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2015年4月

2015年4月30日 (木)

350歳、関川村渡邊邸の新たな門出

2015年4月27日~2015年5月3日放送
新潟放送 営ラジオ本部制作部 高橋紀子

【番組概要】
山形県に接する関川村にある、国の重要文化財、渡邊邸。老朽化のため、6年間の修復工事を終え、一般公開にさきがけてこけら落とし公演が2日間に渡って開かれた。大きな母屋と立派な梁に響く、和楽器の音色。フィナーレは、村民も一緒になって踊ることのできる盆踊り大会という演出。出演者、県内外のお客さん、村民、そして、久しぶりに賑わう「渡邊邸」も喜んでいる様でした。二日間の公演を軸に、静かな村が渡邊邸を中心に賑わう様子を描きました。

【制作意図】
豪農の館として知られる渡邊邸の重厚な邸宅と篠笛と太鼓の音色。県内外からお客さんが集まり、村民が待ち望んでいた渡邊邸の修復工事完了を祝い、集う様子を描きました。

【制作後記】
綜合プロデューサーは、実はひとりの関川村民。自称関川村観光大使と言う彼女が、ゼロからつくりあげた二日間でした。小さな村ですが、旧米沢街道の街並みを残し、温泉もリーズナブルなところからお忍びで行けるお高いところまでいろいろ。海の幸山の幸も満載の魅力的な関川村。ぜひ、一度お越しください♪

2015年4月21日 (火)

歴史を受け継ぐ案内人

2015年4月20日~2015年4月26日放送
西日本放送 営業局ラジオセンター 出石 亜弥

【番組概要】

香川県琴平町 金刀比羅宮・門前町にある「旧金毘羅大芝居」この芝居小屋では、年に1度、讃岐路に春を告げる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催されます。「旧金毘羅大芝居」は、現存する芝居小屋の中では日本最古。通称・金丸座とも呼ばれ、国の重要文化財の指定を受けています。その「金丸座」で、案内人を勤めるのが「二藤 龍文」さん。訪れた方達を案内する様子、歌舞伎・金丸座に対する仁藤さんの思いを、歌舞伎の音とともにお届けします。

【制作意図】

今でも人力で動かされている様々な仕掛け、情緒あふれる芝居小屋、そして歌舞伎の話や仕掛けの詳しい説明をおもしろおかしくお話する案内人。金丸座は、訪れた人達がただ建物を見て帰るだけではなく、実際に触れて体験して楽しめる、貴重な文化財です。その魅力をラジオ通して伝えたいと思い制作しました。

【制作後記】

まだ寒さの残る3月初旬に金丸座で取材を行いました。金丸座に足を踏み入れた時にどこか温かさの残る空気と、手入れの行き届いた小屋内を見て携わる方達の愛を感じました。そして何より、仁藤さんの”歌舞伎が好き”という気持ちがとても伝わってきました。こんぴらさんの参道から、5分程歩くと「金丸座」に到着します。お参りをしたら、ぜひ立ち寄ってみませんか?笑顔の案内人が出迎えてくれますよ。

うぷゆう~島の未来にかける橋

2015年4月13日~2015年4月19日放送
ラジオ沖縄 制作報道部 金城奈々絵

【番組概要】

「伊良部島との間には 離れ島との間には 渡る瀬が 休む瀬が あればよいのに」

宮古圏域に伝わる「伊良部トーガニ」の一節には、伊良部島に離れて暮らす恋人を思う男性の想いが綴られています。宮古島の北西に浮かぶ伊良部島は、「離島の離島」と呼ばれ、島民はこれまで医療や教育などの面で不便を余儀なくされてきました。今年1月31日、宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋が開通し、島は喜びに沸いています。番組では橋の開通によって変わりゆく島の情景と、変わらない人の温もりを伝えます。


【制作意図】

伊良部大橋は、島民にとって40年来の悲願でした。夢の懸け橋の完成によって、人々の移動手段は、定期高速船から車へと変わります。橋の開通によって変わる「島の音」を記録するとともに、島民の喜びを発信したいと思い、取材に取り組みました。


【制作後記】

「うぷゆう」とは、伊良部島の言葉で「大変嬉しい」という意味です。数え107歳の宮国カマドさんは橋の開通について、「(島を取り巻く環境が昔と比べて)天と地ほど変わっているよ」と興奮を抑えきれない様子で語り、伝統の歌と踊りで喜びを表現しました。番組を通じて、伊良部島を身近に感じてもらい、一人でも多くの方に島を訪れて頂けたら幸いです。

 

 

2015年4月 7日 (火)

島原半島に息づく「のぞきからくり」

2015年4月6日~2015年4月12日放送
長崎放送 ラジオ局制作部 藤井真理子


【番組概要】
鎖国時代、西洋の文化が長崎を経由して全国に広がってゆきました。ビードロ(ガラス)製品の「レンズ」もその一つ。そのレンズを使った大衆娯楽が「のぞきからくり」です。レンズをはめ込んだ穴の向こうに広がる極彩色の別世界と独特の「口上」は人々を魅了し、昭和初期までは日本各地で見ることができました。しかし戦後は急速に廃れ、残された屋台装置や工場を伝える人もごくわずかです。雲仙普賢岳のふもと、有明海に面した南島原市深江町。ここには江戸時代から伝わる屋台と口上を残すために活動を続けている「のぞきからくり保存会」があります。メンバーはわずかに8人。会長は尾ノ上範男(おのうえのりお)さん76歳。番組では「のぞきからくり」独特の口上、そして保存にかける思いをご紹介します。

【制作意図】
「のぞきからくり」の魅力は次々に替わる極彩色の「絵」と、からくり屋台を操作し、手に持った棒で拍子をとりながら演じられる「口上」です。独特の旋律にのせ語られる「地獄」の世界や悲恋物語。その不思議な魅力を、敢えてラジオの音の世界で伝えたいと考え取材を始めました。また、西洋文化の入口であった長崎市内には残っていない「のぞきからくり」が、人口7800人の小さな町、南島原市深江町で伝え残されていることは少なからず驚きであり、その活動と思いをぜひ紹介したいと考えました。

【制作後記】
演目は昔から継承されているものはほとんどですが、尾ノ上会長が作った「平成新山物語」は、雲仙普賢岳災害と、その後の復興に向かう人々の姿を描いた新作。地域の行事をはじめ、県の内外、さらには地元の小中学校でも演じられています。番組内で若手メンバーとして登場する細波和歌子(さいはわかこ)さんも中学生の時、授業の一環で「のぞきからくり」に触れ、その魅力を知り保存会に飛び込んだのでした。とはいえ、細波さんを除けば、メンバーのほとんどが年配者。次の若手育成が望まれます。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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