかまぼこでも、海老天でもなんでもOK.家庭で手軽にという点もポイントです。「全国年明けうどん大会」の会場から、年明けうどんの魅力、年明けうどんにかける想いをお伝えします。

【制作意図】
香川の県民食・うどん。 香川ではうどんをすする音で赤ちゃんが泣きやむともいわれます。太く・長いことで古来から縁起物とされてきたうどんを、さぬき流に進化させお正月にふさわしいめでたいうどんにした「年明けうどん」。香川にとどまらず、年越しそばに続く年中行事として年明けうどんを定着させたい。そんな想いが感じられる 「全国年明けうどん大会全国」
お正月にふさわしい話題と感じ 取り上げることにしました。

【制作後記】
12月12日(土)13日(日)の2日間にわたって行われた、「全国年明けうどん大会 2015inさぬき」。本場さぬきうどんをはじめ全国のご当地うどんが、赤い具材をもりこんだその土地ならではの年明けうどんをもって一堂に会しました。県内外からの来場者で会場は熱気にあふれ、「うどんで日本を元気にしたい!」という、うどん県の、うどんへの熱い想いがひしひしと感じられました。ちなみに赤い餡もちが、うどんのだしと絶妙なコンビネーションをみせる香川ならではの年明けうどんは、会場1時間で売り切れる人気ぶりでした。



2015年12月16日 (水)

オジーとチャンピオン闘牛

2015年12月21日~2015年12月27日放送
琉球放送 ラジオ局編成制作部 真壁貴子

【番組概要】
明治頃から農村の娯楽として親しまれてきた沖縄闘牛。1トン前後の牡牛同士がぶつかり合う迫力のある闘いが見ものです。闘牛のメッカうるま市では、ほぼ毎週のように闘牛大会が開かれています。中でも年3回の全島闘牛大会は、チャンピオンのタイトルを賭けた試合で約4000人のファンが駆けつける一大イベントです。そして今、最も注目の牛が10年連続防衛を目指すチャンピオン、闘牛ハヤテ!スター牛、闘牛ハヤテと牛主の幸地良盛さんの日常を先の全島大会を振り返りながら制作しました。

【制作意図】
伝統娯楽として今なお盛んな沖縄闘牛。チャンピオンシップを賭けた全島闘牛大会が近付くと牛主もファンもいてもたっても居られぬほど、胸の高まりを感じると言います。その全島大会でチャンピオンになるのは牛主の夢!これまで3頭のチャンピオン牛を育て、現在連続防衛中のチャンピオン闘牛ハヤテの世話をしている牛主の幸地良盛さん85歳の淡々とした生活の中にしっかり刻まれた活力と夢を伝えたい。

【制作後記】
超高齢者社会が到来しつつある今、人はどのように健康長寿を保つのか関心があります。そんな中目指すべきシニアとして目に留まったのが85歳の牛主幸地良盛さん。1トン近い闘牛を引いて歩く姿は頼もしく、元気と勇気を与えてくれました。ワクワクすることの大切さ、幾つになっても自分の役割を持つことの大切さを闘牛を通して示してくれた気がします。

2015年12月15日 (火)

フッペルの 平和の音色(こえ)を 次世代へ

2015年12月14日~2015年12月20日放送
NBCラジオ佐賀 放送部 中村 正典

【番組概要】 
九州の交通の要衝、佐賀県の鳥栖市。JR鳥栖駅の前にある文化施設、サンメッセ鳥栖。ここには、特攻隊員が出撃前に演奏したピアノが大切に展示されています。このピアノは、美しい音色で知られるドイツ・フッペル社製。昭和20年の夏、2人の特攻隊員が鳥栖小学校を訪れ、学校にあったフッペルのピアノでベートーベンの「月光」を弾いて出撃したという戦争悲話は小説や映画になりました。このピアノをとおして、毎年8月15日の終戦記念日に平和コンサートが開かれています。平和のシンボルとしてピアノの保存に携わり、語り継いでいる齊藤美代子さんの思いを8月15日に演奏されたピアノの音色とともにお届けします。


