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2016年1月

2016年1月29日 (金)

心をつなぐ音のテーブル

2016年1月25日~2016年1月31日放送
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 柳田紗緒里

【番組概要】
宮崎県最大の繁華街、宮崎市の西橘通り、通称「ニシタチ」
ここはたくさんの飲食店が立ち並び、入れ替わりの激しい激戦区です。そんな中で30年間も続くピアノバー「サティ」 何事も続けると言うのは難しいですが、バーとなると更に難しい。それが30年間続くには何か理由があるに違いない。変わらずそこにあり続ける魅力と「サティ」でしか味わえない雰囲気をお届けします。


【制作意図】
30年間も飲食店の入れ替わりの激しいニシタチにあり続ける理由は何なのか。そしてピアノをテーブルにしてお酒を楽しめるという珍しいお店のあり方に興味がわきました。ピアノを囲むお客さんとのつながりを感じた時、30年、40年、50年ずっとあり続けて欲しい場所だなと思い制作しました。

【制作後記】 サティではピアノをテーブルにして飲めるという魅力はもちろんですが、何よりもマスターのさりげない演奏による雰囲気作りがお客さんの気持ちを高めています。サティは今後もずっとニシタチでたくさんの方に癒しを与える存在であり続けるだろうと思います。

熱く、激しく、響け 「ヨイサー!」

2016年1月18日~2016年1月24日放送
ラジオ福島 報編成局 放送制作センター 今井江里子

【番組概要】
福島市松川町金沢地区には、平安時代から伝わるお祭りがあります。それが「羽山ごもり」です。旧暦の11月16日~18日までの3日間、2泊3日で行われるこの神事は、国の重要無形民俗文化財にも指定された、福島の誇れるお祭りです。今回取り上げたのは、神事初日の「ヨイサー」。金沢地区・黒沼神社境内近くの「こもり殿」で、水で身を清めた、ふんどし姿の男衆が、農作業を再現した「ヨイサー」を、熱く、激しく行いました。肌と肌とのぶつかり合い・激しい息づかいを、たっぷりとお伝えいたします。

【制作意図】
広い、広い「福島県」は、地域ごとに様々な「伝統」が受け継がれています。方言、食文化、生活習慣など、たくさんの「伝統」が繋がる中で、国の重要無形民俗文化財に指定されながらも、あまり知られていない「神事」…今回は、この部分にスポットを当てようと思いました。福島の伝統を多くの方々に知って頂き、更に福島を好きになって頂きたい…この想い一心で、制作させて頂きました。

【制作後記】
「ヨイサー」を取材して印象に残ったのは、皆さんの「笑顔」でした。参加者も、見学者も、この平安時代から続く神事を、同じような「笑顔」で暖かく見守っていて、伝統行事は、その「行事」だけではなく、関わる人々の「想い」を確かに繋げていくものなのだと、改めて感じました。声を掛けあい、肌を寄せ合うことで、きっと人々の繋がりは更に強いものとなってまた後世に受け継がれていくのだと思い、とても幸せな気持ちになりました。

2016年1月12日 (火)

「りんこう」5つの駅の物語 西日本一短い鉄道・紀州鉄道

2016年1月11日~2016年1月17日放送
和歌山放送 報道制作局 柘植義信

【番組概要】
現在日本で二番目に営業距離が短く、西日本ではもっとも短い鉄道が和歌山県の真ん中、御坊市にあります。紀州鉄道。愛称は「臨港」。昔から呼ばれている名前が今も生きています。町の中心と紀勢線を結ぶ鉄道で、地元の工場からの製品や特 産のみかん、木材を運ぶ貨物の役割も果たしていました。現在は旅客だけ で1両のレールバス がのどかな町中をゆっくり走っています。車 社会になっ ても利用者から愛され ている小さな鉄道。起点を含めて5つしかな い 駅を利用する人を通して過疎が進む地方の鉄道の役割を考えます。

【制作意図】
和歌山は大都市圏に比べ、鉄道や道路の発達が遅く、今回取り上げた紀州鉄道・「臨港」はおよそ90年前、今のJR紀勢線と町の中心、水運の中心日高川河口を結ぶアクセスとして地元の有志が開設した鉄道です。道路整備が進んで車社会になり、鉄道の利用客は減少の一途をたどっています。幾多の存続の危機を乗り越え、臨港は今も生徒やお年寄りらの生活を支えています。地方鉄道の経営環境は厳しく各地で廃線が進んでいます。番組を通して過疎化が進む地方に生きる人と鉄道の存在を考えることを目的としました。

【制作後記】
取材、ナレーションを担当した寺門秀介は東京出身。一時勤務の関係で当地に暮らしたことがあり、この鉄道を利用していました。都会にない暖かみのある地方の生活になじみ、地元のことを応援しようと、この作品に挑戦しました。取材を通して初めて知ったこと、知ってるつもりがそうではなかったことにたくさん気づいたとか。地元のラジオ局として地方に生きる人にとって必要な情報を提供し、発信することの使命感を改めて感じ取るきっかけになりました。地元のことをもっと知り、発信していくことの重要性を確認しあいました。

2016年1月 8日 (金)

佐渡の伝統 宿根木の杉木羽

2016年1月4日~2016年1月10日放送
新潟放送 営業局 ラジオ本部 営業企画部 北川 亮

【番組概要】
佐渡島、旧小木町にある宿根木の集落。昔ながらの街並みにを守ろうとしています。国の重要伝統的建造物保存地区にも指定されていて、現在106棟ほどの家屋が残り、佐渡金山繁栄期の面影を色濃く残した地域となっています。この建物に欠かせないのが木羽と呼ばれる屋根材です。毎年、秋から冬にかけて木羽作りが行われます。しかし木羽職人はたったの3人。収入面が不安定で木羽職人として生計を立てるのは難しい状況です。

【制作意図】
北陸新幹線の開業、新カーフェリーの就航と、佐渡の観光に追い風が吹き、実際、宿根木の集落を訪れる観光客は増加傾向にあります。しかし、その一方で観光客のお目当ての宿根木の昔ながらの町並みを保つのが非常に難しくなっています。その現実を多くの方に知っていただき、より多くの方が佐渡を訪れ、地域が活性化し、その結果宿根木の集落がこれからも未来も守られていけば・・・との思いから集落の方にお話しを伺いました。

【制作後記】
年々減り続ける佐渡の人口。それでも佐渡が好きで宿根木が好きで、一生懸命に守ろうとしている人々がいます。この先職人が増えるかどうかも分かりません。北陸新幹線の開業という追い風をどこまで活かせるのか、佐渡観光の正念場はこれからやってきます。木羽職人の石塚さん、宿根木を愛する会の浜田買会長をこれからも応援していきたいと思います。


 

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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