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2013年7月

2013年7月26日 (金)

カッパと孫助さんの約束

2013年7月29日~8月4日放送
青森放送 ラジオ編成制作部 山本鷹賀春

【番組概要・制作意図】
青森県の西側、津軽地方で話されている方言「津軽弁」。かつては「汚い言葉」とされ、県内の学校では津軽弁を使わないよう、生徒へ指導していた時期もありました。そして時が流れ、今では「本当の津軽弁」を話せる人も少なくなりました。

 そんな中で25年間続けられてきたのが毎年10月23日に行われる「津軽弁の日」のイベントです。津軽弁で書いた俳句・短歌・川柳・詩・体験記を広く一般募集し、本物の津軽弁が話せる役者がステージで紹介しています。25年目の今年は、1632作品が寄せられ、そのうち半数は県外から、海外からも14作品が届きました。そこには日常生活の素朴な笑いや、望郷の想いが綴られています。  

 忘れられようとしている地元の方言が堂々と共通語となる日。この「津軽弁の日」がこれからもずっと続いて欲しいと思います。

 なお、録音の中で流れている津軽三味線のBGMは、ステージで発表される作品に合わせて、即興で演奏されたものです。

 

2013年7月22日 (月)

願いを編み込んで~北条鹿島・玉理寒戸の大しめ縄

2013年7月22日~7月28日放送
南海放送 ラジオ局ラジオ業務部 吉尾亜耶

【番組概要】
松山市北条では、毎年5月3,4日に「北条鹿島まつり」が開催されています。かつて北条の地を治めていた伊予の豪族、河野水軍ゆかりの伝統行事を中心に行われる春まつりです。最終日4日には五穀豊穣や海上安全を願って、鹿島沖に浮かぶ夫婦岩「玉理(ぎょくり)」と「寒戸(かんど)」の大しめ縄の張り替えが行われます。今年はその大しめ縄に1400枚もの「願い文」が編み込まれました。北条のおじいちゃん達が協力してつくり上げるしめ縄から、昔ながらの音や長年の技、北条の町の雰囲気を、しめ縄づくりに初めて参加した大学生の様子を交えて伝えます。

【制作意図】
松山市北条は、祭りのときはとても熱くて、でも普段は穏やかで優しい人が多い町です。この2、3年、まちづくりに力を入れている北条には取材で足を運ぶ機会が多く、この町の空気感を音で伝えられないかと思っていました。大しめ縄づくりは、地域の人と触れ合いながらの作業が多く、昔ながらの音や声がたくさんあります。伝統行事であると同時に、多くの人の”願い事”が編み込まれたたくさんの人の思いも一緒につくり上げる、大しめ縄を通して、北条のおじいちゃん達の優しいやわらかな雰囲気と男らしさが一緒に伝えられるのではと思い、制作しました。

【制作後記】
自分も取材しながら参加しましたが、作業に慣れない私達若者にも優しく、時に叱咤しながら家族のように一緒に作業しました。初めて参加した大学生からポロリとこぼれた言葉は、おじいちゃん達と一緒にいて感じたものが、自然と出てきたのだと思います。それが嬉しかったです。「願い文」は次の年のしめ縄づくりまで常時受付けていて、郵送も可能だそうなので、来年は一緒に編み込んで欲しいという方は、北条地区まちづくり協議会(〒799-2430松山市北条辻6番地)に送ることができます。

2013年7月11日 (木)

レコードの命

2013年7月15日~7月21日放送
山形放送 報道制作局 制作部 大久保円

【番組概要】
山形県東根市にある、レコード針作りの現場を訪ねます。豊かな自然の中にある小さな工場で、レコード針は作られていました。いまでは、世界で唯一の量産工場です。レコード針作りを担うのは、30歳代から60歳代までのたった6人の女性職人。その女性職人たちが一本一本針を作っていく、手仕事でした。製造の様子を材料から針先の完成まで伝えます。

【制作意図】
音楽を聴くにはラジオ、CD、MP3、インターネットからのダウンロードなど様々な手段がありますが、昭和の主流はレコードでした。そして、今もレコード愛好者は少なくありません。そのレコードを聴く要の道具は、「レコード針」です。レコード針は細々と作り続けられています。どのようにして作られるのかを、世界で唯一のレコード針量産工場である山形県東根市の㈱ナガオカに取材。