【制作意図】 
映画「月光の夏」が公開されたのは、1993年。映画の公開から22年が経過した今でも、鳥栖市ではコンサートの開催などによって平和の尊さが語り継がれています。映画が公開された時期だけでなく、戦後70年が経過した今でもフッペルのピアノの美しい音色が、平和のシンボルとして次の世代に語り継がれていることを伝えたい、また、実際のピアノの音色をお聴きいただきたいと思い、制作しました。


【制作後記】
フッペルのピアノを通して、次の世代に平和を語り継ぐ齊藤さんの姿を拝見し、命の尊さと気持ちの尊さを痛感しました。この作品が放送されるのは、2015年の年末の時期。戦後70年の節目の年の締めくくりに際し、フッペルのピアノの平和の音色をお届けできることと、番組を担当させていただけたことに感謝申し上げます。

2015年12月13日 (日)

山の伝統食『栃餅』その味わいに秘められた手間と技

2015年12月7日~2015年12月13日放送
福井放送 ラジオセンター 谷戸礼子

【番組概要】
福井県大野市の山里で昔から作られてきた「栃餅」。その原料となる栃の実は実はアクが強く、餅にするまでには大変な手間と熟練の技を必要とします。乾艶子さん(88歳)と山内たかさん(80歳)は今では数少ない栃餅作りの達人です。お二人の長年培ってきた栃の実の加工作業を、秋から初冬に渡り伝えます。自然と共に暮らしてきた人々のことと共に。

【制作意図】
口にすると豊かな風味が広がり、どこか懐かしさを覚える『栃餅』。飽食といわれる時代の中でも、その比較的地味で奥深い味を求める『栃餅ファン』が増えていると聞きます。しかしその味わいの裏に、たくさん手間、熟練の技、自然の恩恵があることを知る人はあまり多くありません。自然と共に暮らしてきた古老のお二人の栃の実の加工作業を通して、先人たちの暮らしの知恵や、食への感謝、自然の力を伝えます。

【制作後記】
『栃餅』はもち米の白と加工した栃の実の色が合わさって、ほのかな茶色をしています。食べるとほんのりした苦味があり独特の風味が広がります。そのまま食べれば大人の味を楽しめますし、甘い小豆やきな粉をつけて食べれば、子ども達にも喜ばれます。どこかで『栃餅』に出会う機会があったら、ぜひじっくり味わってみてください。尚、作り方のプロセスを少しでも知ると、一層おいしく感じられること請け合いです。

2015年12月 4日 (金)

妖怪村に狸が出た!~阿波山城の狸ばなし~

2015年11月30日~2015年12月6日放送
四国放送 ラジオ編成制作部 三浦審也

【番組概要】
徳島県の西部・三好市山城町は、全国的にも希な妖怪の密集地です。地元の皆さんが聞き取り調査した妖怪は、ざっと60種類、150ヶ所。そんな山城の妖怪の中で一番多いのが、狸です。恐ろしくも愛嬌のある狸たちは、山城の生活に欠くべからざる存在でした。番組では、山城の狸ばなしや、狸の行燈行列を見た人のインタビュー、子供たちに地元の妖怪文化を継承する授業などを紹介します。

【制作意図】
妖怪とは、生活の知恵です。子供には「あの川には河童がいるから泳いだらあかん」と諭し、奥さんには「狸に化かされて、気がついたら朝だった」と言い訳します。厳しい自然の中で、人々は妖怪を上手く使って生活してきたのです。そんな山城の妖怪の代表格、狸にスポットを当ててみました。

【制作後記】
山城町が「妖怪村」と呼ばれるようになったのは、10年以上に渡って地元の皆さんが行っている丹念な聞き取り調査の成果です。今回、狸ばなしの調査に同行させていただいたのですが、ちょっと雑談しているだけで「提灯の火を消す狸」の話が新たに発見されました。ナレーションでは「狸の話だけでも50も60も」と言っていますが、放送される頃には数が増えているでしょう。人の数だけ、狸もいるのかもしれませんね。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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