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2006年5月

2006年5月29日 (月)

馬と歩んだ78年~畠山孝一、チャグチャグ馬コへの思い~

IBC岩手放送 ラジオセンター制作グループ 八木沢 夕希子

畠山孝一さん(78)は岩手県内の民謡の第一人者、お弟子さんも500人はいるという大御所だ。その畠山さんが高齢になってもなお、入れ込んでいるのがチャグチャグ馬コ。

相撲取りの化粧まわしのような豪華な装束は、いまや製作できるのは畠山さんただ一人(本人談)。生きがいのひとつにもなっているという。

なぜ、ここまでチャグチャグ馬コに熱い思いを抱くのか。それは人生が馬と共にあったからだ。労働するかけがえのない仲間であり、また畠山さんに歌う楽しさを教えてくれたのも馬だった。

短い放送枠の中では、歌の紹介に時間を多く割くことができず、残念だったが、張りのある歌声はさすが名人だ。

2006年5月22日 (月)

糸がつなぐ伝統芸能

山口放送 ラジオ編制部 佐藤 純子

周南市熊毛地区の安田に約200年前の江戸時代から伝わっている「安田の糸あやつり人形芝居」をご紹介します。

地元に伝わる伝統芸能を後世に残したいという思いから、S21年に地元の有志が集まって、安田の糸あやつり人形芝居保存会、「三和会」を結成。

メンバーの皆さんが、保存、伝承のため、日々活動を紹介しています。その活動が評価され、S51年に、山口県、指定無形民俗文化財の指定を受けました。

一昨年2004年には、人形芝居の国際シンポジウムで、日本代表として公演しています。東アジアの伝統人形劇が公演される中、周南市から世界へその魅力を発信しました。

また、保存会「三和会」は、地元の小学校の子供たちに、伝承していく活動をしていますが、地元の高校生から、自分たちも伝統芸能を受け継ぎたいという申し出があり、保存会のメンバーが教えています。

確実に、保存会の思いが受け継がれています!!

2006年5月15日 (月)

くじらの町の今・昔~鯨唄の復活~

先月、和歌山県太地町で全国の捕鯨文化を守っている地域が一同に集まり、「第5回日本伝統捕鯨地域サミット」が開かれました。

商業捕鯨再開を目指して「太地宣言」が採択されましたが、会場に自主制作したDVDを配る男性がいました。太地鯨方「角右衛門組」10代目の太地亮さんです。

太地さん自身は捕鯨には関わっていませんが、400年の歴史を誇る地域の伝統文化を後世に伝えようと、途絶えていた「鯨唄」を復活させました。

わずかに残っていた録音テープをもとに新しくCDに収録し、あわせて太地捕鯨の歴史を示す映像資料をDVDに納め、二枚組を完成させました。

そして、日本政府をはじめ全国の伝統捕鯨地域の関係者が集まったサミットで配布し、「太地鯨方」の歴史と商業捕鯨の復活を訴えました。

配布された二枚組はサミットを主催した太地町、(財)日本鯨類研究所をはじめ後援した水産庁や和歌山県にも貴重な捕鯨資料として評価されました。

太地さんはもの静かな小柄な男性で、とても「鯨を捕る海に男」のイメージはないのですが、400年の歴史を後世に伝えていこうとする熱意が強く感じられました。

サミットの会場は水産関係者のみならず、全国から鯨料理の関係者などが集まり、「鯨」一色の一日でした。

2006年5月 8日 (月)

SLを陰で支えた転車台物語

ラジオ福島 編成局放送部 深野 健司

大正末期からSLを方向転換させ続けた転車台。

駅の構内にあり、地味ですがSLには必要な存在です。しかし、SLが鉄道輸送の役割を終えた昭和40年代に多くの転車台も使われなくなりました。

福島県には現在も現役バリバリの転車台がまだいくつか頑張っています。元国鉄OBの瀧田上之助さん(75)が、郡山駅と会津若松駅の転車台を訪ねます。

2006年5月 1日 (月)

よみがえった農村舞台

四国放送 ラジオ編成制作部 新井 明美

農村舞台とは、神社の境内に建てられ、歌舞伎や人形浄瑠璃用の舞台で、農家の人たちの楽しみでした。

昭和42年から調査研究が全国で実施された時、全国の96%にあたる208棟の人形浄瑠璃舞台が徳島にありましたが、その多くは朽ち果てようとしていました。

犬飼農村舞台も例外ではなく、休止状態でしたが、五王愛博さん、はじめ地元の人たちの熱意により、保存会を設立し、復活上演しました。

それ以来、毎年、五王神社の祭礼行事として公演しています。今回も前日の11月2日から取材にうかがいましたが、多くの人たちが準備に追われ熱気にあふれていました。

鎮守の森にひっそりと建っている舞台も当日は800人ぐらいに人たちで境内は埋め尽くされていました。外国人の方もチラホラ。

演目の中に必ず入っている傾城阿波の鳴門、順礼歌の段では目頭をおさえている方が何人か見受けられました。

農村舞台は徳島が全国に誇る文化財。数年前から見直され、なくしてはいけないと、2003年には「阿波農村舞台の会」が設立されました。

ほかにもいくつかの農村舞台が発見され、今は7ヶ所で公演されるようになりました。なくしてはいけない郷土の財産と思い取り上げました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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