« 2015年6月 | メイン | 2015年8月 »

2015年7月

2015年7月29日 (水)

日本一小っちゃな本屋さん「カドベッカ書店」

2015年7月27日~2015年8月2日放送
IBC岩手放送 編成局ラジオ放送部 照井達也

【番組概要】
岩手県大船渡市三陸町吉浜地区。太平洋に面するこの地域は、過去の明治、昭和の津波を教訓に海抜約20mの高台に住民が移転した地域。この地域のうっかくに、日本一小っちゃな本屋さんがあるということで、訪問することに・・・行くとそこは、普通の民家。出てきたのは、この家に住む小松フスミさん82歳。営業時間は、常識の範囲内。お休みは、フスミさんの都合が悪い日。一体、このカドベッカ書店、どんな本屋さんなんでしょうか。気になります。

【制作意図】
実際に東日本大震災で津波で流されそうになったフスミさん。その実体験から話す、命の尊さ家族の絆が伝わればと思います。

【制作後記】
フスミさんの津波体験がそのまま絵本になった「ふろしきづつみ」は、英訳もついており、実は、インターナショナルな絵本なんです。絵本は学校の教材にもなるなど、日本一小っちゃな本屋さんは、全国に、いや、世界に発信している本屋なのです。

2015年7月27日 (月)

清水のある暮らし

2015年7月20日~2015年7月26日放送
北日本放送 報道制作部 小林淳子

【番組概要】
富山県東部。北アルプスの雪解け水が大量に流れこむ清流、黒部川。その流域はきれいな扇形をした典型的な扇状地になっていて、上流で伏流した水が地下水となって流れています。下流域の街を歩くと、あちらこちらから水が湧き出していて、地元の人は、この湧き水を「清水(しょうず)」とよんで、生活の中に上手に、取り入れています。洗濯は勿論、夏場はスイカやトマトを冷やしたり、そうめんを洗ったり。清水が”家の中”にあるというお宅もあって、第二の台所として、冷蔵庫代わりとして使っています。ミネラルたっぷりの名水が24時間わき出している街、黒部。そこに暮らす人々の生活をご紹介します。

【制作意図】
湧水は自然の恵みそのもの。黒部には、地域の人が共同で使える洗い場があって、子供も大人も集まってきます。そこには、自然と会話が飛び交い、笑いが生まれます。地域の絆が薄れがちな現代において、黒部には昔ながらのコミュニティがありました。黒部の名水は、生活用水としてだけでなく、人と人とを繋げてくれるかけがえのない大地からの贈り物。自然のありがたさは勿論、地域の人々のふれあいが温かいなぁと思える町の様子を、お伝えできればと思います。

【制作後記】
町のいたるところから名水が湧き出ているって、想像できますか?現在の日本において、ちょっと信じがたい光景ですが、本当です。そうめんを家で湯がいて、共同洗い場に洗いにくる。面倒臭くないかと思いますが、それが不思議ではない町なんです。おいしい名水が蛇口から出てくるってなによりの贅沢ですよね・・・いやぁ、本当にいい所です。できれば住みたい!

2015年7月13日 (月)

夢の切符は一円玉

2015年7月13日~2015年7月19日放送
ラジオ関西 報道制作部 西口正史

【番組概要】
明延鉱山は1200年の歴史を持ち、東大寺の大仏に銅が使われた、という言い伝えも残っています。特に明治以降は日本最大のスズの産地として、日本の近代化を支えました。その明延の人々に愛されたのが、運賃一円の「一円電車」でした。人口80人、うち7割が75歳以上という超高齢化の中、明延再生に向けて歩みつづける人々の、故郷や一円電車への思いを取り上げます。

【制作意図】
「地方創生」とは何か。明延に通ううちに見えてきたものをまとめたいと思って作りました。


【制作後記】
明延のみなさんに聞いた鉱山の町の暮らしは、想像とは大きく異なり、豊かで、華やかでした。もちろんその裏には、危険と隣り合わせの鉱山労働があったわけですが、サラリーマンの年収が100万を超えない時代に、月給が45万あったり、社宅なので家賃負担なかったり、地域の大運動会やお祭りがとんでもなくにぎやかだったり。過疎で厳しい現実に直面しながらも、決して諦めずに笑顔が絶えないのは、町がつちかった気質なのかもしれません。