【制作後記】
レコード針作りの取材は、驚くことばかりでした。製造する人は、30歳代から60歳代までのたった6人の女性だけ。毎日1500本を目標に、手作り。針先を上手く削ることは、大変な熟練を要します。そして、工場の休憩室で、出来上がった針を使いレコードとCDを聴き比べると、レコードの音は再生音域が広く、響きが豊かに聞こえます。 これにはとても驚きました。製造技術の伝承のためにも、いつまでもレコード針作りを続けてほしいものです。

 

 

2013年7月 8日 (月)

名調子! あひるの競走

2013年7月8日~7月14日放送
大分放送 ラジオ局ラジオ制作部 宮本 武典


【番組概要】
大分県別府市に昭和4年創業の老舗遊園地、別府ラクテンチがあります。遊園地と言えば、ジェットコースターなどの乗り物が人気ですが、ここには、名物とも呼べるアトラクション「あひるの競走」というものがあります。野田峰生さん(63歳)が8羽のあひるを操り、あひるのレースを披露してお客さんを楽しませています。60年以上続くこの「あひるの競走」、ここまで続けてきた野田さんの思い、そして、この競走の魅力を野田さんの名調子とともにお送りします。


【制作意図】
私も子どもの頃に何度も遊んだ、「あひるの競走」。野田さんの掛け声に魅了された一人でした。調べてみると、「あひるの競走」は60年以上続いていることがわかりました。遊園地で長きにわたり人気を保ち続ける「あひるの競走」にどんな魅力があるのかという思いで制作しました。


【制作後記】
取材を行っていくと、”競走を主に考えていない”という野田さんの一言にはおどろこされました。私自身、競走を楽しんでいたと思っていました。この野田さんの一言で、あひるの競走が長く続く理由がわかりました。そして、野田さんは本当に「あひるの競走」が好きだというところが見えてきました。

2013年7月 1日 (月)

ヨッチョレで人の輪つなげて~よさこい祭り60年~

2013年7月1日~7月7日放送
高知放送 報道制作局 ラジオセンター 村山 佐織


【番組概要】
南国土佐の真夏の祭典「よさこい祭り」は、今年で60回。
8月の本番を前に、観光客らによさこいの雰囲気に触れてもらおうと、5月から7月の毎週日曜日、高知市の商店街アーケードで代表チームによる「まちなかよさこい」が開かれています。
「まちなかよさこい」の中心的存在が、第1回から「よさこい祭り」本祭に連続出場している、地元「帯屋町商店街」のチーム【帯屋町筋】。よさこいを通して商店街を盛り上げるため、「まちなかよさこい」でも本番さながらに情熱的な踊りを披露しています。
番組では、【帯屋町筋】チームの運営にかかわってきた商店主たちに、よさこいの思い出や、60年目の祭りにかける思いを取材。『ヨッチョレ』(土佐弁で「脇に寄っていろ」の意)の掛け声で、むしろ多くの人の輪をつないでいる「よさこい」の魅力をお伝えしたいと思います。

【制作意図】
“自由民権発祥の地”土佐が生んだ「よさこい祭り」は、よさこい節のメロディーさえ取り入れていれば、音楽もアレンジ自由、衣装も振り付けも制約はありません。
その枠にとらわれない魅力で、いまや全国に「YOSAKOI」と名のつく祭りが広がっていますが、多くの人に愛されて『進化』を遂げてきた元祖・高知の「よさこい祭り」を、60回の節目でぜひ取り上げたいと企画しました。

【制作後記】
【帯屋町筋】の皆さんに取材をしていると、代々受け継いできた商店街への愛着と「よさこい」への情熱が伝わってきます。「第1回よさこい祭り」はちょうど高知放送開局の頃で、当時の録音が残されており、改めて聞いてみると60年前にタイムスリップするようです。
今回、踊りの迫力を「音」で伝えられればと「まちなかよさこい」会場のアーケードに何度も通いました。音楽と鳴子の音が反響するのに苦労しましたが、この踊り子との近さが「よさこい」。本番の熱気の一端を感じて下さい。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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