舞妓と遊ぼう~岐阜の新しい伝統~

2015年7月6日~2015年7月12日放送
東海ラジオ放送 報道部 成田香織


【番組概要】
明治15年に始まった岐阜町芸妓。明治から戦前まで、連と呼ばれる芸舞妓のグループが3つあり、互いに芸を競い、しのぎを削っていましたが、戦後、次第に衰退していきました。そして、平成22年11月に、130年ぶりとなる、岐阜の新しい芸舞妓の団体「鳳川伎連」が誕生。現在、岐阜で唯一の舞妓が活躍しています。岐阜で約20年ぶりに復活した舞妓さんの、お座敷での様子とともに、伝統の音色をお届けします。

【制作意図】
京都や金沢には、町並みとしての花街がありますが、岐阜でも芸妓さん舞妓さんに出会えます。「鳳川伎連」は、舞妓の復活とともに、長良川鵜飼での「船遊び」も再開させ、敷居が高いと思われがちなお座敷遊びを、身近なイベントとして提案。お茶屋や料亭のお座敷で、鵜飼船の上で、幅広い世代のお客様をおもてなしし、岐阜の美しい遊宴文化を受け継いでいます。古くて新しい伝統を発信し続ける「鳳川伎連」の皆さんの思いをのせて、番組制作しました。                                                             

 【制作後記】
岐阜の町並みや地域の人々に育まれながら、日々厳しいお稽古に励み、お座敷を盛り上げる、「鳳川伎連」二代目の舞妓・喜久富さんは、「地域の皆さんに愛される舞妓さんになりたい」と語ってくれました。皆さんも、お祝いや記念日に、また、女子会やご夫婦で、岐阜の新しい伝統・舞妓さんと遊びませんか?



2015年7月 1日 (水)

ふるさとをのんびりと~観光列車「おいこっと」の旅

2015年6月29日~2015年7月5日放送
信越放送  ラジオ局編成制作部  小林万利子


【番組概要】
これまで「長野新幹線」として東京~長野間をつないだ路線が、この春さらに北に延び、「北陸新幹線」として金沢につながりました。東京にも北陸にも「近く」「速く」なった長野県。けれど、できれば「のんびり」「ゆっくり」と、この地域の良さを感じてもらえたら、という願いを込めて、北陸新幹線と同時期に誕生した観光列車が「おいこっと」です。「おいこっと」という名は「TOKYO」を逆さまに読んだもの。車両デザインは「古民家風」、販売サービス担当は「もんぺ姿」、地元の味のサービスもあり!田舎の魅力を目いっぱい詰め込んだ「おいこっと」の旅を、音でお楽しみください。


【制作意図】
交通網の発展は、旅を便利にスピードアップさせます。その一方で、急ぐことで見えなくなってしまうものも・・。「おいこっと」は、北陸新幹線と並行して北進する「飯山線」を、あえて、ゆっくりのんびり走ることで、この地域「北信濃」の魅力を実感していただける観光列車です。車内放送を担当するのは、北信濃出身の俳優・常田富士男さん。おなじみの味わい深い声で、「おいこっと」の旅を案内してくれます。また、ここは童謡唱歌の作詞作曲者を数多く輩出した地。唱歌「ふるさと」の作詞者・高野辰之は、この辺りの「かの山」「かの川」を歌にしたのです。車窓からの眺めを想像しながら聴いて下さい。

【制作後記】
ゆっくりのんびり田舎満喫の「おいこっと」。お客さんは中高年層が中心、かと思いきや、中高生からOLグループ、小さい子を連れたママさんなど、予想以上に若い人たちも多く、驚いたと共に、ちょっと嬉しくなりました。皆さん口を揃えて、「すごくいい」「楽しい」「のんびりできる」と感想を述べ、年齢層の違う知らない同士でも、なんとなく会話が弾んで盛り上がっていたりして・・。「おいこっと」の目指すところは「田舎のおばあちゃんの家」。訪れた様々な人たちを温かく包み込むようなこの列車の魅力は、まさにここ北信濃の人々の「おもてなし」の心がもたらしているのだと感じました。

 


    

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad